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Databricks AppKit・AI Dev Kit・aitools MCPの違いと使い分け

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Last updated at Posted at 2026-02-19

はじめに

Databricksがエンタープライズアプリ開発のための新しいツールを次々とリリースしています。2026年2月17日に公開された公式ブログでは、Databricks AppKitReplit連携が発表されました。

ただ、これと似たツールとしてAI Dev Kitも存在しており、さらにDatabricks CLIにはMCPサーバーも組み込まれています。それぞれ何が違うのか、実際に試してみたので整理します。

3つのツールの全体像

Databricksのアプリ開発・AI開発支援には、現在以下の3つのツールが存在します。

ツール リポジトリ 一言で言うと 言語
AppKit databricks/appkit アプリの「骨格」(フレームワーク) TypeScript
AI Dev Kit databricks-solutions/ai-dev-kit AIコーディングアシスタントの「知識」(スキル集) Python中心
aitools MCP Databricks CLIに組み込み AIコーディングアシスタントの「目と手」(データアクセス) CLI

これらは排他ではなく補完関係にあります。

ツール間の関係についての補足

AppKitはデプロイ後もユーザーに使われるプロダクトの一部(アプリの中身)ですが、aitools MCPとAI Dev Kitはどちらも開発時にAIコーディングアシスタントを支援するツールです。つまりaitools MCPとAI Dev Kitは同じ「開発支援」レイヤーに位置しており、MCPツール/データアクセスの領域では機能的な重複があります。

両者の違いは主に出自と提供形態です。aitools MCPはDatabricksプロダクトチームが開発しCLIに組み込まれているのに対し、AI Dev KitはField Engineeringチームが提供するコミュニティ寄りのツール(SLA対象外)です。AI Dev Kitにはスキルファイル(Spark Declarative PipelinesやDatabricks Jobsなどのベストプラクティスを記述した静的なドキュメント群)が含まれており、この部分はaitools MCPにはない独自の価値です。

いずれもプレビュー/実験段階であり、今後統合や棲み分けが進む可能性があります。

Databricks AppKitとは

AppKitは、Databricks Apps上で動作するアプリケーションを構築するためのNode.js + ReactのフルスタックTypeScript SDKです。

特徴

  • プラグインアーキテクチャ: 認証、キャッシュ、ストリーミング、テレメトリなどをプラグインとして提供
  • 型安全なSQLクエリ: SQLファイルを書くとTypeScriptの型が自動生成される
  • 本番対応機能: リトライ、エラーハンドリング、OpenTelemetryによるオブザーバビリティを組み込み
  • AI開発最適化: llms.txtやCLAUDE.mdが同梱されており、AIコーディングアシスタントでの開発を明確に想定
  • Databricksネイティブ: SQL Warehouse、Unity Catalog、Lakebase(PostgreSQL)、Model Serving Endpointsとシームレスに統合

2つのパッケージ

@databricks/appkit(コアライブラリ)

createApp()でアプリをブートストラップし、Express + Viteベースのバックエンドを構成します。Lakebase接続(createLakebasePool())やUnity Catalog連携も組み込まれています。

@databricks/appkit-ui(UIライブラリ)

ReactベースのUIコンポーネント群です。AreaChart、BarChart、LineChart、DataTableなどのデータ可視化コンポーネントに加え、Button、Card、Dialog、Sidebarなど約60種類のUIプリミティブを提供します。

注意点

現在プレビュー段階(v0.5.3)で、本番環境での使用は非推奨です。APIは実験的で、破壊的変更が予告なく発生する可能性があります。

AI Dev Kitとは

AI Dev Kitは、Databricks Field Engineeringチームが提供するAIコーディングエージェント向けツールキットです。

Claude Code、Cursor、Windsurfなどのコーディングアシスタントに、Databricks開発の「スキル」(ベストプラクティスやコンテキスト)を注入します。

含まれるスキル

  • Spark Declarative Pipelines(ストリーミングテーブル、CDC、SCD Type 2、Auto Loader)
  • Databricks Jobs(スケジュールワークフロー、マルチタスクDAG)
  • AI/BI Dashboards(可視化、KPI、分析)
  • Agent Bricks(Knowledge Assistant、Genie Space、Multi-Agent Supervisor)
  • Lakebase
  • Databricks Apps(Python、APX)
  • その他多数

AppKitとの違い

AppKitが「アプリそのものを構築するSDK」であるのに対し、AI Dev Kitは「AIコーディングアシスタントがDatabricksの正しい書き方を理解するためのナレッジ集」です。AppKit以外の開発(ノートブック、ジョブ、パイプラインなど)にも広く使えます。

aitools MCPサーバーとは

Databricks CLIに組み込まれた実験的なMCPサーバーです。AIコーディングアシスタントにワークスペースのテーブル参照やCLIコマンド実行能力を与えます。

AppKitやAI Dev Kitの「知識」とは独立して動作し、AIコーディングアシスタントに「Databricksのデータを直接見て操作する能力」を提供する役割です。

AppKitを試してみる

前提条件

  • Node.js v22以上
  • Databricks CLI v0.287.0以上
# Databricks CLIのアップグレード(mac)
brew upgrade databricks

# バージョン確認
databricks -v

方法A: CLIでの手動セットアップ

# アプリの初期化(対話形式)
databricks apps init

# ローカル開発
npm run dev

# デプロイ
databricks apps deploy --profile DEFAULT

Screenshot 2026-02-19 at 10.55.58.png

databricks apps initがAppKitベースのプロジェクトをスキャフォールドしてくれます。

ローカルで動作確認します。

cd taka-app
npm run dev

Screenshot 2026-02-19 at 10.56.57.png

方法B: AI-first(MCPサーバー + Claude Code)

1. MCPサーバーのインストール

databricks experimental aitools install --profile DEFAULT

対話形式でどのAIコーディングアシスタントに設定するか聞かれます。

Which coding agents would you like to install the MCP server for?

Install for Claude Code?: yes
✓ Installed for Claude Code                 

Install for Cursor?: no

Screenshot 2026-02-19 at 11.38.08.png

MCPサーバーはユーザーレベルで動作します。そのプロファイルに紐づいたユーザー自身の認証情報・Unity Catalogのアクセス権限がそのまま適用されるため、管理者権限は不要です。

2. Claude Codeでアプリを生成

新しいディレクトリを作成してClaude Codeを起動します。

mkdir ~/my-appkit-app
cd ~/my-appkit-app
claude

最初にAppKitのドキュメントを読ませるのがおすすめです。

Read the AppKit documentation by running: npx @databricks/appkit docs
Then use this knowledge to help me build apps.

その後、アプリの生成を依頼します。

Create a new Databricks AppKit app that:
- Connects to my SQL Warehouse
- Queries the samples.nyctaxi.trips table
- Shows a bar chart of trip counts by hour of day
- Shows a summary table of average fare by pickup zone
Use --profile DEFAULT for all databricks CLI commands.

MCPサーバーが入っているので「Show me what tables are available in my workspace」のようにデータの探索もClaude Codeに任せられます。

Screenshot 2026-02-19 at 11.48.41.png

3. ローカル開発とデプロイ

# ローカルで動作確認
npm run dev

# Databricksにデプロイ
databricks apps deploy --profile DEFAULT

Screenshot 2026-02-19 at 11.31.49.png

デプロイ後はDatabricks認証、Unity Catalogのガバナンス、ワークスペースのネットワーク制限が自動的に適用されます。

複数プロファイルがある場合の注意

~/.databrickscfgに同じホストを指す複数プロファイルがある場合、以下のようなエラーが出ます。

Error: cannot resolve bundle auth configuration: resolve: 
multiple profiles matched: DEFAULT, e2-demo-tokyo, tokyo

この場合は--profileフラグで明示的に指定してください。

databricks apps deploy --profile DEFAULT

3つのツールの使い分け

やりたいこと 使うツール
TypeScriptでDatabricks Appsを構築したい AppKit
AIコーディングアシスタントでDatabricksの開発全般を効率化したい AI Dev Kit
AIコーディングアシスタントからワークスペースのデータを直接参照・操作したい aitools MCP
AIコーディングアシスタントでAppKitアプリを自然言語で生成したい aitools MCP + AppKit
全部盛りで最強の開発環境を作りたい aitools MCP + AppKit + AI Dev Kit

まとめ

Databricksのアプリ開発エコシステムは急速に進化しています。

  • AppKitはDatabricks Appsの開発体験を、従来のPython/Gradio/Streamlit系からTypeScriptのフルスタック開発へと拡張するSDK
  • AI Dev KitはAIコーディングアシスタントにDatabricks開発全般のベストプラクティスを教えるナレッジ集
  • aitools MCPはAIコーディングアシスタントにワークスペースへの直接アクセス能力を付与するツール

いずれもまだプレビュー/実験段階ですが、特にMCPサーバー + AppKitの組み合わせによるAI-first開発は、vibe codingでエンタープライズアプリを素早く構築する未来を垣間見せてくれます。

参考リンク

はじめてのDatabricks

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Databricks無料トライアル

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