新しいツール、新しい業務、新しい技術。自分にとって未知だったり、ちょっと知っているけれど深掘りして学びたかったりすること。
「よし、理解しよう」と思って資料や本、セミナー動画を見始めたのに、1時間後にはこうなります。
用語は増えた。
メモも増えた。
でも、全体像が見えない。
そして再度、読んでいたページへ戻る。
「おや?いま私は何を分かった“つもり”だったんだっけ?」
そうなんです。たしかに読みました。本にもアンダーラインを引きました。しかし、説明しようとすると言葉が口から出てこない。知識が脳内で迷子になっていて呼び戻せないんです。
私の場合、新しいものを吸収するとき、最初からきれいなノートを作ろうとすると詰まりやすいです。
情報の重要度も関係性も分からない段階で、正しい順番に並べるのは難しいからです。
そのため、目的が「新しい知識を吸収する」から「ノートをきれいに整理する」に切り替わってしまうのです。
なので新しいことに着手する際、まずマインドマップで情報を「散らかしながら整理する」ようにしています。
本記事では、マインドマップを使って、分からないことを見えるようにするための作業場として使う方法を紹介します。
1. 新しい情報は、最初から分類できない
新しい分野を学び始めたときは、何が大事なのか判断できません。
その状態で、たとえばノートに上から順番にこんな形で書いていくとします。
- 概要
- 用語
- 手順
- 注意点
途中で新しい関係に気づくと困ります。
「この用語、さっきの手順とつながっていたのか」
「前提知識だと思っていたものが、実は目的だった」
「例外だと思った話が、全体の中心だった」
学び始めは、情報そのものよりも、情報同士の関係が頻繁に変わります。
だから、最初から整えるのをやめました。
2. マインドマップは「清書」ではなく「仮置き場」にする
そこから伸ばす枝は、ひとまず次の5つです。
- 知っていること
- 分からないこと
- 用語・仕組み
- 具体例
- 次に試すこと
この時点で、正確な分類は目指しません。
同じ内容が複数の枝にあってもよいですし、アナログでもデジタルでも構いません。途中で枝を移動してもよいですし、仮説や勘違いもいったん書いておきます。
いまは素材を集める時間で、大切なのは、頭の中だけで抱えている状態をやめることです。
分からないことが文字になると、「なんだかよく分からない」という巨大な不安が、たとえば「この3点を確認すればよい」という小さな作業に移り変わることが多いです。
3. 文章より先に、関係を線で見る
マインドマップの利点は、情報を短い言葉で置き、線で関係を示せることです。
たとえば、新しいシステムを設計するときは、エンドユーザーからの困りごとを分解していくと次のような枝ができます。
- 目的
- 誰の、どんな困りごとを解決するか
- 入力
- どこから、何が入ってくるか
- 処理
- 何を判断・変換するか
- 出力
- 誰に、何を返すか
- 例外
- 失敗するときは何が起こるか
- 運用
- 誰が確認し、どこを直すか
文章で読むと別々に見える情報も、線でつなぐと流れとして見えてきます。ここで、「入力は分かったけれど、出力先がない」「通常時の説明はあるけれど、例外時の担当者が分からない」といった穴も見つかります。
理解した内容より、枝が伸びない場所の方が重要だったりします。
なにより、リストで一覧にしていくよりも、困りごとの相互関係がつながり、エンドユーザーが本当に求めているものが何か見えてくることも多いです。
4. 分からない枝を、そのまま質問リストにする
学習中に手が止まる理由の一つは、疑問が増えすぎることです。
調べる。
別の知らない言葉が出る。
さらに調べる。
最初の疑問を忘れる。
そして、スタート地点とは全然違う興味に遷移し、気づけば深い海に潜っている気分になります。
寄り道の誘惑は強固ですね。
私はその対策として、疑問が出たら「分からないこと」の子ノードへ追加します。その後、疑問を次の3種類に分けます。
- 今すぐ必要:分からないと次へ進めない
- あとで必要:実際に使う段階で確認すればよい
- 今回は不要:興味はあるが、目的から外れる
この分類を入れると、調べ物が無限に広がるのを防げます。
知識を増やすことと、今回の目的を達成することは、似ていますが同じではありません。
5. 最後は「次に試すこと」へ変換する
マインドマップを作って満足すると、きれいな理解だけで終わりがちです。
それでは少しもったいないので、最後に必ず「次に試すこと」のノードを追加します。
たとえば、次のようなトライを、極力小さな行動になるよう追加します。
- 公式ドキュメントのサンプルを1つ動かす
- 入力から出力までをフローにして自身に説明してみる
- 分からない用語を3つ確認する
- 同じ作業を小さなデータで再現する
- 誰かに5分で説明し、詰まった箇所を戻す
「理解する」だけではゴールが曖昧です。
私は、学習のゴールを「自身または他者に説明する」「作成する」といった一段階踏み込んだ行動に設定することで、分かったつもりを減らすようにしています。
6. マインドマップからナレッジ化
マインドマップは考える途中には便利ですが、そのまま共有資料にすると読み手を迷わせることがあります。
ある程度理解できたら、自身のナレッジデータベースに登録して、知識の定着を図ります。
知識の定着の方法の一手については、この記事をぜひご覧ください!(自分の作成記事のPRコマーシャルです)
https://qiita.com/tajima_kaien/items/ad6f598f251a664bc2c4
7. まとめ:理解する前に、まず散らかしてよい
新しいものを学ぶとき、最初からきれいに理解しようとすると、“きれいにするため”だけに、分からない自分と戦うことになります。
だからノートは極力単純に、シンプルに、考える余地をなくして学びや解析を行っています。
- 知っていること・分からないこと・用語・具体例・次の行動へ仮置きする
- 情報同士の関係を線で見る
- 疑問を「今すぐ・あとで・今回は不要」に分ける
- 最後に、小さく試せる行動へ変換する
「散らかしてもいい」「上書きしてもいい」「変更してもいい」というフィールドでメモをすることで、本来の学びに集中できる環境を取得する。この一手として本記事が参考になれば嬉しいです。