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GPU マイニングを始めてから 4 年経ったので振り返る(2021/04/20. 完結編)

Last updated at Posted at 2021-04-19

Screenshot from 2021-04-18 16-23-26.png

総評

長くつらく厳しいマイニングの冬(2018 ~ 2019)を乗り越え, 今年は HODLer と GPU マイナーに春が訪れました. :cherry_blossom:

2020 年春は BTC 40 万円まで暴落してどうなることかと思いましたが, 夏頃からは Uniswqap, Compound などの DeFi 需要による ETH マイニング報酬の上昇,
後半(2021 年明け)は怒涛の BTC, ETH 最高値更新(機関投資家の資本流入, Coinbase 上場) + NFT ブームによるものでした.

2020 年 4 月 20 日時点では, 29 MH/s で 0.0022 ETH/day(0.054 mBTC/day. 日本円にすると 40 円/day くらい) と, 昨年からあまりかわらない感じです(たまたま?). 1 ETH も 19,300 円くらいと, 昨年同時期とあまり変わりありませんでした.

2021 年 4 月 20 時点では 29 MH/s は 0.0013 ETH(0.053 mBTC/day. 320 円)でした. 1 ETH は 24.5 万円くらいと, 昨年同時期より 10 倍以上(!)となりました.

掘れる ETH は半減しましたが, mBTC/day 量は変わらず, 円換算だと 8 倍くらいとなりました(RX470 8GB でも電気代(24 円/kWh 想定)引いても収益がでるようになっていてすごい)

過去の振り返りはこちら

GPU マイニングを始めてから 3 年が経ったので振り返る
https://qiita.com/syoyo/items/626d60d9051ed5cc102b

GPU マイニングをはじめて 2 年経ったので振り返る(2019 年 4 月 20 日)
https://qiita.com/syoyo/items/2dfbd179d2fcca138fb1

GPU マイニングをはじめて 1 年経ったので振り返る(2018 年 4 月 20 日)
https://qiita.com/syoyo/items/b549c33552fd169f0ca6

振りかえる.

振り返るのは 2020/05 ~ 2021/04/20 の期間です.

5/7 : Ravencoin fork で KAWPOW になり Nicehash で KAWPOW 祭り(Titan V 150W で 35 MH/s で 0.16 mBTC/day(150 円ほど))

5/8 : BTC/JPY 100 万円回復

5/21: teamredminer 0.7.1 で Ubuntu 18.04 amdgpu-pro 20.10 で Radeon VII 79 ~ 80 MH/s @ 130W (samsung memory), 62C @ 室温 27 度で空冷, でました. ありがとうございます.

5/31 : BTC/JPY 100 万円超え

6 月 : 特段なにも無しで安定的なマイニング収益がえられました.

7/10 : Haven(XHV)が xUSD のための HF + DeFi 関連の期待からか 6~7 倍に値上がり(200 円/Haven). 2019 年を通してマイニングしていればがっぽがっぽできました.

7/24 : nicehash で TITAN V 200 円/day 超え. Radeon VII は 300 円/day 超えが見えてきました. ETH/JPY 3 万円間近.

7/27 : BTC 106 万円($10,000 USD)超え :tada:

8/1 : BTC 120 万円超え. nicehash で Radeon VII 400 円/day 超え :tada:

8/15 あたり. DeFi ブームのおかげで nicehash で Radeon VII 500 円/day 超え(0.4 mBTC/day) :tada:

9/1: nicehash で Radeon VII 800 円/day 超え(0.6 mBTC/day)

9/4: ETH 2020 最高値圏(5 万円)からの大暴落 :cry:

9/17: nicehash で再度 Radeon VII 0.6 mBTC/day(650 円/day). RTX 3080 発売(およそ 300 円/day(0.3mBTC/day)).

9/30: DeFi ブーム終了. 普通に戻る

10/20: BTC 最高値更新 :tada: 133 万円 (しかしマイニング収益自体はあまり変わらず(mBTC/day が下がる))

11/05 : BTC/JPY 150 万円 :tada: (しかしマイニング収益自体は下がる(mBTC/day が下がる))

11/13 : BTC/JPY 170 万円 :tada: Eth 125 MH/s で 0.25 mBTC/day(430 円くらい)

11/26 : BTC/JPY 200 万円間近からの 170 万円への暴落. nicehash RTX 3080 90 MH/s @ 220W で 0.2 mBTC/day(~ 350 yen/day)

11/30 : BTC/JPY 再度 200 万円 :tada:

12/01 : eth2 phase-0 launch :tada:

12/05 : 3080 90 MH/s @ 220W で nicehash 0.165 mBTC/day(~330 円/day)ほど.

12/10 : Ether clone(?) の Conflux(PoW は anti-ASIC の Octopus)がアツい. 2080 Ti 58 MH/s @ 220W で 25 CFX(~300 円/day) と 2080 Ti でも再度収益のきざしが出てきました.

12/14 : XMR/JPY 15000 円超え! CPU になりますが, 年初あたりで Ryzen 3xxx 系でマイニングして HODL していたらそこそこの収益になっていたでしょう.

12/17 : BTC 200 万円超え! :tada:

12/末 : 怒涛の BTC 上げ. 3080 91 MH/s @ 220W で 0.2 mBTC/day(600 円/day)になることも.

2021/01/04: ETH/JPY 10 万円回復からの BTC フラッシュクラッシュ. 取引需要増えたからか nicehash で Radeon VII 史上初の 0.4 mBTC/day(1000+ 円/day)達成(短期ではあったが).

01/07 : BTC/JPY 400 万円到達 :rocket:

01/11 : BTC 420 -> 320 万円へ暴落. しかし nicehash RTX 3080 では 0.4 mBTC/day(1300 円/day)と高収益.

01/19 : ドル建て ETH 最高値更新 :tada:

02/09 : Tesla の BTC 購入ニュースにより BTC 500 万円 :tada: 3070 が概ね安定して 0.17 mBTC/day(700~800 円/day)の状況.

02/10 : 半導体不足, 輸送費上昇, マイニングブーム再来などにより, GPU 不足の状況となり, 3090, 6900xt/6800xt くらいしか売っていない状況. GPU 買取価格上昇 https://www.gdm.or.jp/specialprice/2021/0211/380519
RX470(8GB)など第一次(?)マイニングブーム時の遺産 GPU が高く売れる状態(ヤフオクで例のグラボ(RX470 8GB) 2 万円台)

コスパいい GPU を選ぶ, GPU の電力効率性能や効率良いアルゴリズムを考慮というのは通用せず, 資材調達コストやサプライチェーンも考慮して GPU 選定しないといけないレヴェルへとなりました.
(制約条件が増えた中で最適化パラメータを求める必要が出てきた. GPU 先物市場の創立が求められる)

02/16 : RTX 3090 や 6900XT がわずかに残るくらいでその他 GPU は枯渇. 発売時は税込で 6,000 ~ 7,000 円で叩き売られていた例のグラボ(RX470 8GB)は, ヤフオクで 2 万円の値がつく.

02/17 : BTC 一時 50K USD 突破 :tada:

02/18 : NVIDIA がマイニング用 GPU CMP を発表

02/19 : NFT ブーム関連で連日の RVN 暴騰. 25 円へ.

03/20 : GPU 枯渇. Conflux が力強く成長(80 円台). 例のグラボ RX470 8 GB が 3 万円台に.

04/01 : ETH USD 2000 ATH :tada:

04/13, 14 : BTC 63K(690 万円), ETH 25 万円 ATH :tada:

04/18~20 : BTC 700 万円からの突然の暴落(580 万. BTC 52K). やや先行きに不安が...

HW とマイニングしたコイン

今年は RTX 30xx が性能よかったです. 管理もとても楽でした.
AMD は Radeon VII, Big Navi(RX 6xxx) が電力効率の点でよかったですね.

コインは主に以下をマイニングしました.

  • BTC(nicehash)
  • XHV(Haven). 2020 年冬くらいまで. VEGA 系がベストでした(VEGA の延命にやくだった). 2018 年ごろ 20 円台のころにマイニングして HODL しておけばがっぽがっぽでしたね.
  • ETH(Radeon VII, RTX 30xx がベスト)
  • RVN 2021 年 DOGE イベント以降値上がりし再注目を集めた(RTX 30xx 系で効率良い. 今後に期待). こちらも 2018-2019 年にマイニングして HODL しておけばがっぽがっぽ.
  • CFX. Conflux. RTX 20xx 延命に役立つ. 2020 年末 10 円台 -> 100 円台(2021/04). 今後に期待

故障, 不都合について

故障

GPU は故障ありませんでした

4 年運用して得た経験としては, たとえ真夏室温 45 度となろうとも,

powerlimit 運用すれば新品 GPU は壊れない(少なくとも 4~5 年は持つ)

と言えることがわかりました.

大切なことのなのでもう一度言います.

powerlimit 運用すれば新品 GPU は壊れない(少なくとも 4~5 年は持つ)

特に, NVIDIA 30 系, rx6xxxx は大型化し高品質な部品を使っている感があり, より壊れづらい感があります.

今期は中古 GPU は調達しませんでしたが, 過去の経験からすると中古はやはり一定の割合で壊れるのを覚悟でしょうか. ゲーマーによるオーバクロック運用が原因ではないかなと思いますね.

したがってどうしても中古を調達する場合は powerlimit 運用でマイニングに使われた GPU を求めましょう
(残念ながら各個体がどのような条件で運用されていたかを知ることはできないですが... いずれブロックチェーンで稼働状況を記録し, 健全な(?) GPU 中古取引市場が出てくるやも?)

HW の故障というわけではないのですが, Navi(RX5700)のドライバの出来が良くない感があり, RX5700 はたまに認識しなかったり動作不安定な時がありました(Windows, Linux 両方).

マイニング以外の PC になりますが, メモリの故障が 1 件ありました.
マイニング PC で動作が不調なときは, メモリを疑い memtest を走らてみるのもいいかもしれません.

不都合

水冷運用のノードが, ポンプが数ヶ月に一回くらい止まったりたまに起動時 GPU 認識しないなどありました
(電源ケーブルを抜き差しすると治る).
どうも電源 or マザーボードの相性か不調のようでした.

2020 年の 8 月はほぼ毎日猛暑日(35 度超え)でしたが, 室温 40~45 度でも特に問題なく GPU は動作してくれました(いくらか熱によりハッシュレートは落ちましたが).
GPU 温度は ~75 度くらいに収まってくれました.

1080Ti + X570 マザーなマシンがいきなり電源が落ちるインシデントが 9 月の終わりに数回ありました.
(再起動すれば治る). 電源が不安定のようでした. 電源を交換してひとまず解決.
電源はいいのを選んでおいたほうがよさそうです.

10 月, x99 マザーで Ether ネットワークが切れる問題が 1, 2 回. Etherケーブル抜き差しして解決.
(マザーボードの熱あたりが原因でしょうか)

X570 の安いマザーボード: 連続動作不安定. 1 or 2 日経つとマザーボードのオーバーヒートかなにかで動かなくなる. 起動しないときもたまにある.

X570 のそこそこいいマザーボード: GPU(PCI)が複数枚うまく認識しないときがある. 何度か起動しなおしたりすると認識したりする.

マザーボードの PCI がうまく認識しないのは, OS を起動してからでないと確認できないので無駄に時間が経ってロスしてしまいますので, へんにケチらないでいいのを買った方がよいですね(理想は x299 や x399/TR40 などのワークステーション向け)

感覚的にですが Intel 系のマザーボードのほうが不都合は少ない感があります.

マイニングしたコインについて

今年は, DeFi を試したり, 法人の場合, 保有量が損益に与える影響も大きくなり決算対策(法人の場合, 3/31 の時価で利益・損益が算出されるため, 含み益や含み損があっても問答無用で 3/31 の時価で評価しないといけない. 例えば期末に暴騰しその後暴落すると法人税が払えなくなり破綻してしまったりする. 逆に期末時暴落すると会計上は債務超過になったりしたりしてこれもまずい)でいくらか交換したのがありましたが, 基本 HODL でした.

DeFi の発展のおかげで, WBTC(wrapped BTC), ibETHv2(Alpha Homora v2 interest bearing ETH2) あたりでビットコインや ETH 保有したままレンディングで増やしたり, GPU 代や法人税支払いのためにステーブルコインを borrowing(借り入れ)することができるようになりました.

今後は資産防衛(e.g. オプションによる損失の限定, 株式や不動産などのより税務的に有利な資産に変える)も考えなければならないでしょう. 税制を AI で解析し, 動的計画法などで資産をうまく運用していくアルゴリズムが求められます.

Ethereum 総ハッシュレートの記録

記録用です.

Screenshot from 2021-04-18 16-32-52.png

2021/04/20 時点では半導体不足, GPU 不足が叫ばれていますが, ハッシュレートは年初からコンスタントに増えています. 古い GPU を再稼働しているのか, GPU(or Ethash ASCI)が製造されるごとに逐次マイニングに投入されているのですかね.

4 年前にマイニングを始めたときの RX470(8GB) でも現在で 320 円/day ほどの収益が出ているのには驚きますね(掘れる ETH はすごく減りましたが...)

2021 年 GPU マイニングの見通し. そして GPU マイニングを超えて

DeFi の発展などで一定の需要があり価格サポートが期待されるため, 一時的に BTC, ETH が半額になるのはあるかもですが, 2018~2019 のような価格が 1/10 になる下落基調はもう無さそうな気がします.

2021/06/06 追記: 5/20 あたりに暴落があり BTC, ETH がピークから半額近くになりました. ここから下落基調になるやも...?

2021/10/20 追記: 半値近くからの暴落から回復し ATH! ビットコインは 750 万になりました. :tada:

ETH はハッシュレート上昇によりマイニングしづらくなる(and PoS 移行してマイニングできなくなる)でしょうが, 他の PoW コイン(e.g. Ravencoin, Conflux)の GPU マイニングにスイッチすることで一定の収益を得られるでしょう.

マイニングで得た収益を $RIOT, $MARA などの株式に変える, BTCST などのハッシュレートに紐づいたユーティリティートークンに投資で間接的にマイニング投資という手もでてきました.

un-mineable の登場で, nicehash のようにハッシュパワーの報酬を好きなコインで得られるサービスもでてきました.

今後は un-mineable などで自分の考える "推し"コインをマイニング(最近ですと NFT 関連のコインですかね), または Solana のように GPU を活用するようなバリデータノードを建ててバリデータ報酬を得る(neary equals GPU mining)のが流行ってくるかもです.

Cortex のように, ブロックチェーン上で機械学習の推論をうごかす(GPU マイニングすると ML 推論も処理するのかな?)というのも出てきています.

GPU マイニングとのあり方を見つめ直し, GPU マイニングと共に生きよう

GPU の値上がりと品不足, 機関投資家や $RIOT $MARA などの米国上場企業の (ASIC) マイニング参加, Hut8 による CMP series の大口購入など, マイニングの規模を拡大するというのは資本の勝負となってきています. 単純に市販 GPU を並べて GPU マイニングの規模を拡大するのは中規模なマイナーでは太刀打ちできず, 大手に集約されていくことでしょう.

個人や場末のマイナーはどうか?

マイニングで収益出なくなっても撤退コストも小さい(or ほぼ無い)ですし, powerlimit きちんとしておけば特になにも考えなくとも現状は電気代を引いても十分な収益が出ます.

しばらくは GPU は品薄で贅沢品になりそうですから, レイトレしたり機械学習したりのあいまにマイニングをして, GPU 代の足しにしたり電気代の足しにしたりなにかお小遣いに使う,まとまったお金が要り様になってきたら GPU を売却などというのが主流になってきそうです.

NFT の発展により, GPU マイニングしてゲーム内の NFT アイテム(e.g. マインクラフトの NFT)を得る, というのも出てくるでしょう.

ソフトウェアのサービス(e.g. 1000 円/月の VPS サーバ代とか)や, 低額の価格のモノなどは, GPU マイニングしてその対価を(JPYC などで)払うなどもでてくるでしょう.

長期的には, GPU マイニングにより, 社会における価値(信頼)のシステムが変わっていくでしょう. スマホやインターネットのように, 1 家に一台 GPU マイニングが当然のものとなり, 個々人が非中央集権でブロックチェーンによるトラストレスシステム, 信用創造システムを支えるという社会が確立されていくかもしれません.

人類は GPU マイニングとのあり方を見つめ直し, GPU マイニングと共に生きる道をさぐるフェーズに来ていると思います.

まとめ

昨今は Nicehash や HiveOS など使えばほぼ何も考えずに電力効率よく GPU マイニングできるようになりました. 技術的なネタ(e.g. Linux でドライバの電力パラメータ変えるとか)はもうないです.

インフラ運用の点としても, とりあえずミドルレンジ以上のパーツつかっておけば室温 45 度になろうともまず問題は出ないことがわかりました.

技術的にもインフラ運用の点でももう十分知見を得た気がしますし, 今後特に極めるべきこともないので, GPU マイニングを振り返るのはこれで終わりにします.

TODO

  • GPU マイニングと共存し, この先生きのこる道を探す旅に出る
  • 火星の土地を手に入れ, 火星で GPU マイニングしたい
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