(2020/04/27 追記) GPU マイニングの振り返りは 1 年後完結しました.
GPU マイニングを始めてから 4 年経ったので振り返る(2021/04/20. 完結編)
https://qiita.com/syoyo/items/7f43bca15bc37b12aa7e
GPU マイニングをはじめて 3 年が経ちましたので振り返ってみます.

3 年というのは,
- 小学 4 年生が中学生 1 年生になるくらいの期間
- Ryzen7 1800X が 2017 年 3 月に発売されてからの期間
- GPU マイニングを始めてから 1,000 日以上経過
に相当ですね. 時が経つのは早い.
振り返るのは 2019/04 ~ 2020/04 の期間です.
過去の振り返りはこちら
GPU マイニングをはじめて 2 年経ったので振り返る(2019 年 4 月 20 日)
https://qiita.com/syoyo/items/2dfbd179d2fcca138fb1
GPU マイニングをはじめて 1 年経ったので振り返る(2018 年 4 月 20 日)
https://qiita.com/syoyo/items/b549c33552fd169f0ca6
2019 年 4 月 20 日時点では, 29 MH/s で 0.0023 ETH/day と, 昨年から 1/2(2017 年 4 月 20 と比べて 1/20)になってしまいました. 1 ETH 19,000 円ほどなのでかなり残念です(日本円にすると 42 円/day くらい).
2020 年 4 月 20 日時点では, 29 MH/s で 0.0022 ETH/day(0.054 mBTC/day. 日本円にすると 40 円/day くらい) と, 昨年からあまりかわらない感じです(たまたま?). 1 ETH も 19,300 円くらいと, 昨年同時期とあまり変わりありませんでした.
2019/04 ~ 2020/04
5/10 : TITANV で $KOTO マイニングが 700 kotos/day くらい.
5/12 : BTC/JPY 80 万円超え. Radeon VII 67 Mh/s @ 120W で 130 円/day(0.17 mBTC ほど)
6 月 : モナコイン暴騰. ただし Lyra2Rev2 が GPU でマイニングできた時から考えると暴騰というわけではないので, 過去にモナコイン GPU マイニングしていた HODL 勢にはあまり影響はありませんでした.
6 月中旬~ : BTC 100 万円超え. 2080 Ti で Grin31 1.6 ~ 2.0 G で 300 円/day, Radeon VII 67 Mh/s @ 120W で 200 円/day ほどに回復. 2018 年 6 月の 0xBTC マイニングブームを思い出させる展開となりました.
6 月下旬 ~ 7 月上旬 : 150 万円近くから 110 万円に下落.
7/5 : Radeon VII @ 120W で 67 MH/s で 0.14 mBTC/day(170 円/day)
7/中旬 : YCash のフォーク. YCash マイニングはじめました(1 YEC ~= 300 円) => 2020 年 4 月 20 日は YEC/JPY 9.8 と 1/30 に暴落 )
7/25 : BTC 100 万円付近
7/31 : 相場は低調
8 月中旬 : 相場はさらに低調. 2080 Ti でも 100 円/day いくかいかないか. 猛暑により室温が 45 度近くになり GPU マイニングを控えなければならない(GPU 自体は高温環境下は問題なさそうであるが, 執務スペースで回しているため他の電子機器に影響が出てしまう(スマホなどのリチウムイオンバッテリーが膨らんでしまうなど バッテリー膨張はたまたま同時期に発生しただけのようで, 因果関係があるとは言えないかも)
9/中旬 : Titan V(powerliimt) でも 100 円/day(0.1 mBTC/day)でかなしいが, アルトコイン系がやや持ち上げてきた感がある. LOKI/BTC が一時期 10 倍というイベントも. nicehash が新しいプラットフォーム(アカウント登録しないと使えない?)に移行.
~12/E : Titan V(poerlimit) で 60 円/day くらい. 真っ赤かの大赤字のレベル
12/E : Ryzen 3950X で xmrig で RandomX 13500 H/s @ 120W(32 GB mem + mobo + 1070 Ti システムトータル). 13.5 H/s だとおよそ 130 円/day 程度.
01/08 : 米, イラン関連で JPY/BTC は 90 万/BTC に回復
01/19 : BTC/JPY 100 万円回復. TITAN V(125W powerlimit)で 100 円/day(0.11 mBTC/day) くらいに回復.
01/E : ETC(Ethereum Classic)突然の暴騰(一ヶ月くらいで 400 円くらいから 1400 円). 2019/04 から ETC をひたすらマイニングしていたら黒字になっていたかもしれません(400 円台時, RX5700 42 MHz@100W で 50 円/day ほどだった).
02/M : RX5700 48 MH/s @ 105W で 0.0933 mBTC/Day(0.96 USD/day)で 100 円/day 達成.
02/17 : nicehash の収益表では, Radeon VII が 220 円/day(powerlimit なし)に
ETH 25MH/s で 0.05313 mBTC/day(0.55 USD/day)と, RX470 あたりでも一般家庭電気代(24 円/kWh 想定)ととんとんくらいに.
03/05: コロナウイルス関連で再度低調
03/12 BTC/JPY 62 万円ほどに暴落
04/B: CPU マイニングになりますが, Ryzen 3900X で -0.1 mV undervolting, -100 MHz underclock して, RandomX 12000 H/s くらい. 3950X とあまり変わらない感じですね.
PhoenixMiner で Radeon VII 130W で Ethash 75 MH/s で, GPU 温度 60 度で本当によい.
04/M: 低調にもどり, Radeon VII, TitanV でも 100 円/day 以下.
04/20 : ちょこっと回復
感想
2019 年はマイニング界隈では特に大きな事件やイベントもなく, マイニングプログラムも安定してうごいたので, 特にドラマティックなことはありませんでした(コロナで暴落があったくらい).
メジャーアルト以外のアルトコインはつらいものがありましたので, GPU はだいたい Cuckatoo31(1080 Ti/2080 Ti) or ethash(VEGA, Radeon VII) で, Cuckatoo31 は nicehash につないで BTC に交換をメインにしました.
(nicehash は, 2019 年夏くらいから, マイニングのトランザクションを残してくれるようになったので, 税務申告用の集計がやりやすくなりました)
Ryzen 3000 系が出てから, RandomX などで CPU のマイニングにも収益の兆しがでてきました.
運用について
ethminer など, マイニングプログラムは十分安定動作するようになり, pool サーバも安定してうごいており, だいたい三ヶ月はなにも手をいれず放置でも十分で良いでした.
とくに, GTX 1070 + Ryzen5 1400 という組み合わせでは, 153 日連続可動してくれました.

システムのアップデートやドライバアップデートで再起動したり, アルゴリズムが変わるなどで対応する作業以外は手間がかからない子になってくれてほんとうによい感じでした. 時々ちょこっと手入れする感じで, GPU 盆栽みたいな感じでしょうか.
障害について
水冷運用していたノードが, 流れが詰まって(?)うまく水が流れない状況が一回発生しました(GPU は熱暴走を感知したのか, PCI bus detach 状態となり故障にはいたらなかった)
チューブなど配置を整理して, 水が流れるようにしました. リモートで水冷運用する場合, 流水計で流れをモニターは必須になりそうですね.
水冷 Titan V が, これも熱暴走したのが一回発生しました(HDMI が出ない状態). いったん PC の電源を落として冷やしたら解決.
Windows PC で, PCI gen3 x16 接続でライザーケーブルで運用しているもので障害. 負荷が上がったり, 長時間動かしていると hdmi lost 的な感じでハングする現象がありました. GPU を変えても同様. メモリは memcheck 走らせたが問題は無かった.
Windows の最新アップデートを入れたり, nicehash マイナーをひとつに絞ったり, PCI-ex 延長ケーブルや, マザーボードの清掃をして解決.
埃まわりか, Windows と miner program の相性あたりに原因があったようです.
故障について
2080 Ti が, 初期不良に当たり, インターネットなどでよく報告されているように x マークが出るメモリに起因する故障が 1 件ありました. メーカー保証期間での修理を終えて無事に稼働しました.
それ以外の故障はありませんでした. 確率の問題でもありますが, パワーリミット運用すれば GPU は故障せず十分長期運用(4~5 年)できるのではないかという感じがしてきました.
現状運用している GPU は 2.5 年選手になってきています.
GPU を 3~5 年の漢の無金利ローンで調達したいですね.
CPU, マザーボード, 電源, メモリなどについても問題はありませんでした.
(ただ, マイニングとは直接関係ないですが SATA 電源ケーブルをまちがえて SSD が過電流で発煙してダメになるのが 2 件ありました... 電源メーカーが違うと, SATA 電源ケーブルが異なるようです. 電源メーカーは揃えておいたほうがよいでしょう)
引き続き, 火災などのリスクはありますので, 埃をはらったり清掃は時々してあげたほうがよいでしょう.
転用を考慮する
RX470 系はさすがに今はマイニング効率が悪いので, COVID-19 用に Folding @ HOME に計算資源を提供するのがよい(Cure coin がまた貰えるようになっているかも?)でしょうか.
Folding と言えば, ヘッジファンドで大きく資産を形成し, ポケットマネーで 100 億円以上かけて研究所設立して MD(分子動力学)シミュレーションチップ Anton を作ったりしている DESRES(D.E.Shaw research)も, 何らかのアクティビティがありましたね.
Molecular Dynamics Simulations Related to SARS-CoV-2
https://www.deshawresearch.com/resources_sarscov2.html
もしくは, 通常の Vulkan グラフィックスや機械学習開発用に利用ですかね.
ROCm で RADV で Vulkan(compute kernel) を使うメモ
https://qiita.com/syoyo/items/ce3943757281acbdba49
マザーボードについては, TB350-BTC はややくせがありますが(たまに USB 認識したいしない), 3950X + メモリ 64 GB(32 GB x 2) 認識するので, 通常デスクトップ PC に転用もできておすすめです.
TB350-BTC の BIOS をアップデートするメモ
https://qiita.com/syoyo/items/92d755313e09dbb46bf6
売却する場合, RX470 単体だと, 今は買取上限 3,000 円くらいと悲しいので, 機械学習入門 PC, テレワーク PC として, CPU/mobo/メモリをセットにして売り捌くのも手かもしれません.
今後の見通しについて
2019 年通期は, 6 月ちょっと盛り返したものの, 総じて低調でした. 採掘報酬は基本電気代負けしているかと思います(24 円/kWh 想定).
2019 年もマイニングした通貨は売却はせずに HODL でした. 5 年後に期待でしょうか.
CPU が RandomX がしばらくよさそうです.
GPU は, Kawpow で Ravencoin に期待でしょうか.
現状ですと Radeon VII, TITAN V でも 100 円/day 以下なので, GPU マイニングはなかなか辛いものがあります. Ampere に期待でしょうか.
CPU と GPU のハイブリッドがいいのかもしれません.
今年は, Intel と AMD が HW raytracing 対応の dGPU を出す... かもしれません. CPU/GPU クラスタでレイトレーシングや機械学習の案件も出てきたので, CPU/GPU ファームを強化したいですね.
早く CPU/GPU クラスタと太陽光発電, 水力発電, 地熱発電が設置できる土地と清流(水利権付きでわさびが栽培できる清流)がほしい.