最近、Windows11の機能でWSL2を使ってOpenFOAMなどのOpenCAEをインストールすることがあり、salomemecaのWSL上でも動くという話があったのでインストールしました。
ここではUbuntuのバージョンは、22.04LTS、SalomeMecaは2022です。
こちらのサイトの情報を見ながらインストールを行いました。
https://forum.code-aster.org/public/d/27156-installing-official-salome-meca-on-windows-10-11-using-wsl2
youtubeでも導入説明があります。
1.環境構築
1.1 イメージデータのデータ保存
2つのファイルをダウンロードします。
1)salomemeca用Ubuntu22.04LTSファイル
このページ上(https://forum.code-aster.org/public/d/27156-installing-official-salome-meca-on-windows-10-11-using-wsl2)
にあるsmeca_2022_wsl2_ubuntu_22.04.tarをダウンロードします。
開発者のHASSANさんがsalomemecaを動かせるようにUbuntu22.04LTSをカスタマイズしています。
データは、Cドライブにinstallというフォルダを作り保存します。
2)salomemeca2022のバイナリデータ
公式ページ(https://code-aster.org/spip.php?article303)
からダウンロードします。
ファイル名は、「salome_meca-lgpl-2022.1.0-20221225-scibian-9.sif」です。
データは、Cドライブにsalomemecaというフォルダを作り保存します。
1.2 Ubuntu22.04LTSイメージディスクを作るファイルをつくる。
windowsのスタートメニューからwindowspowershellを検索し起動します。
そのとき、管理者権限で起動させます。環境構築やsalomemecaの起動は管理者権限でのwindowspowershellを使います。
以下のコマンドを入力します。
C:\smecawsl2
PS C:\smecawsl2> wsl --import smecawsl2 C:\smecawsl2
C:\install\smeca_2022_wsl2_ubuntu_22.04.tar
1.3 wsl -listの確認
smecawsl2があれば1.2の作業ははうまくいっています。
PS C:\smecawsl2> wsl --list
Linux 用 Windows サブシステム ディストリビューション:
Ubuntu-22.04 (既定)
smecawsl2
1.4 salomemeca2022のバイナリファイルとのリンク
salomemeca2022のバイナリデータをエクスプローラ上から\opt\sm内へコピーします。
下図は、salome_meca-lgpl-2022.1.0-20221225-scibian-9.sifをコピー済みの状態です。
/opt/sm内にリンク、いわゆるシンボリックリンクを張ります。
user@DESKTOP-FRSS8U8:/opt/sm$ ln -s /opt/sm/image/salome_meca-lgpl-2022.1.0-20221225-scibian-9.sif
うまくいくと、ls -lと入力すると、シンボリックリンクがはられているのが確認できます。
user@DESKTOP-FRSS8U8:/opt/sm$ ls -l
total 20
-rw-r--r-- 1 user user 351 Jul 17 2023 README
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Jul 17 2023 bin
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Aug 12 11:28 image
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Jul 17 2023 resources
lrwxrwxrwx 1 user user 75 Aug 12 10:43 salome_meca-lgpl-2022.1.0-1-20221225-scibian-9.sif -> /mnt/g/containers/sm2022/salome_meca-lgpl-2022.1.0-1-20221225-scibian-9.sif
2.salomemecaの起動終了
2.1 salomemecaの起動
windowsのスタートメニューからwindowspowershellを検索し起動します。
そのとき、管理者権限で起動させます。環境構築やsalomemecaの起動は管理者権限でのwindowspowershellを使います。
続いて、以下のコマンドを入力します。
user@DESKTOP-FRSS8U8:/mnt/c/WINDOWS/system32$ wsl -d smecawsl2
さらに、以下のコマンドを入力します。
user@DESKTOP-FRSS8U8:/mnt/c/WINDOWS/system32$ salome_meca
2.2 salomemecaの終了
salomemeca上から終了を行います。
user@DESKTOP-FRSS8U8:/mnt/c/WINDOWS/system32$ exit
logout
PS C:\WINDOWS\system32> wsl --shutdown
PS C:\WINDOWS\system32> exit
とおすと、windowspowershellが終了します。
3.その他やってみたこと
salomemeca2023が起動できるか「1.3 salomemeca2022のバイナリファイルとのリンク」でバイナリをsalomemeca2023に変更して、シンボリックリンクをつないでみましたが、うまくいきませんでした。
4.まとめ
Windows版SalomeMecaでインストールがうまくいかないときには、今回紹介した方法でインストールできるかと思います。
今回のインストール環境を公開したHASSANさんにお礼申し上げます。