ゆっくりテックウォッチ Advent Calendar 2025

【Supabase】もうFirebaseには戻れない！オープンソースで作る最強バックエンド

Posted at 2025-12-22

この記事はゆっくりテックウォッチ Advent Calendar 2025 の 19 日目の記事です。

個人開発の「ゆっくり動画スタジオ」でGitHub人気リポジトリの解説動画を自動生成しており、その分析データをもとに本記事も生成しています。

TL;DR

Firebaseのオープンソース代替として9万以上のスターを獲得
データベース、認証、API、ストレージ、Realtimeを統合した完全なバックエンド
PostgreSQLベースでエンタープライズグレードの信頼性、セルフホストも可能

このリポジトリについて

Firebaseのオープンソース代替となるPostgres開発プラットフォーム

Supabaseは、PostgreSQLをベースにしたオープンソースのバックエンドプラットフォームです。データベース、認証、ストレージ、Realtime、Edge Functions、AI/Vector機能を統合し、Firebaseと同等の開発者体験を提供します。ホスティング版とセルフホスト版の両方をサポートし、エンタープライズグレードのオープンソースツールで構成されています。

項目	内容
リポジトリ	supabase/supabase
スター数	94,826
言語	TypeScript
ライセンス	Apache License 2.0
作成日	2019-10-12

なぜ今注目されているのか

バックエンド構築は時間がかかり、Firebaseはベンダーロックインのリスクがある …。そんな悩みを抱えている開発者は多いのではないでしょうか。

Firebaseは確かに便利ですが、クローズドソースであり、データの移行が困難になる「ベンダーロックイン」のリスクがあります。将来的にサービスを別のプラットフォームに移行したくなった場合、大きな障壁となります。

Supabaseなら、オープンソースでFirebaseと同等の機能を提供し、セルフホストも可能。PostgreSQLベースなので、データは標準的なSQLで管理でき、いつでも移行できます。

スター推移

2019年10月に公開されてから、2020年後半に急成長を開始。2021年には月間数千スターのペースで成長し、2022年末には約4万スターに到達しました。その後も継続的に成長を続け、2025年12月現在では9万4千スターを超えています。

この急成長の背景には、Firebaseの代替を求める開発者の需要と、オープンソースへの信頼があります。

主な機能・特徴

1. Firebaseのオープンソース代替として9万以上のスター獲得

Supabaseは「Firebaseのオープンソース代替」を明確に掲げ、同等の機能をオープンソースで提供しています。ベンダーロックインを避けたい開発者に支持され、GitHubで9万以上のスターを獲得しています。

Apache 2.0ライセンスで、商用利用も自由。セルフホストすれば、完全に自分のインフラ上で運用できます。

2. データベース、認証、API、ストレージを統合した完全なバックエンド

Supabaseは単なるデータベースではなく、バックエンドに必要な機能をすべて統合したプラットフォームです：

データベース: PostgreSQL（30年以上の実績を持つ信頼性）
認証: GoTrue（JWT認証、ソーシャルログイン対応）
API: PostgREST（自動REST API生成）、pg_graphql（GraphQL対応）
ストレージ: S3互換のファイルストレージ
Realtime: WebSocketでデータベース変更をリアルタイム購読
Edge Functions: サーバーレス関数をエッジで実行
AI/Vector: ベクトルデータベース機能でAI統合

3. PostgreSQLベースでエンタープライズグレードの信頼性

Supabaseの中核はPostgreSQLです。30年以上の開発歴を持ち、エンタープライズ環境で広く使われている信頼性の高いデータベースです。

NoSQLのFirestoreと違い、SQLが使えるため：

複雑なJOINやトランザクションが可能
データの一貫性を保証
既存のPostgreSQLツールやライブラリが使える

4. JavaScript、Flutter、Swift、Pythonなど多言語SDK提供

公式SDKが複数の言語で提供されており、さまざまなプラットフォームで利用できます：

JavaScript/TypeScript: Web開発の定番
Flutter: クロスプラットフォームモバイル開発
Swift: iOSネイティブ開発
Python: サーバーサイドやAI開発

さらにコミュニティによるC#、Go、Kotlin、RubyなどのSDKも充実しています。

技術スタック

PostgreSQLベースのモジュラーなオープンソースBaaSです。

分類	技術
主要技術	PostgreSQL, TypeScript, Elixir, Go
フレームワーク/ライブラリ	PostgREST, GoTrue, Realtime, Kong
インフラ	Docker, Kubernetes, S3互換ストレージ
連携サービス	pg_graphql（GraphQL）, postgres-meta（メタデータAPI）, storage-api（ファイルストレージ）

各機能は独立したオープンソースツールとして開発されており、MIT/Apache 2.0ライセンスで提供されています。

ユースケース

ユースケース1: スタートアップのMVP開発

背景: Web開発経験のある起業家Aさんは、SaaSアプリのアイデアはあるが、バックエンド構築に時間がかかりすぎることに悩んでいました。

課題: Firebaseは手軽だが、将来的なベンダーロックインが心配で踏み切れない。

解決策: Supabaseでバックエンドを構築。PostgreSQLなのでデータは自由に移行可能。

結果: supabase.comで無料アカウントを作成し、Next.jsとSupabase SDKを使って2週間でMVP完成。投資家へのピッチで「オープンソースで拡張性がある」と評価され、資金調達に成功しました。

ユースケース2: モバイルアプリのリアルタイム機能実装

背景: フリーランスのiOS/AndroidエンジニアCさんは、チャットアプリを開発中でしたが、リアルタイム機能の実装に苦労していました。

課題: WebSocketサーバーを自前で構築するのは大変で、認証も面倒。

解決策: SupabaseのRealtime機能を使って、WebSocket通信を簡単に実装。Flutter SDKでSupabaseと連携し、認証もGoTrueで一括管理。

結果: 2か月でアプリをリリースし、App Storeで高評価を獲得しました。

ユースケース3: 企業のマイクロサービス基盤

背景: 大手企業のシニアエンジニアBさんは、マイクロサービス化を進めていましたが、各サービスのバックエンドが複雑化していました。

課題: 認証、API、ストレージを各サービスで実装するのは非効率。

解決策: Supabaseをセルフホストし、全サービスで共通のバックエンド基盤として利用。KubernetesにSupabaseをデプロイし、各マイクロサービスから統一的にアクセス。

結果: 開発速度が3倍に向上し、保守コストも大幅削減しました。

競合との比較

Firebaseとの違い

観点	Supabase	Firebase
ライセンス	オープンソース（Apache 2.0）	クローズドソース
セルフホスト	可能	不可
データベース	PostgreSQL（リレーショナル、SQL）	Firestore（NoSQL）
学習曲線	中程度（PostgreSQL知識が有利）	低い（初心者向け）
エコシステム	成長中	成熟

Supabaseを選ぶべきタイミング: ベンダーロックインを避けたい、SQLを使いたい、セルフホストしたい場合

AWS Amplifyとの違い

観点	Supabase	AWS Amplify
エコシステム依存	独立（どこでも動く）	AWS依存
構成の複雑さ	シンプル	複雑（多数のAWSサービス連携）
データベース	PostgreSQL	DynamoDB（NoSQL）

Supabaseを選ぶべきタイミング: AWSに依存したくない、シンプルな構成が好み、オープンソースを選びたい場合

始め方

ホスティング版（推奨）

もっとも簡単に始める方法です：

supabase.com で無料アカウントを作成
ダッシュボードで新しいプロジェクトを作成
SDKをインストールして接続

# JavaScript/TypeScriptの場合
npm install @supabase/supabase-js

import { createClient } from '@supabase/supabase-js'

const supabase = createClient('YOUR_SUPABASE_URL', 'YOUR_SUPABASE_KEY')

セルフホスト版

Docker Composeで簡単に起動できます：

git clone --depth 1 https://github.com/supabase/supabase
cd supabase/docker
cp .env.example .env
docker compose up

詳細は公式ドキュメントを参照してください。

まとめ

Firebaseのオープンソース代替として、ベンダーロックインの心配なし
PostgreSQLの信頼性と、モダンなBaaS機能を両立
ホスティング版とセルフホスト版の両方をサポート
多言語SDK（JavaScript、Flutter、Swift、Python）で幅広い対応
活発なコミュニティと充実したドキュメント

今すぐsupabase.comで無料アカウントを作成し、5分でバックエンドを構築しよう！

動画でも解説しています

YouTubeチャンネル「ゆっくりテックウォッチ」では、GitHub の注目リポジトリをゆっくり解説しています。

この記事で紹介した Supabase の解説動画も公開していますので、ぜひご覧ください！

チャンネル登録よろしくお願いします！