前回の記事ではe-on soft VUE で空を作る方法を説明しました。
今度は作った空をスカイマップとして使える形にレンダリングしていきます。
使うソフトウェアの紹介:VUEとは
skymapの作成に e-on soft VUE を使います。
VUE (2023,2024)は2025年現在、無料公開されています。
優れたソフトウェアを無料で公開する判断をしてくださったe-on社と開発スタッフの皆様に感謝します。
VUEについてと使用条件などについてはこちらの日本語の記事にまとまっています
https://polygonote.com/2024_0506_24097/
ダウンロードは公式サイトから
https://www.bentley.com/software/e-on-software-free-downloads/
この記事ではVUE自体や拡張データセットのインストールが済んでいる前提で進めていきます。VUEのインストール等に関しては他の記事を参照してください。
この記事では、手っ取り早く VUE でスカイマップを作る方法を紹介します。
作業の流れ
大まかな流れはこのようになります。
- 空を作る。(Atmosphere Editor)
- 太陽の位置、雲の量や高さ、空の色などを決めていきます。
- 前の記事で扱いました。
- スカイマップをレンダリングする。(File-Export sky...)
- スカイマップ画像のサイズ、キューブ、パノラマなど出力方法を決めます。
- 今回の記事で扱います。
スカイマップをレンダリングする。(File-Export sky...)
VUEのメニューから、[File]-[Export Sky...]を選択します。

エクスポートの設定画面が開きます。(Export Options)
Geometry settings and output formatの項目では、保存先フォルダと保存形式、ファイル名を設定します。

Skymapの項目では、スカイマップの形(Panoramic、cubeなど)とレンダリングする画像サイズを指定します。

レンダリング品質はRender Optionsで設定します。上の画像の黄色で囲んだ部分です。

ここでは詳細は説明しません。
Export Options ウィンドウに戻り、Export ボタンを押すとレンダリングが始まります。
レンダリングにはそれなりに時間がかかります。私の環境(RYZEN 5 16GB)で 8192×6144(一面当たり2048×2048のキューブマップ)画像をレンダリングした場合、デフォルトでは45分程度かかりました。食事の準備でもしながら気長に待ちましょう。
Rndering tips
わたしが VUE を使ってみてぶつかった問題と、対処方法を載せておきます。
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レンダリング画像がなんだかツブツブしている

調べてみたところ、このツブツブ感はレンダリングエンジンの動作原理に関係があって、どうしても発生するもののようです。
対処法としては「大きな画像でレンダリングして縮小する」、「レンダリング後の画像に弱いぼかしをかける」などがヒットしました。
他には過去の公式の動画で Rendering Options の Path Tracer の項目を設定すると改善されると紹介されていたので試してみましたが、私の環境では、全体にぼかしをかけたような感じでピントが外れたような画像になってしまい、意図した結果にはなりませんでした。
わたしは GIMPで「平均曲率ぼかし」をほんの少しかけて対処することにしました。
処理後の画像

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レンダリング画像がカメラ画像よりだいぶ暗くなる
レンダリング画像がカメラ画像よりも非常に暗くなるという症状があり、どこを調整すればいいのか分からずけっこう長い間悩まされたのですが、いろいろ設定を変えて試しているうちに突然この問題は発生しなくなりました。
そのため何が原因だったのかはっきりしたことがいえないのですが、もしかしたらと思うのは Post Render Options の Auto-exposure のチェックを外したことです。同じ症状の方は試してみてください。