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ROS講座54 VMWare上でROSを使う

Last updated at Posted at 2018-09-08

環境

この記事は以下の環境で動いています。

項目
CPU Core i5-8250U
Ubuntu 16.04
ROS Kinetic
VMware 14.1.1

インストールについてはROS講座02 インストールを参照してください。
またこの記事のプログラムはgithubにアップロードされています。ROS講座11 gitリポジトリを参照してください。

概要

実は私はほとんどUbuntuをVMの上で動作させています。VMを使っていてもネイティブ環境とほぼ同様にROSを使うことができます。VM上でROSを動かすときの注意点を書いていきます。
adv_vm1.png

VM(ヴァーチャルマシーン)とは

VMとは仮想マシンのことで、別のシステム環境を再現するソフトです。今回の例で言いますと。Windows上で起動しているVMwareでは生のPC環境を再現していて、そこにUbuntuをインストールすることができます。この状態の時にWindowsをホストOS、UbuntuをゲストOSを呼びます。
これに対して普通にPCにUbuntuをインストールしている環境をネイティブ環境と言います。

メリット・デメリット

  • メリット
    • 普段使うWindows PC上でROSが使える。
    • 複数のPCを所持する必要がない
    • 複数のUbuntu環境を使い分けれる・同時に起動できる
  • デメリット
    • 演算やメモリの性能が低くなる、低く制限される。
    • ネットワーク周りが面倒
    • 予期せぬトラブルに会うことがある。

最大のメリットとして普段使っているwindowsPCにソフトをインストールするだけでUbuntuが使えるということです。わざわざUbuntu用に1つ余計にPCを持つ必要がありません。また1つのWindowsPC上で複数のVMを立ち上げることもできるので、通信周りのテストも簡単にできます。また簡単にインストール・アンインストールができるのでOSを破壊しかねないような危険な作業もリスクが低くできます。
デメリットとしてはVMであるが故の不具合がいくらかあることです。基本的には気になるようなものはないのですが、大きいものがあるので下に書いておきます。

VMの使い方

VMのソフトとしてVMwareとVirtualBoxの2つが有名ですが、今回はVMware workstation playerを使います。VMware workstation playerはWindowsとLinuxのみ対応で、Macには対応していません(VMware Fusionが対応しているらしいが、未検証)。

ダウンロード

製品のダウンロード - My VMwareでVMware Workstation Playerを選択します。
adv_vm2.png

その次の画面でWindows版を選択してダウンロードします。
adv_vm3.png

インストール

ダウンロードしたインストーラーの指示通りに行えばインストールされます。

Ubuntuイメージの入手

UbuntuのページISOイメージを使います。
実機と違ってUSBメモリやDVDに焼く必要はありません。

新しいVMの作り方

VMWareを起動して「新規仮想マシンの作成」をクリックします。
adv_vm4.png

次のウィンドウでインストーラーディスクイメージファイルのラジオボタンをONにして「参照」ボタンからUbuntuイメージを選択して、「次へ」を押します。
adv_vm5.png

VMwareには「簡易インストール機能」があり、特定のOSについては通常よりも簡単にインストールをすることができます。以下の画面で情報を入れて「次へ」を押します。

  • フルネームは何でも構いません。ログイン画面で表示される名前です(英数字で入れてください)。
  • ユーザー名はbashのプロンプトの左側の名前です。
  • 簡易インストールを入れるとホスト名(プロンプトの右側)はubuntuに固定になります。
  • パスワードも好きなものを入れてください。
    adv_vm6.png

これで30分ほど待つとUbuntuのインストールは完了です。

この後ROSのインストールに入ります。ROSのインストールをした後に再起動するとこけることがあります。その時は参考ののリンクを参照に復旧してください。

VMwareで使うときのTips

low graphic modeの対処

apt upgradeをした後で再起動するとlow graphic modeと表示されることがあります。その場合はCtrl+Alt+F1キーを押してCUI画面を開き、画面の指示に従ってユーザー名とパスワードを入れてCUIログインします。その後以下のコマンドを実行します。

sudo apt purge -y ubuntu-desktop
sudo apt purge -y lightdm
sudo apt install -y tasksel
sudo tasksel install ubuntu-desktop

カメラ

なぜかWebカメラが使えません。Webカメラをつないでも/dev/video0は出現するのですが、uvc_cameraなどで起動しても真っ黒い画像しか出てきません。
対処法として、vmwareの設定でusbの互換性を「USB2.0」から「USB3.0」に変更することでROSとして画像を読み込むことができました。
USBカメラはUSB2.0ですし、この設定をしても一部のGUIアプリケーションだとカメラ画像につながらなかったりするのですが、私の環境ではROSならつながりました。

vmware_usb.png

ネットワーク

VMのネットワークは色々な種類がありますが、ここでは2種類があります。
adv_vm_net.png

NAT

ホストOSとゲストOSの間でネットワークを構成します。ホストOSがインターネットにつながっているならゲストOSからもインターネットを参照することはできますが、ネットワークが分離されているために外部からゲストOSに接続することは基本的にできません。ゲストOSのIPアドレスはVMwareがDHCPしてくれます。

ブリッジ

ホストOSとゲストOSがともに並列の関係でネットワークにつながります。この時にゲストOSのIPはルーターがDHCPする必要があります。
ルーターによっては相性が悪く、ブリッジモードにしてもIPをDHCPしてくれない物もあります。

設定の仕方

まず右上のネットワークのマークのボタンを右クリックして「設定」を選びます。出てくるウィンドウでネットワークの部分を選んで
、そこでNATなりブリッジモードなりを選びます。
adv_vm6.png

gazeboを使う設定

VMwareはどうやらOpenGL3系に対応していないらしくて、VMware上でgazeboを起動しようとすると失敗します。export SVGA_VGPU10=0の環境変数を付けるとOpenGL2系を使うようになり、正常に立ち上がります。bashrcに書いておきましょう。

CPUコア・メモリの割り当て

標準だとプロセッサは1コア、メモリが1GBしか割り当てられていません。gazeboを起動するなら多めに割り当てましょう。

参考

VMwareのネットワーク構成
VMwareでのgazeboの起動
Ubuntuが起動しない

目次ページへのリンク

ROS講座の目次へのリンク

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