8
8

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

脆弱性の情報は間に合っている? 英語は 2 時間以内、悪用は 4 割が 1 日以内、日本語は中央値 4.6 日後。悪用された 74 件を調べて分かった

8
Last updated at Posted at 2026-11-08

CISA の KEV カタログに2026年9月から11月に入った74件を、CVE の記録の公開からの日数の時間軸に並べた図。悪用が確認された件は、30件(41%)が公開の前後1日にKEVカタログに入った。英語のNVDは中央値0.8時間で、74件すべてが2時間以内に掲載された。日本語のJPCERT/CCの注意喚起は、出たのが11件(15%)だけだった。日本語のJVN iPediaは中央値4.6日で、93%に掲載された。下の箱は対応で、待たずに自ら集める。製品ベンダーのセキュリティアドバイザリとKEVカタログを毎日集め、自社のソフトウェア構成情報と照合し、AIと脆弱性管理ツールで自動化する。国家サイバー統括室の2026年11月5日の注意喚起の対策例と、Project YATA-Shieldの「高性能AIを積極的にサイバー防御に活用」と同じ方向。日本語の注意喚起だけを待つと、悪用が分かってから日の単位で遅れる。

AI を使ったサイバー攻撃で、脆弱性が公表されてから悪用されるまでの時間は、週から日の単位に縮みました。日本政府も、2026 年 5 月の Project YATA-Shield で、AI の悪用で攻撃のスピードと規模が劇的に増加していると書いています。

では、悪用される脆弱性の情報は、日本語でいつ読めるようになるのでしょうか。編集部は、米国の CISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ安全保障庁)が 2026 年 9 月 1 日から 11 月 7 日に KEV(既知の悪用された脆弱性)カタログに入れた脆弱性のうち、CVE の記録が 2026 年に公開された 74 件を、英語と日本語の公開の場所で 1 件ずつたどりました。冒頭の図は、その答えを 1 枚にまとめたものです。

答えは、悪用は公開の日に始まり、日本語の情報は後から届く、です。74 件の 41%(30 件)は、CVE の記録の公開の前後 1 日のうちに KEV カタログに入りました。英語の NVD には 74 件すべてが 2 時間以内に掲載されましたが、日本語の JVN iPedia は中央値 4.6 日後で、JPCERT/CC の注意喚起が出たのは 15% でした。だから、日本語の情報を待たずに、AI と自動化で自ら集めます。国の 2026 年 11 月 5 日の注意喚起の対策例も、同じ手順を挙げています。

この記事は、IT連携マップ(renkeimap.jp)の調査ページ 脆弱性の情報は日本語で何日後に読めるか をもとにした Qiita 版です。測り方と 1 件ずつの記録は、調査ページに置いています。前回の調査 AI を使った攻撃は AI でしか守れないのか では、AI で守りの何を変えるかを並べました。この記事は、そのうち「脆弱性を知る」ところの速さを測った続きです。


1. 問いと答え

問い 答え
なぜ今、脆弱性を知る速さが要るのか? AI で攻撃が速くなり、脆弱性の公表から悪用までが週から日の単位に縮んだからです。国も、より高速かつ大量に脆弱性が発見・修正されることを前提に、対策を強めるよう求めています。
悪用は、いつ始まるのか? 74 件の 41%(30 件)は、CVE の記録の公開の前後 1 日のうちに KEV カタログに入りました。4 割は、公開の日にはもう悪用が確認されています。
脆弱性の情報は、日本語で何日後に読めるのか? 英語の NVD には 74 件すべてが 2 時間以内に掲載されました。日本語の JVN iPedia は中央値 4.6 日後で、JPCERT/CC の注意喚起が出たのは 15% でした。
日本語の情報を待たずに知るには、どうすればよいのか? 製品ベンダーのセキュリティアドバイザリと KEV カタログを毎日集め、自社のソフトウェア構成情報と照合します。英語の要約と照合は、AI と脆弱性管理ツールで自動化します。毎日集める体力がない会社は、編集部が運営する IT連携マップのセキュリティ情報 で、使っている技術を選ぶだけで、関係する発表を日本語で読めます(9 節)。

この記事で使う言葉

言葉 意味
脆弱性 ソフトウェアの欠陥のうち、攻撃に使われうるもの
セキュリティアドバイザリ 製品ベンダー(製品を作った会社)が出す、影響する版と直し方の発表
CVE の記録 脆弱性 1 件ごとに付く番号(CVE-年-連番の形)と、英語の概要
NVD 米国の国立標準技術研究所(NIST)の、英語の脆弱性データベース
KEV カタログ 米国の CISA が出す、悪用が確認された脆弱性の一覧。KEV は Known Exploited Vulnerabilities の略
JVN iPedia 日本語の脆弱性対策情報データベース。JVN(JPCERT/CC と IPA)が公開している
注意喚起 JPCERT/CC が、一部の脆弱性について日本語で出す呼びかけ。IPA も「重要なセキュリティ情報」として出す
ソフトウェア構成情報 自社で使っている製品と版の一覧

2. なぜ今、脆弱性を知る速さが要るのか?

AIが攻撃を速くしていることを、国と大手の発表で並べた図。日本政府のProject YATA-Shield(2026年5月)は、AIの悪用で攻撃のスピード・規模が劇的に増加と書いた。Google Cloud(2026年)は、2025年後半に公表から悪用までが週から日に縮んだと書いた。英国NCSC(2025年5月)は、公表から悪用までは日の単位で、AIはさらに縮めると書いた。米国CISA(2026年6月)は、攻撃者のAIが修正の公開から悪用までの守る側の猶予を縮めうると書いた。Cloudflare(2024年)は、実証コードの公開から22分で悪用された例を挙げた。守る側も、脆弱性を日の単位より速く知る必要がある。

図は、AI と攻撃の速さについて、国と大手が書いたことを並べたものです。

発表元 書いたこと
日本政府の Project YATA-Shield(2026 年 5 月) AI の悪用で、攻撃のスピードと規模が劇的に増加している
Google Cloud 2025 年後半に、脆弱性の公表から悪用までが週から日へ縮んだ
英国の NCSC(国家サイバーセキュリティセンター) 公表から悪用までは日の単位に縮み、AI がさらに縮めることはほぼ確実
米国の CISA 攻撃者の AI の利用が、修正の公開から悪用までの守る側の猶予をさらに縮めうる
Cloudflare 実証コードの公開から 22 分で悪用された例がある

日本政府は、より高速かつ大量に脆弱性が発見・修正されることを前提に、対策を強めるよう求めています。Google Cloud も、組織はより自動的な防御に向かうべきだと書いています。攻撃が日の単位で来るなら、守る側も、脆弱性を日の単位より速く知る必要があります。では、脆弱性の情報は、誰がどこに出すのでしょうか。

3. 脆弱性の情報は、誰がどこに出すのか?

脆弱性の情報が、製品ベンダーのセキュリティアドバイザリとCVEの記録で公開されたあと、英語と日本語のどこに、どれだけの速さで掲載されたかを示した図。英語(米国)は、NVDに74件すべてが2時間以内に掲載され、CISAのKEVカタログには悪用が確認されたものだけが入り、30件は公開の前後1日だった。日本語は、JVN iPediaに69件(93%)が中央値4.6日で掲載され、JPCERT/CCの注意喚起は11件(15%)、IPAの重要なセキュリティ情報は4件だった。英語の情報を、待たずに自ら集める。

図は、脆弱性の情報が公開されたあと、英語と日本語のどこに掲載されるかを示したものです。まず製品ベンダーのセキュリティアドバイザリと CVE の記録で公開され、英語の NVD と KEV カタログに先に掲載され、日本語の JVN iPedia と注意喚起には後から掲載されます。

掲載先 誰が出すか 何が分かるか
セキュリティアドバイザリ 製品ベンダー(製品を作った会社) 影響する版と直し方
CVE の記録 番号を付ける組織 脆弱性の番号と概要(英語)
NVD 米国の国立標準技術研究所(NIST) 深刻度などの分析(英語)
KEV カタログ 米国の CISA 悪用が確認されたか(英語)
JVN iPedia JVN(JPCERT/CC と IPA) 日本語の脆弱性対策情報
注意喚起・重要なセキュリティ情報 JPCERT/CC・IPA 一部の脆弱性について、日本語で

KEV カタログは、CISA が悪用された脆弱性の正式な情報源として管理している一覧で、CISA は 24 時間以内の更新を目指しています。では、悪用された 74 件は、実際にどこに何日で掲載されたのでしょうか。

4. 悪用された 74 件は、どこに何日で掲載されたか?

CISA の KEV カタログに2026年9月1日から11月7日に入り、CVE の記録が2026年に公開された74件が、どこに、CVE の記録の公開から何日以内に掲載されたかを、掲載先ごとの横の積み上げ棒で示した図。棒の中の数は件数。NVD(米国・英語)は、2 日以内74。CISA の KEV カタログ(悪用が確認された脆弱性)は、2 日以内30、3〜7 日14、8〜30 日13、31 日より後17。JVN iPedia(日本語)は、2 日以内15、3〜7 日33、8〜30 日15、31 日より後6、掲載されていない5。JPCERT/CC の注意喚起は、2 日以内9、3〜7 日2、掲載されていない63。IPA の重要なセキュリティ情報は、2 日以内4、掲載されていない70。NVD は74件すべてが2時間以内に掲載された。日本語の JVN iPedia は69件に掲載されたが、中央値は4.6日。JPCERT/CC と IPA の注意喚起は、出たうちの多くが2日以内だったが、出たのは一部だった。

図は、74 件が CVE の記録の公開から何日以内に掲載されたかを、掲載先ごとに積み上げたものです。

掲載先 掲載された件数 速さ
NVD(英語) 74 件すべて 2 時間以内(中央値 0.8 時間)
JVN iPedia(日本語) 69 件(93%) 中央値 4.6 日・2 日以内は 15 件
JPCERT/CC の注意喚起 11 件(15%) 出たうち 9 件は 2 日以内
IPA の重要なセキュリティ情報 4 件 4 件とも 2 日以内

英語の NVD は、74 件すべてを 2 時間以内に掲載しました。日本語の注意喚起は、出れば多くが 2 日以内でしたが、出たのは一部でした。JVN iPedia は、ほとんどの件を数日後に掲載しました。

JVN iPedia は、2026 年 10 月 22 日からシステムメンテナンスのため止まっていて、再開の時期は決まっていません。ただ、停止より前に公開された 68 件でも、JVN iPedia の中央値は 4.7 日でした。4.6 日は、停止で伸びた値ではありません。

数え方は次のとおりです。詳しくは、調査ページの 測り方 にあります。

  • 起点は、CVE の記録に書かれた公開の時刻です。
  • NVD と JVN iPedia は、掲載された時刻が分の単位で分かるので、時間で数えました。
  • KEV カタログと注意喚起は日付だけなので、翌日の日付までを「2 日以内」に数えました。

では、悪用は、どのくらい早く始まるのでしょうか。

5. 悪用は、どのくらい早く始まるのか?

公開と同じころに悪用される割合を、横棒で比べた図。この74件では、公開の前後1日でKEVカタログに入ったのが41%(30件)。CISAの統計(2021年の指令の説明)では、悪用が確認された脆弱性のうち、公表の当日に悪用されたのが42%、2日以内が50%。数えたものは違うが、どちらも4割ほど。この30件がJVN iPediaに掲載されたのは、中央値51時間後(27件)。

図は、公開と同じころに悪用された割合を、編集部の 74 件と CISA の統計で比べたものです。

編集部が数えると、74 件の 41%(30 件)が、CVE の記録の公開の前後 1 日のうちに KEV カタログに入りました。CISA の統計でも、悪用が確認された脆弱性の 42% は公表の当日に、50% は 2 日以内に使われていました。数えたものは違いますが、どちらも 4 割ほどです。

この 30 件のうち、JVN iPedia に掲載されたのは 27 件で、中央値 51 時間後でした。JPCERT/CC の注意喚起が出たのは 7 件でした。日本語の情報を待つと、悪用が分かってから日の単位で遅れます。修正が出る前から悪用される脆弱性は、ゼロデイ脆弱性 と呼ばれます。では、1 件ずつ見ると、どう届いたのでしょうか。

6. 1 件ずつ見ると、どう届いたか?

脆弱性 CVE の記録の公開 NVD KEV カタログ JVN iPedia JPCERT/CC の注意喚起
PHP(CVE-2026-109618) 10/21 22:48 0.5 時間後 10/26 10/23 18:45(43.9 時間後) 10/22
Citrix NetScaler(CVE-2026-88772) 9/28 1:09 1.1 時間後 9/27(米国東部) 9/29 15:41(38.5 時間後) 9/28
Brotli(CVE-2026-111497) 10/22 22:35 0.7 時間後 10/27 10/27 13:38(111 時間後) 10/26
WordPress 本体(CVE-2026-119977) 10/31 14:33 0.7 時間後 11/3 11/7 の時点で無い 無い
SonicWall の VPN 機器(CVE-2026-19868) 11/7 4:03 0.2 時間後 11/6(米国東部) 11/7 の時点で無い 無い

表の時刻は日本時間で、KEV カタログの日付は米国東部の日付です。PHP と Citrix は、公開の翌日までに JPCERT/CC の注意喚起が出て、IPA の重要なセキュリティ情報も同じ日に出ました。WordPress 本体と SonicWall の VPN 機器は、2026 年 11 月 7 日の時点で、JVN iPedia にも注意喚起にもありませんでした。

PHP の脆弱性で業務システムが止まった時間は、調査ページ 予防的な停止とは — 業務システムは何時間止まったか にまとめています。では、各国は、対応の速さをどう決めているのでしょうか。

7. EU・米国・日本は、速さをどう決めているか?

欧州連合・米国・日本の脆弱性の速さの決まりを3行で並べた図。EUは2026年9月11日から、製品を作る会社が、悪用されている脆弱性に気づいてから24時間以内に早期の警告、72時間以内に通知する。起点は製造者が気づいた時。米国は連邦政府の機関が、外から届き完全に乗っ取られ攻撃を自動化できる脆弱性を3日以内に直す。起点は、KEVカタログに掲載された日か、機関が自分で見つけた日の早い方。日本は、公表日をJPCERT/CCが開発者に最初に連絡を試みた日から45日後を目安にするが、義務ではない。2026年11月5日の国の注意喚起は、対応の期限を組織ごとに決めるよう求めている。起点がそろっていないので、横に並べて速さを比べない。

図は、EU・米国・日本の速さの決まりを、起点と誰の義務かと一緒に並べたものです。

EU のサイバーレジリエンス法は、製造者に、悪用されている脆弱性に気づいてから 24 時間以内の早期の警告と、72 時間以内の通知を求めています(2026 年 9 月 11 日から)。米国の指令 BOD 26-04 は、連邦政府の機関に、外から届き、完全に乗っ取られ、攻撃を自動化できる脆弱性を 3 日以内に直すよう求めています。日本は、公表日を、JPCERT/CC が開発者に最初に連絡を試みた日から 45 日後とする目安を置いています。

起点も誰の義務かも違うので、数字だけを横に並べて速さを比べることはできません。国の 2026 年 11 月 5 日の注意喚起は、対応の優先順位と期限を組織ごとに決めるよう求めています。各国の決まりの詳しい内容は、調査ページの 各国の決まりの詳しい内容 にあります。では、日本語の情報を待たずに、どう知ればよいのでしょうか。

8. 日本語の情報を待たずに、どう知るか?

日本語の情報を待たずに、AIと自動化で毎日照合する4つの手順を、上から順に並べた図。国家サイバー統括室の2026年11月5日の注意喚起の対策例と同じ手順。1はソフトウェア構成情報を作る(使っている製品と版の一覧)。2はセキュリティアドバイザリとKEVカタログを毎日集める(製品ベンダーの発表とCISAの一覧を、日本語の情報を待たずに読み、英語はAIに訳して要約させる。IT連携マップのセキュリティ情報で、製品ベンダーの発表をまとめて見られる)。3は構成情報と照合し、影響を速やかに特定する(AIや脆弱性管理ツールで自動化する。国は「高性能AIを積極的にサイバー防御に活用」と書いた)。4は修正を当てるか、暫定的な緩和策でつなぐ(すぐに修正を当てられないときは、影響を受ける機能の停止やアクセス制限でつなぐ)。日本語の注意喚起とJVN iPediaは、確かめと社内への説明に使う。

図は、国家サイバー統括室の 2026 年 11 月 5 日の注意喚起の対策例を、4 つの手順に並べたものです。この注意喚起は、攻撃者が標的の調査や侵害に AI を使っている可能性も高いと書いています。

順 すること 国の注意喚起の対策例
1 ソフトウェア構成情報(使っている製品と版の一覧)を作る 照合の前提
2 セキュリティアドバイザリと KEV カタログを毎日集める。英語は AI に要約させる 実際に悪用が確認されている脆弱性から、影響を優先的に確かめる
3 構成情報と照合し、影響を速やかに特定する ソフトウェア構成情報と照合し、影響の有無と範囲を速やかに特定する。脆弱性管理ツールを活用する
4 修正を当てるか、暫定的な緩和策でつなぐ 影響を受ける機能の停止やアクセス制限などの、暫定的な緩和策

国の Project YATA-Shield も、高性能 AI を積極的にサイバー防御に活用するよう求めています。毎日の収集と照合は、AI と脆弱性管理ツールに任せます。日本語の注意喚起と JVN iPedia は、確かめと社内への説明に使います。

サポートが終わったソフトウェアは修正が出ないので、照合しても直せません。国の注意喚起も、サポートが終了しているソフトウェアの継続使用を、情報漏えいの原因とみられる例に挙げています。では、毎日集める体力がない会社は、どうすればよいのでしょうか。

9. 毎日集める体力がない会社は、どうすればよいか?

IT連携マップのセキュリティ情報の「技術の関連図」の画面(2026年11月8日・立場は使う人・技術はまだ選んでいない)。真ん中の「私と関連する技術」(1)から、クラウドサービス(Chatwork・freee・kintone)、ブラウザ(Chrome・Safari)、パソコン・スマホのOS(Windows 11・iOS / iPadOS・macOS)、PCのアプリ(Microsoft 365)、ネットワーク機器・VPN・運用(SonicWall)を線でつないでいる。円の数字は掲載中の件の数、赤い輪は今すぐ・今日中の件があるしるしで、矢印の向きに脆弱性の影響が及ぶ。Windows 11の円(2)は7件で、赤い輪がある。ChromiumからEdgeとEdge WebView2を経由して、Windows 11へ矢印が向かう。PHPの下の「他2件」(3)を押すと、その先の技術を開く。図の下(4)は、Windows 11の円を押して出た、Windows 11に関係する掲載中の件7の一覧で、今すぐが1件、1週間以内が4件、計画的にが2件。

図は、編集部が運営する IT連携マップのセキュリティ情報 の「技術の関連図」の画面です(2026 年 11 月 8 日・立場は「使う人」)。

情報システムの担当者がいない、または 1 人で兼務している中小企業では、製品ベンダーのセキュリティアドバイザリを毎日集める時間がありません。そもそも、どの発表が自社に関係するのかも分かりにくいです。

国は、AI と自動化を使った対策を勧めています。国家サイバー統括室は、Project YATA-Shield(2026 年 5 月 18 日)で「高性能 AI を積極的にサイバー防御に活用していくことも含め、対策強化を早急に進めていくことが必要である」と書きました。2026 年 11 月 5 日の注意喚起でも、「必要に応じて、脆弱性検知を自動化するための脆弱性管理ツールを活用する」ことを対策例に挙げています。

IT連携マップのセキュリティ情報は、無料で使えます。製品ベンダー(Google の Chrome Releases と Android、Mozilla、Microsoft の月例の更新、Oracle、Node.js、WordPress.org)、日本の IPA・JPCERT/CC・JVN、米国 CISA の KEV カタログの発表を集め、急ぐ順に並べています。発表から 15 分以内に掲載することを目標にしています。実際の速さは、まだ測っていません。

図の番号の順に見ると、次のことが分かります。

  1. 技術をまだ選んでいないときは、真ん中の「私と関連する技術」から、立場によく関係する技術と、いま急ぐ件のある技術を表示します。使っている技術を選ぶと、選んだ技術の関係に変わります。製品を選ぶと、その製品が含む・使うコンポーネントの件も出ます。
  2. 円の数字は、その技術に関係する掲載中の件の数です。赤い輪は、「今すぐ」か「今日中」の件があるしるしです。矢印の向きに、脆弱性の影響が及びます。たとえば Chromium の脆弱性は、Edge と Edge WebView2 を経由して、Windows 11 に及びます。
  3. 「他 N 件」を押すと、その先の技術を開きます。
  4. 円を押すと、その技術に関係する掲載中の件の一覧が、図の下に出ます。図では、Windows 11 の 7 件が急ぐ順に並んでいます。件を押すと、下の件の説明に移り、立場ごとにすることと期限を読めます。新しく集めた件には、発表の抜粋も付きます(英語の発表は、AI による参考訳と原文へのリンク)。

毎日見に行かずに受け取る方法と、AI に集めさせる方法もあります。

  • メールとブラウザの通知: ログインすると(無料・登録は不要)、選んだ技術に新しく掲載された件、「今すぐ」に変わった件、選んだ版のサポート終了の 90・30・7 日前と当日を、メールで受け取れます(1 日 6 通まで・超えた分は翌日に届きます)。ブラウザの通知も、通知の設定で登録できます。
  • RSS(Atom): RSS リーダー・Slack・Teams・Outlook に届きます。RSS の URL は、ページの「RSS・API で受け取る」からコピーします。
  • API と MCP: MCP の https://renkeimap.jp/mcp(アカウントも鍵も不要)の renkeimap_security に、使っている技術の名前(「PHP」「Windows 11」など)を渡すと、AI エージェントが関係する件を読めます。API(JSON Feed)もあります。Claude Code・Gemini CLI・Antigravity・Codex に入れる手順は、GitHub の MaxOurC/renkeimap にあります。

英語の発表の日本語の要約と、立場ごとにすることは、AI が作っていて、掲載の前に人は見ていません。数字・CVE・版は、原文にある物だけを通しています。誤りは、見つけしだい人が直します。

この記事を、ふだん使っている AI にも共有してください。たとえば、この記事の URL と一緒に「自社では Windows 11 と WordPress を使っている。この記事を読んで、何をすればよいか教えて」と聞くと、自社に当てはめた手順を AI と一緒に考えられます。

10. もっと詳しく知るには

知りたいこと 読むところ
測り方・1 件ずつの記録・各国の決まりの詳細 調査ページ 脆弱性の情報は日本語で何日後に読めるか
使っている製品の脆弱性と修正の発表 IT連携マップのセキュリティ情報
AI で守りの何を変えるか 調査ページ AI を使った攻撃は AI でしか守れないのか
AI で攻撃の何が増えたか 調査ページ 「AI 攻撃が急増」で増えたのは何か

一次出典・参考文献

資料 発表元 リンク
AI 性能の高度化を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化について ~Project YATA-Shield~(2026 年 5 月 18 日) 内閣官房 国家サイバー統括室ほか関係省庁 cyber.go.jp
2026 年 11 月 5 日の注意喚起 内閣官房 国家サイバー統括室 cyber.go.jp
Cloud Threat Horizons Report 2026 年上半期版 Google Cloud services.google.com
2027 年までに AI がサイバー脅威に与える影響の評価 英国 NCSC ncsc.gov.uk
拘束力のある運用指令 BOD 26-04 米国 CISA cisa.gov
BOD 26-04 の実施の手引き 米国 CISA cisa.gov
BOD 22-01(廃止) 米国 CISA cisa.gov
KEV カタログ 米国 CISA cisa.gov
アプリケーションセキュリティ報告 2024 年版 Cloudflare blog.cloudflare.com
サイバーレジリエンス法(Cyber Resilience Act)の第 14 条 欧州連合 eur-lex.europa.eu
情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン IPA・JPCERT/CC ipa.go.jp
JVN iPedia と MyJVN の一時停止のお知らせ(2026 年 10 月 22 日) JVN jvn.jp

引用した原文は、2026 年 11 月 7 日に取り直した原本で確かめています。1 行ずつの原文と出典は、調査ページ 脆弱性の情報は日本語で何日後に読めるか で公開しています。

読者アンケート実施中
このテーマをもっと深掘りしてほしい方は、記事に「いいね」をお願いします。「いいね」の多いテーマから順に追加調査し、結果は新着記事でお知らせします(フォローしていただくと通知が届きます)。

【転載OK】本記事の転載について

本記事の文章・図表は、すべて転載 OK です。図は加工しないままお使いください。転載の際は、出典として、この記事の完全版 『脆弱性の情報は日本語で何日後に読めるか』(renkeimap.jp)へのリンクをお願いします。事前の連絡は不要です。

※ 筆者は日立系ITベンダー・介護ソフトベンダー・大学病院IT部門を経て独立し、現在は中小企業のIT・DX支援をしながら、業務システムの「つながり」を一次資料で調べています。 文中の「編集部」は、筆者が所属する IT連携マップ編集部 のことです。誤りを見つけられましたら 訂正窓口(無料・アカウント不要)へお願いします。訂正履歴も公開しています。

8
8
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
8
8

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?