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Cognos BIをCognos Analyticsにとりあえずバージョンアップして、セルフサービスBIを始めてみてはどうでしょう

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はじめに

今回は記念すべき(?) 222回目の投稿なので、Cognosをもっと役立てる為の、ふんわりとした話をしたいと思います。

最近のBusiness Intelligence業界は、Business ObjectsやOracle BI、Cognosの様な従来型と言われるBIも堅調に伸びていますが、TableauやMicrosoftのPower BI、Qlikに代表されるセルフサービスBIが爆発的に伸びていて、時代のトレンドになっていると思います。

Gartnerが毎年発表しているMagic Quadrantも以前はエンタープライズBI用の評価でSAP、IBM、Oracleがトップ3でしたが、今はセルフサービスBI向けの評価に基準が変わっていて、Microsoft、Tableau、Qlikがリーダーに格付けされています。
Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms
https://www.gartner.com/doc/reprints?id=1-3TYE0CD&ct=170221&st=sb

ちなみにエンタープライズBIはこちらでユーザーレビューによる評価をされていて、レビュー数で見ると、やっぱりSAP、Oracle、IBMに多くのレビューが寄せられていて、このエリアでの強さが見てとれます。
Reviews for Traditional Enterprise Reporting Platforms
https://www.gartner.com/reviews/market/enterprise-reporting-based-platforms

セルフサービスBI

個人的に色々なBIツールを使ってみるのが好きなので、セルフサービスBIツールも、Power BIやTableauを中心に色々と使ってみていますが、本当に使い易さを第一に考えてユーザー目線で作られていて、シャキシャキ動き、それでいてBIをやるのに必要な機能がしっかりと実装されていて、それが非常に低価格で提供されているという、素晴らしいの一言だと思います。

ちなみにエンタープライズBIとセルフサービスBIは、お互いに市場を食い合って戦っているのかと思われている方が多いと思いますが、実はIDCとかの統計を見るとそうでもなく、先に述べたようにエンタープライズBI市場は今でも順調に成長していて、セルフサービスBIはむしろ今までBIと縁の無かった層のユーザーにまで裾野を広げて、BI市場自体を拡大してくれている存在だという事がわかります。

セルフサービスBIが今後もBI市場の裾野を広げて行ってくれると、BIに関わる人間として非常にうれしい限りですが、セルフサービスBIも完璧ではなく、使ってみると色々な問題に直面する事があります。
最近、ITProに以下の様な記事が発表されていて、読まれた方も多いと思います。
セルフサービスBIの5つの落とし穴(上)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/17/110600086/110600001/
セルフサービスBIの5つの落とし穴(中)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/17/110600086/110600002/
セルフサービスBIの5つの落とし穴(下)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/17/110600086/110600003/

詳細は記事を読んで頂ければと思いますが、以下のような5ポイントが指摘されています。
1.ビジネス指標が混沌とする
2.業務ユーザーがデータエンジニア役を担う
3.データセキュリティに影響が及ぶ
4.規模の拡大が難しい
5.ライセンス費用がかさむ

記事の内容をどう読むかはお任せしますが、思いっきり要約すると「セルフサービスBIを使い込んで行くと、そのうち大規模化・高度化というエンタープライズ要件が出てきて壁に当たってしまう」という事かなと思っています。

実際、各セルフサービスBIベンダーは、エンタープライズ対応というのを最近は打ち出してますね。

Cognos BIをCognos Analyticsにとりあえずバージョンアップして、セルフサービスBIを始めてみてはどうでしょう

思いっきりタイトルのままですが、いま既にCognos BIをお持ちの環境であれば、前述の落とし穴の1~4番は考慮されて作られているはずなので、単純にCognos Analyticsにバージョンアップするだけで、今までのレポートはそのまま使えて、堅牢な基盤の上にセルフサービスBIを始められるので、悪い話じゃないよな~と思う次第です。
以下の様なメリットが考えられると思います。

1. 今までのレポートやデータモデルはそのまま使える
Cognos Analyticsで、Cognos BIのレポートやモデルは基本的にそのまま動かせますので、これまで作ったものを動かし続けたいというのは、非常に簡単に行えます。
Framework Managerで作成した既存のデータモデルも当然使え、堅牢なデータモデルがそのまま使えます。

2. セルフサービスBIができる
エンドユーザーが自分で使いたいデータをDBやExcelから持ってきて、自分で見たいダッシュボードを作るというセルフサービスBIな作業は、Cognos Analyticsで普通にできます。
以下の辺りの機能が代表的な機能ですが、既存のFramework Managerの堅牢なデータモデルと、自分が新規に取り込んだテーブルやExcelファイルのデータを結合して分析ができる、というのも大きなメリットだと思います。

以下の辺りのセルフサービス機能の記事もご興味あれば見て頂ければと。
Cognos Analytics 新機能紹介 - データ・モジュール
http://qiita.com/shinyama/items/2c150ac6a14b866cbaa9
Cognos Analytics 新機能紹介 - ダッシュボード
http://qiita.com/shinyama/items/ca16c4595b1b36d5521d
Cognos Analytics 新機能紹介 - ストーリー
http://qiita.com/shinyama/items/73b9663fb8a490e4d64a
Cognos Analyticsを無料で自己学習する① - アカウントの作成
https://qiita.com/shinyama/items/6cb67ac7e82e9cd9c889

3. エンタープライズの良いところもそのまま使える
・認証や権限付与などの、セキュリティの詳細な要件に応えられる。
・大容量データの分析でも、しっかりと対応できる。
・大量ユーザーの同時実行でも、処理をさばける。
・レポートの表現に対する複雑な要件でも実装ができる。
という辺りはやっぱりCognosの良いところだと思います。

この辺りの記事もイメージとしてご参照下さい。
Cognos Analyticsのライセンスロールに合わせた権限の付与方法
https://qiita.com/shinyama/items/b908f5109dba919630f0
Cognosレポートで職位に応じてデータをマスキング
https://qiita.com/shinyama/items/382be21d82e7eef77866
Cognosのレポート同時実行時のパラメーターチューニングの考え方
https://qiita.com/shinyama/items/1cb80e0440c17d6edaf9
Cognos Report Authoring 逆引き辞典 - 目次一覧
https://qiita.com/shinyama/items/756cb4a40d31f6cee9f8
Cognos プロンプト操作用サンプルJavaScript
https://qiita.com/shinyama/items/892e5696a85746fcf60a

非常に低コストでセルフサービスBIが始められる
Cognos BIでライセンスを持っていれば、Cognos Analyticsにバージョンアップしても、今のライセンスはそのまま使えますので、追加のライセンス費用はかかりません。前述の、落とし穴 5 のライセンス費用の件も安心ですね。
またCognos Analyticsへの移行の費用も、Cognos 10 BI → Cognos Analyticsでは、Cognos 8 → 10の時ほど、修正作業は必要にならない感じですので、費用も抑えられるはずだと思います。

まとめ

セルフサービスBIツールとして、Cognosが一番です、というような事を言いたい訳ではありません。今のセルフサービスBIツールは、本当に魅力的な製品が多いと思います。
ただ、いま現在 Cognos BIを持っているような環境では、堅牢なセルフサービスBIを始めるのに、実は非常に敷居が低く、低コストで始められる状況だという事を知って頂ければと思う次第です。
この記事を読んだ事をきっかけに、いま持っているCognosをもうちょっと活用してみようかと思って頂けると幸いです。

最後に、Cognos Analyticsが「CRN’s 2017 Annual Report Card (ARC)」という賞で、並み居るBIベンダーの中で最高評価を頂いたというニュースをお伝えして、本稿の終わりにしたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
An Award for #Cognos Analytics!
https://www.ibm.com/communities/analytics/cognos-analytics-blog/an-award-for-cognos-analytics/

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