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初学者向けpackage.jsonハンズオン

Last updated at Posted at 2019-12-07

これは Node.js Advent Calendar 2019 の8日目の記事です。
昨日は @yuta-ron さんによる スクレイピング & サーバレスAPIでNode.jsの雰囲気を体験してみる でした。

初学者向けpackage.jsonハンズオン

Node.js初学者向けにpackage.jsonハンズオンを実施しましたので、その時に作ったハンズオン資料を公開します。

npmコマンドやpackage.jsonに慣れることが目的のハンズオンの資料ですので、Node.jsとは何か?といった説明はしません。ご了承ください。

文章の手順通りに進めていけば、npmコマンドやpackage.json編集が体験できます!

事前準備

Node.jsのインストール

事前にNode.jsのインストールをお願いします。(すでにNode.jsがインストール済の方は飛ばしてください。)

Windowsの場合

Windowsの方は、こちらの記事をご参照ください。Chocolatey > Nodist > Node.jsの順番でインストールします。

Windowsで、Chocolateyとnodistで、バージョン切り替え可能なNode.jsの環境を構築する

Macの場合

Macの方は、こちらの記事をご参照ください。Homebrew > nodebrew > Node.jsの順番でインストールします。

macOS に Homebrew で nodebrew をインストールして Node.js を使う

package.jsonハンズオン

それではハンズオンを始めます。

作業ディレクトリを作ろう

お好きな場所に作業ディレクトリを作りましょう。

Windowsの場合

今回のハンズオンでは以下のディレクトリを 作業ディレクトリ と呼ぶことにします。

D:\JavaScript\package-json-handson

Macの場合

今回のハンズオンでは以下のディレクトリを 作業ディレクトリ と呼ぶことにします。

~/JavaScript/package-json-handson

WindowsならGit Bashを使おう

Web界隈ではLinuxサーバーが主流ですので、DOSコマンドよりもLinuxコマンドが使える環境の方が、何かと都合がよいと思います。

Git for Windows をインストールしていれば、 Git Bash というターミナルがインストールされており、そこでLinuxコマンドが使えます。

今回のハンズオンでは、Git Bashを使う前提で進めます。

カレントディレクトリを作業ディレクトリにしてください。

作業ディレクトリに移動

カレントディレクトリを作業ディレクトリにしてください。

以下のコマンドを実行してみましょう。

# Windows
cd /d/JavaScript/package-json-handson

# Mac
cd ~/JavaScript/package-json-handson

npmコマンドでpackage.jsonを生成してみる

作業ディレクトリにnpmパッケージを作っていきます。

以下のコマンドを実行して、npmパッケージを初期化してみましょう。

# 作業ディレクトリをnpmで初期化
npm init

以下のようなメッセージが表示されます。

This utility will walk you through creating a package.json file.
It only covers the most common items, and tries to guess sensible defaults.

See `npm help json` for definitive documentation on these fields
and exactly what they do.

Use `npm install <pkg>` afterwards to install a package and
save it as a dependency in the package.json file.

Press ^C at any time to quit.
package name: (package-json-handson)

最後の行で上記のように表示されると思います。

ここでは、これから作るnpmパッケージの名前をどうするのか質問されています。デフォルトでディレクトリ名が表示されていますので、そのまま何も入力せずEnterしてください。

そうすると、以下のように次の質問が表示されます。

version: (1.0.0)

ここでは、npmパッケージのバージョンをどうするのか聞かれています。

デフォルトは 1.0.0 となっていますが、ここでは、 0.1.0 を入力してください。(理由は後で説明します。)

そうすると、以下のように次の質問が表示されます。

description: 

ここでは、npmパッケージの説明文の入力を求められています。

とりあえず handson と入力してください。(後から変更できますので、真剣に悩まなくても大丈夫です。)

そうすると、以下のように次々と質問されます。

entry point: (index.js)
test command:
git repository:
keywords:
author:
license: (ISC)

とりあえず、何も入力せず、すべてEnterしてください。

そうすると、最後に以下の質問が表示されます。

Is this OK? (yes)

ここでも、何も入力せずEnterしてください。(yes の意味になります。)

これで、npmパッケージの初期化が完了しました!

package.json が作業ディレクトリに生成されていますので、内容を確認してみましょう!

# package.json の中身を表示する
cat package.json

以下のようにJSON形式のデータが表示されれば成功です!

{
  "name": "package-json-handson",
  "version": "0.1.0",
  "description": "handson",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1"
  },
  "author": "",
  "license": "ISC"
}

自分が入力してきた値が格納されていることがわかると思います。

npm-scriptをつくってみる

テキストエディター(こだわりがなければVS Codeがオススメです)で package.json を開いてください。

scripts という項目があります。この部分には、独自のスクリプトを登録できます。

  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1",
    "show-files": "ls -al"
  },

試しに、上記のように show-files の行を追加してみてください。

package.json を保存したら、以下のコマンドを実行してみましょう。

npm run show-files

そうすると、 ls -al が実行されます!

Linuxコマンドが動くターミナル(Git Bash等)なら、ファイル一覧が表示されます!

もし、コマンドプロンプトを使っている場合は、Linuxコマンドが動かないので、エラーが表示されます。

この独自のスクリプトのことを npm-script と呼びます!覚えておきましょう。

app.jsをつくってみる

作業ディレクトリに app.js というファイルを作ってください。

中身に以下の一行を書いて保存してください。

console.log("Hello World!");

以下のコマンドを実行してみてください。

node app.js

以下が表示されれば成功です。

Hello World!

おまけ: index.jsapp.js の使い分け

たったいま、 app.js を作りましたが、先ほどの package.json には index.js という記述がありました。

これらは何が違うのでしょうか?

実は、今作っているnpmパッケージが

  • アプリケーションなら app.js に、最初に実行するコードを書く。
  • ライブラリなら index.js に、最初に実行するコードを書く。

という慣習があります。(諸説あります)

Start Scriptを作ってみる

今度は、 package.jsonscriptsstart の行を追加してください。

  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1",
    "show-files": "ls -al",
    "start": "node app.js"
  },

以下のコマンドを実行してみてください。

npm run start

以下が表示されれば成功です。

Hello World!

次に、以下のコマンドを実行してみてください。

npm start

こちらのコマンドでも同じ結果になりました!以下が表示されれば成功です。

Hello World!

実は npm start というのは npm run start のエイリアスになっています。

メインに実行する処理はnpm-scriptの start に登録しましょう。

moment をインストールしてみる

まず、以下のコマンドを実行してみましょう。

# moment をインストール
npm install moment

作業ディレクトリに node_modules フォルダーが生成されました。

このフォルダーを開くと、 moment フォルダーが見つかります。

加えて、 package.json に以下の行が自動で追加されます。

  "dependencies": {
    "moment": "^2.24.0"
  }

バージョン番号が勝手に追加されましたね。このバージョンの先頭についている ^ に関しては、あとで説明します。

次に、app.js を以下のように書き換えてください。

// ライブラリを読み込む
const moment = require("moment");

// 現在時刻を取得する
const now = moment().format("YYYY-MM-DD HH:mm:ssZ");

// 現在時刻を表示する
console.log(now);

以下のコマンドを実行してみてください。

npm start

すると、以下のように現在時刻が表示されます。

2019-11-20 18:51:02+09:00

moment は日付に関する処理を扱った歴史のあるライブラリで、Node.js界隈で広く使われています。

歴史がある分、多機能でファイルサイズが大きいという欠点もあります。

dayjs のような軽量なライブラリも台頭してきていますので、必要に応じて使い分けていきましょう。

moment をアンインストールしてみる

せっかく入れた moment ですが、今度はアンインストールしてみます。

以下のコマンドを実行してみましょう。

# moment をアンインストール
npm uninstall moment

node_modules フォルダーから moment フォルダーが削除されました。

同時に package.json からも消えました。

  "dependencies": {}

以下のコマンドを実行してみてください。

npm start

moment がなくなったので、以下のようにエラーが表示されるはずです。

internal/modules/cjs/loader.js:626
    throw err;
    ^

Error: Cannot find module 'moment'

package.json から moment をインストールしてみる

今度は、 package.json に以下の行を手動で追加してみましょう。

  "dependencies": {
    "moment": "^2.24.0"
  }

以下のコマンドを実行してみます。

# dependencies に書かれたライブラリをインストール
npm install

実は、これでも moment がインストールされます!

以下のコマンドを実行してみてください。

npm start

以下のように現在時刻が表示されれば成功です。

2019-11-20 18:51:02+09:00

dependencies に色々インストールしてみる

試しに色々インストールしてみましょう

# dependencies にインストール
npm install express
npm install cors

package.jsondependencies にアルファベット順で追加されていくのがわかると思います。

  "dependencies": {
    "cors": "^2.8.5",
    "express": "^4.17.1",
    "moment": "^2.24.0"
  }

eslintdev-dependencies にインストールしてみる

ESLintというライブラリがあります。
これを使うと、JavaScriptの文法を検査し、問題があればVS Code上に警告を表示してくれたりします。

このライブラリは開発環境では使いますが、サーバー環境では使いません。

こういったライブラリを扱うのが devDependencies です。

以下のコマンドを実行してみてください。

# devDependencies にインストール
npm install --save-dev eslint
npm install --save-dev eslint-config-airbnb-base

package.jsondependencies とは別に devDependencies という項目が増えたと思います。

  "devDependencies": {
    "eslint": "^5.16.0",
    "eslint-config-airbnb-base": "^13.1.0",
  },

dependencies のみインストールする

サーバー環境等で、 devDependencies をインストールせずに、 dependencies のみをインストールしたいということがあります。

以下のコマンドを使えば可能です。

# dependencies のみインストール
npm install --production

セマンティックバージョニングについて

いつのまにか package-lock.json というものが生成されています。これは何なのでしょうか?

これが何なのか説明する前に、セマンティックバージョンについて説明します。

Node.js界隈では セマンティックバージョニング X.Y.Z という考え方が浸透しています。

おおざっぱに説明すると、以下のようにバージョン番号を付けます。

  • X : メジャーバージョン : 互換性がなくなったら上昇
  • Y : マイナーバージョン : 互換性を保ちつつ、機能を追加したら上昇
  • Z : パッチバージョン : バグ修正したら上昇

それでは、一番最初の開発版のバージョンはどうするのか?というと、セマンティックバージョニングによれば、 0.1.0 から始めるのが良いとされています。

このハンズオンの最初に、バージョン番号を 0.1.0 にしたのも、それが理由です。

バージョンの範囲指定について

package.json でのバージョンの範囲指定についても説明します。

先ほど ^ という記号が登場しました。以下のような特徴があります。

  • ~X.Y.Z : パッチバージョン Z の上昇まで許容します。
  • ^X.Y.Z : マイナーバージョン Y の上昇まで許容します。

たとえば、以下の表のように、複数のバージョンを持つライブラリがあるとします。

バージョン 2.x 2.1.x ~2.1.1 ^2.1.1
1.35.7 :x: :x: :x: :x:
2.0.0 :white_check_mark: :x: :x: :x:
2.1.0 :white_check_mark: :white_check_mark: :x: :x:
2.1.1 :white_check_mark: :white_check_mark: :white_check_mark: :white_check_mark:
2.1.2 :white_check_mark: :white_check_mark: :white_check_mark: :white_check_mark:
2.2.0 :white_check_mark: :x: :x: :white_check_mark:
3.0.0 :x: :x: :x: :x:

:white_check_mark: がついているものの中で、最新のものがインストールされます!

このようにバージョンを範囲指定することで、 npm install するだけで、バグが修正された新しいライブラリを使うことができます。

ただし、以下のようなことも発生します。

  • Aさん、11月に npm install を実行したところ、 2.1.1 がインストールされた。
  • Bさん、12月に npm install を実行したところ、 2.1.2 がインストールされた。

npm install を実行したタイミングで異なるバージョンのライブラリがインストールされます!

結局どのバージョンがインストールされているのか?は、 package.json を見ただけではわかりません。

それを記録しているのが、 package-lock.json です!

これは自動で生成されるファイルなので、このファイルを手動で編集しないようにお願いします。

npm cipackage-lock.json から高速にインストールする

せっかく色々インストールしましたが、ここでいったん、 node_modules フォルダーを削除してみましょう。

(VS Codeで node_modules を開いている場合は、エラーが起きるかもしれません。その場合は、VS Codeを閉じてください。)

削除ができたら、以下のコマンドを実行してください。

npm ci

node_modules フォルダーが復活しました!

実は、 npm cipackage-lock.json を元にライブラリをインストールするんです!

また、 npm install よりも npm ci の方が、インストールが早く終わったことに気づいたかもしれません。

npm install を実行したときは、ライブラリが依存している別のライブラリを検索したりと、依存関係の解決に時間がかかります。

しかし、 package-lock.json には、そういった依存関係の検索が済んだデータが記載されています。そのため、 npm ci の方が npm install よりも高速になったんです。

グローバルに npm install

今度は、以下のコマンドを実行してくてみましょう。

npm install --global fixpack

fixpack というライブラリがインストールされたはずですが、 package.json にも node_modules にも fixpack は追加されていません。

実は、npmにはグローバル用の node_modules があり、そこに追加されています。

WindowsでNodistを使ってNode.jsをインストールした場合、 C:\Program Files (x86)\Nodist\bin\node_modules にあるようです。

fixpack を使ってみる

グローバルにインストールした fixpack を使ってみましょう。

以下のコマンドを実行してください。

fixpack

package.json の中身が自動でソートされたと思います。

とくにぐちゃぐちゃになりがちな dependencies の中身がアルファベット順にソートされるので便利です。

積極的に使っていきましょう!

さいごに

以上おつかれさまでした。

ひととおり、npmコマンドや package.json の編集を体験できたと思います。

本記事作成にあたり、以下のページを参考にしました。ありがとうございました。

これは Node.js Advent Calendar 2019 の8日目の記事でした。
明日は @shimataro999 さんによる Node.js v12のES Modulesと、Babel/TypeScriptの対応について です!

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