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アーキテクトとして活躍の幅を広げる

Last updated at Posted at 2025-12-12

この記事は Schoo Advent Calendar 2025 の13日目の記事です。

こんにちは。株式会社Schooでソフトウェアエンジニアをやってる @schoo_shogo_nakashima です。今回は、現在リードアーキテクトとして参加しているプロジェクトでアーキテクトとしての活躍の幅を広げるヒントが見つかったのでシェアしたいと思います。

アーキテクトは構造の人

この記事ではアーキテクトをざっくりと「システムの構造を決めることで価値を出す人」と定義します。実際にアーキテクトと呼ばれる人の役割は所属する組織や経験年数によってそれぞれ違うと思いますが、この定義にはだいたいの方が当てはまるのではないでしょうか。

特に断りのない場合、この記事では「アーキテクト」は「ソフトウェアシステムのアーキテクト」を指します。

活躍の幅に悩むアーキテクト

アーキテクトは自身の専門分野の知識を磨くことで貢献の “深さ” を大きくしていくことが非常に重要です。一方で、アーキテクトも立場が上がるにつれ、組織のより広い範囲に影響を与えるような貢献の “幅” が求められるようになってきます。また、もっと幅を出したいと自ら考える方も多いのではないでしょうか。

でも、これって難しくないですか?

専門分野の知識を磨くほど、他分野の方には通じない話が増えてきます(専門性が高いというのはそういうことだと思います)。結果として、専門性を磨くほど他分野の方を巻き込んだ動きが難しくなるという感覚が芽生えがちです。私自身はアーキテクトとしての専門性を捨てずに活躍の幅を出す方法をなかなか見つけられずにモヤモヤしていました。

フェージングという貢献(一例)

そんな中、現在参加しているプロジェクトで「幅を出せたな」と手応えを感じる瞬間がありました。それは、自分の提案でプロジェクトをいくつかのフェーズに分けプロダクトを段階的にリリースしていくことが決まった時でした。

提案のきっかけは、プロジェクトの要件を整理していた際に以下の点に気がついたことでした。

  • 今回作るシステムは複数のサブシステムとして設計できること
  • サブシステムはそれぞれがビジネス的な価値を持っていること

つまり、サブシステム単位でリリースすることにより早期にプロダクトの価値を高めることができる。まさにアーキテクトとしての視点がフェージングのヒントとなったのです。

構造化の力で活躍の幅を広げる

私は構造の価値は認知負荷を下げることだと思っています。自分のアーキテクトとしてのポリシーを「構造の力で認知負荷をぶっ倒す」としているくらいです。良い構造化ができると対象はシンプルな要素の集合となり、依存関係も綺麗になり、対象全体を理解することが非常に容易になります。それぞれの要素を独立して扱うことも可能になります。

このように考えると、アーキテクトの活躍の幅は大幅に広がります。今回はプロジェクトのフェージングにアーキテクトとしての構造化の力を活用しました。この他にも、システムを独立性の高い要素に分割することで開発チームの分割を可能にし、組織のスケールアウトに貢献するといったことも考えられます。

システムの構造がシンプルになり見通しが良くなることで、システムを中心としたあらゆることの動きが良くなるのです。

逆にシステムの構造がめちゃくちゃになっていることで起きている問題も思い浮かべてみてください。いくらでも思い当たるのではないでしょうか。その数だけアーキテクトとしての能力を活かす場があります。

現場で活躍するためにはサブウェポンが必要

構造化のスキルは強力なメインウェポンです。しかし、実際の現場で活躍の場を広げるにはメインウェポンの長所を増幅してくれるサブウェポンが必要です。

今回のフェージングの例では、フェーズを分けることでプロジェクトの中心的な目的を早い段階で検証できるということを図解して説明することでPdMとの合意形成をスムーズに行うことができました。「ビジネスサイドの関心事理解」と「図解」のスキルが有効なサブウェポンとなったわけです。

自分の立ち回りに合ったサブウェポンがあることで、リアルな現場に必要な推進力が得られるのだと実感しました。今後も構造化のスキルを活かすスキルの獲得を意識していきたいと思います。

まとめ

今回の経験で、アーキテクトは構造化のスキルを活かすことで活躍の幅を大きく広げられるという気づきがありました。

  • 良い構造には認知負荷を下げるという価値があること
  • それを活かすスキルを身につけることでリアルな現場にその価値を届けられること

この二つを意識して、今後もアーキテクトとしての活躍の幅を広げていきたいと思います。


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