シリーズ目次
- ボックスカルバートの形状予測AI ~データ整理編~
- ボックスカルバートの形状予測AI ~学習用設計データの作成編~
- ボックスカルバートの形状予測AI ~ニュートラルネットワークの構築編~
- ボックスカルバートの形状予測AI ~いざ予測 編~
- Tensorflow.Keras で学習したモデルをtensorflow.jsで使う
企画説明
土木構造物のボックスカルバートの寸法を決定するのは設計業務におけるメインの業務内容です。
寸法を決定する作業は、設計時に毎回検討するのですが、あらかじめ設計した大量の計算結果をAIに学習させることにより適正な寸法を予測できるのではないか
データ整理編
用意したデータ
ボックスカルバートの設計は、下図の通り
- ボックス直上の埋め戻し土
- ボックスより上の部分の地層1
- ボックスの上半分の地層2
- ボックスの下半分の地層3
に囲まれた左右対称の形状とし、下表のパラメータを学習に用いる
ニュートラルネットワーク(AI)に入力する情報
| 変数名 | 意味 | 備考 |
|---|---|---|
| result_max | 安全率の最大値 | |
| Df | 地表面から内空までの深さ | (mm) |
| b0 | 内空幅 | (mm) |
| h0 | 内空高さ | (mm) |
| fck | コンクリート強度 | (N/mm2) |
| condition | 環境条件 | 一般の環境、腐食性環境、厳しい腐食性 |
| coverSoilWeight | 埋め戻し土の湿潤重量 | |
| ds | 鉄筋の純かぶり | (mm) |
| r1 | 1層目の湿潤重量 | (kN/m3) |
| type2 | 2層目の地盤区分 | 砂質土 or 粘性土 |
| r2 | 2層目の湿潤重量 | (kN/m3) |
| E02 | 2層目の地盤反力係数(kN/m2 ) | |
| Ko2 | 2層目の静止土圧係数 | |
| type3 | 3層目の地盤区分 | 砂質土 or 粘性土 |
| r3 | 3層目の湿潤重量(kN/m3) | |
| E03 | 3層目の地盤反力係数(kN/m2 ) | |
| Ko3 | 3層目の静止土圧係数 |
ニュートラルネットワーク(AI)が予測する情報
ニュートラルネットワークは 上表の17個の入力値を受け取って 下表の3個の値を出力する「全結合層」を7つ重ねたシンプルなモデルを作成します。
| 変数名 | 意味 | 備考 |
|---|---|---|
| tu1 | 上床版の厚み | |
| tb1 | 下床版の厚み | |
| tw1 | 側壁の厚み |
実際に学習に用いる csv データ
下記の csvファイル を学習に用いました
上表の設計データが、15万件分 記録されています。
次回
次回、この設計データの作成について記事を書きます。



