シリーズ目次
- ボックスカルバートの形状予測AI ~データ整理編~
- ボックスカルバートの形状予測AI ~学習用設計データの作成編~
- ボックスカルバートの形状予測AI ~ニュートラルネットワークの構築編~
- ボックスカルバートの形状予測AI ~いざ予測 編~
- Tensorflow.Keras で学習したモデルをtensorflow.jsで使う
ボックスカルバートの設計データについて
これらすべての形状に対して予測する 万能な AI は実現が難しいので、今回は簡単な形状をターゲットにします。
学習用設計データの作成
設計は、以下の条件としました。
設計条件
ボックスカルバートは、左右対称の形状とする
ハンチ
ハンチ1は、側壁と上床版 の 薄い方 の 1/2 の大きさとする
下床版にハンチは設けない
地表面に載る荷重
常時の上載荷重は 10kN/m2 とする
地表面の活荷重は 下表の荷重とする
設計水位
高水位は 地表面 とする
低水位、平水位は 考慮しない
ボックス内部の活荷重
考慮しない
温度荷重
10℃ とする
鉄筋について
ボックスカルバートの部材の鉄筋量は、一般に 0.15% ~ 1.0% の鉄筋が入っている
今回は、部材厚を予測するので、鉄筋量の増減は 学習データに含めたくなかった
そこで、今回は、 全設計データで 一律 断面の0.6% の鉄筋が入っているものとして
設計データを作成した
地盤定数について
一般的には ボックスカルバートは多層地盤中に構築されるため 関係する地盤数は任意の数になる
数が固定されていない状況は ニューラルネットワーク の入力が 難しくなるため
今回は、
- ボックス直上の埋め戻し土
- ボックスより上の部分の地層1
- ボックスの上半分の地層2
- ボックスの下半分の地層3
というように 地層の数を固定した
地盤の湿潤重量
最大 20 kN/m3 の値を取ることとした
地盤定数
今回は、杭なし構造物を弾性体として解く
したがって地盤反力係数を計算するための変形係数を設定する
静止土圧係数
土圧の算定に用いる係数で一般的には、下表の関係があるが、
今回は 0.8 以下の 任意の数値とする
以上の条件により 15万件 のボックスカルバートのデータを生成し設計をおこなった
設計した結果を格納した csvファイル を下記の URL から 入手できます。
次回
次回、は 生成した15万件のデータを学習させ、部材厚を予測するAI を実際に作成してみます。