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計画パフォーマンス領域

Last updated at Posted at 2023-04-04

初めに

記事をご覧いただきありがとうございます!
PMBOK第7版を元にプロジェクト・マネジメントについて勉強しております。
章立てでまとめておりますので、ご自身のあったものをご覧ください。

ステークホルダー

チーム

開発アプローチとライフサイクル

計画

プロジェクト作業

デリバリー

不確かさ

〜作成中〜

4 計画パフォーマンス領域における成果

  • プロジェクトは、組織化され、調整され、計画的に進む。
  • プロジェクトの成果を提供するための総合的なアプローチがある。
  • プロジェクトの進展に伴い、実施目的である成果物と成果を生み出すために、情報が詳細化される。
  • この状況に見合うだけの時間を計画に費やす。
  • 計画情報は、ステークホルダーの期待をマネジメントするのに十分である。
  • 新たなニーズ、あるいはニーズや状況の変化に基づいて、プロジェクト期間を通じて計画を適合させるプロセスがある。

見積もり

プロジェクトのコスト、資源、作業工数、所要期間など、変数の予測される数値や成果を定量的に査定すること。

正確さ

品質マネジメント・システムにおける、正しさのアセスメント結果

精密さ

品質マネジメント・システムにおける、厳密さの査定結果

クラッシング

資源を追加することにより、コストの増大を最小限に抑えスケジュールの所要期間を短縮する方法

ファスト・トラッキング

スケジュール短縮方法の一つ。通常は順番に実施されるアクティビティやフェーズを並行して遂行する。

予算

プロジェクト、あらゆるワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(WBS)構成要素、またはスケジュール・アクティビティのための承認済みの見積もり

4.1 計画の概要

  • 計画の目的は、プロジェクト成果物を作成するためのアプローチを事前に決めること。
  • プロジェクト・チームは、ビジョン記述書、プロジェクト憲章、ビジネス・ケースなどの初期のプロジェクト文書を段階的に詳細かし、望ましい成果を達成するための調整された道筋を明らかにしたり定義したりする。
  • 計画から得られる情報は、必要以上に詳細である必要はなく、以下を満たせば良い。
    • ステークホルダーが意思決定し行動できる
    • プロジェクトとステークホルダーとで方向性の一致を保てる

4.2 計画変数

  • プロジェクト計画の実施方法に影響を与える変数には、以下のものがある。
    • 開発アプローチ
      • どのように、どの程度、いつ計画するかに影響を与える。
      • 以下に例を示す。
        • ライフサイクルの早い段階で計画または体系化するための具体的なフェーズ
        •  このような状況では、計画の多くが事前に作られる。
        • 初期計画の細部は、プロジェクト期間を通じて段階的に詳細化されるが、当初のスコープはほとんど変更されない。
        • 事前に概要計画を立て、その後にプロトタイプを使う設計フェーズを行うアプローチ
        •  プロジェクト・チームとステークホルダーが設計に同意すると、プロジェクト・チームがより詳細な計画を完成させる。
        • プロジェクト・チームがイテレーションを行う適応型アプローチ
        • リリース計画書を作成するために事前にある程度の計画を行い、各イテレーションの開始時にさらに計画を行う。
    • プロジェクトの成果物
      • プロジェクトの成果物によって、計画手法が限定されることがある。
      • 建設プロジェクトでは、事前に入念な計画を立てる必要がある。
      • プロダクト開発プロジェクトやハイテク・プロジェクトでは、ステークホルダーのフィードバックや技術的進歩に基づいて進化したり変更したりできるように、継続的な適応型計画を使うことがある。
    • 組織の要求事項
      • 組織のガバナンス、方針、手続き、プロセス、および文化によっては、プロジェクト・マネージャーが特定の計画の作成物を作るよう求められることがある。
    • 市場の状況
      • 競争の激しい環境で実施されるプロジェクトは、市場投入までの期間を短縮することに重点を置くため、プロジェクト・チームは事前の計画を最小限にすることがありうる。
    • 法律または規制による制限
      • プロジェクトを前に進めることや、プロジェクト成果物を市場にリリースすることが承認される前に、規制期間や法令により、特定の計画文書の提出を求められるかもしれない。

4.2.1 デリバリー

  • 計画は、ビジネス・ケース、ステークホルダーの要求事項、プロジェクトとプロダクトのスコープを理解することから始まる。
    • プロダクト・スコープは、プロダクト、サービス、所産を特徴づけるフィーチャーや機能
    • プロジェクト・スコープは、所定のフィーチャーや機能を持つプロダクト、サービス、所産を提供するために実行する作業
  • 予測型計画アプローチ
    • 事前のプロジェクト成果物の概要レベルから始めて、より詳細へと要素分解をする。
    • スコープ記述書やワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(WBS)を使って、スコープを詳細な下位レベルに要素分解できる。
  • 反復型や漸進型アプローチ
    • 概要のテーマやエピックフィーチャーへと要素分解し、さらにそれをユーザー・ストーリーやその他のバックログ項目に分解することができる。
    • プロジェクト開始時のプロジェクト・スコープに関連する不確かさを低減するために、独自性、重要性、リスク、または新規性のある作業を優先的に行うことがある。

4.2.2 見積もり

  • 計画では、作業工数、所用期間、コスト、人員および物的資源の見積もりを作成することがある。
  • 見積もりは、プロジェクトのコスト、資源、作業工数、所用期間などの変数の予測される数値や成果を定量的に査定することである。
  • これらは以下の4つの側面に影響する。
振れ幅 プロジェクトやプロダクトのスコープ、ステークホルダー、要求事項、リスクなどの情報が少ないプロジェクトの開始時には、見積もりの振れ幅が広くなる。
正確さ
  • 見積もりの正しさを意味する。
  • 正確さが低いほど取りうる値の幅が大きくなる。
  • プロジェクト開始時の見積もりは、プロジェクトの途中で作成された見積りよりも正確さが低くなる。
精密さ
  • 見積もりに関連する厳密さの度合いを指す。
  • 「今週中」よりも「2日間」の見積もりの方が精密である。
信頼度
  • 経験とともに増す。
  • 過去の類似プロジェクトでの作業経験は、必要なレベルの信頼度を得るのに役立ちうる。
  • 新しい進化中の技術構成要素では、見積もりへの信頼度は低くなる。
  • 見積もりの提示や調整には、以下の方法がある。
    • 決定論的見積もり(ポイント見積もり)
      • 36ヶ月のような単一の数値または量を示す。
    • 確率論的見積もり
      • 取りうる複数の値の加重平均
      • シミュレーションを実行して、特定の結果の確率分析(コストまたはスケジュールについて)
    • 絶対的見積もり
      • 絶対的見積もりは、特定の情報であり、実際の数値を使う。
      • 作業工数の絶対見積もりは、120時間の作業というように表示される。
    • 相対的見積もり
    • フローベースの見積もり
      • サイクル・タイムとスループットを決定することによって決定される。
        • スループットとは、特定の時間内にプロセスを完了できる品目数。
    • 不確かさの予測の調整
      • 定義上リスクのパラメーターの不確かさの幅を確立するために実施されたシミュレーションの結果に基づいて、主要な成果物の期日または予算見積もりを調整したり、コンティンジェンシー予備時間または予備費を追加したりする。

4.2.3 スケジュール

  • スケジュールは、所要期間、依存関係、その他の計画情報など、プロジェクトのアクティビティを実行するためのモデルである。
  • スケジュール計画では、予測型または適応型アプローチを使える。
  • スケジュールを決定するには、見積もり情報を使って、全体的な所要期間と作業工数の見積もりを決定する。
  • 使われるスケジューリング・アプローチに関係なく、作業工数と所要期間の関係に対処する必要がある。
  • 幾つかのアクティビティは可変時間作業で、人員を追加することで期間を短縮できる。
  • 調整、コミュニケーション、コンフリクト、作業のやり直しによって作業が長引く前に、人員の追加によって作業時間を短縮できるかどうか、そして、どれだけ短縮できるかは、作業の性質によって決まる。

4.2.3.1 予測型アプローチ

ステップ1 プロジェクト・スコープを特定のアクティビティに要素分解する。
ステップ2 関連するアクティビティの順序を設定する。
ステップ3 アクティビティを完了するために必要な作業工数、所要期間、人員、物的資源を見積もる。
ステップ4 可用性に基づいて、アクティビティに人員と資源を割り当てる。
ステップ5 スケジュールが合意されるまで、順序、見積もり、および資源を調整する。
  • スケジュール・モデルが当初の希望終了日に間に合わない場合は、スケジュール短縮方法がある。
    • クラッシング
      • 最小のコスト増で期間を短縮するためのスケジュール短縮方法。
      • アクティビティへの人員の追加、残業、デリバリーの迅速化に対する支払など
    • ファスト・トラッキング
      • 通常は順番に実施されるアクティビティやタスクを、少なくとも所要期間の一部において並列して実行する。
      • 多くの場合、ネットワーク経路に沿ってリードラグを適用する。
  • スケジュールを短縮するときは、アクティビティ間の依存関係の性質を判断することが重要である。
詳細 変更可否
強制依存関係 契約で要求されていたり、あるいは作業の性質上、必然的に存在したりする関係 できない
任意依存関係 ベストプラクティスまたはプロジェクトの選考に基づいた関係 できる
外部依存関係 プロジェクト・アクティビティと非プロジェクト・アクティビティとの関係 できない
内部依存関係 プロジェクト・アクティビティ感の関係 できる

4.2.3.2 適応型アプローチ

  • 漸進型計画を使う。
  • イテレーションとリリースに基づいている。
  • タイムボックスを使うことが多い。
    • 各タイムボックス内の作業は、優先順位が付いたバックログに基づいている。
    • プロジェクト・チームは、各タイムボックス内で実施可能な作業量を決定し、作業を見積り、作業を達成するため自己管理を行う。
    • タイムボックスの最後にプロジェクト・チームは完了した作業のデモを行う。
    • バックログと完了可能な作業の見積もりが更新されるか、次のタイムボックスに向けて優先順位が再設定される可能性がある。

4.2.4 予算

  • プロジェクト予算は、プロジェクトで合意された見積もりから発展する。
    • 見積もりの情報をプロジェクト・コストに適用してコスト見積もりを作成する。
    • コスト・ベースラインを作成するために、コスト見積もりが集約される。
    • プロジェクト予算には、不確かさに備えてコンティンジェンシー予備費を含めるべきである。
    • マネジメント予備は、スコープ内の作業に関連する想定外の作業に備えて確保される。

4.3 プロジェクト・チームの編成と構造

  • プロジェクト・チームの編成計画は、プロジェクト作業を遂行するために必要なスキル・セットを特定することから始まる。
  • スキルだけでなく、同様のプロジェクトでの熟練度や経験年数も評価する必要がある。
  • プロジェクト・チームの作業場を考慮する必要がある。
    • 同じ部屋で作業できる小規模なプロジェクト・チーム
      • 浸透コミュニケーションのメリットを活かせる。
      • 問題が発生した時に解決できる。
    • 物理的に分散しているプロジェクト・チーム
      • ITを活用して人々をつなぐためにより多くの時間が費やされる。

4.4 コミュニケーション

  • プロジェクトのコミュニケーションを計画する際は、以下の点を考慮する必要がある。
    • 誰が情報を必要としているのか
    • どのような情報を各ステークホルダーが必要とするのか
    • なぜステークホルダーと情報を共有する必要があるのか
    • 情報を提供する最善の方法は何か
    • いつ、どのような頻度で情報が必要とされるのか
    • 誰が必要な情報を持っているのか
  • ステークホルダー、情報ニーズ、情報のカテゴリーを分析することは、プロジェクトのコミュニケーション・プロセスと計画を確立するための基盤となる。

4.5 物的資源

  • 物的資源とは、以下のような人以外の資源が該当する。
    • 資材
    • 機器
    • ソフトウェア
    • テスト環境
    • ライセンス
  • 物的資源の計画には、資材の配送、移動、保管、廃棄のリード・タイムや現場への資材の到着から完成したプロダクトの納入まで資材の在庫を追跡する手段を考慮することが含まれる。

4.6 変更

  • 変更の要因として以下のようなものがある。
    • リスク事象の発生
    • プロジェクト環境の変化の結果
    • 要求事項をより深く理解することに基づくもの
    • 顧客要求またはその他の理由によるもの
  • プロジェクト・チームは、プロジェクト機関を通じて計画を適応させるプロセスを準備するべきである。
    • 変更管理プロセス
    • バックログの優先順位付け
    • プロジェクト・ベースラインの再設定

4.7 メトリックス

  • メトリクスとは、様々な活動を定量化し、その定量化したデータを管理に使えるように加工した指標のこと。
  • ProductとActivityの2軸で進捗管理する。
    • Activity軸
      • プロジェクトの各作業に焦点を当てて進捗を管理する。
      • 計画段階が済んだうえで設計に入っているか、テストに充分な時間はとれているかなどを確認する必要がある。
    • Product軸
      • 成果物に焦点を当てて進捗管理する。
      • 目的の成果物完成に着実に近づいているか、という観点から進捗管理する必要がある。

4.8 整合

  • 計画活動と作成物は、プロジェクト機関を通じて常に統合しておく必要がある。
  • これは、スコープと品質要求事項の観点からパフォーマンスを計画することが、デリバリーのコミットメント、割り当てられた資金、資源の種類と可溶性、プロジェクト固有の不確かさ、およびステークホルダーのニーズに合致することを意味する。
  • 一つのプロジェクトの作業が、他のプロジェクトと並行して行われる場合、作業のタイミングを関連するプロジェクトの作業と組織の定常業務のニーズに整合しているべきである。
  • 大規模プロジェクトでは、統合されたプロジェクトマネジメント計画書に計画作成物をまとめることができる。
  • 小規模プロジェクトでは、詳細なプロジェクトマネジメント計画書は非効率になる。
    • タイミング、頻度、計画の程度に関係なく、プロジェクトのさまざまな側面の整合を取り、統合しておく必要がある。

4.9 他のパフォーマンス領域との相互作用

  • 計画立案はプロジェクト期間にわたって行われ、各パフォーマンス領域と統合される。
  • プロジェクトの開始時に、期待される成果が特定され、それを達成するための概要計画が作られる。
  • プロジェクト全体を通じて、計画はプロジェクト作業、成果の提供、事業価値の指針となる。
  • プロジェクトチームとステークホルダーは、進捗と成功の尺度を確立し、パフォーマンスを計画と比較する。
  • プロジェクトの不確かさとリスクへの対処方法を計画する際に、不確かさと計画は作用し合う。
  • プロジェクト・チームのメンバー、環境、およびプロジェクトの詳細は、プロジェクト・チームと効果的に作業し、ステークホルダーと積極的に関与するための計画に影響を与える。

4.10 結果のチェック

成果 チェック
プロジェクトは、組織化され、調整され、計画的に進む。
  • プロジェクトのベースラインおよびその他の測定基準に対するプロジェクトの結果のパフォーマンス・レビューは、プロジェクトが計画通りに進行していることを明らかにしている。
  • パフォーマンスの差異はしきい値内である。
プロジェクトの成果を提供するための総合的なアプローチがある。 デリバリー・スケジュール、資金調達、資源の可溶性、調達などは、プロジェクトが全体的な方法で計画されており、ギャップやズレがないことを示している。
プロジェクトの進展に伴い、実施目的である成果物と成果を生み出すために、情報が詳細化される。
  • 成果物と要求事項についての初期の情報を現在の情報と比較することで、適切に詳細化されているかを明らかにしている。
  • ビジネス・ケースと現在の情報を比較することで、プロジェクトが目指す成果物と成果を生み出す見込みを明らかにしている。
この状況を見合うだけの時間を計画に費やす。 プロジェクト計画書と文書は、計画のレベルがプロジェクトに適していることを示している。
計画情報は、ステークホルダーの期待をマネジメントするのに十分である。 コミュニケーション・マネジメント計画書とステークホルダーの情報は、コミュニケーションがステークホルダーの期待をマネジメントするのに十分であることを示している。
新たなニーズ、あるいはニーズや状況の変化に基づいて、プロジェクト機関を通じて計画を適合させるプロセスがある。
  • バックログを使うプロジェクトでは、プロジェクト全体を通して計画を適応させている。
  • 変更管理プロセスを使うプロジェクトには、変更管理プロセスが適用されていることを示す変更管理委員会会議の変更ログと文書がある。

引用

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