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翻訳:超知能へ向けたステップ (ロドニー・ブルックス)

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ロドニー・ブルックス氏について

1954年、オーストラリア生まれ。スタンフォード大学で博士号を取得。1980年代半ばより、MITでコンピュータ・サイエンスの教授を勤めています。詳細な経歴はブルックス氏本人が説明している本文を読んでほしいのですが、包摂アーキテクチャ (サブサンプション・アーキテクチャ) の提案によりロボティクスと人工知能研究に革命をもたらした人物です。最近では、ロボット掃除機ルンバを作ったiRobot社の共同創業者としても有名です。

ブルックス氏は、2017年初めごろから自身のサイトhttps://rodneybrooks.com/ 上のブログで、近年のいわゆる「第三次AIブーム」に対するやや懐疑的な論調のエッセイを多数発表しています。この記事は、「ロボティクスとAIの未来」というタイトルを付けられた連載記事の一部であり、「超知能」あるいはその前段階として「汎用人工知能」の実現のため目指すべき目標を説明するエッセイです。


tl; dr

パート1では、人工知能研究の難しさと、過去「汎用人工知能」の実現を目指した4つのアプローチが説明される。4つのアプローチは、「シンボリックAI」、「ニューラルネットワーク」、「伝統的ロボティクス」と「振る舞いに基づくアーキテクチャ」である。最後の「振る舞いに基づくアーキテクチャ」は、ブルックス氏自身が考案したものである。

パート2では、いわゆるチューリングテスト (模倣ゲーム) を代替する、汎用的な知能をテストするための手法として、エルダーケアワーカー (ECW) とサービスロジスティックプランナー (SLP) というアプリケーションが提唱されている。ECWは、高齢者の家で身体的な介護介助を行う物理的なロボットである。SLPは、何らかのサービス提供 (文中では、人工透析施設の医療サービスが例に挙げられている) のために必要な建物、施設、機械と労働者等の配置及び需要予測などの全般的な計画タスクを担うプログラムである。なお、SLPは必ずしも物理的な身体を持つロボットである必要はない。

パート3では、現在の人工知能には困難な問題、代表的な7つが取り上げられる。その7つは、本当の知覚、本当の物体操作、本を読むこと、診断と修繕、人間とロボットの行動の地図上での関連付け、プログラムを書いたりデバッグすること、人間との絆である。

パート4では、直近で目指すべき目標が4つ挙げられる。すなわち、2歳児の物体認識能力、4歳児の言語理解能力、6歳児の物体操作能力、8歳児の社会性理解である。


本文


  1. 汎用人工知能研究の歴史


  2. チューリングテストを超えて


  3. 人工知能には(まだ)できない7つのこと


  4. 汎用人工知能実現のために今やるべきこと