はじめに
とある検証環境を更改することになり、HP社製のマシンにESXi7をセットアップした際に躓いた点がありました。一連の流れを備忘として残します。
※記載の内容は2023/11/1時点の情報です。
ESXiインストールメディアを準備
- HP社製マシンにESXiをインストールするにはVMWare社提供のファイルではなくHPEカスタムイメージを落とします。
VMware ESXi Image for HPE servers - ダウンロードしたカスタムイメージをメディアに焼きます。私は普段、USBメモリにインストールメディアを作成しております。作成時はこちらのソフトが使いやすく便利です。
ESXiをインストール
- マシン起動後、BIOS画面に入ってUSBメモリから起動させます。
- ESXiロード画面にて「SHIFTキー」+「O(オー)キー」を同時押しします。
5秒ほど経過してしまうと通常のインストールへ自動で進んでしまうので注意。
なお、通常インストールへ入ると以下のような画面に出くわします。やり直しましょう。
最近のコンシューマ向けIntel 第12世代以降のCPUには、処理性能を求めたPコアと処理効率を求めたEコアがあり不均一な構成となるため、インストール時のチェックでESXiがパニックになるそうです。それを回避します。
参考画面(この画面が表示されインストールが中止される)↓
- コマンド入力
- 画面上に表示されている文字列に空白一文字開けて、続けて「cpuUniformityHardCheckPanic=FALSE」 と入力します。
- 画面を抜けて、通常インストールに進みます。前述の紫色の画面は回避されているはずです。
インストール直後の操作
- 「Installing Complete」画面が表示されましたら「Altキー」+「F1キー」を同時押してDCUI(ESXiに備わっているダイレクトコンソールユーザーインターフェース)へ入ります。Enterは押さないでください。
- コマンド入力
- rootでログイン。(パスワードは空欄のままで良い)
- コマンド入力
- vi /vmfs/volumes/BOOTBANK1/boot.cfg
- VIエディタで起動時に読み込むcfgファイルを編集します。
- cfgファイルの中身に「kernelopt=・・・」に続く文字列の最後に以下の文字列を追記します。
- cpuUniformityHardCheckPanic=FALSE
- 再度「Altキー」+「F1キー」を押してCDUI画面から抜けます。
- 「Installing Complete」画面に戻るので、マシンを再起動。
初回起動時の操作
- ESXi通常のConfig画面へ入り、CDUIまたはSSHをONにする。
- CDUIまたはSSHでESXiへログインして再度ターミナル画面を呼び出す。
- コマンド入力(起動時のCPUチェックの設定を恒久的なものに変更する)
- esxcli system settings kernel set -s cpuUniformityHardCheckPanic -v FALSE
- esxcli system settings kernel set -s ignoreMsrFaults -v FALSE
- 以下のコマンドを入力して値がセットされているか確認する。
- 場合により、CDUIやSSHをDisableにしてログアウト。
セットアップは以上です。
最後に
検証環境の更改を機にESXiをセットアップしたところ、IntelCPUの機能追加?によりスムーズにセットアップできなかったため対応の流れをまとめました。
未だ12thより前のCPUを使用されている方も多いかと思いますし、IBM製品のみならずESXiは多くの仮想アプライアンスで利用されているため、今後の参考になれば幸いです。
参考情報
Intel 12th、13thにESXiをインストールする方法
→こちらの方の記事が大変参考になりました。
記事の内容ではESXi8系をセットアップされたパターンでした。今回の環境はESXi7でしたが、同様の方法で対処できました。