この記事について

TimeTreeでは自社で販売、配信をしているTimeTree Adsの他に、Google Ad Managerから配信されるプログラマティック広告の掲載もしています。

以前から「起動してプログラマティック広告表示までが遅い」と社内での声があり、開発者自身も体感的に広告の表示が遅いと感じていました

広告表示が遅いことで広告表示前にユーザーが離脱し、広告impの伸び悩みにもつながっていました。

この声をきっかけに、Google Ad Managerから配信される広告の表示速度をチューニングした結果、売り上げアップにもつながった話を書きます

忙しい人のための結論

Waterfallに収益パートナーをたくさん設定している場合は、掲載率を元に設定を見直すと広告表示が速くなってimpが増える。

チューニング内容について、実施した順序で書いていきます

まず思いついたのは、リクエストタイミングを少しでも早くすることでした。

起動してから広告リクエストを開始するまでの時間を短くすることで、少しでも表示を早くしようとする試みです。

ヒント: 広告読み込み呼び出しを使用して、広告を表示する前にプリロード広告のキャッシュを構築しておけば、必要に応じて広告をゼロレイテンシで表示できます。広告は 1 時間で期限切れになるため、このキャッシュを消去し、1 時間ごとに新しい広告で再読み込みする必要があります。

表示する前にプリロードしておく実装は公式ドキュメントでおすすめされているようでした。

ですが、この対応で表示が若干早くなったものの、
体感できるほどの成果がでませんでした

成果が思うように上がらなかったプリロード施策の反省から、現状を確認するために以下の3種類の指標を計測することにしました。

ここからわかったこととしては、「リクエストからレスポンスまでの時間がかかっている」ということでした。

Google Ad Managerから広告が返ってくるまでの時間を、削減する方法を検討していくことになりました。

Mediationの仕組みでCPMの高い収益パートナーを追加し、平均CPMを上げようとするケースは多いと思います。TimeTreeではMediationの中でもWaterfallを利用して収益パートナーを追加しています。

(Mediation、Waterfallの説明については以下のドキュメントをご参照ください)

Waterfallの性質上、収益パートナーのサーバーひとつずつに問い合わせをしていきます。接続する収益パートナーが増えるほど、広告レスポンスまでの時間が長くなります。

なので、Waterfallで接続する収益パートナー数を削減できれば、Google Ad Managerからの広告レスポンスを早くできます。

TimeTreeでは収益パートナー設定の中から広告掲載率が低い設定を削除し、Waterfallの問い合わせ数を削減することで、広告レスポンスの待機時間を削減しています。

掲載率は収益グループでWaterfall設定一覧から確認することができます。

この掲載率、全体収益を主な指標として、Waterfall設定の見直しを数回実施しました。

2023年の夏ごろから計測を始めて設定見直しを続けて改善を重ねた結果...

以下が実際に広告レスポンス待機時間を計測したグラフです。2023年の夏ごろから計測を始めて改善されていったのが見て取れると思います。

この対応をしたとき、社内でも「広告表示速くなったよね」と言ってもらえました

TimeTreeの風土は一つ大きな起因だと考えています。改善などを「試してみたい」と提案すると、テストで試してみようといわれることが多いです。

特に今回の広告表示速度の改善はユーザービリティを毀損しない、誰の目から見てもやったほうがよいことだったのもあり、二つ返事でOKをもらって実施していました。

そういった面もあり、改善がとてもやりやすい環境でした。

収益が下がっていないかを見ながらになりますが、Google Ad Managerの設定見直しは開発不要でできるためお手軽な改善方法です。
最近設定いじってないなと思う方はぜひ試してみてください

TimeTreeでは共にミッションに挑戦する仲間を募集しています。
ご興味のある方はぜひ下記に目を通していただけるとうれしいです。
お会いできることを楽しみにしています！