今日は12/24。今日もこのQiita上で一つ戦いを挑んできた。「Qiitaサポートは無能だ」と批判する記事だ。言っておくが、喧嘩が好きでやっているわけではない。権利とは戦って手に入れるもので、その手段だと思っているからやっているだけだ。そして、フリーランスはそれがやりやすい立場にある。私はそれを求めてフリーランスになった。この記事では「フリーランスなら、その立場を大いに活用して戦え」と訴える。
私のこと
私は来年で10年目を迎えるフリーランスだ。また、「常駐案件をこなしていたらそれは会社員と同じだ」というポリシーから、そういう仕事は半分以下に抑えるという目標を立て、めでたくその目標は現状20%未満で維持されている。よくここまで生き延びられてきたのもだ……。
フリーランス人生は、会社への批判から始まった
私は、修士課程を修了し、まずは会社員として社会人を始めた。フリーランスになったきっかけは、その会社への批判心だ。
6年半勤めた頃、うつ病を患った後輩が極めて形式的な手続きを経て切り捨てられようとしていた。私はそんなことをする会社に納得がいかなかった。「うつ病の原因を作ったのは誰だ!」私は当時、社長をとっ捕まえて6時間交渉したが、ついに少しも方針が覆ることはなく、結局彼は退職に追い込まれた。「力になれなくてすまない」と会議室で彼と一緒に泣いた。フリーランスというより、まるで会社員残酷物語だ。
こんな見どころのない会社に居ても将来幸せになれる気がしないと思った私は、彼が退職した翌月に退職した。こういう動機なので、次の勤務先を計画していたわけでもなかった。着の身着のまま飛び出したようなものだ。最初の頃は、なんとなくハローワークに通いつつ、なんとなく次の職を探していた。だが、失業給付が切れる頃には、応募先の会社にへつらう自分が醜く思え、馬鹿馬鹿しくてやめた。
約2年間の貧しい生活で身に着けたもの
貯金などそれほどなかったし、「私に足りないのはビジュアルデザイン力や宣伝広告力だと」感じて、デジタルハリウッドへ通っていたこともあって1、貯金が危険水準まで減るのにそんなに時間は掛からなかった。
貯金が尽きたわけではないものの、倹約生活をしなければならない状態になり、それが約2年間続いた。貧乏な生活を体験したことがある人ならわかると思うが、**「世の中の人々とはみんなこんなに薄情なのか」**という錯覚に苛まれるようになった。
だが、そんな中でも両親は助けてくれた。以前、ソフト・オン・デマンド創業者の高橋がなりが「親を大切にしろ」と言っていたが、貧乏になってその意味がよくわかった。親がいる人は是非大切にしてもらいたい。親だけではない。大切な肉親、親友がいたら大切にすべきだ。
肉親、親友を大切にすること。逞しく生きる心を持つことなど。さまざまなことを教えてくれた約2年間の貧乏生活は偉大な先生だった。
さて、身の上話はこれくらいにして本題に移ろう。
フリーランスは戦いを挑むうえで、とても恵まれた立場
フリーランスとして生きていくノウハウに関してはいくつか体得したものがあるのだが、今日は「戦い」(=必要な手段を講じながらはっきり主張を伝える)に絞って伝えたい。
「日本死ね!」はなぜ増田なのか
さて、あなたは政治、法律、組織、文化、風習などなど……、どんなことでも構わないがどれくらい不満や疑問を抱いているだろうか。思い起こせば山ほどあるはずだ。Webを見れば、不満の吐き溜めのような記事がわんさか出てくる。「保育園落ちた日本死ね!!!」などその典型だ。
ここで例に挙げた「日本死ね!」は増田(=匿名)だ。なぜだろうか?きっと、実世界の本人は、守らねばならぬ家族や組織を背負っていてできないからだろう。それでも訴える必要があると感じたから増田の仮面を被って実行したのだ。
会社員は「組織」という名の足枷をはめられている
ここはフリーランスがテーマだから、フリーランスとそれに対峙する概念である会社員に絞って話をする。
会社員という立場で戦うことは難しい。せいぜい増田仮面を被って叫ぶことしかできず、正体に繋がる恐れのある具体例を述べられないなど仮面を被っているゆえの限界がある。
一方、**「この発言は個人の見解であり、所属する組織の見解ではありません」など都合のいいことを書いて実名で物言う奴がいるが、あんなのはジョークにしかならない。**組織に所属するものが大きな敵に戦いを挑めば、所属組織が戦いを挑んだと見なされる。自分の名前に会社の肩書きを付けるというそういうことだ。いや、付けなくても調べ上げられて組織が反撃される。
そうしたら、あなたと同じ組織に所属していながら同じ意見は持っていない人々には迷惑がかかるため、迷惑を掛けられた組織はあなたに罰を与えたりクビにしたりするだろう。多くの会社員は大人であってそういうことはよくわかっているので、そもそも行動に移さない。だから会社員である限り、増田仮面を被るか、不満があっても肯定するしかない。
フリーランスにはその足枷が無い
会社員でもなければ、会社代表でもなく、独り身というフリーランスは、一番正直に生きられる立場にあると思う。減給とか、クビとかないし、迷惑をかけるとすれば自分だけ。犯罪行為でなければ、正義・信念のために思う存分戦える。
「取引先に迷惑がかかる?」、「守るべき家族がいる?」、そういう人は仕方ない。ただ、フリーランスは戦うための環境にはもっとも近い立場にあると思う。その立場を大いに活用できるように、自分をもっていくべきだ。フリーランスに限ったことではないが、目的達成ための努力を惜しんでいては何も始まらない。
戦いの先にイノベーションがある
「戦い」「戦い」と、手段ばかり先に述べてしまったが、何のために戦うのか?私は少なくとも3つあると思う。
1. 権利を勝ち取る
これは「日本死ね!」のような目的だ。
自分に与えられてないと思う権利を勝ち取るのだ。不当な報酬額、不当な契約条件、不当な商習慣などを打破するというのが身近なところだろうか。
フリーランス生活をしてきた者なら肌感覚でわかると思うが、「権利は黙っていても与えられる」と思っていたら大間違いである。世の中そんなに甘くはなく、権利は戦って勝ち取るものであることは、世界の歴史を見ても明らかだ。
とにかく、あなたが当然の権利を享受して今幸せでいられるのは、先人がそれを勝ち取るために戦ったからだ。既得権益を持つ者は、そうやって激しい主張をされなければ、手放すことなどそう簡単にはできない。
2. 「俺」というはっきりとした人格を作る
その人の、他人とは違うその人らしさ。それが人格だ。なぜ人格が大事かといえば、誰にも代わりの務まらない自分を作るためだ。代わりがいれば、あなたを選択する理由がない。安く自分を売って繋ぎ止めるか、離れられて終わりだ。
「人」という字を用いているが、人格は会社などの組織にも、製品などの物にも宿る。そして会社の人格は会社の偉い人、あるいは皆が力を合わせて作ってくれる。だから会社員はほとんど所属しているだけでそれを利用できる。一方、フリーランスはどうか。知名度ゼロからスタートする。つまり人格を作るところからスタートしなければならない。
私の場合は「POSIX原理主義者」という名の人格者として名を知られるようになってきたが、「原理主義」を名乗るだけあって、これは既存のプロダクト至上主義2への反抗として生み育ててきたのだ。まぁ、POSIX原理主義を快くない思わない勢力も一定数居るが、それはそれでいいと思っている。そいつらの頭の中に存在を知らしめられたのだから。
もちろん戦うことが人格を形成するための唯一の方法だとは思っていない。だが最近、この手法で知名度を上げてきた政治家や有名人が多いことを考えれば、取り得る選択肢として大いに参考になるのではないだろうか。
3. イノベーションを起こす
そして最も勧めたい理由というのがこれだ。
「戦いを挑む」だなんて、どうしてあなたは喧嘩を好むの?
などとよく言われる。いや、だからこそだ。イノベーションは誰もやろうとしないことの先にあるからだ。
オープンソース界隈を見回すだけでもいろいろなプロダクトがあるが、それらの歴史を辿るとforkして別れたものがあったり、突然現れた競合プロダクトであったりするものがある。競合プロダクト同士は本質的に同じ目的を目指しているであろうはずなのに、協力ではなく競合を選んだ理由は何か。
「なんでこの製品はこんなに使いづらいんだ。バカヤロー!」
といった反抗心があったからだろうと思う。そうやって競合を選んだ製品の中には見事イノベーションを起こすことに成功したものも多数ある。
というよに、世の中を見回せば、戦いは常に各地で勃発していて、戦いを起こす彼らの多くが思い描いているのはイノベーションだと思う。
我ら3は、これを**「闘争的イノベーション」**と呼んでいる。
フリーランスよ戦え!理想を実現するために。
権利を勝ち取るため。己を形作るため。イノベーションを起こすため。いずれにしても戦いとは、個々が思い描く理想を実現するための、一つの有効な手段だ。臆さず戦い、理想を実現し、自分や人々を幸せにしてもらいたい。
それほど大それたことではないが、私はこの「フリーランス残酷物語 Advent Calendar 2016」で、場の雰囲気をブチ壊して主催者を断筆に追い込んだ「口やかましい少数派」ども、そしてQiitaサポートに戦いを挑み、立て直すことに成功したと思っている。
主催者が断筆した8日目以降を担当してくれた皆さん、ありがとう。Qiitaに集う読者に良識がある人が多くいることを実感できてよかった。
そして、主催者の @mesaka さん、明日はお帰りなさい。最終日期待してるよ!
-
たまたま退職の数か月前から通っていた。100万円以上の高い学費を払ったが、ここで教わった考え方はとても有意義だった。今でも自分に飯を食わせる能力の一つになっていると思う。 ↩
-
目の前の課題解決に適した新しい製品を見つけ、その使い方を学習することに労力を割いて解決を図ろうとする考え方をこう呼んでいる。対してPOSIX原理主義では、製品(道具)は極力POSIXだけ。あとはそれらの組み合わせや使い方のアイデア出しに労力を割いて解決を図る。 ↩
-
POSIX原理主義組織 秘密結社シェルショッカー日本支部 ↩