はじめに
こんにちは。私はマーケティング業界からIT業界に転職し、初めて現場に入りました。現在はデータ関連の構築業務に携わっており、特にBigQueryを活用したデータ処理やストアドプロシージャの作成などに取り組んでいます。本記事では、現場での経験をもとに、標準作業手順書(SOP)の重要性と作成方法について考えをまとめてみたいと思います。
投稿の経緯
業務を進める中で、標準作業手順書(SOP)の重要性を実感しました。
特に私のプロジェクトでは、多くの移行作業が必要となり、手順自体は共通していても、設定や環境の違いによって細かな調整が必要となる場面が多くありました。
そのため、単なる作業マニュアルだけではなく、柔軟に更新できるSOPの仕組みが不可欠であると感じました。
そこで、SOPの必要性と効果的な作成方法について考察し、記事にまとめることにしました。
標準作業手順書(SOP)とは?
SOP(Standard Operating Procedure)とは、業務を標準化し、誰でも同じクオリティでタスクを実行できるようにするための手順書です。特にIT業界では、開発、運用、データ管理など多くの業務が標準化されていないと、作業の属人化やミスの発生リスクが高まります。SOPを作成することで、作業効率を向上させ、チーム全体の生産性を向上させることが可能になります。
なぜSOPが重要なのか?
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チーム全体の認識を統一し、オンボーディングを円滑にする
- 新しいメンバーに口頭での説明には時間がかかるが、SOPがあればスムーズに情報共有できる。
- 新しいメンバーだけでなく、既存のメンバー間での認識合わせにも役立つ。
- 業務の進め方や基準を明確にし、属人化を防ぐ。
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オペレーションミスを防ぎ、業務の正確性を向上させる
- 明確な手順があることで、業務のばらつきを減らし、ヒューマンエラーを最小限に抑えられる。
- 手順が統一されることで、同じ作業を異なる人が行っても品質を維持できる。
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継続的な業務改善を可能にする
- SOPを運用することでフィードバックを受け、業務の質を高めることができる。
- 手順の見直しや改善がしやすくなり、業務効率の向上につながる。
SOPの作成方法
1. 実際に作業しながら記録する
SOP作成の第一歩は、日々の業務における「繰り返し行う作業」を書き出すことです。記録することで、手順を明確にし、抜け漏れを防ぐことができます。
2. シンプルなリストを作成する
まずは、タスクごとに簡単な箇条書きで手順を書き出します。例えば、BigQueryでストアドプロシージャを作成するに追加する場合は、以下のようになります。
例: BigQueryでストアドプロシージャを作成する
- Google Cloud Console にログインする
- ナビゲーションメニューから「BigQuery」を選択する
- 左側のパネルから対象のプロジェクトとデータセットを選択する
- 「クエリエディタを開く」をクリックする
- 以下のSQLを参考に、ストアドプロシージャを作成する
CREATE PROCEDURE `プロジェクトID.データセット名.プロシージャ名`()
BEGIN
-- ここに処理内容を書く
END;
3. 詳細を追加する
各手順をより具体的にし、実際の操作に沿って細かく記載します。また、スクリーンショットや動画を活用すると、より分かりやすくなります。
例えば、「ストアドプロシージャを作成する」の手順では、以下のような詳細を明記すると、実際の作業時に迷いがなくなります。
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プロジェクトID・データセット名の確認方法
- BigQueryコンソールの左側のナビゲーションパネルから、使用するプロジェクトとデータセットを選択する
- 選択したデータセット名を確認し、ストアドプロシージャを格納する場所を決定する
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プロシージャの具体的な処理内容
- 例えば、指定されたテーブルのデータを集計するストアドプロシージャを作成する場合、以下のようにSQLを記述する
CREATE PROCEDURE `my_project.my_dataset.calculate_sales`() BEGIN SELECT customer_id, SUM(amount) AS total_sales FROM `my_project.my_dataset.sales` GROUP BY customer_id; END;
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プロシージャの実行方法
- クエリエディタで作成したストアドプロシージャを実行するには、以下のSQLを使用する
CALL `my_project.my_dataset.calculate_sales`();
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エラーハンドリングの追加
- 処理中にエラーが発生した場合の対応方法を記述する
- 例えば、TRY...EXCEPTION を使用してエラーをキャッチし、ログテーブルにエラー情報を記録する
コピーする編集する CREATE PROCEDURE `my_project.my_dataset.calculate_sales`() BEGIN BEGIN -- 集計処理 SELECT customer_id, SUM(amount) AS total_sales FROM `my_project.my_dataset.sales` GROUP BY customer_id; EXCEPTION WHEN ERROR THEN INSERT INTO `my_project.my_dataset.error_logs` VALUES (CURRENT_TIMESTAMP(), @@error.message); END; END;
このように、実際に操作する際に必要な情報を追加することで、誰が見てもわかりやすい手順書になります。
4. テスト・レビュー・更新
SOPは「一度作成して終わり」ではなく、継続的な見直しと改善が重要です。
- 実際にSOP通りに作業してみて、分かりにくい点がないか確認する
- 他の人に使ってもらい、フィードバックをもらう
- 業務の変更に応じてSOPを更新する
おすすめのSOP管理方法
SOPを管理・共有する方法として、私は Notion や Backlog を活用しています。これらのツールを使うことで、
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Notion
- リンクや画像を簡単に埋め込める
- 手順をテンプレート化できる
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Backlog
- タスクのステータス管理がしやすい
- チーム内での変更履歴を可視化できる
- 更新やタスクの進捗を追跡できる
また、私のプロジェクトでは、移行が頻繁に発生し、手順の順序が厳密に管理される必要があるため、NotionやBacklogでのSOP管理が特に役立っています。
まとめ
SOPは、業務の標準化や効率化に大きく貢献する重要なドキュメントです。
- メンバーがスムーズに業務を理解できる
- オペレーションミスを防ぎ、業務の質を向上させる
- 手順を維持・改善しながら、継続的に業務を改善できる
ぜひ、皆さんの現場でもSOPを活用し、業務の効率化に役立ててください!