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転職ドラフトで1000万円超えのオファーを2度貰ったエンジニアが「評価された理由」と「正社員で働く意味」について考えてみました。

Last updated at Posted at 2018-01-21

【キャリア/転職ドラフト】正社員/契約社員エンジニアという働き方のメリット/デメリット - YouTube

ここ数年はフリーランスエンジニアとして色々な企業様でお世話になっているのですが、「正社員は嫌だ」というわけではなく、また「自分の市場価値をシビアに知っておきたい」ということもあり、転職ドラフトには毎回参加させて頂いております。

  • 転職ドラフトに関してご存知ない方はこちらとかこちらの記事が参考になると思われます。
  • ちなみに私は転職ドラフトや運営会社のリブセンスさんとは何の関係も無いのでステマとかではありません。

どんなオファーを貰ったのか

私の場合、年齢的に普通におじさんだということもありまして、オファーが0件の場合も多いのですが、有り難いことに今までに1000万円超えのオファーを2回頂いた経験があります。

1回目のオファーに関しては、実際に面談にも伺ったのですが、労働環境やチーム方針等が私の志向と合わない部分があったため辞退させて頂き、2回目のオファーに関しては、マネジメント要素がかなり強い職種でのオファーだったためそちらも辞退させて頂きました。(基本的には「手を動かすエンジニア」として働きたいため)

どんな点が評価されたのか

転職ドラフトのオファーには課題に基づいた指名理由という欄が必ず含まれているのですが、こちらを参照する限りどちらのオファーも

  • 幅広い経験
  • フルスタック性
  • 機械学習やAIに関して継続的に学習していること

という辺りを高くご評価頂いたようです。

ちなみに私は機械学習やAIに関しては実務未経験(現在レコメンダシステムの開発に携わってはいますが、アルゴリズム部分はノータッチ)なのですが、文系エンジニアが機械学習に入門するために小学校の算数から高校数学までを一気に復習してみましたという記事や文系エンジニアがCourseraの機械学習コースを1ヶ月で修了したので振り返ってみましたという記事を以前Qiitaの方に投稿しておりまして、どうやらどちらの企業様も上記の記事をご参照頂いたようです。

(転職ドラフトでは個人ページでQiitaのアカウントを入力する欄があるのですが、多分そちらから辿ってもらったのかなと)

ということで、人それぞれ「強み」は異なると思うのですが、現在進行系で技術を熱心に勉強しているかどうか、つまり直近数ヶ月間でのアクティブなアウトプットは、評価される上でのかなり重要なポイントになるようなので、私の場合はQiitaでしたが、GitHubなり個人ブログなりに定期的にアウトプットしていくことで、良いオファーが貰える可能性は高くなるのかなという印象です。

現時点の私のスキルセット

ご参考までに、私の現在のスキルセットというか、今までに業務で経験した言語等をざっと羅列しておきます。

分野 内容
言語 COBOL,Delphi,SQL,VC++,Perl,JavaScript,VBScript,VBA,C#,VB.NET,PHP,ActionScript,Ruby,Java,Python,Objective-C,Elixir,Scala,Go,Rust,Kotlin,TypeScript
各種フレームワーク等 Windows-SDK,MFC,STL,ActiveX(COM),DirectShow,.NET Framework,LINQ,Ruby on Rails,Struts,Spring,CakePHP,Symfony,CodeIgniter,Zend Framework,Ethna,WordPress,Django,Phoenix,Play Framework,Finch,Cats,Iron,Vert.x,Vue.js
各種ミドルウェア等 AIX,HP-UX,Solaris,Windows Server,Active Directory,IIS,Microsoft Commerce Server,BizTalk Server,Sharepoint Portal Server,Exchange Server,ffmpeg,Tomcat,apache,nginx,unicorn,Xen,Docker,Q4M,RabbitMQ,ZABBIX,munin,Nagios,LDAP,LVS,BIND,Greenplum,Pentaho,RapidMiner,Chef,Jenkins,Fluentd,Elasticsearch,kibana,Mecab,Spark,Gulp,Webpack
データベース Oracle,SQL Server,MySQL,Postgresql
NoSQL/KVS memcached,Redis,Tokyo Tyrant,Kyoto Tycoon,Scylla
AWS CloudFormation,ECS,APIGateway,Lambda,Cognito,EMR,DynamoDB,SQS,Redshift,RDS,S3,Firehose,CloudFront,ELB,Route53,SNS,SES,CLI
GCP GAE,GKE,Kubernetes,GCS,Pubsub,StackDriver
サードパーティのサービス等 EC-CUBE,DeployGate,GitHub,Wercker,CircleCI,NewRelic,Sentry,TreasureData,DataDog
経験分野 人事・給与パッケージ開発,マンガ作成用グラフィックソフト開発,動画キャプチャソフト開発,各種Windowsアプリ開発,各種ASP.NETアプリ開発,Flashアプリ開発,iOSアプリ開発,Androidアプリ開発,ソーシャルゲーム開発(GREE,モバゲー,mixi全てリリース経験あり),DBチューニング,SPA開発(OGPやSEO対策等も含む),アドテク系サービス開発(ネイティブ広告,DMP),レコメンダシステム開発

正社員で働く意味

ここからが本題なのですが、Web業界でエンジニアが正社員として働く意味について、フリーランスで働くことと対比して改めて考えてみると、少なくともここ数年程度で正社員で働くメリットが非常に薄くなってきているという印象があります。

10年位前だと、そもそもWeb業界自体が今みたいな活況を呈していなかったですし、業務委託の求人自体が今ほど多くなかった&表に出てきていなかったと記憶していますが、

  • ここ数年の人材不足で企業が正社員を採用出来なくなり、業務委託での採用枠が拡大した。
  • レバテックさんやギークスさん等の、業務委託契約を前提としたエージェントがたくさん出てきたことで、フリーランスエンジニアになるための垣根が非常に低くなった。

ことにより、「(ある程度の実力があれば)フリーランスエンジニアになっても案件に困ることはない」、つまりフリーランスエンジニアになることによるリスクが非常に低くなっていることが広く共有されている状況だと思います。

有名なWeb系企業さんでも普通に業務委託でエンジニアを募集していますし、実際に私が経験した中でも、任される仕事内容に関して正社員の方と大きな格差はありませんでした。(セキュリティ上の制約が色々あるとか裁量権が与えられないとかそういう程度)

正社員で就業するデメリット

逆に、正社員で就業する上での明確かつ重大なデメリットが2つあります。

1つ目のデメリットは、職歴が一つ増えてしまうということです。

エンジニアの場合は、比較的転職回数が多くなる傾向がありますし、他の職種と比べると採用側も多少は転職回数に関して寛容だと思いますが、それでもやはり1年程度で職場を変わってしまうと職歴はどんどん増えていってしまいますし、転職回数が多くなりすぎると、正社員でエントリーした際に書類の時点で落とされるというケースも多くなってしまいます。(私も過去にそういった理由で書類審査の時点で落とされたことが何回かあります)

フリーランスの場合は、複数の案件を同時に請けたり等が可能ということもあり、職場を移ったとしてもそれをいちいち職歴欄に書く必要がありません(フリーランス期間としてまとめるのが慣例になっている)し、フリーランス期間の職場経験の数を気にする採用担当者の方はあまりいません。

5つの職場に1年ずつ正社員で勤めた場合には、その人は間違いなく「ジョブホッパー」と判断されてしまいますが、5つの職場に1年ずつフリーランスで勤めるのは「普通によくあるケース」なので、後者のケースが次の正社員転職において不利になるということはほとんど無いと思われます。

職歴を気にせずに職場を比較的自由に選択可能という点においては、フリーランスの方が明らかにメリットがあります。

2つ目のデメリットは、フリーランスと比べて単価が安くなってしまうということです。

正社員を雇う場合は、健康保険や厚生年金等、企業側で負担しなければならないコストが増えるため、フリーランスと比較した際に、従業員側から見た単価がある程度低くなってしまうのは仕方ない面もあるのですが、それを考慮したとしても、正社員のエンジニアに支払われる給与はフリーランスと比べた場合に低すぎると考えざるを得ません。

転職ドラフトだと、提示年収で最も多いのは600万円台ですが、この方たちがフリーランスになった場合、(もちろんスキルや経験次第ですが)おそらく普通に月単価70万円以上稼げる方が多数いらっしゃると思われます。

その場合、消費税込みで計算すると、1年間の売上は約900万円になりますので、正社員で就業する場合と比較すると200万円〜300万円程度の差が発生することになります。(もちろん社会保険や税金等を考慮する必要があるので、実質的には差はもうちょっと少なくなるとは思いますが)

フリーランスエンジニアは雇いやすくて切りやすいので、企業側もある程度の金額を出して優秀な方を集めようとします。しかし正社員の場合、日本においては解雇要件が非常に厳しいので、一旦雇ったらそう簡単には解雇出来ません。

そのため、日本においては正社員エンジニアの給与はどうしても低く設定されてしまうことになります。

正社員で就業するメリット

ということで、現時点の日本においては、エンジニアが正社員で就業するのは、余程のメリットが無い限りはやめておいた方が良いというのが私の個人的見解になりますが、企業さんによっては正社員で就業した方がメリットがあるというケースが2点だけ存在すると考えております。

1つ目は、他の企業では中々出会えないような多数の優秀な方たちとの人脈が一気に手に入るというケースです。

これは私が過去に某有名Web系企業さんで実際に経験したケースになりますが、エンジニア職に限らず、営業、人事、マーケティング、法務等、多種多様な職種の非常に優秀な方たちとのネットワークが、その会社さんに在籍していた期間で一気に広がりました。

その後もOB会等でたくさんの方たちとの出会いがありましたし、お仕事をご紹介頂いたり逆にご紹介させて頂いたり等、ビジネス面において計り知れないメリットを享受させて頂いております。

ここで出会った方たちは、おそらく将来も長きに渡って各分野でご活躍されていくと思うので、そういう方たちと繋がることが出来たのは本当に有り難いことですし、業務委託として関わっていたら恐らくこういうネットワークは築けなかったと思いますので、ある程度規模が大きくて勢いのある有名Web系企業さんに関しては「業務委託」で関わるよりも「正社員」として就業した方が人脈的なメリットが非常に大きくなる、と考えて良いのではないかと思います。(勢いのある会社さんは給与面で非常に太っ腹な場合が多いので、そういう時期には優秀な方たちが大量に引き寄せられてくる傾向があります)

2つ目は、他の企業さんや他の就業形態では得られないような希少なスキルや経験が手に入るというケースです。

例えば「関数型言語の知見を深めるためにHaskellを実戦でゴリゴリ使いたい」とか、「未経験なんだけど機械学習系のサービス開発を一から経験したい。データの前処理から運用まで全部担当してみたい」という場合で、そういった求人をされている企業さんが正社員しか採用を行っていないのであれば、正社員でエントリーせざるを得ません。

上記の技術が市場価値が高いかどうかは別として、他の企業さんでは中々得られない種類のスキルや経験ということになるので、職歴が一つ増えてしまう or 給与が低くなってしまうというデメリットに目をつぶってでもそのスキルや経験が欲しいということであればエントリーする意味はあると思いますし、私が転職ドラフトでご指名頂いて正社員転職を決断する場合は、恐らくこのケースになるかなと考えております。

まとめ

ということで、私の個人的見解としては、日本のWeb業界は

  • 正社員とフリーランスのメリット/デメリットをきちんと秤にかけて就業を考えないと損をする時代

になってきていると思うので、まだ一度もフリーランスを経験したことが無いという方は、一度経験してみるのも悪くないのではないでしょうか。

(首都圏近辺であれば高単価案件はいくらでもありますし、確定申告やそれにまつわる作業は確かに面倒ですが、一回経験すればそれなりに慣れてしまうと思います)

ちなみに正社員で1000万円という年収は、日本のWebエンジニアとしてはそれなりの金額だとは思いますが、日本国内の他の職種(例えば五大商社とか大手マスコミとか)と比べると全然見劣りしますし、アメリカのエンジニアだと新卒で貰えてしまう額なので、なんとかこの低水準を改善していきたいものではあります。

おまけ

Youtubeの方で、Web系エンジニアやWeb系エンジニアに興味のある方たち向けの雑食系エンジニアTVというチャンネルをやっています。もしご興味ございましたらチャンネル登録してみて頂けると大変嬉しいです。

また、2019年から「雑食系エンジニアサロン」というオンラインサロンも始めました。

Twitterの方でも「Web系エンジニアのキャリア戦略」を中心に色々と情報を発信しておりますので、もし宜しければフォローしてみてください。@poly_soft

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