はじめに
Hack に使える T12 ステーションはんだごてオリジナルキットAV TOKYOはんだごてを組み立てました。
このはんだごてのコントローラのCPUはSTM32で、ST-Link経由でファームの書き換えが可能です。
オリジナルのファームウェアは、有志が公開しているカスタムファームウェアへの書き換えが可能です。
尚、組み立て時のノウハウ等は、[T12 ステーション型はんだごてをHackする]
(https://pokibon3.github.io/T12_SolderStation/#0)を参照してください。
ビルド環境の構築
インストールが必要なツールは以下になります。
- STM32用統合開発環境 STM32CubeIDE
以下のURLからSTM32用統合開発環境 STM32CubeIDEをダウンロードします。STMicroelectronics社にユーザ登録をしていなくともダウンロードが可能です。使用する環境に応じたツールをダウンロードしてください。この記事の執筆時点では最新バージョン1.8.0が公開されていますが、このバージョンではカスタムファームウェアのビルド時にエラーが出ました。当方でビルドに成功したバージョンは1.7.0です。
ライセンス規約に同意します。
STMicroのアカウントがない場合は、氏名とE-mailアドレスを入力することでダウンロードが可能です。(E-mailでダウンロード先が通知されます。
STMicroelectronicsからのメールが届いたら、ダウンロードボタンを押してファイルを保存してください。
保存したファイル(en.st-stm32cubeide_1.7.0_10852_20210715_0634_x86_64.exe_v1.7.0.zip)を展開し、インストーラを実行してください。
カスタムファームウェアの導入
STM32 Soldering Station FirmwareをGitHubからクローン/ダウンロードします。このカスタムファームウェアはいくつかの製品に対応しており、「Quicko T12-103: For STM32F103 variant」が一番近いものになります。
Build
入手したカスタムファームウェアを適当なディレクトリに展開すると、以下のファイルが展開されます。
この中の、「_Automated_Build.bat」をコマンドプロンプトから実行することにより、各種製品向けのBuildが実行されます。
STM32に書き込むイメージは、「BOARDS\Quicko\STM32F103」に「STM32SolderingStation.bin」としてBuildされます。
2021/12/03 20:19 <DIR> .
2021/12/03 20:19 <DIR> ..
2021/12/03 20:18 9,013 .mxproject
2021/10/29 14:35 <DIR> .settings
2021/10/29 14:27 <DIR> BOARDS
2021/10/29 14:27 <DIR> Core
2021/10/19 13:41 62 cubemx_script
2021/10/29 14:57 <DIR> Drivers
2021/10/29 14:28 <DIR> Original_FW
2021/10/29 14:28 <DIR> Pictures
2021/10/19 13:41 15,863 README.md
2021/10/29 14:28 <DIR> Readme_files
2021/10/19 13:41 4,861 STM32F072C8TX_FLASH.ld
2021/10/19 13:41 4,862 STM32F072CBTX_FLASH.ld
2021/10/19 13:41 4,864 STM32F101C8TX_FLASH.ld
2021/10/19 13:41 4,865 STM32F101CBTX_FLASH.ld
2021/10/19 13:41 4,863 STM32F103C8TX_FLASH.ld
2021/10/19 13:41 4,864 STM32F103CBTX_FLASH.ld
2021/12/03 20:18 8,818 STM32SolderingStation.ioc
2021/10/19 13:41 2,787 _Automated_Build.bat
2021/10/19 13:41 179 _Clean_Profile.bat
2021/10/19 13:41 200 _KSGER_v1.5.bat
2021/10/19 13:41 198 _KSGER_v2.bat
2021/10/19 13:41 198 _KSGER_v3.bat
2021/10/19 13:41 194 _Quicko_F072.bat
2021/10/19 13:41 194 _Quicko_F103.bat
17 個のファイル 66,885 バイト
9 個のディレクトリ 2,410,236,170,240 バイトの空き領域
まとめ
できたこと
- 開発環境の構築
- カスタムファームウェアの導入
- Build
今後の課題
-
カスタムファームウェアの修正
今回導入したカスタムファームウェアでは、対象としたコントロールボードのリビジョンが異なり、そのままでは温度計測に不具合が発生します。修正方法については現在調査中です。 -
STM32コントロールボードへの書き込み
ST-Linkによる書き込み方法については次回の記事で説明予定です。
参考サイト
参考になったのは以下のサイトの記事です。
- STM32 Soldering Station Firmware
- [Hack に使える T12 ステーションはんだごてオリジナルキット「AVTOKYOはんだごて」を組み立てよう](Hack に使える T12 ステーションはんだごてオリジナルキット「AVTOKYOはんだごて」を組み立てよう)
- はんだごてを Hack - ステーション型はんだごてキットを組み立てよう
- AVTOKYO 2021 はんだごてを売ってみよう
- T12 ステーション型はんだごてをHackする