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Hack に使える T12 ステーションはんだごてオリジナルキット「Hakersはんだごて」を組み立てよう

Last updated at Posted at 2021-10-19

(2023年6月30日)タイトルを変更しました

「Hack に使える T12 ステーションはんだごてオリジナルキット「AVTOKYOはんだごて」を組み立てよう」

「Hack に使える T12 ステーションはんだごてオリジナルキット「Hakersはんだごて」を組み立てよう」

(遅れた夏休み企画 15/20)
「はんだごてを Hack - ステーション型はんだごてキットを組み立てよう」
https://qiita.com/nanbuwks/items/3101d1a04554ba0b6dcc
で使ったT12型はんだごてキットを元に、ぼくのかんがえたオリジナルキットを作りました。

IMG_1929.JPG
写真は開発中のものです

資料一覧

目標

Hack できる、Hackに使えるはんだごて

  • はんだ初心者が使うことを想定し、制限の少ない構成
  • 小学生にも取り回ししやすい、高熱露出部が短く、細いハンドル
  • シビアな電子回路を Hack できるようにアースを確実に取る
  • T12規格(24V70W) で鉛フリーはんだに必要な耐久性と熱応答性能を確保
  • ナイフ型コテ先を同梱し、大きな熱量が必要なパーツ取り外しなどもできるように
  • PSEを取得しないため、キットで提供
  • 内部ファームウェアを Hack 前提のマイコンや制御回路

変更点

image.png

  • コテ先を3本セットに変更
  • T12-K に加え、T12-KU , T12-BC2 をセット
  • 制御基板を STM32 互換マイコンボードに変更
  • ディスプレイ表示を 1.3" OLED に変更
  • はんだごてハンドル、ステーションベゼルをオリジナルデザインに変更
  • AC ケーブルを日本仕様アース付に変更
  • コンセント 3穴→2穴 変換アダプタを添付
  • はんだごて台をセットに追加

コテ先を3本セットに変更

元々のキットの構成はナイフ型の T12-K ですが、それに2種類を加え
image.png

表面実装部品などにも使いやすい小ナイフ型の T12-KU

image.png

利き手の制限のない先端カット円錐形の T12-BC2
image.png

の3種類をセットとしました。

制御基板を STM32 互換マイコンボードに変更

image.png

コントローラーは HK32F103CBT6 です。

image.png

深圳市航顺芯片技术研发有限公司
http://www.hsxp-hk.com

HK32F103CBT6
http://www.hsxp-hk.com/product/4.html

データシート
http://www.hsxp-hk.com/comp/file/download.do?id=280

ディスプレイ表示を 1.3" OLED に変更

image.png

SPI 接続です。2017年のAVTOKYOで頒布したイベントバッジでは、0.96in の SPI OLEDと STM32F103 を用い、開発環境共々提供しました。このはんだごても同様にしてHackできるかな?

はんだごてハンドル、ステーションベゼルをオリジナルデザインに変更

image.png

イベント連動バージョンとして、レーザー彫刻をオリジナルデザインとしました。

AC ケーブルを日本仕様アース付に変更

image.png

CMOS回路などでは、静電気対策を取る必要があります。静電気耐性はモノに寄って大きく異なりますが、例えば ESP-WOOM-32 モジュールはアース取らずにはんだづけしようとするとすぐに壊れてしまいます。
電子回路の Hack ではそういったシビアなものを扱うことも多いことから、アース付きコンセントを前提としました。

コンセント 3穴→2穴 変換アダプタを添付

とはいえ、3穴コンセントが使える環境も多くはないでしょう。あくまでアース付きコンセントを前提として、2穴コンセントに接続するためのアダプターを標準で添付します。

はんだごて台をセットに追加

はじめてのはんだづけ初心者だと、こて台の入手も問題になります。今回コストダウンのために水スポンジ式ではありますが、クリーナー付きこて台を標準で添付することにしました。

image.png

このキットでは電源を切ってすぐにコテ先を素手で交換できるので、都度適したコテ先に変更できるようにコテ先スタンドも兼ねています。標準添付コテ先を収容できます。

(2023年版以降)

ハンドルゴム、およびコテ先固定チューブを導電性ゴムに変更し、ハンドルのゴムを持つだけで、人体アースが取れるようになりました。
わずらわしい人体アースを別にとる必要がなくなります。
image.png

(2023/6/30追記)
2023年6月バージョンより、こて先固定チューブを3つ添付するようにしました。チューブを持ってコテ先を交換できます。

image.png

3つのうちの1つは、こて部に収納しています。

image.png

組み立てよう

以下は一部「はんだごてを Hack - ステーション型はんだごてキットを組み立てよう」の写真を流用しています。

セット内容。

以下のセットは2021年バージョンのものです。最新版のものは部品表を参照してください。

image.png
(2021/11/04 追記)
部品表作成しました。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1kczdqMeyKZsHh8r639M-wpmW4--2LXYrSfsKlOuqrQw/edit#gid=0

(2021/10/29 追記)
写真の説明書は添付しなくなりました。代わりに説明書の文面を以下に掲載します。
IMG_20211029_110329.jpg
IMG_20211029_110344.jpg

キット概要

コテ先はT12規格使用です。
image.png

このキットのステーションのコネクタは 6 ピン形式です。

image.png

ステーションへの電源はACIN と DC IN両用です。
image.png

ステーション内部です。

image.png
写真の左側に立っているのが制御基板、それ以外が電源基板です。
image.png

制御基板

image.png

1.3 in OLED がつながります。

image.png

組み立てよう

「こて部の組み立て」と、「ステーション部の組み立て」に分かれます。また、2023年6月バージョンから、こて部は組み立て済みとなりましたので「ステーション部の組み立て」からお読みください。

こて部の組み立て

接続コードの配線

1cm と 1.5mm ぐらい皮膜を剥いて、半田メッキをしておきます。

IMG_20210920_201016.jpg

赤、白、緑、青、黒の線をはんだづけします。

image.png

番号
1
2 NC(接続しない)
3
4
5
6

コネクタの番号は小さく書いていますので間違わないよう。

image.png

IMG_20210920_201803.jpg

こて部の工作

コテにケーブルを通しておきます。
IMG_20210920_202106.jpg
コテに、振動センサーを取り付けます。
(2021/10/29 追記)
振動センサーの脚が銀と金で色分けされていて向きがあります。銀をコテ先方向にして組み立ててください。写真は逆です。スミマセン! なお、もし逆に取り付けていても問題は無いようです。(確認中です。)

(2021/11/2 追記)
逆に取り付けていても問題はないことが確認できました。

image.png

配線の長さをこのくらいに調整します。絶縁チューブも用意しておきましょう。

IMG_20210920_202859.jpg

このようにはんだづけします。絶縁チューブを収縮させておきましょう。振動センサー、黒、青は同じ端子にはんだづけします。
IMG_20210920_203232.jpg

インシュロックで抜け止めとしておきます。
IMG_20210920_203315.jpg

完成したコテ部分。

IMG_20210920_203445.jpg

ステーション部の工作

この向きにジャックを固定します。

image.png

ロータリーエンコーダーのナットとワッシャを外します。7セグLEDのカバーも忘れずに剥がしておきましょう(表、裏両方保護カバーのビニールがついていることがあります)。

image.png

ベゼルと制御基板を合わせます。

image.png

コネクタをはんだづけし、更に電源からの+、-、アースを接続します。制御基板の右上が+、右下が-、左側ロータリーエンコーダーケース脚がアースです。

(2021年版、2022年版の工作)
IMG_1924.JPG
(2021年版、2022年版の場合は絶縁チューブを使い、はんだごてで熱して収縮させておきます。)
IMG_20210920_205321.jpg
(2023年版の工作)
image.png

image.png

ダイヤルは、押し込みが深くプッシュスイッチが効かなくなることがあるようです。マスキングテープなどを間に貼って、調節してください。

image.png
(2023/7/13追記)
2023年7月より、テープを添付しました。以下のようにして取り付けてください。
image.png
image.png
image.png

ダイヤル、プラグ、絶縁シート、カバーを取りつけます。絶縁シートは写真では電源基板の上に置いてますが、電源基板の下に敷いてください。

IMG_20210920_205631.jpg
脚を付けて完成!
IMG_20210920_205945.jpg

電源ON

オマケとして、3穴2穴変換アダプタの代わりに海外コンセントアダプタを添付しています。

image.png

3穴コンセントが使えない場合はこちらを使ってください。差し込み固いです!

3穴2穴変換アダプタの代わりにわざわざ海外コンセントアダプタを利用している理由は、必要に応じて分解してアース線処理を引き出すようにできるためです。

image.png

初期設定

ダイヤル長押しでセットアップ画面になります。
言語設定で、英語を選んでおきます。

こて先交換方法

image.png

使わないこて先は固定チューブを被せてはんだごて台に挿しておきます。
こて先を交換する場合は電源SWをOFFにして、こて部のグリップを取り外し、固定チューブを持って交換します。

電源OFF→交換→電源ON→次のはんだづけが1分もかからずに行えますので、こて先ごとにはんだごてを用意しなくても良くて便利!

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