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Nerves 好きな私が2024年にやったこと

Last updated at Posted at 2024-12-20

今年もやってまいりました、 2024年12月が終わろうとしています。いかがお過ごしでしょうか!
NervesJP のポジローです。

今年を振り返りながら書いていきたいと思います。


Nervesアドベントカレンダーでは、これまで

という記事を書いてきています。自分の中の振り返りになるので、今年も同じように書こうと思います。

今年も好きな Nerves に以下の活動をしてきました。

  • 活用する
  • コントリビュートする
  • 布教(Nervesいいぜ!と紹介)する

まず、時系列で振り返って、そのあとで、個別ダイジェストを見ていけたらなと思います!


※以下、メンションはさん付けを省略しています:pray:

時系列できごと

以下のことをしてきました。

この時系列をふりかえりつつ、書いていきます。

活用する

昨年に引き続き

  • Nerves のカスタム・移植
  • Nerves を使った製品の運用

をしました。Nerves を継続してさわり続け、 Elixir も書き続けているので Nerves/Linux/Elixir に対する理解が深まっていっています。 yay!!

Nerves のカスタム・移植

カスタム

nerves_system_rpi4 をカスタムして、 nerves_system_rpi4_solid を作成しました。

SOLID for Raspberry Pi 4 は CPU のコアの2つを RTOS の SOLID-OS に、残り2つを Linux カーネルに割り当てます。 RTOS 側でハードリアルタイムな要求される処理をし、 Linux 側でネットワークや画面表示などを担わせることができます。 10/26 【展示/ステージ】オープンソースカンファレンス2024 Tokyo/Fall の TOPPERS ブースで KMC さんが展示をしており、資料をいただき nerves_system_rpi4_solid を構成できました。

その際にした以下のツイートを回収することができました。
(SOLID-OS は TOPPERS カーネルを採用しています。)

(実は 4年前のたわごと も回収しています。)

SOLID for Raspberry Pi 4 のライセンスの都合、公開はできませんが、自分の電気・物理の学習・実験に活用できそうなのでライセンスを守って RTOS を勉強して使っていくつもりです。楽しみです。

移植

@zacky1972 から KD240 への Nerves の移植を発注いただきました!
AMD Zilinx の KR260/KV260 の兄弟ボードです。 RS485 の有効化に苦労しましたがまとめ上げています。

xmutil のコマンド群を使って、 PL を書き換えることができます。

ボードの価格帯はホビーとしてはちょっと高いですが、調べてみると KR260 や KV260 はホビーでも使っている情報を発信している人は少なくないようです。実は KR260 の Nerves も過去に移植しています。

Nerves を使った製品の運用

PocketLANcher は積極的に営業もしておらず特筆すべきことはないです。が、安定稼働していてます。自身もよく使っています。

コントリビュートする

時間

Nerves Web Kioskskiosk_example にコントリビュートしました。組み込み Linux や Windows でやりたくなるのがアプリケーションのみの画面出力機能だと思います。例えば、回転寿司の注文用タブレットみたいなのであったり、サイネージなどです。英語圏ではこの機能をキオスクモードというようです。

Nerves での画面描画は Scenic を使う方法が以前からありますが、組み込み用ブラウザを全画面表示してそこに Phoenix を描画することができると、 Phoenix の開発つまり HTML/CSS/Liveview で開発ができるようになり Scenic で作るより楽に感じられるはずです。

それをできるのが kiosk_system_rpi4 / kiosk_system_rpi5 です。 nerves_system_rpi4/5 の kiosk 向けのカスタムされたシステムです。ブラウザが入るのでファームウェアサイズは大きくなりますが、上述の利点を得ることができます。

kiosk_example はその kiosk 向けシステム上で kiosk アプリケーションを作るならたとえばこんな感じになるよということを示すリポジトリです。以下は kiosk_example を rpi4 で HDMI 画面に出力した例です。クラゲがふよふよしていて可愛いですね!
(クラゲの CG は https://akirodic.com/p/jellyfish/ です。)

IMG_3281.GIF

ちょっとしたサイネージなら簡単に作ることができそうなので興味がありましたら試してみてください!


その他に、 Nerves に限った話ではないのですが、 Nerves で使えるということで、

  • Zenohex へのコントリビュート
  • Rclex へのコントリビュート
  • modbuzz のリリース

をしました。いずれも Elixir がバチッとハマる通信ライブラリです。

Zenohexrustler で Rust 製の Zenoh をラップしています。

Zenoh は v1.0.0 がリリースされ(直近 v1.1.0 も!)、 ROS 2 でも DDS の代わりに使うことができ(rmw_zenoh)、今後伸びていくことが期待される通信ライブラリです。その Elixir ラッパーが Zenohex です。ラッパーとして zenoh を呼び出すこと、Elixir の良さを生かしスーバーバイザツリーにより、堅牢でスケールしやすい構成をとることができるはずです。
※現時点では Zenoh の v1.0.0, v1.1.0 には未対応です。今後に期待です🚀

Rclex は ROS 2 の .msg ファイルを NimbleParsec を使ってパースし、 C の NIF コードを生成します。 ROS 2 はメッセージ型をいくつも持っているので都度 C を書くことはできない(しんどい)のでこのようになっています。(Rclex のこの手法は @takasehideki らの研究によって確立されました)

このケースに限らず C で NIF を書く一つの方法として、「機械的に生成する」というのはエンバグする可能性を低くする一つの手だと思います。

Rclex は海外のコントリビュータやユーザのフィードバッグを受け良いライブラリになりつつあります。

Zenohex, Rclex ともに今後もよくなっていくはずですので期待です。
やれることはいっぱいあるはずですね💪💪💪 @takasehideki


最後に modbuzz です。産業用途でバス通信に使われる MODBUS というプロトコルがあります。 Elixir 製ライブラリとしては modbusmodbux が存在します。

modbuzz はその後発ライブラリとして作成しました。以下の点がアピールポイントです。

  • Application にし使いやすい API を用意したこと
  • defprotocol で MODBUS のファンクションコードの追加をしやすくしたこと
  • TCP/RTU の両対応ができており、それらのゲートウェイも構成できること

今年、 @GeekMasahiro が M5Stack CoreMP135 への Nerves 移植として、 nerves_system_m5stack_core_mp135 をリリースしました🎉🎉🎉 が、これは Ether ポートが2つ、 RS485 が一つあるそうなので、 modbuzz と組み合わせることで DIN レールに取り付けられる簡易 MODBUS ゲートウェイにすることができると思います。そうできたら使いやすそうです。

以上、紹介した三点すべてが通信系のライブラリですが、 Elixir が通信系ライブラリを書くことに向いていることを実感しました。2024 年はライブラリを書く能力がぐっとついたような気がしています💪

お金

2023 年同様、 Open Collective の Nerves Project の Backer を継続しています。

「目指せ Sponsor」は未達で、月50ドルを維持です。

いろんな貢献方法がありますが、もし好きな、推しの OSS プロジェクトがあったら Github スポンサーなども視野に入れていただけたらと思います。プロジェクトは取り組む人が中心ですが、「持続可能な」プロジェクトには利用と応援の両方をしてくれる人が必要なはずです。

Nerves いいぜ!を紹介する

今年は展示をしよう❗と思い、 OSC に3回(大阪、名古屋、東京)出展しました。

image.png

この3回の出展でどれだけ Nerves ファンを増やせたかは分かりませんが、展示に参加することで人のつながりができたり、アイデアや刺激を得たりしました。あと単純に NervesJP のメンバーでやるので楽しかったです(東京は一人だったけど!)。

特に良かったことは OSC でオンラインのセミナーを行ったことで Nerves の紹介動画を作成いただけたことです(OSC のオンラインセミナーは動画を Youtube に残してもらえます)。 Nerves に興味がある方、興味を持っていただけそうな方が回りにいましたらぜひこの動画を紹介いただけたら嬉しいです。 (割とちゃんと喋れていると思います笑

2024 年の Nerves 大賞 といえば!

完全に主観で毎年発表してますが、今年は英語を頑張って45分話したので「私」でも良いでしょうか。良いんじゃないでしょうか!!頑張りました。(以下の写真を見て下さい、まったくにこやかではありません

image.png

発表したスライドは、 Introduction to relationship between Nerves and Linux で、内容は「Nerves はうまく組み合わせて作られている Linux ディストロのようなものなんだよ」ということを主張しています。このスライドを作った契機は、「 "Nerves" が結局のところ何であるかを知っておくことは、一歩踏み込んで使う時に必ず必要になることなのでそれを説明する資料は意義があるはずだ」というようなことだったと思います。

Nerves Conf では、 Frank さん、Jon さん、Eric さん、 Alex さん、 Todd さんに会えて非常に嬉しかったです。英語の壁を感じて凹みもしましたが、総じて行って発表してよかったです。CfP に出してみたらと背中を押してくださった @mnishiguchi@takasehideki にあらためて感謝です。

image.png

アメリカの地で2人と楽しく過ごせたことは私にとってかけがえのない経験になりました。
※この写真は到着日で翌日に発表があるので私だけビールを控えています。
(でも、まだにこやかですね笑

2025 年に向けて

取り組み

2024 年も幸いにも 職業錬金術師 としてコードを書き続けることができました。お仕事をいただけたことに感謝しています。:pray:

2024 年はあっというまでした。発表、展示、仕事なんかをしてでワーっと過ぎていきました。

今年できたなという実感があるのは、

  • tailwindcss が苦なく使えるようになったこと
  • ライブラリ作成の感覚がつかめたこと
  • defprotocol の使いどころが分かったこと
  • スーバーバイザツリーの設計がある程度できるようになったこと(本当の堅牢性にはまだ精進が必要

今年(頭の隅でやりたいとおもっていたけれど)できなかったことは

  • プロパティベーステスト
  • e2e テスト
  • マクロ、AST の習得

です。

2025 年は引き続き以下の課題と向き合いつつ、自分に出せる価値を磨いていく所存です🦾

  • 営業(発表、展示)
  • プログラミング、表現力の向上
  • 高負荷(通信・処理)に耐える実装
  • モデリング
  • 運用

来年は年齢の節目でして、上記に加え、お金にはならないけれどやりたいことであった「物理学」をやっていきたいと思っています。実際に現象を見て理解を深めたいので、まずは「電磁気」を実験しながら学びたいです。プログラミング( Elixir, Nerves )と物理学をからめてやれたらベストです。楽しみです。(欲を言うと、 Rust と低レイヤもやりたい!!と思っています。

貢献の輪の中で

昨年以下のことを書きました。

私は Nerves が素晴らしい技術だと認識しています。なので、 Nerves を使った開発、展示、運用、貢献に持続的に取り組みたいです。そのために、何が必要かも分かっています。

一度輪っかになったものは中々止まらないという話をどこかでした気がしますが、 「貢献の輪の中と外を繋ぐ輪を作る必要がある」 と思うようになりました。とりとめがなく、あえて伝わるように書いていないですが、私はそう思ったぞ!とここに宣言しておきます。

見返していいこと言ってる!と思いました。そして、少しはできているような気がしました。 Elixir や Nerves の既に回っている輪っかと日本の社会のコミュニティやビジネスなどの輪っかの「間」で価値を出していければ思います。(もがいていますけど)

2025 年は Elixir、 Nerves & 「物理」 やっていくぞー🦾🦾🦾
※年明けは早速 @kikuyuta @myasu と小水力発電所の現場に向けてやっていきます!

おしまい!

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