10
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【Google Cloud入門】コンピューティングオプションとマネージドインスタンスグループ

10
Last updated at Posted at 2025-12-05

皆様、こんにちは!
アイレット株式会社 DX開発事業部楊林と申します。

前回の投稿では、Google Cloud の Compute Engine の基礎について紹介しました。

では実際に Compute Engine のインスタンスを作るとき、どうやって適切なマシンタイプを選ぶのでしょうか?
そして、ワークロードが増えたときにスケールさせるにはどうすれば良いのでしょうか?

今回は、Compute Engine のマシンタイプの選び方、そしてインスタンスのスケーラビリティを担うマネージドインスタンスグループ(MIG)について紹介していきます。

マシンタイプ

VM を作成するときは、まずマシンファミリ、シリーズ、タイプの順に選択していきます。この組み合わせによって、利用できる vCPU やメモリなどのリソースが決まります。

マシンファミリーとは、Google が特定のワークロード向けに最適化したプロセッサ構成のことで、大きく分けて4種類あります。

汎用(General-purpose)

最もバランスが良く、幅広い用途に使えるファミリーです。
vCPU とメモリの比率も柔軟で、費用対効果に優れており、まず最初に検討されることが多いタイプです。

  • E2マシンシリーズ
    低コストで日常的なコンピューティングを行いたい場合に適しています。
    中小規模の DB、開発・テスト環境、そこまでシビアな性能要件がない Web アプリなどが得意です。

  • N2/N2D/N1マシンシリーズ
    企業向けアプリや中〜大規模のデータベース、Web 配信など、幅広いワークロードで使える万能タイプです。
    コストとパフォーマンスのバランスが非常に良いシリーズです。

  • Tau T2D/Tau T2Aシリーズ
    スケールアウト型アプリケーションに特化したシリーズで、コンテナ化されたマイクロサービス、Web サーバー、大規模 Java アプリケーションに向いています。
    性能あたりの価格がかなり優秀です。

コンピューティング最適化(Compute-optimized)

1コアあたりのパフォーマンスが最も高く、計算処理が中心のワークロードに向いています。

  • C2/C2Dシリーズ
    HPC(高性能計算)や AAA ゲーム、EDA、ゲノム解析、動画のコード変換など、とにかく計算量が多い処理に強いシリーズです。

  • H3シリーズ
    こちらも HPC や EDA などを想定したシリーズで、最新世代のアーキテクチャによる高性能が特徴です。

メモリ最適化(Memory-optimized)

大量のメモリを必要とするアプリケーション向けのファミリーです。

  • M1/M2シリーズ
    SAP HANA のようなインメモリデータベース、大規模分析など、メモリを大量に使うワークロードに向いています。

  • M3シリーズ
    ゲノムモデリングなど、さらにメモリの要求が厳しい用途に最適化されています。

アクセラレータ最適化(Accelerator-optimized)

GPU や専用アクセラレータが必要な ML / HPC などの並列処理に最適のファミリーです。

  • A2シリーズ
    ML トレーニングや推論、大規模並列計算などに向いています。
  • G2シリーズ
    動画のコード変換やリモート可視化ワークステーションなどの GPU ワークロードで利用されます。

マシンタイプ以外に考慮すべきポイント

マシンタイプの選択以外にも、実は VM の構築にはいくつか注意点があります。

まず、VM のロケーション(リージョン・ゾーン) はパフォーマンスにも料金にも影響します。
また、カスタムマシンタイプを選ぶ場合は、以下の制限があります。

  • vCPU 数は 1 または偶数のみ
  • メモリは vCPU あたり 1〜8 GB(拡張メモリを使うと 8GB 超も可能)
  • 合計メモリは 256MB の倍数で指定
  • カスタムは事前定義より若干高めの料金

ネットワーク帯域は vCPU 数に応じてスケールし、通常 1 コアあたり約 2Gbps ですが、2〜4 vCPU の場合のみ最大 10Gbps の受信帯域が付与されます。
最大性能は 176 vCPU のインスタンスで 200Gbps です。

料金体系

Compute Engine の料金は、vCPU・メモリ・GPU などのリソースごとに 1 分の最低課金後は 1 秒単位 で発生します。

利用可能な割引は主に以下の 2 種類ですが、同時適用はできません。

  • 継続利用割引(Sustained Use Discount):請求月に特定のリソースの使用時間が一定の割合を超えると自動的に適用されます
  • 確約利用割引(Committed Use Discount):ワークロードが安定していて予測可能な場合、1年または3年の利用を確約する方が特定の量のvCPUとメモリを通常料金より割安で購入できます

また、完了待ちが不要なバッチジョブなどには、Spot VM / Preemptible VM を使うことでさらにコスト削減が可能です。

マネージドインスタンスグループ(MIG)

マネージドインスタンスグループは、同じ設定の VM をまとめて管理するための仕組みです。
インスタンステンプレートを使って作成するため、構築・更新が非常に楽になります。

たとえばテンプレートを更新してローリングアップデートを実行すれば、グループ全体を安全に最新バージョンへ切り替えることができます。

MIG の最大の特徴は、負荷に応じて VM を自動的に増減できることです。
CPU 使用率や Cloud Monitoring の指標、あるいは外部シグナルをトリガーにスケールアウト/スケールインを行い、必要な分だけリソースを確保してくれます。

MIG は Google Cloud のロードバランサと連携し、トラフィックをグループ内のインスタンスへ均等に振り分けられます。
これにより、スケールアウト時でも安定したサービス配信が可能になります。

インスタンスがクラッシュしたり手動で削除された場合でも、MIG が自動的に再作成します。
再作成されたインスタンスは同じ名前・同じテンプレートを利用するため、サービスの整合性も保たれます。

単一ゾーンに障害が起きると、ゾーン MIG で構成したサービスは大きな影響を受けます。
一方リージョン MIG は、複数ゾーンにインスタンスを分散するため、ゾーン障害が発生してもサービスを継続できます。

最後に

今回は Compute Engine の中でも、特に選択に迷いやすいマシンタイプと、運用で欠かせないマネージドインスタンスグループについて紹介しました。

次回は、Google Cloud のもう一つ重要な環境構築の選択肢ーGoogle Kubernetes Engineを紹介するため、その基礎になるコンテナについて話しましょう。
ぜひ続けて読んでいただければ嬉しいです!

以前の投稿

【Google Cloud入門】クラウドサービスの特徴とGoogle Cloudの触り方
【Google Cloud入門】リソースマネージメント
【Google Cloud入門】アクセス管理の基本 - IAM
【Google Cloud入門】サービスアカウントとCloud Identity
【Google Cloud入門】Compute Engineの基礎

10
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
10
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?