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【Google Cloud入門】サービスアカウントとCloud Identity

Last updated at Posted at 2025-12-03

皆様、こんにちは!
アイレット株式会社 DX開発事業部楊林と申します。

前回の投稿では、Google Cloud の IAM について紹介しました。
その中で、Google Cloud の「メンバー」にはいくつか種類があるとお伝えしましたが、今回はその中から サービスアカウント と Cloud Identity ドメインについて、もう少し踏み込んで説明してみたいと思います。

サービスアカウント

サービスアカウントは、個々のユーザーではなく、アプリケーションに紐づけて使うアカウントです。
これを使うことで、プロジェクト内でユーザーのパスワードを使わなくても、サービス同士が安全にやり取りできるようになります。

サービスアカウントはメールアドレスで識別され、アクセスにはパスワードではなく暗号鍵が使用されます。
また、サービスアカウント自体もひとつの「リソース」として扱われるため、個別の IAM ポリシーを付けることができます。そのロールは他のユーザーやグループにも割り当て可能です。

サービスアカウントの種類

サービスアカウントには 3 種類があります。

組み込みサービスアカウント
すべてのプロジェクトには、Compute Engine や App Engine 向けのデフォルトサービスアカウントが用意されています。

Google API サービスアカウント
こちらもすべてのプロジェクトに存在し、内部的に Google が API を実行する際に使用します。
プロジェクトの Editor ロール が自動的に付与されている点が特徴です。

ユーザー作成サービスアカウント
用途に応じて自由に作成できるサービスアカウントです。
柔軟に使える反面、ロール設定やキー管理などの運用はユーザー側で行う必要があります。

サービスアカウントの認可

認可(Authorization)とは、「認証された ID にどの権限を与えるか」を決めるプロセスです。

デフォルトサービスアカウントを使ってインスタンスを作成する際には、スコープをカスタマイズできます。
一方、ユーザー作成サービスアカウントにはスコープは設定されず、代わりに IAM ロールを使って権限を割り当てます。

サービスアカウントキー

サービスアカウントが外部のリソースにアクセスする場合は、パスワードではなく暗号鍵を使用します。その鍵がサービスアカウントキーです。

サービスアカウントキーには次の 2 種類があります。

Google管理の鍵

Compute Engine や App Engine など、Google Cloud 内でサービスアカウントを使う場合は、鍵の生成と管理をすべて Google が行います。

鍵の公開部分と秘密部分の両方がGoogleに保管され、定期的に自動ローテーションされます。
公開部分はそれぞれ最長2週間、署名に使用できます。
秘密部分にはユーザーは直接アクセスできません。

ユーザー管理の鍵

Google Cloud の外部からサービスアカウントを使いたい場合、またはローテーション期間を変更したい場合、ユーザー自身が鍵を手動で作成して管理できます。

この場合鍵の公開部分のみはGoogleに保管され、秘密鍵の保管とローテーションは完全にユーザーの責任になります。

サービスアカウントあたりはローテーションのために最大 10 個まで鍵を作成できます。鍵が紛失したら復元できません。

セキュリティの観点から、ユーザー管理の鍵は最後の手段として扱い、可能な限りトークン利用や権限借用を優先することが推奨されています。

Cloud Identity

Cloud Identity は、Google Cloud にログインするためのユーザーやグループを一元管理できる仕組みです。
組織は Google 管理コンソールを使ってユーザーやグループのライフサイクル管理を行い、必要に応じてポリシーを適用できます。

また、既存の Active Directory や LDAP と連携して、同じユーザー名・パスワードで Google Cloud にアクセスさせることもできます。
退職者のアカウント削除やグループ更新も Google 管理コンソールから行えるため、オンボーディング・オフボーディングの一元管理が可能です。

最後に

今回は、Google Cloud の サービスアカウント と Cloud Identity ドメイン について簡単に紹介しました。

次回は Google Cloud のコンピューティングサービスについて説明しますので、ぜひ続けて読んでみてください!

以前の投稿

【Google Cloud入門】クラウドサービスの特徴とGoogle Cloudの触り方
【Google Cloud入門】リソースマネージメント
【Google Cloud入門】アクセス管理の基本 - IAM

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