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ブラウザで試すディープラーニング入門

Last updated at Posted at 2018-12-23

この記事の内容

ブラウザで Deep Learning が 試せるサービス「Colaboratory」で
ディープラーニングを試す方法を紹介します。

題材はディープラーニング界の"Hello World"、「MNIST」です。

なお、このチュートリアルで必要なディープラーニングの最低限必要な知識については「ディープラーニング入門への最小知識」で解説しています

MNISTとは

  • ディープラーニングのチュートリアル用の画像データ集です
    • 0~9の手書き数字画像集で、28*28ピクセルの単色画像です
    • 画像に加え、正解ラベル(その画像が何の数値を表すかのデータ)も含まれています
    • こんな感じの画像集です  
      image.png
  • この画像から書かれている数字を判定するAIを作ってみます

Colaboratoryとは

  • ブラウザで Deep Learning が試せるサービスです
  • Googleのサービスです
  • 無料です
  • GPUが12時間無料で使えます。(K80という古いものです)
  • pip installが出来るのでどんなフレームワーク(AI作成ライブラリ)でも試せます
    • 今回はPyTorchを使います

Colaboratoryの学習環境セットアップ

  • https://colab.research.google.com へアクセス
    image.png

  • ポップアップ右下にあるimage.pngを選択

  • こんな画面が出ます
    image.png

    • GPUを有効化します。上部にある「ランタイム」から「ランタイムのタイプを変更」を選びます
      image.png

    • 「ハードウェアアクセラレータ」でGPUを選びます。「保存」を押して環境セットアップ完了です
      image.png

Colaboratoryの使い方

  • このカーソルのある部分にコードを貼り付けます
    image.png

    • image.png
      を押すと実行されます
    • pythonのインタプリタです
    • OSコマンドを実行する場合は先頭に!を付けてください
      実行例
      image.png
  • 編集して別のコードを実行することもできますが、左上のimage.pngを押すと新しい入力欄が出てきます。

    • 入力欄が分かれていても変数等は共有されています

    • image.png

Colaboratoryの挙動がおかしくなったら

  • 「変数を定義しなおして整合性が取れなくなった」などでうまく動かなくなることがあります。
  • そういう場合はランタイムの再起動をしましょう
    image.png

AI作成してみよう

以下に出てくるコードを適宜Colaboratory上にコピペ・実行してください

フレームワークインストール

  • フレームワークにはPyTorchを使ってみます。次のコマンドでColaboratoryにインストールしてください
!pip3 install torch torchvision

データの読み込み

  • PyTorchにはMNISTデータを読み込むライブラリが存在します。これでMNISTデータのダウンロードと読み込みをします。

    import torchvision.transforms as transforms
    from torch.utils.data import DataLoader
    from torchvision.datasets import MNIST
    
    # 訓練データとテストデータを用意
    train_data = MNIST('~/tmp/mnist', train=True, download=True, transform=transforms.ToTensor())
    train_loader = DataLoader(train_data, shuffle=True)
    test_data = MNIST('~/tmp/mnist', train=False, download=True, transform=transforms.ToTensor())
    test_loader = DataLoader(test_data, shuffle=False)
    
    • コードについて
      • train=True: MNISTの中で学習用、テスト用に既にデータが分かれています。読み込み時に学習用かテスト用か指定します
      • transform=transforms.ToTensor(): 読み込み後に画像データを行列に変換します。この時点では(28,28)の2次元配列です

モデルを定義

import torch.nn as nn
import torch.nn.functional as F

class Net(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.l1 = nn.Linear(28 * 28, 50) # 入力層から隠れ層へ
        self.l2 = nn.Linear(50, 10) # 隠れ層から出力層へ
    
    def forward(self, inputs):
        o0 = inputs.view(1, 28 * 28) # テンソルのリサイズ
        o1 = self.l1(o0)
        o2 = self.l2(o1)
        return o2

net = Net()
  • コードについて
    • class Net(nn.Module):: PyTorchのニューラルネットクラスを継承してニューラルネットを定義します。

    • def __init__(self):: ニューラルネットの定義をしています。l1,l2の2層構造です。
      image.png

    • def forward(self, inputs):: 入力を与えたときの計算方法を指定しています

      • inputs.view(1, 28 * 28): 入力が2次元配列なので、ニューラルネットに入れるために28*28=784の1次元配列に変換しています
    • このニューラルネットの出力は要素数10の配列です。配列内で最も大きい数値をもつインデックスが判定結果です。

      • 例えば、output = [1,-2,3,7,100,4,6,7,3,2]の場合はoutput[5]が最も大きいので5が判定結果です

学習方法の指定

import torch.optim as optim

criterion = nn.CrossEntropyLoss()
optimizer = optim.SGD(net.parameters(), lr=0.01)
  • 損失関数(criterion)には「クロスエントロピー」を用います
  • 重み更新にはSGDを使用します
    • 学習率lrは0.01にしています

学習実行

for i, data in enumerate(train_loader):
    inputs, labels = data  
    # 勾配情報をリセット
    optimizer.zero_grad()     
    # 入力を与える
    outputs = net(inputs)       
    # 損失関数を使って損失を計算する
    loss = criterion(outputs, labels)       
    # 勾配計算
    loss.backward()       
    # 重みの更新
    optimizer.step()
            
print('Finished Training')
  • enumerate(train_loader): 学習用画像を一枚ずつ取り出してループを回します
    • 取り出したデータからinputs, labels = dataとして画像とラベルを取り出しています
  • 実行すると1分ほどで'Finished Training'が出力されます

テストする

import torch
correct = 0
total = 0
for data in test_loader:
    inputs, labels = data

    outputs = net(inputs)
    _, predicted = torch.max(outputs.data, 1)
    total += labels.size(0)
    correct += (predicted == labels).sum()
    
print('Accuracy %d / %d = %f' % (correct, total, float(correct) / total))
  • 実行するとテストデータで判定した結果の精度が見れます

テストデータ画像と判定結果のペアを表示

import matplotlib.pyplot as plt
test_iter = iter(test_loader)
inputs, labels = test_iter.next()
outputs = net(inputs)
_, predicted = torch.max(outputs.data, 1)

plt.imshow(inputs[0].numpy().reshape(28, 28), cmap='gray')
print('判定結果', predicted[0])
  • 実行すると次のような画像が出ます
    image.png

ちゃんと7の画像を7と判定できたようです

備考

  • 普通のAI開発でやるであろうことを大量に割愛しています。

    • バッチ
    • エポック
    • 画像の正規化
    • エポック内で学習後にテストを行う。ステップごとに精度を計る
    • 等...
  • MNISTの参考モデルはBasic MNIST Exampleにあります

参考にしたサイト

https://www.madopro.net/entry/pytorch_mnist
https://stackoverflow.com/questions/41990250/what-is-cross-entropy
http://nkdkccmbr.hateblo.jp/entry/2016/10/06/222245
http://cookie-box.hatenablog.com/entry/2017/05/07/121607

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