Ubuntu 20.04 LTS インストール後の、おすすめの基本設定をまとめてみました (19.10 の時とは若干内容が異なります)。
フォルダ名を英語に変更する
Ubuntu に限らず Linux を日本語でインストールすると、ホーム内のフォルダ名が日本語になっていて少々不便です。
Ctrl + Alt + T を押して端末を起動し、
LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update
このコマンドを実行するとウィンドウが表示されるので Update Names ボタンをクリックした後、一度ログアウト、ログインし直すとまたウィンドウが表示されるので、今度は 次回から表示しない にチェックを入れて 古い名前のままにする ボタンをクリックすると、フォルダが英語になります。
ディスプレイの電源が自動でオフになるまでの時間を延長する
デフォルトでは5分 Ubuntu を放っておくと自動的にディスプレイの電源が切られますが、5分はちょっと短いですね。
アクティビティ画面で power と入力すると 電源 という項目が表示されるので、
それをクリックすると設定ウィンドウが表示されます。その設定ウィンドウにある ブランクスクリーン を 15分 や しない にします。
Dock にゴミ箱を表示する
Ubuntu 19.10 から Dock にゴミ箱を表示できるようになりました。
gsettings set org.gnome.shell.extensions.dash-to-dock show-trash true
gsettings reset org.gnome.shell.extensions.dash-to-dock show-trash
Dock のアプリケーション表示ボタンを一番上へ移動する
Ubuntu 19.10 から、Dock の一番下にあったボタンを一番上へ移動できるようになりました。
gsettings set org.gnome.shell.extensions.dash-to-dock show-apps-at-top true
gsettings reset org.gnome.shell.extensions.dash-to-dock show-apps-at-top
日本語を入力できるようにする
Ubuntu をインストールした直後は半角/全角キーを押しても日本語を入力できません。トップバーにある ja ▼ をクリック、日本語 (Mozc) あ をクリックして選択すると、半角/全角キーで日本語入力を切り替えられるようになります。
右クリックメニューから空のファイルを作成できるようにする
ホームフォルダ内のテンプレートフォルダにファイルを置くと、そのファイルをファイルマネージャの右クリックメニューから作成できるようになります。
touch ~/Templates/空のドキュメント
ウィンドウが自動的に最大化される機能を無効にする
Ubuntu はアプリを起動する際、そのアプリのウィンドウサイズが画面のサイズに対してある程度大きい設定になっていると、自動的に最大化された状態で起動するようになっているので、勝手に最大化されたくない場合は無効にしておきます。
gsettings set org.gnome.mutter auto-maximize false
元に戻すコマンドはこちら。
gsettings reset org.gnome.mutter auto-maximize
日本語の表示に関する3つの問題を回避する
現在 Ubuntu 20.04 には次の3つの問題があります。
その1、カレンダーやプラグインダイアログなどの日本語の文字列の下の部分が隠れて表示されない。
その2、Alt + Tab でウィンドウを切り替える時に、ウィンドウスイッチャーが縦に広がることがある。
スクリーンキャスト → https://launchpadlibrarian.net/415172918/Peek%202019-03-15%2006-52.gif
その3、トップバーの時計の : の幅が太い。Ubuntu 19.10 では、
というような感じだったのが、Ubuntu 20.04 では、
このように幅が太くなっています。
これらは NT UI JP フォントをインストールすることで正常に表示されるようになります。
wget https://launchpad.net/~sicklylife/+archive/ubuntu/fonts-ja/+files/fonts-nt-ui-jp_2_all.deb
sudo apt install ./fonts-nt-ui-jp_2_all.deb
rm fonts-nt-ui-jp_2_all.deb
ウィンドウスイッチャーが上下に広がるバグに対応するより。debファイルのソースはこちらからダウンロードできます。
↑こんな感じになります。
元に戻すコマンドはこちら。
sudo apt remove -y fonts-nt-ui-jp
sudo apt autoremove
動画や音楽を再生できるようにする
Ubuntu インストール時に「グラフィクスとWi-Fiハードウェアと〜」にチェックを入れた場合は、既にコーデックがインストール済みですが、追加でさらに動画や音楽再生用のコーデックなどをインストールできます。
sudo apt install ubuntu-restricted-extras
インストール中に端末の画面が ttf-mscorefonts-installer を設定しています という画面に切り替わるので、
Tab キーを押して 了解 を選択、Enter キーを押すとまた選択肢が出てくるので、もう一度 Tab キーを押して はい を選択、Enter キーを押すとインストールが続行します。
GNOME Shell 拡張機能をインストールできるようにする
Ubuntu は Google Chrome や Firefox のように、有志が作成した拡張機能をインストールすることができます。が、事前の設定が必要です。
sudo apt install chrome-gnome-shell gnome-shell-extension-prefs
このコマンドを実行して chrome-gnome-shell と、Ubuntu 20.04 から新たに追加された gnome-shell-extension-prefs (日本語名は拡張機能) をインストールした後、Firefox 用拡張機能の GNOME Shell integration をインストールします。この状態で https://extensions.gnome.org/ にアクセスすると GNOME Shell 拡張機能をインストールすることができます。
また、GNOME Shell integration は Google Chrome 用 もあり、2020/04/23の時点で Google Chrome 用のユーザー数が300,000+、Firefox 用の方は155,898となっています。
なお gnome-shell-extension-prefs (拡張機能) は拡張機能管理用アプリで、アクティビティ画面から起動できます。
Ubuntu Japanese Team のリポジトリを追加する
Ubuntu には、Windows 10 で作成した zip ファイルを解凍 (展開) すると日本語が文字化けする、という問題があるのですが、Ubuntu Japanese Team 製の ubuntu-defaults-ja というパッケージをインストールしておくと文字化けしなくなります。
wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/focal.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade
sudo apt install ubuntu-defaults-ja
ubuntu-defaults-ja をインストールした後、Ubuntu を再起動すると設定が反映されます。
Mozc(日本語入力ソフト)の辞書を拡充する
Ubuntu の日本語入力ソフトは登録されている単語数があまり多くないようですが、Mozc UT2 を導入すると単語数を大幅に増やすことができます。
Ubuntu 用: https://sicklylife.jp/ubuntu/2004/mozc_ut2.html
UT2 辞書配布元: http://linuxplayers.g1.xrea.com/mozc-ut2.html
元々は Arch Linux 用みたいです。
PPA を追加して同梱されているアプリをバージョンアップする
Ubuntu に同梱されているアプリは最新版という訳ではなく、Firefox などの例外を除けば基本的にメジャーバージョンが上がるような更新は行われないため、アプリの最新版を利用したい場合は PPA を追加する必要があります。
PPA というのは、Canonical が運営している https://launchpad.net/ というサイトにアプリをアップロードしてユーザーに利用してもらうためのサービスだそうです。
LibreOffice の PPA を追加する
できるだけ最新の LibreOffice を利用したい場合は、次の PPA を追加します。この PPA は LibreOffice 公式のものではありませんが、GNOME の開発者の方がメンテナンスされています。
sudo add-apt-repository -n ppa:libreoffice/ppa
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade
LibreOffice 7.0 シリーズの PPA を追加する
バージョンを7.0シリーズに固定しておきたい (7.1シリーズが出てもアップグレードしたくない) 場合は上記の PPA の代わりに7.0専用の PPA を追加します。
※備考:この PPA は次のバージョンへは自動的にアップグレードされないため、後日バージョン7.1以降に対応した別の PPA を追加し直す必要がある点に注意してください。
sudo add-apt-repository -n ppa:libreoffice/libreoffice-7-0
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade
Remmina の PPA を追加する
Remmina はリモートデスクトップクライアントです。Remmina の PPA は Remmina プロジェクトが提供している公式の PPA です。
sudo add-apt-repository -n ppa:remmina-ppa-team/remmina-next
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade
Shotwell の PPA を追加する
Shotwell は写真管理アプリです。Shotwell の PPA は sicklylife 氏による非公式の PPA です。
sudo add-apt-repository -n ppa:sicklylife/shotwell
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade
Transmission の PPA を追加する
Transmission はシンプルな BitTorrent クライアントです。Transmission の PPA は Transmission プロジェクトが提供している公式の PPA です。
sudo add-apt-repository -n ppa:transmissionbt/ppa
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade
PPA を除去する
PPA を追加したことで何らかの問題が発生した場合は、ppa-purge というコマンドで PPA を除去してアプリを元のバージョンに戻すことができます。使い方は以下のような感じになります。
sudo apt install ppa-purge
sudo ppa-purge ppa:libreoffice/ppa
設定が終わったら
アクティビティ画面で update と入力して ソフトウェアの更新 を起動し、インストールされているソフトウェアの更新があるか確認しておきましょう!