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合格体験記】教材不足の「Google Cloud Professional Security Operations Engineer」をNotebookLMと共に合格した話

Last updated at Posted at 2025-11-30

1. はじめに

この記事は、Google Cloud認定資格の中でも特にニッチ、かつ「教材が少なすぎる」と噂の Professional Security Operations Engineer を受験し、なんとか合格をもぎ取った体験記です。

  • 筆者のバックグラウンド:
    • 普段はフルスタック寄りのアプリケーションエンジニア(セキュリティ専門家ではありません)。
    • Google Cloud認定資格は全冠済み。「全冠維持」という名のプライドと意地だけで今回の受験を決意。
  • 受験結果: 合格。(一度、お試しで受けて不合格)

「セキュリティオペレーション? SIEM? なにそれ美味しいの?」という開発者畑の人間が、どうやってこの運用のプロ向け試験を攻略したのか。
今回は、**「教材がないならAIで作ればいい」**という発想のもと、NotebookLM をフル活用して自分専用の試験対策を作り上げた方法を共有します。

後半には、実際に作成して試験直前まで見返していた**「要点用語集」と「頻出英単語集」**も公開します。これから受ける方の助けになれば幸いです。

2. Professional Security Operations Engineer 認定資格とは

公式の説明を噛み砕くと、この資格は Google Security Operations (旧 Chronicle)Security Command Center Enterprise (SCC-E) を駆使して、脅威の検出、調査、対応を迅速に行えるエンジニアであることを証明するものです。

Professional Cloud Security Engineer (PCSE) が「クラウド環境の設計・構築時のセキュリティ」を問うのに対し、こちらは**「日々発生する脅威をどう検知し、どう捌くか」という「運用(Ops)」に特化**しています。

  • ここが開発者にはツライ:
    • コードを書くのではなく、ログを見る、ルールを書く(YARA-L)、インシデントを管理する(SOAR)能力が問われる。
    • 教材が圧倒的に少ない(Udemyの講座も少なく、あっても英語のみなど)。

3. 学習方法:NotebookLM を相棒にする

教材不足という絶望的な状況下、私がとった戦略は NotebookLM (Google) の活用でした。
NotebookLMは、手持ちのドキュメントを読み込ませることで、その内容に基づいた回答や要約をしてくれるAIツールです。

3.1. 学習のステップ

  1. 公式ドキュメントの収集:
    • Google SecOps (Chronicle) のユーザーガイド
    • SCC-E のドキュメント
    • Siemplify (SOAR) 関連の資料
    • これらをPDF化したりURLを集めたりして、NotebookLMのソースとして登録します。
  2. 対話形式で学習:
    • 「YARA-Lの基本的な構文を教えて」
    • 「UDMフィールドの principal.iptarget.ip の使い分けは?」
    • これらをチャット形式で質問し、概念を理解しました。
  3. 模擬問題と用語集の生成(重要):
    • 「このドキュメントに基づいて、試験に出そうな重要な専門用語を表形式でまとめて」
    • 「間違いやすいポイントを含む4択問題を作って」
    • こうして生成されたアウトプットをひたすら暗記しました。

3.2. Google Cloud Skills Boost での実践

座学だけでは限界があるため、Google Cloud Skills Boost のラボも併用しました。
特に Google Security Operations の管理コンソール は普段のGCコンソールとはUIが全く異なるため、実際に触って「どこに何があるか」を目に焼き付けておくことが必須です。

4. NotebookLMで作成した試験対策データ(一部)

ここからは、実際に学習中にNotebookLMを活用して整理したデータの一部を公開します。
試験直前はこのリストを見直すだけで点数に直結しました。

4.1. Professional SecOps 試験要点用語集

Google SecOps特有の用語や、製品ごとの役割分担を整理したものです。

クリックして用語集を展開する

I. 主要な Google セキュリティオペレーション製品

固有名詞 役割(簡単な説明) 関連する概念
Google Security Operations (SecOps) SIEM、SOAR、脅威インテリジェンスを統合した中核サービス。ログ収集、脅威検出、インシデント対応の自動化を担う。 SIEM、SOAR、GTI
Security Command Center (SCC) Google Cloud 環境の資産を自動検出し、脆弱性や設定ミス、脅威を可視化する。クラウドネイティブ保護 (CNAPP) の役割。 CNAPP、SHA
Google Threat Intelligence (GTI) Google 独自およびサードパーティの脅威情報を統合し、特定・調査・対応を支援する検出基盤。 ATI Fusion Feed、IoC
VirusTotal ファイルやURLのマルウェア汚染確認サービス。SecOpsと連携し、IoCの確認やエンリッチに利用。 エンリッチ
Mandiant Google のセキュリティチーム。コンサルティングや脅威インテリジェンスを提供。 脅威インテリジェンス

II. Google SecOps のコア機能と概念

1. データモデルと検出技術

固有名詞 役割(簡単な説明) 関連する操作・構成要素
UDM (Unified Data Model) 異なるログソースを共通フォーマットに正規化するための統一データモデル。YARA-L ルールの基盤。 正規化
YARA-L 検出ルール UDM に準拠した検出ルール構文。 シングル/マルチイベント検出
Gemini (AI) 自然言語から YARA-L ルールを生成するなど、SecOps を強化する生成AI。 生成AI
Retrohunt 過去のログデータ全体に対してルールを適用し、潜在的な脅威を探し出す機能。 脅威ハンティング
Curated Detections GCTI チームが作成・管理する即座に利用可能な脅威検出ルールセット。 Cloud Threats カテゴリ
ルール除外 (Rule Exclusion) 偽陽性(False Positive)を減らすため、特定の条件に一致するイベントを無視する設定。 False Positive 対策
Entity Graph エンティティ間の関係性に基づいた隣接リスト。関連データやエンリッチに利用。 エンティティ タイプ
IoC matches 取り込んだログイベントを Google が保有する IoC ソースと自動で関連付けを行う機能。 IoC

2. データ取り込みと処理

固有名詞 役割(簡単な説明) 関連するベストプラクティス
Parser (パーサー) ログデータを取り込み、UDM 形式に変換するコンポーネント。 -
Prebuilt Parser Google が提供する標準的なログソース用のパーサー。 -
Parser Extension 既存パーサーの上に、組織固有の変更(追加フィールドなど)を実装する機能。 最も迅速かつ影響が少ない
Custom Parser デフォルトパーサーがない場合などに独自記述するパーサー。 タイムゾーン調整
Feed (フィード) S3 や Azure Blob などからログデータを自動的に取り込む機能。 -
Forwarder/Bindplane Agent オンプレミスやクラウド上のログを SecOps に転送するエージェント。 -

3. インシデント対応と自動化 (SOAR)

固有名詞 役割(簡単な説明) 関連するユースケース
Playbook アラート検証、対応、エスカレーションを自動実行するワークフロー。 エンドポイント隔離、自動エンリッチ
Case Management アラートをケースにまとめ、優先順位付けや担当者割り当てを行う機能。 -
SOAR Remote Agent Playbook を実行するためにエンドポイント等に展開するエージェント。 エンドポイント隔離
Siemplify Integration SOAR 機能の基盤。プレイブック内でのエンティティ操作等に使用。 Create Entity、Expression Builder

III. セキュリティと脅威に関する重要な概念

固有名詞 役割(簡単な説明) 関連する分野
IoC (Indicators of Compromise) 侵害の痕跡(悪意あるIP、ハッシュ値など)。 脅威ハンティング
TTPs 攻撃者の戦術、技術、手順。 MITRE ATT&CK
MITRE ATT&CK Framework 攻撃戦術と技術を体系化した分類フレームワーク。 -
Lateral Movement 侵入後、ネットワーク内を横移動し侵害範囲を拡大する攻撃。 -
False Positive (偽陽性) 正常な活動を誤って脅威として検知してしまうこと。 検出工学
CNAPP クラウドネイティブ環境全体を保護する統合ソリューション。 CSPM、CWPP、CIEM

IV. 関連 Google Cloud プロダクト

固有名詞 役割(簡単な説明) 関連する分野
Cloud Audit Logs イベント発生時のログ記録。IAM logs はユーザー行動監視の最重要ソース。 データ管理
BigQuery (BQ) UDM レコードなどをエクスポートして分析可能(Enterprise Plus のみ)。 可観測性
Workforce Identity Federation 組織の IdP(Okta等)を SecOps の認証に利用する機能。 アクセス制御
Security Health Analytics (SHA) SCC の主要機能で、設定ミス検出を行う。 SCC
Event Threat Detection SCC の主要機能で、リアルタイム脅威検出を行う。 SCC

4.2. 試験対策用 英単語集

この試験は日本語で受ける場合でも、ドキュメントやUIの一部、あるいは問題のニュアンス理解において英語力が求められます。特に「運用者としてどう振る舞うべきか」を示唆する単語をまとめました。

クリックして英単語集を展開する

I. 動作と解決策を示す一般IT用語

英語 日本語訳(文脈上の意味) 関連ソースと文脈
Configure 設定する システムやルールを設定する
Implement / Deploy 導入する、実行する 解決策をシステムに組み込む
Assess 評価する、判断する Google側がリクエスト内容を検討する(遅延の原因)
Modify / Change 修正する、変更する 既存の定義や設定内容を変える
Leveraging 活用する 既存の機能(EDR連携など)を有効に使う
Extract 抽出する データの中から必要な情報を取り出す
Identify 特定する 脅威や対象ユーザーをはっきりさせる
Scan スキャンする 過去のデータ全体をルールに基づいて調査する

II. 運用要求と判断基準となるキーワード(※最重要)

問題文で「何を優先すべきか」を判断するためのキーワードです。

英語 日本語訳 なぜ重要か
Quickly / Fastest 速く / 最速で 解決策の「速度」を問う。「コードを書くより導入が速い」など。
Excessive time 過度な時間 問題の原因。自動化(Playbook)により解決すべき対象。
Most effective 最も効果的な 複数の解決策の中で、一番良いものを選ぶ基準。
Direct approach 直接的なアプローチ 回り道をせず、問題の根源を解決する手段。
Minimize the effort 労力を最小限にする アナリストの手動介入を避けるべきという要求。
Comprehensive 包括的な 幅広い脅威をカバーするルールセット(Curated Detections)を選ぶ基準。
Suitable 適切な 要件に合致しているか(否定形でよく使われる)。

III. 文法的な構造と論理

英語表現 意味 使用例
-er / more ... than 比較対象より優れている quicker to implement than writing code snippets
unless 〜でない限り unless a network IOC match also occurs
only if 〜の場合に限り match IOCs only if they appear in the ATI Fusion Feed
cannot / lack 〜できない / 欠けている It lacks time-based correlation (時間ベースの相関がないので不適)

5. 試験の難易度と所感

  • 難易度: やや高め
    • セキュリティそのものの難しさというより、実際にその機能を知らないと解けない問題が多かったです。
    • 普段開発だけしていると、運用フローの勘所が掴みにくいと感じました。
  • 選択肢の罠:
    • 「どっちも正解に見えるけど、Google(SecOps)的にベストなのはどっち?」と悩ませる問題が多発しました。
    • ここで上記の英単語集にある "Minimize the effort""Fastest" といったキーワードが判断の軸になります。

6. まとめとアドバイス

普段アプリケーション開発をしている私にとって、SecOpsの世界は新鮮かつ骨の折れる領域でしたが、NotebookLM という武器を使うことで、教材不足というハンデを克服し、効率的に知識を吸収できました。

これから受ける方へのアドバイスとしては:

  1. Skills Boostで実機を触る: YARA-Lルールの作成画面やUDM Searchの画面は必ず一度は見ておいてください。
  2. NotebookLMで自分専用の教材を作る: わからない単語や概念はAIにまとめてもらいましょう。上記の用語集も参考にしてください。
  3. 英語と専門用語の準備: 試験中に単語の意味で躓かないよう、頻出語彙は抑えておきましょう。

これで無事、全冠維持です。
これから受験される皆様、YARA-Lの構文エラーと英語の長文に負けず、頑張ってください!

参考

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