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Android で OpenCV のサンプル camerapreview を試す

Last updated at Posted at 2019-11-23

[AndroidStudio で OpenCV をインポートする]
(https://qiita.com/ohwada/items/71eb18296aac46f9f5ee)
の続きです。

概要

Android 用 OpenCV には、
8個のサンプルが同封されている。

そのうち camerapreview は、
基本となるサンプルなので、少し詳しく説明する。

OpenCV の Java API に関するドキュメントは 下記の JavaDoc 由来のものがある。

[OpenCV Java documentation]
(https://docs.opencv.org/master/javadoc/index.html)

しかし、 Android API に関するドキュメントはないようです。
ないようです
ソースコードを解読した。

OpenCV の Mat

OpenCV で扱う画像の形式です。

参考 OpenCV の Mat ってやつの話

参考 cv::Matの基本処理

参考 OpenCVのMatとbyte[]の相互変換

tutorial-1-camerapreview

カメラのプレビュー画像を表示するサンプルです。

下記の説明には、
Java API または Native camera API を使用するとある
Native camera API は、古いバージョンにはあったようだが、
最新バージョン 4.1.2 には、見当たらず。

opencv.org : OpenCV4Android Samples

参考 NativeCameraViewはまだ存在しますか?

アプリを作成する。

(1) 新規のプロジェクトを作成する
File -> New -> New Project -> Empty Activity

(2) 前回の記事で作った Android のライブラリをインポートする
File -> New -> Import Module -> Import JAR / AAR Package

(3) 依存関係を設定する
File -> Project Structure

(4) AndroidManifest にカメラのアクセス許可を追加する。

AndroidManifest.xml
    <uses-permission android:name="android.permission.CAMERA"/>

(5) レイアウトファイルに、JavaCameraView またはJavaCamera2View を配置する。

いずれも SurFaceView を継承している。
JavaCameraView は、旧来の Camera API を使用する。
JavaCamera2View は、API 21 からサポートされた Camera2 API を使用する。

activity_main.xml
<FrameLayout >
    <org.opencv.android.JavaCameraView
        android:layout_width="fill_parent"
        android:layout_height="fill_parent"
        android:visibility="gone"
        android:id="@+id/camera_view"
        opencv:show_fps="true"
        opencv:camera_id="any" />
</FrameLayout>

属性 (attributes)
opencv:show_fps
true のとき、ビューの左上に、描画速度 (fps)を表示する
opencv:camera_id
カメラを指定する
front: 前面カメラ
back: 背面カメラ
any: 第1カメラを自動判定

(6) CameraActivity を継承して MainActivity.java を作成する。

MainActivity.java
public class MainActivity extends CameraActivity implements CvCameraViewListener2 {

public void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
        setContentView(R.layout.activity_main);
        // カメラビューを取得する
        mOpenCvCameraView = (CameraBridgeViewBase) findViewById(R.id.camera_view);
        mOpenCvCameraView.setVisibility(SurfaceView.VISIBLE);
        mOpenCvCameraView.setCvCameraViewListener(this);
}

public void onResume()
    {
// OpenCV をロードする
        if (OpenCVLoader.initDebug()) {
            mLoaderCallback.onManagerConnected(LoaderCallbackInterface.SUCCESS);
    }

}

private BaseLoaderCallback mLoaderCallback = new BaseLoaderCallback(this) {
    public void onManagerConnected(int status) {
        // カメラビューを有効にする
        mOpenCvCameraView.enableView();
    }
}

public Mat onCameraFrame(CvCameraViewFrame inputFrame) {
        // カメラ画像をカラーで表示する
        return inputFrame.rgba();
}

OpenCVLoader

OpenCV ライブラリの初期化を行うヘルパークラスです。
下記のメソッドを持つ。

  • public static boolean initDebug()
    OpenCVライブラリをロードして初期化する。
    初期化が成功した場合にtrueを返す。

  • public static boolean initDebug(boolean InitCuda)
    CUDA ランタイムライブラリをロードして、
    OpenCVライブラリを初期化する。

  • public static boolean initAsync(String Version, Context AppContext,
    LoaderCallbackInterface Callback)
    OpenCV Engine service を使用してOpenCVライブラリをロードおよび初期化する。

参考 wikipedia : CUDA

参考 github : OpenCV Engineサービス

BaseLoaderCallback

OpenCVLoader のコールバッククラスです。
2つのメソッドを持つ。

  • public void onManagerConnected(int status)
    OpenCVライブラリの初期化後に呼び出されるコールバックメソッド。
    引数 status 初期化のステータス

  • public void onPackageInstall(final int operation, final InstallCallbackInterface callback)
    パッケージのインストールが必要な場合に呼び出されるコールバックメソッド。
    引数 operationは、
    InstallCallbackInterface の定数
    引数 callbackは、
    インストール(install)およびキャンセル(cancel)の2つメソッドを持つオブジェクト

初期化ステータス定数

  • static final int SUCCESS = 0;
    OpenCVの初期化が正常に終了しました。

  • static final int MARKET_ERROR = 2;
    Google Play(Google Play Market)を呼び出すことはできません。

  • static final int INSTALL_CANCELED = 3;
    OpenCVライブラリのインストールはユーザーによってキャンセルされました。

  • static final int INCOMPATIBLE_MANAGER_VERSION = 4;
    OpenCVマネージャーサービスのこのバージョンは、アプリと互換性がありません。
    おそらく、サービスの更新が必要です。

  • static final int INIT_FAILED = 0xff;
    OpenCVライブラリの初期化に失敗しました。

InstallCallbackInterface

OpenCV パッケージのインストールに関するコールバックインターフェイス。

3つのメソッドを持つ

  • public void install();
    インストールが承認されました。

  • public void cancel();
    インストールはキャンセルされます。

  • public void wait_install();
    パッケージのインストールを待ちます。

2つの定数を持つ

  • static final int NEW_INSTALLATION = 0;
    新しいパッケージのインストールが必要です。

  • static final int INSTALLATION_PROGRESS = 1;
    パッケージのインストールが進行中です。

### CvCameraViewListener2

CameraView に関するListener クラス。

3つのメソッドを持つ。

  • public void onCameraViewStarted(int width, int height)
    このメソッドは、カメラのプレビューが開始されたときに呼び出される。
    このメソッドが呼び出された後、
    onCameraFrame()コールバックを介して、カメラ画像が配信される。
    引数は、配信されるカメラの幅(width)と高さ(height)

  • public void onCameraViewStopped()
    このメソッドは、何らかの理由でカメラのプレビューが停止したときに呼び出される。
    このメソッドが呼び出された後、フレームはonCameraFrame()コールバックを介したカメラ画像の配信は停止する。

  • public Mat onCameraFrame(CvCameraViewFrame inputFrame)
    このメソッドは、カメラ画像の配信を行う必要があるときに呼び出される。
    引数 inputFrame は、カメラ画像。
    戻り値は、Mat形式で、画面に表示される。

### CvCameraViewFrame

カメラデバイスから1つの画像を表す抽象クラスです。
onCameraFrame コールバック用に使用される。

2つのメソッドを持つ。

  • public Mat rgba();
    このメソッドは、カメラ画像を カラー(RGBA) のMat形式で返す。

  • public Mat gray();
    このメソッドは、カメラ画像を グレースケール(single channel gray scale ) のMat形式で返す。

### camerapreview の処理の流れ

アプリが起動すると、
CameraActivity#onStart が呼ばれる。
Activity#requestPermissions を実行して、
カメラのアクセス許可を要求する。

JavaCamera2View#enableView が実行されると、
Camera2 API と ImageReader を使用して、
カメラデバイスからカメラ画像を取得する。
カメラ画像を OpenCV の Mat 形式に変換する。
カメラ画像が更新されると、
CvCameraViewListener2#onCameraFrame を呼び出して、
SurFaceView に描画する。

少し詳しく処理の流れを追ってみた。

  • JavaCamera2View#enableView

  • CameraBridgeViewBase#enableView

  • CameraBridgeViewBase#checkCurrentState

  • CameraBridgeViewBase#processEnterState

  • CameraBridgeViewBase#onEnterStartedState

  • JavaCamera2View#connectCamera

  • JavaCamera2View#initializeCamera
    CameraManager#openCamera を実行して、
    カメラをオープンする。

  • JavaCamera2View#createCameraPreviewSession()
    ImageReader#newInstance を実行して、
    ImageReader を生成する。

  • ImageReader.OnImageAvailableListener#onImageAvailable
    JavaCamera2Frame(image) を実行して、
    Android の Image を OpenCV の Mat に変換する。

  • CameraBridgeViewBase#deliverAndDrawFrame

  • CvCameraViewListener2#onCameraFrame を呼び出す。
    戻り値の OpenCV の Mat を Android の Bitmap に変換する。
    Bitmap を SurFaceView の Canvas に描画する。

アプリを実行する

analyze_apk すると、
下記の2つが同封されていることが確認できる。

  • libopencv_java4.so
  • libc++_shared.so

opencv42_analyze_apk.png

アプリが起動すると、
カメラのアクセス許可を要求する。

opencv42_permission.png

「許可」すると、カメラのプレビュー画像を表示する

opencv42_preview.png

サンプルコードをgithub に公開した。
https://github.com/ohwada/Android_Samples/tree/master/Opencv42

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