NPUのポテンシャルを攻略せよ!AI PCアプリという巨大なブルーオーシャンを共に切り拓く同志を求む


AIの進化が目覚ましい昨今、PC業界では新たに登場してきた「AI PC」への期待値が高まってきています。その普及の肝となるのがAI PC専用のソフトウェアである、と断言するのは、インテルの技術営業責任者として17年間、日本のPC業界を牽引してきた安生 健一朗氏です。

現在は株式会社K-kaleido(以下、K-kaleido)を起業し、AI PC時代に向けた「AI Edge Hub」というアプリ流通・販売の仕組みづくり、そしてNPUを活用したローカルAIアプリの立ち上げに取り組んでいます。

キャリアを通じて半導体回路からプロセッサアーキテクチャまでを一貫して取り扱ってきた人物が、なぜインテルを卒業し、AI PC専用アプリに勝負をかけているのか。また、現在どのような取り組みをしているのか。詳しくお話を伺いました。

プロフィール

安生 健一朗(あんじょう けんいちろう)
株式会社 K-kaleido
代表取締役社長 / 工学博士
NECシリコンシステム研究所や米国ベル研究所にて、半導体回路からプロセッサアーキテクチャまで一貫して研究開発に従事した後、インテルにて17年間にわたり技術営業責任者を務め、日本のPC業界における製品・技術戦略を牽引。2019年からは同社のスポークスパーソンとして、AI PCやゲーミングなどの新規マーケット創出を推進。ハードウェアの枠を超え、ソフトメーカーやVCなど多様なパートナーを繋ぎ、業界全体の活性化に尽力する。サイバーセキュリティ企業やリサーチコンサル企業、半導体スタートアップ企業などにも関わり、2024年に株式会社K-kaleidoを設立。技術コンサルやAI PC向けアプリ事業を展開し、PCの新たな可能性を追求している。

AI PC時代を切り拓くのは「アプリ」だからこそ、17年間在籍したインテルから独立

―― まずは安生さんの、これまでのご経歴を教えてください。

安生:2024年9月までインテルにて17年間、主にパソコン製品の技術営業責任者として、日本におけるPC業界の製品・技術戦略をリードしてきました。その前は、NEC シリコンシステム研究所や米国ベル研究所での半導体回路/プロセッサアーキテクチャなどの研究を行っており、一貫してこの領域に携わってきました。

インテルでの最後の5年ほどは、同社のスポークスパーソンとして製品発表やマーケティングイベントでの講演・出演も増えました。同時に、日本のパソコンメーカー各社の事業成功に向けて、「スマホだけでなく、パソコンをもっと使ってもらう/買ってもらうために何をしたら良いか」を一緒に考えて取り組んでいました。

―― 現在、代表を務めるK-kaleidoでは「AI PC向けアプリケーションのプロデュース・販売」がメインの事業かと存じますが、AI PCとの出会いもインテル時代ということですね。

安生:そうです。マイクロソフトやAMD、クアルコムなど、各社がこぞってAI PCの重要性を叫びはじめたことから、私もインテルの人間として、「AI PCは今後主流になる」「パソコン上でもAIを活用できる日が来る」という期待感とともにメディアに対してお話しをさせていただいておりました。

―― 17年間在籍されたインテルから独立された理由や背景を教えてください。

安生:今、非常に便利なクラウドサービスが、AIによってその価値をさらに高めています。その中でPCメーカーが「AI PC」を推進するのは、ローカルPCの性能向上が単なるスペック競争ではなく、いかにユーザー価値に直結するかを証明しつづけなければならないからです。そのためにはAI PCの最大の特徴であるNPUを活用し、具体的な価値を示す必要があります。

しかし、インテルはハードウェアベンダーであり、その役割はSDK(Software Development Kit)や技術情報の開示を通じて開発者を支援する立場に限定されます。 AI PCを市場に浸透させるために本当に必要なのは、デモレベルのサンプルアプリではなく、企業の経済活動において実利を生む商用アプリケーションです。

インテルの中で「誰かが活用してくれること」を期待して技術普及を待つよりも、自らが外に出て、プロセッサの特性に極限まで最適化したプロダクトを開発し、市場に問う。それこそがAI PCの真価を証明する最短距離だと考え、独立を決意しました。

―― 外に出てみて感じることはありますか?

安生:改めて気づかされたのが、インテルの「開発プラットフォーム」の素晴らしさですね。SDKの質は非常に高く、特にビジネス向けだと市場のシェアも高いため、オープンソースコミュニティにおけるインテルの存在感も絶大だと改めて感じています。この「情報の入手性」や「最適化された資産の多さ」は、開発者にとって計り知れないメリットです。現時点においても「当初はインテルを中心に開発を進める」という選択は、非常に理に適っているなと感じましたね。

エンジニアへの高還元レベニューシェアを実現するAI PC専用アプリストア

―― 貴社の事業内容を伺う前に、AI PCについて、どういうものなのかを改めて教えてください。

安生:端的にお伝えすると、AIをクラウドではなく、主にローカルにある各種プロセッサで処理するPCです。従来のPCでもAIソフトは動かせますが、AI PCでは「NPU(Neural Processing Unit)」という、​​推論処理を高速・低消費電力で実行するために設計されたAI専用のプロセッサが搭載されている点が、技術的な最大の特徴と言えます。

―― 大前提の質問で恐縮ですが、PC市場は今どうなっているのでしょうか?スマホなどの端末の普及に伴って、ラップトップ市場は全体的にシュリンクしている印象です。

安生:国内のPC出荷台数は、実は年間1,000万台以上あります。2024年は1,300万台出荷されていますし、2025年は学校法人に対するGIGAスクール端末需要もあってさらに多くの出荷が見込まれています。また、おおよその割合ですが、約8割が法人契約によるものです。ちなみに世界だとPC出荷台数は3億台弱の出荷数となっており、相変わらずの巨大マーケットと言えます。

さらに、調査会社のガートナーによると、2025年末にはAI PCが世界全体の31%を占め、出荷台数は7,000万台以上に達する見込み、2026年には市場シェアが55%へ拡大し、2029年にはAI PCが「標準」となると予測しています。

出典:Gartner(https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2025-08-28-gartner-says-artificial-intelligence-pcs-will-represent-31-percent-of-worldwide-pc-market-by-the-end-of-2025

―― 非常に巨大なマーケットですね!

安生:はい。それにもかかわらずPCでビジネスをしているソフトウェア企業は相対的に少ないと感じています。もっとエンジニアが儲かる仕組みが作れたら面白いと思い、K-kaleidoでは現在、「AI Edge Hub™」というプラットフォームを開発・提供しています。

―― 「AI Edge Hub™」のサービス概要を教えてください。

安生:NPU/GPUを搭載したAI PC、およびマイクロソフトが提供するCopilot+ PCに特化した「ローカルAIアプリケーション配信ストア」です。ビジネス現場で本当に使えるAI PCワークフローを普及させるために、AI PC専用のアプリだけを扱います。最大の特徴として、エンジニアへの高還元レベニューシェアを実現しています。具体的には、売上の本体価格に対して、6〜7割を開発エンジニアの方にお戻ししています。

―― エンジニアにとって非常に良心的ですね!なぜ、そのようなビジネスモデルにされたのでしょうか?

安生:偶然出会った一人のエンジニアが、コンセプトに賛同して自力でAI PC専用のアプリを作ってくれました。話を聞くと、その方はスキルが非常に高かったにもかかわらず、時給2,100円で副業の受託開発に従事されていました。

先ほどの市場感を踏まえて、仮にですが国内出荷台数1,000万台のうち0.1%の1万台に対して、1本2,000円で開発アプリが売れたとしたら、時給単価で働くよりも圧倒的なリターンをエンジニアの方が得ることができますよね。これは、エンジニア・PCメーカー・弊社にとってもWin-Winだと感じ、そのエンジニアの方と開発アプリについて販売契約を結び、「AI Edge Hub™」 で販売する仕組みにしたという流れになります。

―― SaaSのマーケットプレイスはよくありますが、AI PCアプリのマーケットというのはほとんど聞かないので、ブルーオーシャンでもありますね。

安生:そうなんです。ソフト業界の方って、ハードへの最適化を嫌う傾向がありますよね。インテル向けネイティブコードで書きたくない、Windows書きたくない、と。しかし、例えば2025年に世間を席巻したAIモデル「DeepSeek R1」の成功には、NVIDIAのローレベルのアセンブリ言語でスレッドレベルで最適化して少し世代が前のチップでもすごく性能を引き出した上で、蒸留という方法でモデルを作っていったと言われています。そのエピソードを思い出すたびに、ハードの性能を思いっきり引き出すのは非常に大変であると同時に、ソフトウェアエンジニアリングの醍醐味だなとも感じます。

―― たしかに、昔のソフト開発って、ハードと密接に結びついたシーンも多かった印象です。

安生:実は先ほどお伝えしたエンジニアの方も、結構近いことを行っていました。例えば「このプロセッサとこのプロセッサを通信するためには、こういうバッファ容量が必要で、このバッファのマネジメントをこういう風に作り込んで…」みたいな感じで、ハードへの最適化を進めてアプリを作っていました。まだ20代の方なんですけどね。

―― すごいですね…!

安生:言語はC++とPythonだけですが、能力が高いエンジニアが埋もれているのがもったいない、発想を切り替えれば一気に羽ばたけると考え、このモデルでの協業を進めることになりました。それで誕生したのが、「AI Edge Hub™」で最初に販売することになった「スピーチコネクト™」です。

ハードウェアの特性を泥臭く紐解きながら最適化していくという、エンジニアリングの醍醐味

―― 「スピーチコネクト™︎」のアプリ概要を教えてください。

安生:クラウドを使わず、PC内部でセキュアに会議やオンライン音声の文字起こしと翻訳を行う、最新の「インテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)」に完全最適化したアプリです。

―― クラウドを使用していないんですね。

安生:ハードの制約がありますから。昔の話になりますが、ファミコンみたいなイメージです。限られた計算資源で、どうしたらユーザーが満足できるかを考え抜く。文字起こしや翻訳アプリと聞くと、様々な機能が搭載されているアプリをイメージされるかもしれませんが、「スピーチコネクト™」では使い方を正しく制限して軽くすることで、PC上で動くようにしています。最初は壮大なプランがあったのですが、PC上では難しいと途中で気づいてからは必要最小限の要件を定義して、開発を進めていきました。価格も、最小限のサポート込みで買い切り価格4,480円からです。

―― 4,480円! お安くないですか?

安生:安すぎると言われます。ですが、サブスクが高すぎるだけ、というのが持論です。PCはボリュームビジネスなので、仮に1万台の出荷に対して売れたら、それだけで4,000万円強の売上になります。先ほどお伝えした通り、7割をエンジニアの方にお戻しすると、およそ3,000万円をエンジニアサイドが受け取れます。さらに、対象プラットフォームは増えていきますし、毎年新しいCPUが出て狙えるボリュームも増えていきます。

―― なるほど。機能の豊富さを求めるクラウドサービスと比較して、必要最小限の要件を定義して開発を進めていったというのが非常に印象的です。

安生:実は最初、AIの処理をGPUで走らせていたんです。ところが実際に使ってみると、例えばZoomで動画を流しながら画面共有をするといったGPU負荷のかかる作業をした瞬間に、GPUのリソースがそちらに持っていかれてしまうんですね。すると、裏で動かしていたAIの文字起こしにリソースが回らなくなり、処理がガタ落ちしてすごくスローになってしまう。この壁にぶつかった時に初めて、「これこそがNPUの価値なんだ」と身をもって理解しました。AI処理をNPUに切り離しておけば、GPUがどれだけ他の作業で忙しくなろうが関係なく、バックグラウンドで安定して文字を起こし続けられるわけです。

そこに至るまでは試行錯誤の連続でした。GPUを全く使わないわけにはいかない中で、どうリソースを管理するのか、どうすれば入力音声を途切れさせずに処理できるのか。クラウド開発ならサーバーを増強すれば済む話かもしれませんが、PCという限られたハードウェアの特性を泥臭く紐解きながら最適化していく。そんな制約の中でのモノづくりに面白みを感じる人にとっては、AI PCの開発は今、最高に楽しい分野だと思いますよ。

―― 面白いですね!ただ、そういうエンジニアと出会うのも難しそうな気がしますが、どうなんでしょうか?

安生:そうですね。最近様々なエンジニアの方々と話す機会が増えているのですが、Webやクラウド、スマホアプリが専門という方が大半で、例えばWindowsアプリは書いたことがないという人が多いです。一方で、かつて日本にもあったPCアプリは、マイクロソフトやアドビのような巨大企業に淘汰されてしまったんだろうなと。ですが今回のAI PCの登場によって、かつて 「窓の杜」 から便利なツールを競うようにダウンロードしていた頃のような、活気ある世界が戻ってくるとも思っています。

というのも、グローバルな巨大企業が、日本のビジネス現場特有の「痒い所に手が届くニーズ」まで完璧に満たせるかというと、それも難しいだろうなと。ユーザーの困りごとに寄り添い、エージェントとして最適化されたアプリを作れるのは、現場を知る我々日本人に他なりませんよね。

―― 商習慣が独特な部分もありますからね。

安生:たしかにWindowsベースの開発経験者は少ないですが、今の時代、それは大きな障壁ではありません。かつてのように「知らないと作れない」時代とは違い、今はChatGPTなどのAIに聞きながら、知らない文法や作法を補って形にできる時代です。

私自身、未経験のPHP言語をAIに教わりながらウェブサイトのメンテナンスもしていますが、そんな開発フローを体験しながら思うのが、大切なのはスキルの有無ではなく「アイデア」だと思います。人間がどうすれば便利になるかという構想を持ち、AIを便利なツールとして使いこなしながら具現化していく。そのようなアイデア一つで勝負できるエキサイティングなタイミングが、今まさに来ていると感じています。そう考えると、私としても「今Windowsアプリを書けるエンジニア」との出会いを強烈に求めているというよりかは、今お伝えしたようなアイデアとハードへの興味があるエンジニアの方との出会いを求めています。

ラインナップした1個1個のアプリを私は大事にしたい

―― すでに第一弾として「スピーチコネクト™」を販売している「AI Edge Hub™」ですが、プラットフォームサイドとしては販売・プロモーション以外にどんな役割を担っているのでしょうか?

安生:弊社サイドでは、インストーラの作成やライセンス認証の仕組み、自動アップデート機能、OSSの脆弱性対応、知的財産権の管理など、一般的なソフトウェア開発の知見だけではカバーしきれない領域を共通コンポーネント/ノウハウとして抱える形にしています。個人での活動だからロゴがない/特許や商標について分からない、という課題についても私が代理でサポートしています。

―― この辺りが苦手な方は多いと思うので、ありがたいですね。アプリケーション配信ストアということで、今後、AppleのApp Storeみたいにこれから多くのアプリを配信していく想定でしょうか?

安生:App Storeのように数を揃えるというよりかは、本当に必要なアプリを厳選して配信していくイメージですね。やはり、ラインナップした1個1個のアプリを私は大事にしたいです。ターゲットも、国内出荷台数1,000万台のうち800万台を占める法人を狙っています。現在、代理店契約なども進めておりますし、「スピーチコネクト™」を評価してくれている大きいPCメーカーもあります。

このアプリは最新PCでしか動かないので、メーカーと協業できれば一番わかりやすいんです。プリインストールまでいかなくても、バンドルや推奨で「このPCを買うと新しいアプリを体験できます」と言ってもらえたら、購入してもらいやすいし、PCメーカーにとっても最新PCの価値をユーザー体験で示せるわけです。また、マイクロソフトの本社サイドの方々ともお話しさせていただいており、海外イベントでの販促も考えていますし、今後はマイクロソフト・ストアでも販売を開始したいと思っています。

―― それはすごいですね!海外展開まで視野に入っているということですね。

安生:マイクロソフトに限らず、インテル時代に築いた様々なPCメーカーとのリレーションが今になって生きてきていると感じます。もちろん、インテルとも「AI Edge Hub™」の件を含めて、様々な話をしています。有難いことに、追い風を感じますね。

―― チップなどの最新世代への対応はどう考えていますか?

安生:例えば今年の2月に発売開始された「Panther Lake」には、もちろん対応する予定です。技術的な対応は問題ないのですが、製品企画上、最先端に合わせたものはプレミアムSKU、1個前世代向けは少し安めのSKU設計など検討しています。

―― 具体的な数値目標などはあるのでしょうか?

安生:例えば「Panther Lake」はインテルの戦略製品なので、私の見立てでは今年日本市場で年間100万台くらい出ると思っています。その1%が1万本。チャレンジングだけど、0.5%でも5,000本。5,000本は堅く取りたいなと思っています。

―― なるほど。企業がAI PCを使うメリットを改めて整理すると、どこがポイントになるのでしょうか?やはり、クラウドを使わないことによる中長期的なコスト削減でしょうか?

安生:コストもありますが、副次的ですね。どちらかと言うと、セキュリティ面が大きいと思います。インテル退職後、実は半年間サイバーセキュリティの会社にいて、クラウドセキュリティも扱っていたのですが、クラウドを取り巻く環境は日に日に厳しくなっていると感じます。海外のハッカーが狙っている先がクラウドにまで向かってるので、企業にとって便利だけど盲信は危ないと思っています。

今はまさに、正解のない中で試行錯誤を繰り返す、最高にクリエイティブなフェーズ

―― 今後に向けて、現時点で感じている課題があれば教えてください。

安生:現在の大きな課題は、クラウドLLMとローカルLLMの圧倒的な実力差をどう埋め、ユーザーの期待値をコントロールするかですね。単に「技術的に可能か」ではなく、「作ってみて初めてわかること」が山ほどあります。例えばLLMをNPUで動かすと、現状ではGPUより遅く電力を食う場合もあります。こうした制約の中で、UIや音声・カメラといったユーザーとの接点にどうAIを介在させ、レスポンスを最適化していくか。今はまさに、正解のない中で試行錯誤を繰り返す、最高にクリエイティブなフェーズだと感じています。

―― やはり一番の肝は、ファミコンのようにハードと一体化したソフトウェア開発をスピード感を持って進めるエンジニアがたくさん現れること、ですかね。

安生:そうですね。私が目指しているのは、メーカーがデモとして載せる「おまけのAI」ではなく、業務を本質的に変えるアプリです。一例ですが、トップ営業マンのノウハウをAI化し、アジェンダ作成から会議中のアドバイス、サマリー作成までを支援して実際に売上を上げる。あるいは、機密情報に厳しい自治体や医療現場で、クラウドに頼らず業務を効率化する。このような現場の課題に寄り添えるのは、日本の商習慣を理解している我々エンジニアに他なりません。だからこそ、ハードウェアの特性を泥臭く紐解きながら最適化していくエンジニアの皆様とご一緒していきたいです。

―― ありがとうございます。それでは最後に、Qiita読者へのメッセージをお願いします。

安生:長年この業界にいて感じるのは、日本と海外のエンジニアのキャリア観の違いです。海外では「一生エンジニアとして現場に立ち続ける」という誇り高い大ベテランに数多く出会いますが、日本では組織の枠組みもあり、個人としてエンジニアをやり切るのが難しいのが現状と感じます。

そのような状況の中、私としては「自分の責任でソフトウェアを作り市場に問うていく」という経験を通じて、エンジニアとしての一助になりたいと考えています。今の日本のエンジニアの立ち位置は、市場的に見ても過小評価されていると感じてなりません。もっと技術に見合った報酬を受けるべきですし、そのために市場を盛り上げ、底上げしていきたい。同じ志を持ち、エンジニアとして一生挑戦し続けたいという方と一緒に、この新しい時代を切り拓いていけたら最高に嬉しいです。

編集後記

AI PC領域のビジネス的な可能性を大いに感じた取材でしたが、それ以上に、ハードウェアの特性を泥臭く紐解きながら最適化していくという、エンジニアリングの醍醐味についてのお話しが非常に面白かったです。私自身、全く別の分野ではありますが、ハードの制約を創意工夫で乗り越えるエンジニアの方々と会話をして、その偏執的とも言えるこだわりに大いに興奮した記憶があります。今回のお話では、業務委託・副業的な形で関わり、成果に見合った報酬を受け取れることも魅力だと感じました。興味のある方、AI PC周りでアイデアのある方は、安生さんとカジュアルに、ぜひ一度お話をしてみてはいかがでしょうか。

取材/文:長岡 武司
撮影:平舘 平
提供:株式会社K-kaleido

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  1. システム刷新だけで終わらせない。その先のAIネイティブな組織実現に向けた日立のモダナイゼーションチームが熱すぎる