日本では意外と難しい!?「生涯、エンジニア。™」にチャレンジできる理由をオムロン エキスパートリンクに訊いてみる

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オムロン エキスパートリンク株式会社は、日本を代表するモノづくりをしているオムロングループで人材サービスなどを展開しています。同社は「生涯、エンジニア。™」を掲げ、オムロングループが得意とするセンシング技術やコントロール技術の領域など、エンジニアが活躍できる場を創造し続けています。同社の魅力の1つはクライアントの多くが同じグループ内だということ。エンジニアは強い仲間意識を持って業務に取り組み、技術を磨くことができるのです。

そこで、今回はオムロン エキスパートリンクで働く魅力やメリット、職場環境などについて、同社人財サービス営業部技術グループ グループ長の丹村 俊彦氏、人財サービス営業部技術グループの水浦 慎也氏にお話を伺いました。

プロフィール

丹村 俊彦(にむら としひこ)
オムロン エキスパートリンク株式会社
人財ソリューションセンタ
人財サービス営業部
技術グループ グループ長
1985年、立石電機株式会社(現在のオムロン株式会社)に入社。2019年4月までオムロンの開発部門で製品開発を推進した。2019年5月よりオムロン エキスパートリンク株式会社に参画し、人財サービス営業部で技術グループ部門を統括。「生涯、エンジニア。™」として活躍するエンジニアの育成や日本のモノづくりを支えるグループの技術力向上に取り組んでいる。

プロフィール

水浦 慎也(みずうら しんや)
オムロン エキスパートリンク株式会社
人財ソリューションセンタ
人財サービス営業部
技術グループ
2016年、他社からオムロンパーソネル株式会社に入社。主にFA領域のオムロン製品の検証業務や品質保証に携わる。現在は、オムロン エキスパートリンク株式会社へと発展した社内でアプリ開発チームに所属し、ときにはコンサルタント的な立場から、オムロン工場内で運用するシステムプロダクトの開発や効率化に取り組んでいる。

センシング技術、コントロール技術領域に力を入れているオムロン エキスパートリンク

――はじめに、オムロン エキスパートリンクのオムロングループ内での立ち位置を教えてください。

丹村 俊彦氏(以下、丹村):私たちオムロン エキスパートリンクは、オムロングループ内で技術人材サービスの機能を担っています。グループ内で技術戦略を推進する上で必要となる先端技術人財を当社が補い、貢献していくのが基本的な立ち位置です。

例えば、オムロングループ内のある事業ラインにおいて、既存の技術領域は勿論のこと事業戦略を推進する上でAIやIoTなど新しい技術領域が必要になったとき、そういった先端領域の技術を持つ人材を新規に採用し、派遣や請負などの形で的確にアサインしていくのが、オムロン エキスパートリンクのミッションの1つとなっています。

――御社に所属するエンジニアが持っている技術にはどのような特徴がありますか?

丹村:まず、私たちのお客さま構成について話をすると、オムロングループが約8割を占めており、オムロン以外のメーカーが約2割です。この比率からも分かるように圧倒的にオムロングループ内に就業しているメンバーが多いことが私たちの特徴の1つとなります。

そのため、エンジニアが磨ける技術もオムロングループが得意としているセンシング技術やコントロール技術が中心です。就業することでエンジニアの方々はこの様な技術・知識を得ることができるはずです。これはオムロン エキスパートリンクの特色だと考えています。

――御社のエンジニアの皆さんは全国規模で活躍しているのでしょうか?

丹村:先ほどオムロングループ内での就業が8割と申しましたが、オムロンの開発拠点は関西に集まっていることもあり、多くは関西で就業しています。グループの大きな開発拠点は京都の桂川、滋賀県の草津、野洲の3つです。残り2割がオムロン外の企業に就業していますが、こちらは関西と関東が中心となっています。そのため、現時点で開発プロジェクトは関西では京都、滋賀を中心に展開しており、関東では東京と神奈川が大半を占めています。

ソフトウェアとエレキ(回路・基板設計)領域で活躍するエンジニアが多く在籍

――オムロン エキスパートリンクのエンジニアはどういったフィールドで活躍していますか?

丹村:当社は、お客さま先で開発をする派遣事業とジョブをいただいて私たちが開発をする請負事業と大きく2つのパターンで展開しています。やはりオムロングループ内の仕事が多いので、拠点でいえば京都と滋賀が中心で、広い意味において電気機器メーカーで活躍するエンジニアが多いですね。技術領域でいうと、ソフトウェアの領域とエレキ(回路・基板設計)領域が大半を占めていて、メカ領域は一部になっています。

今回、同席している水浦は請負開発を担っています。ソフトウェア、エレキのエンジニアが現在50人ほど所属する部署です。

水浦 慎也氏(以下、水浦):私が所属しているのは「アプリ開発チーム」です。ここで開発している「アプリ」は一般にいうWindowsやスマートフォンで使われている「アプリ」とは多少意味合いが異なっています。オムロングループは『i-Automation!』という考え方を掲げています。開発しているのはその『i-Automation!』で語られているオムロンにしかできないモノづくり革新の「アプリ」です。

この「アプリ」とは、何らかの課題となっている「コト」を解決するモノを指しています。製品やサービスそのものだけではなく、使うことで課題を解決したり、新たな体験を創造したりすること全てを指しているのです。つまり「アプリ開発チーム」は、お客さまの課題解決をするチームです。

――一般的な「アプリ」とは視点が異なり、かなり上流から開発に取り組んでいることになりますね。

水浦:問題を解決するためには、商品知識、ドメイン知識、ソフトウェア構築に加えて、お客さまの要求分析といった話から、設計、プログラミングといった幅広い領域までの対応が必要です。

要求分析をすることになると、ほとんどが上位からの開発といった話になってきます。実際、お客さまからは「こういう課題を解決したい」というところから相談を受けることがあったり、課題部分はすでに解決していて「次はこうしたいので、ここを作ってほしい」と具体的な相談を受けたりすることが多いですね。最近では、AIをシステムに組み込む話もあります。

エンジニアの「学び」と「キャリア」の支援に力を入れ、成長を促す

――オムロン エキスパートリンクの「技術グループ」では、どのようにしてエンジニアを支援しているのでしょうか?

丹村:当社「技術グループ」の主な仕事の1つはエンジニアの支援です。例えば、キャリアの支援や、教育支援制度を作ったりすることに力を入れています。

当社では、派遣の形で働くエンジニアが多いこともあり、定期的に面談を実施してキャリア支援をしています。就業している現場での業務状況や困ったことがないかといったことから、エンジニア自身が目指すキャリアと現在の仕事のギャップがないかといったことまでキメ細かく確認をします。こういった面談などを通じて、各人のキャリアの実現を支援する取り組みを強化しています。

また、最近では、「意識醸成」が大切だと考え、先輩社員と若手が交流できる場を作っています。私たちはエンジニアの集まりですから、先輩社員が、どうやって技術面などのハードルを乗り越えてきたかを共有することが若手の「気づき」につながることを期待しています。

――教育支援についてですが、エンジニアの学びを支援する制度などを用意しているのでしょうか?

丹村:まず、社内、社外での研修を整備しています。最近ではeラーニングのコンテンツをかなり充実させています。いつでもどこでもエンジニアの皆さんが勉強できるようコンテンツを増強しているところです。

また、技術力を高めていただくために多様な資格を取ってもらいたいと考え、資格取得の支援制度も整えています。学習のための書籍の購入支援制度も導入しました。今後も支援の「仕掛け」を増やしていきたいですね。ただ、現時点では利用率が低いので多くの人に使ってもらえるようにしていこうとしています。

――教育支援制度などを活用して学んだエンジニアの希望に合わせて配属を決めることはありますか?

丹村:スキルアップの仕組みで当社がとても大切にしているのは、学ぶ場を整備することと同時に実践する場を用意することです。

一般的に「学び1割に対して経験7割」と云われています。座学で学ぶだけでは、なかなか実力は身に付きません。やはり、実践の場が必要だと私自身も思っています。エンジニアが学んだことを“次”に活かせるような体制作りに取り組んでいるところです。

――興味を持って学んだ領域の方がエンジニアも活躍できるということでしょうか?

丹村:たしかに広いです。お客さまの技術に対するニーズは本当に幅広くなってきています。先ほど申し上げたeラーニングでは学べる領域を大きく広げ、多数のコンテンツを準備しているのもそのためです。エンジニアの方々には広く学び、実践を通じて技術を深めていってほしいと考えています。

「テクニカルスキル」と「ビジネススキル」の2軸から公正評価を目指す

――エンジニアの評価はどのようにしていますか?

丹村:当社では、エンジニアの皆さんに2軸でスキルを伸ばしてほしいと考えています。軸の1つは「テクニカルスキル」で、もう1つは「ビジネススキル」です。

テクニカルスキルは、文字通り技術力のことです。ビジネススキルは仕事を進めていく上での能力のことです。例えば、しっかり計画を立てることができ、それを実行できるとか、問題が起こったときに対応して解決できるとか、あるいは創意工夫をして問題を解くことができるといったことです。

いくら技術力が高くても、業務を遂行していく力が備わってないと「テクニカルスキルが高いだけの人」で終わってしまいます。そこで、テクニカルスキルとビジネススキルの2軸を身に付けてほしいと考え、評価していることになります。

評価に際しては、オムロンの開発部門でマネージャーをやっていたエンジニアを評価者にしています。マネジメント経験者を評価者として置くことができるのは私たちがオムロングループであることの特徴です。単に経験者がエンジニアを評価するのではなく、マネジメント経験があるため評価に加えて指導やアドバイスといった育成指導をセットにすることができるメリットがあると考えています。

――オムロングループで、様々な経験を積んできているので的確な指導が受けられますね。

丹村:その狙いがあります。加えて、皆、エンジニアなので仕事をしっかりと理解した上で評価できるので納得感が得られやすいと考えています。それもあって技術に知見のある人を評価者にしているので

――実際に評価を受けてみて、どう感じましたか?

水浦:テクニカルスキル、ヒューマンスキルの2軸の考え方には納得しています。評価では、自分が今後どのように成長していきたいかを提示した上で、どう進めていくのかを相談させてもらっている感覚です。

さらに面談をして進捗を確かめていく評価方法なので、現在の自分自身の職能部分から、どうステップアップしていくのかを主眼として考えてもらえている点が、いいところだと思っています。

自分がどうしたいかを会社側に伝えられて、自己学習の部分も評価として認められているので自分がやりたいように進めることもできます。自分で今後の仕事の方針を決めていくことができるのがメリットだと感じています。

本人の希望も踏まえてステップアップできる環境を用意していく

――プロジェクト期間はどのくらいのことが多いですか? また、異動はどんなタイミングで実施されますか?

丹村:先ほどの評価者との面談は、3ヵ月ごとに年間4回、実施しています。その中で業務の内容やキャリアの入れ替え、置き換えといったことも会話しています。その面談でエンジニアから「ここにいても成長が感じられない」とか、何年か続けるうちに同じ仕事の繰り返しになり「学ぶことが尽きた」という話があれば、本人の希望を踏まえた形で次の就業先に変わるステップに入ります。

サイクルは3年~5年のことが多いと思います。中には自分自身のやりたいことが実現できているエンジニアもいるので就業を継続するパターンもあります。

基本は、エンジニアが持っているキャリアに対して、そのキャリアを叶えるという意味での必要性を基準にして、異動の期間を決めています。基本的な考え方はやはり「エンジニアのキャリアを、どうステップアップさせていくか」に置いています。

――経験豊富なエンジニアが評価者となっていることで、エンジニアの希望に対しても適切に判断ができますね。

丹村:外部で働いているエンジニアの状況は分かりにくい面があるので、情報を充分に受け取るのが難しいことがあります。しかし、同じエンジニアとして伸び悩む感覚や困っているポイントは分かるので、希望に対する判断はしやすいと考えています。

自主性を持っているメンバーが活躍している

――オムロン エキスパートリンクでは、どのようなエンジニアを求めていますか?

丹村:これからも世の中はどんどん変化していきます。ある特定の技術を持っていても時間とともに陳腐化していくことが加速すると感じています。ですから、エンジニアの皆さんには、常にいろいろな技術に興味を持ってほしいですね。それもあって先ほど申し上げたように研修制度を揃えています。

自主的、自立的にいろいろなことを吸収しようという姿勢が非常に重要です。そういったマインド、行動指針がベースにあって自己研鑽を怠らないエンジニアであってほしいですし、そういう方と仕事をしたいと思っています。

――実際に、現場ではどのようなエンジニアが活躍していますか?

水浦:私は滋賀県草津のエンジニアリングセンターに所属して仕事をしています。そこに新規で入ってきているメンバーを見ると、自身がやりたいことを核として持っている人が多いと思います。「ロボットがやりたい」とか「データエンジニアリング系をやりたい」といったことです。

それを目標として掲げた上で、そこに向けてどう進めたらいいかを四半期面談の中で相談しながら進めているようなので、私は「自主性があるんだな」と感じています。

――知名度が高く、社会に貢献している企業グループに入社するということで、やはり「夢」を持っている新メンバーが多いのでしょうか?

丹村:オムロングループの会社ということで、グループの製品開発チームの一員として参画し、社会に貢献するモノを生み出していく想いを持った方が多いです。実際に製品に関わったことはありませんから、「どんな技術が必要なのか?」といったイメージはまだ持ててないことが多いようですが、強い想いがあると感じています。

――その想いを、御社の豊富な教育制度やキャリア支援で「プロ」に変えていくのですね。

丹村:そうです。やはり学びが重要です。私たちエンジニアだけではなく、営業等も含めて組織全体として技術力を伸ばしていくことが非常に重要だと考えています。そのための支援をしていきたいですね。

オムロン エキスパートリンクで働く魅力とは?

――オムロン エキスパートリンクで働く魅力はどのような点にありますか?

丹村:多くのメンバーが同じグループ内で働いているので、開発の「派遣」ではなく、「仲間」という感覚で見てもらえることが非常に強いと思います。ですから、気軽に情報のやりとりや会話ができるのは、オムロン エキスパートリンクの大きな特徴だと考えています。

水浦:ちょっと変なポイントですが、当社はオムロングループの企業なので、エンジニアはオムロン共通の作業着を使っています。そのため仲間意識が強く持てることもあると思います。

その上でグループの製品開発に携わる機会が多くありますし、技術者派遣という考え方で見ると、オムロングループ内の様々な部分で働く機会を得ることができるのがメリットです。
センシングに取り組むこともできるし、コントローラー技術を学ぶこともできます。ロボットをやる機会もあれば、AIをやることもあり、取り組める技術の幅広さがあるのがオムロン エキスパートリンクの魅力だと思います。

――幅広く先端領域に挑戦できることに魅力を感じるエンジニアは多いと思いました。

水浦:私が所属するエンジニアリングセンターにはソフトウェア、エレキ、ハードのエンジニアが所属しているチームがあります。私たちが取り扱っている技術はとても幅が広く、エンジニア1人で全てを学ぶことは難しいですが、それぞれの方向を学んできたメンバーが近くにいることもメリットの1つだと思います。

お客さまから自分の専門領域ではないことを聞かれても、知識を持った仲間が近くにいるので回答までのレスポンスも早くなり、答えられないことが少ないと思っています。新しいことを学ぶときにも周囲に知っている人がいるから質問しやすい環境です。これは当社の「力」だと感じています。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

丹村:私たちが求めるエンジニア像にも関わってきますが、当社のキャッチフレーズにあるように「生涯、エンジニア。™」の実現を目指しています。
社会全体を見渡すと、メーカーにいてキャリアを積むとエンジニアの世界からマネジメントの世界に入っていくケースが多いようです。現場でモノづくりの仕事をしたいと考えるエンジニアは少なくありませんが、その想いと現実がだんだん乖離しているように見受けられます。
そういう流れの中で、生涯エンジニアであり続けたいという強い想いを持った人に来ていただきたいと思っています。

私は日本企業を支えているのはエンジニアだと考えています。一緒に、様々な技術にチャレンジして、日本のモノづくりを支えていきましょう! 私たちはそういった集団であり続けたいと考えています。

水浦:オムロングループの提示する価値観の1つに、失敗を恐れずに前進する「絶えざるチャレンジ」があります。オムロングループの製品開発に関わることで、社会に貢献する先進的な技術に関わるチャンスを得ることができます。そういったチャンスとチャレンジに期待してもらえると私たちとしてもうれしいと思っています。

編集後記

オムロン エキスパートリンク株式会社が取り組む事業の1つが人材サービスと聞いて、いわゆる「派遣」をイメージした方は多いと思います。しかし、お話を伺ってみると、そのイメージとはかなり異なる風景が見えてきました。同社のクライアントの約8割が同じオムロングループ内の企業であることから、強い仲間意識を持って、自社製品ならぬ「自グループ製品」の開発に取り組むことができる可能性が高いことが分かったからです。
エンジニアは自身のキャリアプランを描きながら、先端技術を学び、スキルレベルに合った自グループの製品開発ができます。気持ちを込めて製品開発ができるのではないかと感じました。学びやキャリア支援が手厚いことも魅力的だと思います。
そんなオムロン エキスパートリンクでは、現在、新たなメンバーを募集しているそうです。本記事を読んで、一味違う同社の「働く魅力」に興味を持たれた方はぜひ応募要項等をチェックしてみてください。

取材/文:神田 富士晴


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