<本記事のターゲット層>
- Blazorに関心があるエンジニア
- CShaperでWebアプリケーションを開発したい人
はじめに:Blazorって何?なぜ今注目されているのか
Web開発の世界では、ReactやVue、AngularなどのJavaScriptフレームワークが主流です。しかし、C#でWebフロントエンドを構築できる新しい選択肢として**「Blazor(ブレイザー)」**が注目されています。
Blazorは、Microsoftが提供するASP.NET Coreの一部で、.NET技術を使ってWebアプリケーションを構築できるフレームワークです。特にC#に慣れた開発者にとっては、JavaScriptを使わずにモダンなUIを作れるという点が大きな魅力です。
Blazorの特徴まとめ
✅ C#だけでフロントエンドも書ける
Blazorでは、フロントエンドロジックやDOM操作もC#で記述可能。これにより、JavaScriptとの切り替えによる認知負荷を軽減できます。
✅ WebAssembly対応(Blazor WebAssembly)
BlazorはWebAssembly(WASM)に対応しており、クライアント側でC#コードが直接実行されます。JavaScriptのようなスムーズなUIと、.NETの堅牢さを両立可能です。
✅ サーバーサイド実行(Blazor Server)
Blazorは、サーバー側でUIのロジックを処理するBlazor Serverというモデルも提供。処理が軽く、初期ロードが速いという利点があります。
Blazorの種類と違い【初心者が選ぶべきは?】
種類 | 実行場所 | 特徴 |
---|---|---|
Blazor Server | サーバー | 軽量・即時表示、SignalRを使用 |
Blazor WebAssembly | ブラウザ(クライアント) | オフライン対応、高速なUI操作 |
Blazor Hybrid | ネイティブアプリ(MAUI) | デスクトップ/モバイル向け |
初心者にはどれがおすすめ?
学習を始めるなら、Blazor Serverが比較的簡単でおすすめです。複雑な環境設定が不要で、すぐに試すことができます。
Blazorの基本構造と仕組み
Blazorアプリは主に以下の要素で構成されます:
- Component(.razorファイル):UIの再利用可能な部品
- @code ブロック:C#のロジックを記述
-
Routing(ルーティング):
@page
ディレクティブでURLに対応 -
データバインディング:
@bind
構文でUIとデータの同期
例:シンプルなカウンターコンポーネント
@page "/counter"
<h3>カウント: @count</h3>
<button @onclick="IncrementCount">増やす</button>
@code {
int count = 0;
void IncrementCount() {
count++;
}
}
このように、HTMLとC#コードを同じファイルにまとめて書けるのがBlazorの大きな特徴です。
Blazorのメリットとデメリット
メリット
- C#だけで完結する開発体験
- 型安全で堅牢なコード
- .NETエコシステムとの親和性(EF Core、Dependency Injection など)
- クライアント・サーバーの選択肢が豊富
デメリット
- WebAssembly版は初期ロードが重い(特にモバイル回線)
- JavaScriptライブラリとの統合にはJSInteropが必要
- 情報やライブラリがJavaScript系に比べてまだ少ない
開発を始めるには?環境構築ステップ
必要なもの
- .NET SDK 8.0 or 9.0
- 任意のIDE(Visual Studio / Visual Studio Code)
コマンドラインでのBlazor Serverアプリ作成
dotnet new blazorserver -o MyBlazorApp
cd MyBlazorApp
dotnet run
WebAssemblyアプリを作成したい場合
dotnet new blazorwasm -o MyBlazorWasmApp
実際に何が作れるの?Blazor活用事例
- 管理画面や業務アプリ(社内ツールに最適)
- シングルページアプリケーション(SPA)
- デスクトップアプリ(Blazor Hybrid × .NET MAUI)
- グラフ・ダッシュボード系のアプリ(Chart.jsとの連携など)
Blazorは、業務系Webアプリケーションに特に適しており、企業システムのモダナイズにも使われています。
よくある質問(FAQ)
Q. JavaScriptは一切使わなくていいの?
A. 基本的な操作は不要ですが、外部JSライブラリを使いたい場合は「JSInterop」という仕組みで連携が可能です。
Q. SEOには向いてるの?
A. Blazor ServerはSSR(サーバーサイドレンダリング)に対応しやすいため、SEO面ではやや有利です。Blazor WebAssemblyは通常SPAとして動作するため、静的コンテンツ化やプレレンダリングが必要になります。
Q. スマホ対応は?
A. ブラウザベースなのでレスポンシブ対応可能。Blazor Hybridを使えばスマホアプリ化もできます。
まとめ:Blazorはこんな人におすすめ!
- C#に慣れていてWebフロントも統一したい
- 小規模〜中規模のWebアプリを効率よく作りたい
- JavaScriptよりも型安全で堅牢な開発がしたい
- .NETエコシステムを活用したい
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BlazorはC#でWeb開発を再定義する、注目の新技術です。
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