これは以下の投稿の続きです。
【Token】物理学と数学の接点①等加速度直線運動の3公式
「等加速度直線運動の3公式」で通用した考え方はニュートンの運動3法則に通用するのでは?
「ニュートンの運動3法則」概念の導入
運動の第1法則(Newton's first law)または慣性の法則
慣性系における力を受けていない質点の運動を記述する経験則の一つ。
紀元前4世紀から3世紀の中国において成立した「墨子」において「運動の停止はこれに抗する力による…抗する力が無ければ…運動は決して停止しない。」と記述されたのが知られる限り最初のものであるが、その後体系化されることはなかった。ガリレイやデカルトによってほぼ同じ形で提唱されていたものをニュートンが基本法則として整理した。
「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける。」
この法則は、第2法則の具体例の1つで、力がかからない場合を考えている。そのように慣性の法則が成立するような基準系(いわゆる座標系)を慣性系という。
この法則は、第2法則と第3法則が常に例外なく成り立つような基準系(frame of reference)(即ち慣性系)が存在する事を主張する法則であると解釈される場合がある。ただし、プリンキピアで3法則を述べる前の注釈で、絶対空間を説明していて、ここで慣性系の存在を主張している。
ちなみにChatGBTに「運動の第一法則について説明してください」と質問した結果。
運動の第一法則、または慣性の法則として知られる法則は、物体が静止しているか一定の速度で直線運動している場合、それがその状態を維持しようとする性質を述べています。すなわち、外力が作用しない限り、物体は静止状態または等速直線運動を続けます。
ここでは省略されてしまった「絶対時間(Absolute Time)と絶対空間(Absolute Space)の概念こそが重要だったりします。
Wikipedia「絶対時間と絶対空間」
アイザック・ニュートン「自然哲学の数学的諸原理(Philosophiæ Naturalis Principia Mathematica, 1687年刊)で初めて導入された概念で、古典力学が発展するための理論的基盤となった。ニュートンによれば、それはそれぞれ何物にも依存しない客観的実在の一部である。
- 絶対的な・真の・数理的な時間は、外部と一切かかわりなく、おのずとその本質に基づいて一律に流れていく。これをデュレーション(英: duration)と呼ぶ。
- それに対して相対的な・見かけ上の・日常的な時間は、運動の観察を通じて得られる、デュレーションの実用的かつ外的な物差し(正確であれ、不正確であれ)である。一般に用いられているのは真の時間ではなくこちらである。
アイザック・ニュートン「自然哲学の数学的諸原理」
絶対空間とは、外部と一切かかわりなく、本質として不変不動を保つものである。相対空間とは絶対空間の中を動く一つの座標軸もしくは物差しである。われわれの知覚は諸物体に対する位置として相対空間を作り上げる。そして図々しくもそれを不動の空間とみなすのである。 ... 絶対運動とはある絶対座標から他への物体の移動、相対運動とはある相対座標から他への移動である。
この様にニュートンの言葉によれば、絶対時間はいかなる観察者とも無関係に存在し、宇宙のいかなる場所でも一定の早さで進んでいくものとされるのです。
相対時間と異なり、絶対時間は知覚できるものではなく、数理的に理解するものだとニュートンは信じていた。ニュートンによれば、人間が知覚できるのは相対時間だけで、それは知覚可能な物体(月や太陽など)の運動を測定することと同義である。我々は物体が動くのを見て時間の経過を知るのである。
この考え方が意味しているのは、絶対空間と絶対時間は物理的な事象に規定されるものではなく、物理現象が起きる舞台の背景幕やセットだということである。したがって、あらゆる物体には絶対空間を基準とするただ一つの絶対的な運動状態が与えられる。物体は絶対静止状態にあるか、もしくはある絶対速度で運動しているかのどちらかである。
湯川秀樹は、ニュートンは自然の空間や時間が本当は均一ではない、と睨んでいたからこそ、あえて自らの体系の中で仮想されている空間や時間を「絶対空間」や「絶対時間」と呼んだのだ、といったことを指摘している(出典:『湯川秀樹著作集』岩波書店)。
ちなみにChatGBTに「ニュートンの絶対空間と絶対時間の概念について教えてください」と尋ねた結果が以下。
ニュートンの絶対空間と絶対時間の概念は、彼の古典力学の理論の基礎を形成しています。絶対空間は、物体の位置や運動を定義する枠組みであり、絶対時間は、物理的な出来事の発生や時間の経過を記述します。ニュートンはこれらの概念を、宇宙全体で一貫して一定の枠組みとして考えました。
ノーバート・ウィーナー「サイバネティクス(1948年初版1961年改定)」は、この様なニュートン空間/ニュートン時間の特徴を「平行性」なる言葉を用いて説明します。
電気回路の現象は、他の多くの物理現象同様に時間の原点の移動に対して不動であるという特徴を持っている。正午ある物理実験を開始して、午後2時にある段階に達したとする。12時15分に同じ実験を開始すれば、2時15分に同じ段階に到達するであろう。したがって 物理学の法則は、時間の平行移動の群の普遍量を扱うのである。
そしてこの様な「無限小-∞と無限大+∞の間にあって、かつその両端から(εδ論法的に)可算距離にない任意の位置に単位元が置け、かつその都度これを境に元と逆元が定義される」平行群の概念は、指数写像と対数写像の一般化たる「ネイピア数e(2.718282)のテトレーション連鎖」をもその範疇に含むのです。
【Token】物理学と数学の接点①等加速度直線運動の3公式
上掲のテトレーション連鎖過程においては「(自らを無限大小-∞からと無限大+∞にかけて続く曲率0の無限連続直線として観測する)任意の単位次元の指数写像と対数写像は、どちらかもそれぞれその観測原点から半径1の単位円(曲率1)として観測される」という条件しかありません。そして、まさしくその「平行性」そのものが「慣性の法則」に合致するという次第…
(補論)統計尺度やマクロ経済におけける価格論との関係
ところで、以下の投稿において私は上掲のテトレーション連鎖の両端に位置する単極球状体を「名義尺度以外の一切の尺度が成立しない(平均値も中央値の存在せず、ただ頻度が数えられるのみの)名義尺度時空と定義。これに合わせて上位尺度概念の調整を試みました。
【Token】統計尺度概念の再確認
①既存の名義尺度と順序尺度の間に「(集合論のみ通用する)分類尺度」を新設。一番外側の補集合を(閉世界仮説成立の為に空集合として扱う)名義尺度時空としてこれを切り捨て、ミクロ経済学的に表現すると(少なくとも一つの評価軸に従った評価値が等しくなる元を集めた)完全代替財的集合だけが残るイメージ。
- 一般的な考え方では価格帯が同じ完全代替商品集合内の選好基準は「今は筍が旬」とか「カレーなら昨日食べた」といった価格以外の要素に推移する。数学的に表現すると「偏微分が通った(とある成分=評価次元が消し込まれた)」状態で、ここでいう消し込み過程は(それ自体は多重に存在して良い)分類のどれにも含め得なかった(言い換えれば名義尺度に留まる)最外縁の補集合を切り捨てての閉世界仮説条件の成立、および分類にとどまる条件を持たさなくなった元の名義尺度への転落、あるいは逆に新たに条件を満たした元の昇格過程も含むものと考えた。
Wikipedia「閉世界仮説(Closed World Assumption)」
- しかしながらミクロ経済はこの状態を「消費者が選考商品を絞り込めない状態」と考え、いずれかの財の価格が低落したら、その財に消費が集中すると考える(端点解)。定語そのままでは順位尺度を構成しない(分類に優勝者のみが残り、他が全て脱落する構造)。集合論的に「価格競争で得っていの商品が脱落する」イメージで捉え直す必要がある?
【端点解・コーナー解】完全代替材で生じる最適消費点が特殊なパターン
- その一方で価格だけに注目するミクロ経済は「品質競争(つまり価格以外の要素における競争)などで特定財が唯一無二の選択肢となる(独立財となる)」過程を扱わない。
Wikipedia「独立財」
- そもそも主に2財の関係に注目するミクロ経済学には、評価基準を価格一本に絞っているにも関わらず「$財A \curlyeqprec 財B かつ 財A \curlyeqprec 財Bだが財A \curlyeqprec 財Cではない$」状況が存在するとされ、この場合は「評価基準を価格一本に絞った事そのもの」が間違っていたとしか評価し様がない。背後にジャンケンに見られる様な「三すくみ構造(A<B,B<C,C<A)」が潜んでいる(AB間の評価基準、BC間の評価基準、CA間の評価基準が一致してない)などの原因が想定される。
Wikipedia「三すくみ」
②データを多成分に分解しての計算で最終確率を決定する機械学習理論においては、どうしても演算技法的に(新設された)分類尺度と(既存の)順序尺度の峻別基準が曖昧とならざるを得ない(「教師あり学習」という点で分類(分類曲線の決定)と順番決定(回帰曲線の決定)が同類)
機械学習における分類と回帰について
- 極論に聞こえるかもしれないが、機械学習理論は「成分分解が完了したデータ空間に対して分類/回帰曲線を(最適解が見つかるまで)何度でも引き直す」というプロセスも含むのでこういう表現にならざるを得ない側面も。
【Token】Lp空間(pノルム)
- その一方で既存の統計尺度やマクロ経済における財概念はマラソン競技における先頭集団(あくまで厳選された尺度における競合を主題としての分類と順序付であり、絶えず落伍者と新参者が出る(任意の元の視野外にある名義尺度との往来)可能性を孕む) の様にその推移自体が不可逆的な過程を扱っているとも見做せる。
③いずれにせよ(εδ論法により厳選された評価基準上に置けない元全てを完全視野外に追放する)間隔尺度や比例尺度の概念は、原則としてこうした考え方の揺らぎに対して超越的に存在し、その意味合いにおいて物理量相当と考えられる。
- ただしかかる峻別基準とは別に「無次元量」なる概念も存在して単なる尺度論では語れない。
Wikipedia無次元量(Dimensionless Quantity)」 - 人間が統計学的に掌握したい計測量の多くがこの基準を満たさないので、せめて擬似的にそれに近づけようとした努力の産物がt検定や分散分析の様な「平均の有意味性を巡る検定」や最尤推定、そしてベイズ推定などであった。これらが20世紀以降まとめて誕生したのは産業革命の時代以降、統計の対象が天体や自然から生物や社会や経済に拡大した当然の帰結であった。
Wikipedia「t検定」
Wikipedia「分散分析」
Wikipedia「最尤推定」
Wikipedia「ベイズ推定」 - 「$10^{23}$の粒子の運動を統計学的に扱う」統計力学の延長線上に現れた情報理論は全く異なる形で物理学の系譜に連なり、その事の意義はまだ完全には明かとなっていない。例えば最新技術Transformerは「(統計力学の対象となる$10^{23}$オーダーを超える)$10^{28}$オーダーの広がりを有する意味分布領域を扱う時、そのパフォーマンスを劇的に向上させるがその数理は上掲の如何なる理論でも説明がつかないのである。
Wikipadia「統計力学」
Wikipedia「情報理論」
まだまだ試論もいいところですが、とりあえずメモがてら。
運動の第2法則(Newton's second law)
運動の第1法則(慣性の法則)が成り立つ基準系(いわゆる座標系)、すなわち慣性系における、物体の運動状態の時間変化と物体に作用する力の関係を示す法則である。
運動の第2法則はアイザック・ニュートンによって発見され、1687年に出版した『自然哲学の数学的諸原理』において発表された。
運動の第2法則から、ニュートン力学における物体の運動方程式(ニュートンの方程式)ma=Fが導かれる。ここでmは物体の質量、aは物体の加速度、Fは物体に加わる力。
なお、この運動方程式は、ニュートン自身は直接示しておらず、レオンハルト・オイラーによって、1749年の «Recherches sur le mouvement des corps célestes en général»(『天体の運動一般に関する研究』)で初めて公表された。
ニュートンの運動の第2法則は、物体の運動状態の時間変化が、物体に作用する力に比例し、方向が同じになることを主張する。
『自然哲学の数学的諸原理』における第2法則は力の作用する時間が暗黙に含まれており、前述した「運動状態の変化」は運動量の変化、「力」は今日でいう力積に相当する概念になっている。
ちなみにChatGBTに「運動の第ニ法則について説明してください」と質問した結果。
運動の第二法則、または力の法則として知られる法則は、物体の運動の変化を定量化します。具体的には、物体にかかる力とその物体の質量の積が、その物体の加速度を決定することを述べています。数式で表すと、F = ma です。ここで、F は物体にかかる力、m は物体の質量、a は物体の加速度です。
ここで質量mを1と置くと式がF=aに単純化され、「重力加速度1=傾き1」とした前回投稿に接続します。
【Token】物理学と数学の接点①等加速度直線運動の3公式
運動の第3法則(Newton's third law)または作用・反作用の法則(law of action and reaction)
二つの物体が互いに力(作用)を及ぼす場合、両者は向きが反対で大きさが等しいと主張する経験則である。また、一方だけが他方へ力を及ぼすことはなく、必ずその反作用が存在することを主張する。
2個の質点AとBがあり、互いに力を及ぼすとき、質点Aが質点Bから受ける力$\vec{F} _{AB}$(作用)と質点 B が質点 A から受ける力$\vec{F} _{BA}$(反作用)は、大きさが等しく向きが反対である。すなわち$\vec{F} _{AB}=-\vec{F} _{BA}$、あるいは$\vec{F} _{AB}+\vec{F} _{BA}=0$が成り立つ。
ちなみにChatGBTに「運動の第三法則について説明してください」と質問した結果。
運動の第三法則、または作用・反作用の法則は、一般に「すべての作用には反作用がある」と言われます。具体的には、ある物体が他の物体に力を加えると、その他の物体は同じ大きさで逆向きの力で応答します。つまり、相互作用する2つの物体の間で、それぞれが互いに等しく大きく、逆向きの力を及ぼし合います。この法則は、力と反力がペアとして現れ、互いに相互作用することを示しています。
この考え方を導入する事でcoshとsinhの以下の関係が説明不要となります。
そんな感じで以下続報…