IBMのPowerサーバーではCapacity on Demand (CoD)を用いて、リソースをより柔軟に活用することができます。
CoD、CUoD、Elastic CoD、Dynamic Capacity、PEP1.0、PEP2.0など、似た名前や意味を持つ単語が多くあり混乱してしまうため、この記事ではCapacity on Demand (CoD)とはどのようなものなのか、私なりに調査した結果をまとめてみました。
使用するIBM PowerサーバーのモデルによりCoDの対応可否が変わります。
今回は最新のPower11モデル使用時を例に調査しています。
この記事は以下の資料を参考に作成しています。
- IBM Documentation (IBM Power11) "Power Systems: Capacity on Demand" (PDF, 英語)
- IBM Documentation (IBM Power11/9080-HEU) "Capacity on Demand"
- IBM Support (IBM Power10) "Capacity on Demand (CoD)"
Capacity on Demand (CoD)
Capacity on Demand (CoD)はIBM Powerサーバーに搭載されている未使用(非活動)のプロセッサーやメモリーのリソースを、必要に応じて使用(活動化)できる機能です。
Capacity on Demand (CoD) の種類と特徴
IBM Powerでは以下の5種類のCapacity on Demand (CoD)機能を利用できます。
1) Capacity Upgrade on Demand (CUoD)
- 未使用のプロセッサーやメモリーを恒久的に活動化
- アクティベーション・ライセンス(活動化ライセンス)の購入で入手したアクティベーション・キーを用いて活動化
- Hardware Management Console (HMC) またはAdvanced System Management Interface (ASMI)を用いて実施・管理
2) Elastic Capacity on Demand (Elastic CoD)
- 旧称: On/Off CoD
- プロセッサーやメモリーを指定した期間だけ一時的に活動化
- Hardware Management Console (HMC)を用いて実施・管理
3) Trial Capacity on Demand
- CoD機能の試用期間として30日間無料でプロセッサーやメモリーを活動化
- Hardware Management Console (HMC)を用いて実施・管理
4) Power Enterprise Pool 1.0
- 別名:PEP1.0、Mobile Capacity
- 複数のサーバー筐体から構成されるプール内でMobile CoD リソースを共有
(プロセッサーやメモリーのアクティベーション・ライセンスを別筐体へ移すイメージ) - Hardware Management Console (HMC)を用いて実施・管理
5) IBM Power Private Cloud with Shared Utility Capacity
- 別名: Shared Utility Capacity、Dynamic Capacity または Power Enterprise Pools 2.0 (PEP2.0)
- 複数のサーバー筐体から構成されるプール内でリソースを共有
- プール内の筐体に搭載されているリソースのうち一部をbase capacityとして購入
- 残りのリソースはavailable capacityとして必要に応じて自動で使用
- Base capacityを超えてavailable capacityから使用したリソース(metered capacity)は1分単位で使用した分のみ支払い(従量課金)
- 従量課金分(metered capacity)は事前に購入するクレジットから消費
- IBM Cloud Management Console (CMC)とHardware Management Console (HMC)を用いて実施・管理

Capacity on Demand (CoD)を用いてできること
これらのCoDを用いてできることと使い分けを、いくつかのシチュエーションを例にまとめてみました。
| シチュエーション | CoD | 実現できること |
|---|---|---|
| 将来的に処理量が増えることが予測される | CUoD | 処理量増加に合わせてリソースを活動化 |
| 一時的に処理量が増加する時期がある | Elastic CoD | 処理量の増加が予測される期間のみ一時的にリソースを活動化 |
| 新規業務処理のテストや、CUoDでの使用リソースの追加による業務への影響のテストを行いたい | Trial CoD | CUoDの試用プランとして30日間(電源オン時)無料でリソースを活動化 |
| 複数のサーバー筐体間で活動済みリソースを移動したい e.g. 災害対策、リソースの再分配 |
PEP1.0 | 複数のサーバー筐体でアクティベーション・ライセンスを共有 |
| オンプレミスでパブリック・クラウドのような従量課金システムを実現したい |
PEP2.0 | 複数のサーバー筐体でリソースを共有 不足リソース分は使用した時だけ分単位で支払い |
CoD機能を用いてプロセッサーやメモリーのリソースを追加(活動化)するには
サーバー筐体に未使用(非活動)リソースが搭載されている必要があります
補足
Capacity on Demand (CoD)の要件
それぞれのCoDを使用可能であるかはIBM Powerサーバーのモデルに依存します。
最新のPower11モデルを使用する際の要件を一部まとめてみました。
- CUoD
- HMCまたはASMIを使用
- Elastic CoD
- HMCを使用
- Trial CoD
- HMCを使用
- PEP1.0
- HMCを使用
- 構成可能なプール
- E1180、E1080で構成されるプール
- E1150で構成されるプール
- 最低限活動させる必要のあるリソース数あり
- PEP2.0
- CMCとHMCを使用
- 構成可能なプール
- E1080、E1180で構成されるプール
- E1050、E1150で構成されるプール
- S1022、S1024、S1122、S1124で構成されるプール
- 最低限活動させる必要のあるリソース数あり