はじめに
この記事は一人VR技術者認定試験 Advent Calendar 2018の8日目の記事です。
バーチャルリアリティ学の2章「ヒトと感覚」の内容をまとめていきます。
書籍の方も是非ご購入いただいた上でご利用ください。
2 ヒトと感覚
2.4 体性感覚・内臓感覚
2.4.1 体性感覚・内臓感覚の分類と神経機構
- 特殊感覚
- 視覚
- 聴覚
- 味覚
- 嗅覚
- 前庭感覚
-
体性感覚
- 皮膚感覚
- 深部感覚(骨格筋、関節)
- 内臓感覚 (胃、腸、肝臓)
体性感覚・内臓感覚の受容器の4つの分類
- 機械受容器
- 皮膚の触や圧、筋肉の伸張や緊張
- 温度受容器
- 温冷などの感覚
- 化学受容器
- pHなど化学的刺激
- 侵害受容器
- 強い機械的刺激、熱刺激、酸など体に障害を引き起こす刺激
2.4.2 皮膚感覚
- 無毛部
- 手指など、触覚に依る重要な役割
- 有毛部
- 大部分がこれ
皮膚は3層でなる
- 表皮
- 真皮
- 皮下組織
皮膚感覚受容器について
- 3種類
- 機械受容器
- 温度受容器
- 侵害受容器
- 構造から観た分類
- カプセルなどの特殊構造
- 全て機械受容器
- 自由神経終末
- カプセルなどの特殊構造
触覚
- 全て特殊構造を持つ機械受容器
- 無毛部
- マイスナー小体
- パチニ小体
- メルケル触盤
- ルフィニ終末
- 有毛部
- 毛包受容器
- パチニ小体
- メルケル触盤
- ルフィニ終末
引用元: バーチャルリアリティ学
受容できる刺激を、「早い変化」「遅い変化」「小さな領域」「大きな領域」という観点で分類できて、そのマトリクスに上記4つの受容器が対応するという話である。受容器によって得意な変化が違うんだね!
- FAⅠ, FAⅡが即順応、SAⅠ, SAⅡが遅順応
- FAⅠ, SAⅠが小受容野で鮮明な境界、FAⅡ, SAⅡが大受容野で不鮮明な境界
基本的能力の調べ方
- 触2点閾
- 手指や唇などで小さい(2-3mm)
- 上腕や背、腹、太ももなどで大きい(15-30mm)
- 振動検知閾
温度感覚
- 温覚
- 皮膚温よりやや高い
- 自由神経終末
- 無髄線維(C線維)
- 40-45°Cがよく神経発射する
- 45°C以上は熱痛覚
- 冷覚
- 皮膚温よりやや低い
- 自由神経終末
- 無髄線維(C線維)または細い有髄線維(Aδ繊維)
- 30°C付近でよく神経発射する
- 15°C以下は冷痛覚
- 無関帯
- 接触させつづけると感じなくなる温度
- 31-36°C
- この範囲外は温覚・冷覚が持続する
痛覚
- 体性痛覚
- 表在性痛覚
- 自由神経終末
- 無髄線維(C線維)
- 遅い痛みを伝達
- 細い有髄線維(Aδ繊維)
- 早い痛みを伝達
- 深部痛覚
- 表在性痛覚
- 内蔵性痛覚
時間的観点に依る分類
- 急性の痛み
- 事故による怪我など
- 傷害を知らせ警告する機能
- 慢性の痛み
- 癌はど半年以上に渡り繰り返し起きる
- 障害の程度と痛みの強さの間に相関がないため、有用性のない痛みである
2.4.3 深部感覚
- 四肢相互の位置関係や動き、四肢に加わる力などの検出
- 筋肉、腱、関節に存在
- 固有受容器と呼ばれる
- 筋紡錘(きんほうすい)
- 筋肉の収縮や伸張を知る
- ゴルジ腱器官
- 筋肉が収縮するときに反応する
- 筋紡錘との反応の違いによって深部情報を精密に伝える
- 関節受容器
- 筋紡錘(きんほうすい)
- 深部感覚
- 位置覚
- 運動覚
- 力覚
- 深部痛覚
- 筋肉、骨、関節、結合組織などからの痛み
- 痛む場所が明確に分かりづらい
- 筋痛
- 乳酸にもよる
2.4.4 内臓感覚
- 内蔵受容器の基本的な役目は体内の恒常性維持
- 通常意識されない
- 飢え、乾き、尿意、便意などの臓器感覚は意識に上る
- 内蔵痛覚
- 局在性が不明瞭
- 強い情動性
- 反射的に吐き気などの自律神経反応を引き起こす
まとめ
受容体によって得意な変化の伝達が違うんだね!