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Zoomを使ったオンライン・オフラインのハイブリット会議のノウハウ

Last updated at Posted at 2020-11-29

(2023年1月追記)
メインの配信用パソコンの使い方をアップデートしました。
https://qiita.com/niikura/items/9a3f75e9e3cae33a82c5
(追記おわり)

背景

先日オンラインとオフラインを併用した研究会があり、現地組織委員の一人としてそのZoom配信の担当をした。Zoomで配信するにあたり、Zoomの使い方や必要機材など細かいことだけどいろいろとノウハウを得たので、今後同じような会議を開く人のために共有できればと思いメモを残す。
最近はほとんどの学会がオンラインのみの開催だが、特に異分野交流を目的とした小・中規模の研究会では直接会って話す機会がやっぱり必要だと思う。一方でオンライン会議にもいろいろと利点があるので、今後たとえ新型コロナの影響が無くなったとしても、オンライン・オフラインハイブリット会議の需要はあるのではないかと思っている。

会議室の様子

会議のスタイルは、オフライン部分はよくある大会議室での普通の研究会で、その様子をZoomで配信してオンラインでも参加できるようにする。Youtube等のライブストリーミングを使うほぼ一方向的なセミナー形式ではなく、オンラインの参加者も現地参加者と同様に質疑応答に参加できるようにしたい。講演者や座長は、現地に来て話す人もいればオンラインで発表する人もいる。
会議場.png
会議室の様子は、講演者がプレゼンスライドを使って発表をするよくある学会スタイルだが、スライドを写すスクリーンに加えてすぐ隣に大型テレビを用意した(というか会議室にあった)。このテレビにZoomの参加者の様子を写すことにする。
オンラインの人にも会場の様子がわかるように、2台のカメラを用意した(こちらも会場に常設されていた)。1台は講演者を比較的アップで撮影し、もう一つは会場の様子をワイドアングルで撮影した。

配信機材

必要な配信機材は、会議の規模や使用する会場の設備にかなり左右されると思う。ちなみに、今回の会議はオンライン・オフライン含めて80人程度の中規模な会議で、会議室は定員100人くらいの会議室を利用した。
最近は(実際に活用されているところは見たことがないが)テレビ会議システムを備えた大会議室や講義室が、各大学や研究所に一つくらいはあると思う。今回使用した会議室にも、Polycomのテレビ会議システムがついていた。ZoomでもSIP/H.323システムコネクタのオプションを入れればこのPolycomのシステムから直接つなぐこともできるが、個人的にPolycomやCiscoのテレビ会議システムの操作性が好きではないので、システムの機材だけ借りて配信自体は自前のパソコンを使うことにした。
自前で用意すると言っても、テレビ会議システムが入っているような大きな会議室ならば必要な機材はほぼ揃っているので、Zoom配信のために必要となる機材はそこまで多くない。

パソコン

主催者として実際に使用したパソコンは5台ほどあるが、Zoomの配信に使ったものは2台。残りはタイムキーパー用、アナウンス表示用、動作確認用。
普段Zoomを使う時にはあまり気にしてなかったが、配信に使う2台のパソコンのうち、少なくとも1台についてはそこそこ要求性能は高い。まず、Zoomは比較的CPUの性能を要求するため、「Intel i7相当以上のクアッドコアプロセッサ」が必要。これは、デュアルモニター機能と49人分割表示機能を利用するため。
https://zoom-support.nissho-ele.co.jp/hc/ja/articles/360021593812
https://zoom-support.nissho-ele.co.jp/hc/ja/articles/360027361992
デュアルディスプレイを使用するが、どちらのディスプレイの解像度も1920x1080 (Full HD)であるのが望ましい。また音声についてはよくある3.5mm端子で、音声(ヘットホン)出力とライン入力端子(マイク端子ではない)が必要になる。
今回は、この条件に相当するパソコンとして一台はMacMini (2012)を利用した。もう一台はMacbookを使ったが、Macbookシリーズには、上記のディスプレイ解像度と音声入力端子の条件を全部満たすものはおそらくないと思うし、Windowsのラップトップでも条件を満たすものは少ないと思う。2台目は多少スペックが悪くても何とかなるので、手持ちのパソコンで済ませた。

音声入力端子は、初めはMacbookの3.5mmジャックを利用しようとしたが、これは4極(TRRS)になっていて、音声の入力と出力をまとめある仕様である。最近のテレビ会議でよく使われるようなヘッドセットで使用することを想定しているのだと思う。そこで、入力と出力を2台のパソコンでそれぞれ担当させようとしたが、これは全然ダメで、Zoomにログインした途端にハウリングしてひどいことになる。Zoomはソフト自体にエコーキャンセル機能を持っているらしく、自分で話した声はスピーカーから出力しないようにしてくれている。なので、入力と出力を別にした途端にこれまでほとんど対策をしないでもうまくできていたエコーの問題が表面化するわけである。
実は4極(TRRS)を3極(TRS)に分岐するアダプタというものも世の中には存在する。というか試してみた。
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=MM-AD23
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=MM-ADUSB3
が、一般的に4極の音声入力部分はマイク入力でライン入力ではないため、入力信号にプリアンプが入ってしまう。一般的なAVシステムの出力はライン出力のためゲインが高すぎてノイズが乗ってしまった。人によっては気にならない程度かもしれないが、ずーと会場に「ブーーーーーン」という音が響いているのは気分的にあまり良くない。なので、「マイク入力ではなくライン入力端子を持つ」という条件が必要になって、結果的に少なくとも音声を担当するパソコンはデスクトップの方が良いと思う。

音声

映像配信ということで初めは良いビデオカメラが必要かと思っていたが、実際には映像よりも音声の方が重要だったりする。今回は、会場にあったワイヤレスマイクを10台ほど使用した。リモート参加している人からすると、会場での質問や議論の様子が聞こえないのは結構なストレスなので、発言する人は必ずマイクを使用するように気をつけないとならない。最近はみんなオンラインの会議にも慣れてきているで、特に注意しなくてもちゃんとマイクを使って発言してくれていた。
感染症対策的にはマイクの使い回しは避けた方が良いので、なるべく多くのマイクを用意したいところだが、流石に会場の定員分のマイクを用意するのは現実的ではないので、会場係がアルコール消毒をして回ることにした。新型コロナの影響が無くなったら、CatchBoxというのを見つけたのでこれを使ってみるのも面白いと思う。
https://www.muroosystems.com/product/catchbox/
誰かが以前に買ったらしく会場に置いてあったが、今回は感染症対策のため使わなかった。

ちなみに、会場全体の音を拾える高性能なマイクを一つ用意して個別マイクは使わないのは可能か、というのも考えてみたが、結論としては音声のクオリティが悪くなるのであまり現実的ではない。マイクセンサーと音源(話している人)が近いほど音質が良くなる、という物理はマイクの性能で何とかできるものではないらしい。調べた範囲では、YamahaのYVC-1000という会議マイクが一番この用途では評判が良い。
https://sound-solution.yamaha.com/products/uc/yvc-1000/index
でも、このマイクも基本的に人数が増えたらマイクの数を増すのが推奨されていることには変わりない。最近は音源を自動で認識して指向性の方向をコントロールするような技術もあるらしいが、マイクと話す人の距離がある程度以上離れると、イコライザ等での電子補正ではどうしようもない、ということなのだろう。

ビデオカメラ

これは会場にリモートカメラが2台設置されていたので、それを利用することにした。どの機種かまではわからなかったが、おそらく下のリンクにあるようなものだと思う。
https://www.sony.jp/brc/
https://panasonic.biz/cns/sav/remote_camera_system.html
リモートカメラがあったおかげで特に撮影機材を用意する必要がなかったが、なければ定点カメラを何台か用意するのでもなんとかなるとは思う。大変なのはカメラ操作よりは配信パソコンまでのケーブル配線で、長さによっては一度SDIに変換する必要があるかもしれない。ちなみに、今回使用した会場のカメラやテレビの入出力にはBNCコネクタがついていたので、おそらくSDIの変換を使っているのだと思う。そこそこの大きさの会場で天井配線をするとHDMIでは長さが足りないのだろう。

HDMIキャプチャーボード

HDMIキャプチャーボードを3つ用意した。3つというのは、「発表スライド」とカメラ2台「講演者カメラ」と「会場カメラ」。
Youtuber界隈ではElgatoのCamLink 4kというのが有名だが、Zoomの配信で4kを使うことはないので、Full HD対応の安いもので十分。
https://www.yodobashi.com/product/100000001005720672/
上のリンクのヨドバシカメラで2つ買ったが、同じデザインのものがAmazonで半額以下で売っていたので、そちらも買ってみた。見た目も性能も区別がつかないので、多分似たようなものならばなんでも良いと思う。ちなみに、このチャプチャーカードはソフトウェアエンコードなので、これもまたCPUをそこそこ使う。

HDMIスプリッター

Amazonで1500円くらいで売っている安いHDMIスプリッターを買った。これは、デュアルディスプレイのうちの二つ目を会場のプロジェクターやサブモニタにミラーリングにするために利用する。この時にミラーリングをした画面の解像度が異なると色々と面倒なので、できることならば使用するディスプレイは全部1920x1080 (Full HD)に統一した方が良い。
ただし、3画面以上出力できるビデオカードを持っているならば、一部をミラーリングにする方法することでも実現できる。Macの場合はディスプレイ設定の配置でoptを押しながら画面を重ねることで実現できる(2台目のMacbookはこの方法を使った)。Windowsの設定方法は知らないし、ちょっと調べてみたがわからなかったが、多分できるとは思う。

ポインター

レーザーポインターはZoomで参加している人には見えないので、レーザーではないポインタが必要になる。
マウスカーソルとしてポインタを表示させるものがいくつかあるらしいが、WindowでもMacでも使えるもの、となるとおそらくこれ一択なのではないかと思う。
Logicool SPOTLIGHT PRESENTATION REMOTE
主催者で用意してみんなに使ってもらったが、あまり使い勝手は良くないように見えた。
いくつか困ったことがあって、まずポインターを表示するためには専用のソフトをインストールしておく必要がある。事前に講演者にはその旨通知していたが、まぁ実際に準備してきてくれるのは半分くらいで、発表前にドタバタとインストール作業をすることになった。
そして、反応が遅い。グリグリ動かしてその場所を強調するような使い方はできず、反応にラグがあるので、レーザーと同じつもりで使うと非常に使いにくいらしい。この装置を使うこと前提で練習をしておけば効果的なプレゼンテーションもできるのかもしれないが、そこそこ値段も高いので講演者全員にあらかじめ買っておいて欲しいとは言えない。
あと、電池があまり持たない。主催者で2台用意していたが、ちょっと油断して充電を忘れて講演途中に電池切れになったことが何度かあった。
あまりお勧めできる方法ではないのだが、今のところ他に良い方法が思いつかない。

マトリックススイッチャー

会場にiPadのインターフェース付きで用意されていたものの名前が分からなかったので調べてみたが、「HDMIマトリックススイッチャー」と呼ばれるものらしい。自分で一からシステムを組む場合は、これが必要になると思う。今回の会議の場合は入力5と出力5を使ったが、ネットで調べてみたらちょっと気軽に買えるような価格ではなかったので、現場に設備がないとそこそこ予算も必要になる。
ちなみに、Youtuber界隈でスイッチャーというとAtem Miniが有名だが、これはマトリックスではない、4in1outのスイッチャーになる。これはこれで個人的に興味があるので、そのうち授業の配信用に買ってみようかと思っている。これとHDMIのスプリッターなどを駆使すれば同様のことはできると思うが、かなり配線や運用方法は複雑になると思う。

セットアップと配信方法

実際には上に書いたマトリックススイッチャーの設定で配線をすることになるが、概念的には以下のような感じになる。主に想定しているのは、講演者が現地にいる場合と、講演者がリモートでZoomの画面共有を利用している場合の2つのパターンである。他にも、スライドなしの開会、閉会の挨拶や主催者からのアナウンス、昼休み中の会場案内や連絡事項などの掲示などがあるが、この2パターンができれば、後は臨機応変に対応できるようになると思う。

現地に講演者がいる場合

現地に講演者がいる場合はこんな感じの配線になる。
現地講演.png
講演者は、普通の研究会と同じで講演台にあるHDMIやVGAなどの端子に自分のパソコンを繋いで、それがプロジェクタに表示されるまでを自分で動作するが、Zoomの配信に関しては何もやらなくて良い。もし講演者が自分のパソコンでZoomに接続している場合は退出してもらい、配信は必ず主催者が用意した配信用パソコンで行う。
講演者のスライド映像は、2つに分けてひとつは会場のプロジェクタに投影する。これは通常の会議と同じ。もう一つ分岐したスライド画像を配信用パソコンにキャプチャーボードで読み込む。それ以外に講演者を映しているカメラもあるので、配信パソコン1には2つキャブチャーカードが接続されていることになる。Zoomでは二つのUSBカメラが接続されているように見える。このパソコンのZoomの設定では、カメラを繋いでいる方のキャプチャーボードを「第一カメラ」として使う。そして、これが一番重要なのだが、
「画面共有」「詳細」「第二カメラのコンテンツ」
を使ってスライドをZoomに配信する。
スクリーンショット 2020-11-28 14.37.13.png
実はこの方法に気付くまでにはいくつか失敗をしていて、

  1. 講演者にZoomにも入ってもらって配信をしてもらう
  2. キャプチャーボードで読み込んだスライドをZoomの参加者に見つけてもらって、各自ピン留めしてもらう
  3. Zoomのスポットライト機能でスライドを配信している人をハイライトする
    のいずれも試してみたが却下された。
    1は講演者の負担が多すぎるし毎回設定すると配信失敗のリスクもあるので論外として、2,3はZoomで参加している人が満足できるレベルのスライドの解像度が得られなかった。初めは安物キャプチャーボードが低解像度の原因かと思ったが、読み込みの時点ではFull HDの解像度がちゃんと得られているので、キャブチャーカードは解像度が足りない原因ではない。考えてみたら当然だが、Zoomはそれぞれの参加者が映像をダウンロードするときに全ての映像をアップロードされた解像度で送っているわけではなく、発言頻度や動きなどを加味しながら解像度の優先度をつけて、それ以外は解像度を落として配信しているらしい。スライドだけを配信している人は、発言もしないし動きもないので解像度が落とされてしまうのだと思う。スポットライトを使うと優先度が少しは上がるのかもしれないが、それでも数ある参加者の中の1人のビデオ画像でしかないので、おそらく参加者が増えれば増えるほど、スライドの文字が判別できないくらいに解像度が落ちていくと思う。
    このZoomが勝手にスライドの解像度を減らしてしまう例外が「画面共有」で、画面共有された場合に限り静止画像でも文字が読める程度の高解像度で配信してくれるらしい。この例外があるので、画面共有は1人1画面までに限定されているのだと思う。というわけで、この「第二カメラのコンテンツ」の画面共有というオプションが用意されているのだと思う。Zoomが他のテレビ会議システムに追随を許さずに事実上のデファクトスタンダードとなっている一端を見た気がした。アイコンからすると書画カメラを想定しているみたいだが、今回のようにプレゼンスライドで使うのにも最適だと思う。

サブモニタに何を表示するのかはいくつかアイディアがあると思うが、今回はZoomのギャラリービューを表示させた。オンラインの参加者の様子、少なくとも人数と名前が会場からもわかるように「ビデオ以外の参加者も表示」でギャラリービューで表示することにした。実際はほとんどのZoom参加者はカメラオフで参加していてアイコンを設定していない人がほとんどなので、黒背景に名前だけが表示されているタイルが並んでいた。あと、アイコンを設定している人は意外と目立つ。
座長がオンラインにいる場合や質疑応答のときにZoom参加者から質問がある場合は、このサブモニタをスピーカービューにしても良いのかもしれない。もしくはピン留めも駆使するなど使い方は色々とあると思う。

講演者がZoomでの参加の場合

講演者がZoomの画面共有を使用する場合はこんな感じで、ほとんど変更はない。
オンライン講演.png
上のオフライン時からの変更点は2つほどで、一つは会場プロジェクタには共有された画面を全画面表示する。また、サブモニタには、オンライン講演者のカメラ画像を表示する。
会場の大きな画面と音声システムでZoomの操作を気にせずに講演を聞くことができるし、話している人の顔も見えるので、思ったよりも違和感なく講演を聞くことができた。これはむしろ講演する側の人の環境や慣れの問題が大きいと思う。

ポスターセッション

ポスターセッションは、対面での議論はどう頑張っても密になる事が避けられないとのことで、Zoomのブレイクアウトルームを利用した完全オンラインでの開催にした。つまり、会場に来ている人も会場近くの小会議室やミーティング部屋に移動してもらい、各自ヘッドセットを使ってポスターの数だけ用意したブレイクアウトルームに分かれて質疑応答をしてもらう。
ポスターセッションと言う名前だが、発表者にはA0のポスターではなくA4のスライド8枚を推奨とした。これはZoomで質疑応答する際にA0一画面では使いにくいから、という配慮。対面での議論はしない方針としたが、会場にポスターの掲示はした。現地参加者は、休憩時間にポスターをゆっくり読んでおく事ができる。
Zoomの運用の点では、まずZoomのバージョンが5.3以上ならば一般の参加者でもブレイクアウトルームを自由に行き来できるようになった。事前にバージョンアップの案内はしていたが、参加者の中にはブレイクアウトルームの移動ができないと言う人がいたり、発表者がどこに行っていいのか迷子になったりとはじめはかなり混乱したし、対応も全部フォローできずに苦戦した。
当日やってみてから知ったのだが、ブレイクアウトルームの人の割り振りをできるのはホストのみで、共同ホストにはできないらしい。なので、ホストは迷子の移動や操作方法のチャットからの質問対応など、開始直後はかなりドタバタするし、それを共同ホストに分担してもらうこともできないのが大変だった。このポスターセッションの運用方法はまだまだ改良の余地はあると思う。

運用時の注意点

以上は、今回の会議で私が用意したシステムの理想型だが、実際には何度も試行錯誤をしたり予行練習をしていて、実は当日も細かいところでは設定変更をしている。

デュアルモニタについて

配信用パソコンをデュアルモニタにするのは必須だと思っている。Zoomのデュアルモニタモードを使うことで、画面共有時でも、ギャラリービューと共有画面のウィンドウを分離できて、いずれかの一方のみをプロジェクターやサブディスプレイに投影することができる。画面共有が行われている状況で、共有画面やギャラリービューのどちらかを非表示にする方法はこの方法でしか実現できないと思う。
あと、わざわざ第二画面をミラーリングしたのは、配信用パソコンを設置した場所からプロジェクタやサブモニタが遠くて見にくかったことと、使用しているマトリックススイッチャーには少し遅延があるため細かいマウスでの設定が難しいことが理由。完全に今回使用した会議室の環境に依存した設置理由なので、環境次第では直接プロジェクターの画面を見て操作するのでも良いと思う。

必要なパソコンやディスプレイ、カメラの台数について

パソコンの数は、会場で使うモニタの数だけ必要になる。一台のパソコンで複数のプロジェクタやテレビに画像を映すことはできるが、Zoomがデュアルモニタモードでもウィンドウが2つにしか分割できないので、パソコン1台で2画面までが限界。あまり研究会で見ることはないが、オンラインの参加者を入れたパネルディスカッションのようなことをやりたい場合は、それぞれのパネラーをピン固定した画面を用意することになるのて、Zoomを使う限りでは画面の数だけパソコンも必要になると思う。今回の会議の感じだと、パソコンもディスプレイも2台で十分かな、と思う。
カメラは会場にあった2台をそのまま使ったが、もし増やす場合はカメラの数だけパソコンが必要になる。もしくはAtem Miniのようなスイッチャーが必要になる。カメラの台数分だけパソコンを用意したりスイッチャーの操作をするのは大変なので、カメラを増やしたい場合はスマホを使うのが良いと思う。最近のスマホのカメラは高性能で、それ自体がZoomに接続できる機能を持っているので、配線の心配もしなくて良い。多少の時間ならばバッテリー駆動で持ち運びも簡単。今回はリモート操作できるカメラがあったが、固定ならばもう少し数を増やしても良いかもしれない。

プレゼンタイマー

プレゼンのタイマーは、ブラウザで使えるプレゼンタイマーをOBSを使ってZoomに配信する方法を使った。そのためにもう一台パソコンを用意した。方法については、自分で考えたわけではなく人に教えてもらったので、ここでは詳細は省略する。

Zoom配信状況を確認できる手段を用意しておく

実は会場にいるだけでは、ちゃんとZoomに配信されているのか確認することができない。画像はもう一台モニタ用のパソコンなりiPadなりを用意すれば良いのだが、会場でZoomにログインする場合はハウリングを避けるため音声をオフにしないとならないため、まちがって配信パソコン1の音声がミュートになっていても気付けなかったりする。実は今回の会議でも初めの1,2分音声が配信されていなかったことが一度あった。
そこで、会場の会議室の隣に受付用の部屋を用意してZoomの配信をすることにした。受付から会場には音が聞こえないので(実際は換気のために扉を開けているのでちょっと聞こえるが)、受付では会場の音声もスピーカーを通して聞くことがてきる。講演が始まったら受付まで行って実際の音声状況がどう聞こえているかを確認する事ができる。受付には誰かスタッフがいるので、配信に異常があれば教えてもらえるのも良い。

一番重要なのは予行練習

何とか大きなトラブルなく研究会を行う事ができたが、このセットアップに落ち着くまでに都合3,4回の予行練習をしてあれこれと試行錯誤をしている。練習中は想定していなかったことがたくさん起きたので、事前にシステムのテストをちゃんとやっておくのが何よりも重要だと思う。

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