はじめに
この記事では、LINEミニアプリの開発において注意すべき点や、つまずきやすいポイントをまとめました。
LIFFアプリの開発経験がある方を対象に、開発から審査までの流れの中で重要な点を整理しています。これからミニアプリ開発に取り組む方の参考になれば幸いです。
開発時のポイント
基本的な開発フローはLIFFアプリと大きく変わりませんが、ミニアプリ特有の仕様があります。
ここでは、チャネルとTester登録に関するLIFFアプリとの違いを解説します。
・チャネルとの関係
LIFFアプリとミニアプリでは、登録するチャネルの種類が異なります。
・LIFFアプリ: LINEログインチャネルに登録
・ミニアプリ: ミニアプリチャネルに登録
・Tester登録
開発中のアプリをテストする際の権限設定にも違いがあります。
・LIFFアプリの場合
LINEログインチャネルが「開発中」ステータスの場合、チャネルの権限設定でテストしたいユーザーのLINEアカウントに紐づくメールアドレスを「Tester」として登録する必要があります。Tester登録されたユーザーは、そのチャネルに紐づく全てのLIFFアプリを起動できるようになります。
・ミニアプリの場合
LIFFアプリ同様にTester登録したユーザーは開発用のミニアプリを起動できますが、審査用のミニアプリは起動できません。
審査用ミニアプリを起動させるには、対象ユーザーをAdminとして登録する必要があります。
審査のポイント
ミニアプリは、LINEの審査を経て「認証済ミニアプリ」となることで、LINE検索結果への表示や、サービスメッセージの送信などの機能を利用できるようになります。
・未認証ミニアプリ: 審査未提出、または審査中の状態
・認証済ミニアプリ: 審査を通過、または通過後の再審査中の状態
各状態での機能の違いは、公式ドキュメント(カスタム機能を使ってミニアプリの認知度を高める)をご確認ください。
審査は必須ではありませんが、認証済ミニアプリの多くのメリットを享受するために、審査は通したいところです。 ここでは、審査をスムーズに進めるための注意点をまとめます。
・審査期間
審査には1〜2週間程度かかります。リジェクト(差し戻し)された場合はさらに時間が必要になるため、リリーススケジュールには余裕を持って計画を立てましょう。
なお、審査中はチャネル情報を編集できなくなるため、事前に設定を確定させておくことが重要です。
・チャネル情報入力
審査を申請する前に、LINE Developers Consoleで以下の情報を漏れなく入力する必要があります。
・チャネル基本設定
・ウェブアプリ設定
・事業情報
・連絡先情報
特に受託開発の場合、クライアント側でしか把握できない情報(例:事業情報など)もあるため、どちらがどの情報を入力するかを事前に明確に分担しておくことが、スムーズな申請の鍵となります。
・再審査が必要になるケース
一度審査を通過した後でも、特定の設定項目を変更すると再度審査が必要になります。
特に注意すべきなのが、「本番用のエンドポイントURL」の変更です。
この変更は開発終盤に発生しやすいですが、再審査対象となるため、できる限り審査前に確定させておきましょう。
その他の再審査対象項目は、公式ドキュメント(サービスの情報を更新する)を参照してください。
・認証状態によるUIの違い
ミニアプリの認証ステータスにより、ヘッダーUIが異なります。
・未認証ミニアプリ(本番用)
ヘッダー右上に「✕(閉じる)」ボタンが表示され、LIFFアプリと同様のUIになります。
・認証済ミニアプリ
ヘッダー右上には「V(最小化)」ボタンが表示されます。
また、タイトル下にチャネル名が表示されます。
ユーザーの目に必ず触れる部分ですので、分かりやすく信頼感のあるチャネル名を設定しましょう。
その他
・ミニアプリからLIFFアプリの起動
ミニアプリからliff.openWindow()を使って、別のLIFFアプリを起動することは可能です。
ただし、LIFFアプリを閉じると、元のミニアプリも自動で閉じてしまうため注意が必要です。
LIFFアプリからミニアプリに「戻る」ような動作を実現したい場合は、LIFFアプリ側でミニアプリのURLを再度開き直すなどの実装が必要です。
・iOSのユニバーサルリンク問題
LIFFアプリはiOSのユニバーサルリンク問題があります
ミニアプリをSafariで開いた際は、以下のような画面が表示され、LINEアプリでの起動が必須となります。
最後に
ミニアプリ開発は、LIFFアプリ開発の知識を活かしつつも、チャネルの扱いや審査プロセスといった独自のポイントを押さえる必要があります。
事前の準備と正しい知識が、スムーズな開発とリリース成功の鍵となります。
この記事で紹介したポイントが、皆さんのプロジェクトを成功に導く一助となることを願っています。ぜひ、ユーザーに愛される素敵なミニアプリを開発してください。