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AWS認定9冠制覇したのでオススメの勉強法などをまとめてみる

はじめに

2018年10月15日現在9つのAWS認定が公開されていますが、約2年半掛けて全ての認定を取得しました。これからAWS認定取得を目指される方向けに、各AWS認定の難易度やあまりお金を掛けない勉強法、受験に際してのTipsなどを紹介したいと思います。

経歴

エンジニア歴10年目、AWS歴は5年目です。以下は簡単なAWS歴です。

  • 2012年: SIerで半年ほどAWSを用いた検証プロジェクトに従事
    • VPC/EC2/RDS/S3などベーシックなサービスが中心
  • 2015年〜2018年現在: 事業会社でサーバーサイドエンジニアをしており、普段から業務でAWSを利用
    • 20〜30のAWSサービスを利用
    • 自分たちで利用するAWSサービスを選定でき、新しいサービスが出たらすぐに試せるという恵まれた環境

受験履歴

以下の順番で受験しました。スコアはまちまちですが、いずれも一発合格でした。

AWS認定 取得日 スコア
ソリューションアーキテクト - アソシエイト 2016年3月19日 81%
ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル 2017年6月1日 72%
デベロッパー - アソシエイト 2018年2月2日 85%
クラウドプラクティショナー 2018年9月14日 910
SysOpsアドミニストレーター - アソシエイト 2018年9月15日 80%
DevOpsエンジニア - プロフェッショナル 2018年9月29日 77%
ビッグデータ - 専門知識 2018年10月5日 78%
セキュリティ - 専門知識 2018年10月6日 787
高度なネットワーキング - 専門知識 2018年10月6日 68%

各AWS認定の難易度

完全に主観によるものですが、難しい順に並べるとこのようになると思います。

順位 認定
1位 ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル
2位 高度なネットワーキング - 専門知識
3位タイ DevOpsエンジニア - プロフェッショナル
3位タイ ビッグデータ - 専門知識
3位タイ セキュリティ - 専門知識
6位 ソリューションアーキテクト - アソシエイト
7位タイ デベロッパー - アソシエイト
7位タイ SysOpsアドミニストレーター - アソシエイト
9位 クラウドプラクティショナー

まず9位の「クラウドプラクティショナー」ですが、2018年に新設されたAWSのエントリーレベルの認定です。AWSの基本的な概念や、AWSのベーシックなサービスの特長、請求・アカウントマネジメント・料金モデルなどに関する理解が問われます。エンジニアだけでなくマネージャーや営業など様々なポジションを対象とした認定であるため、問われる知識の範囲は意外に広いです。ただ、知っていれば解ける問題が多いため、この順位にしています。

7位の「デベロッパー - アソシエイト」「SysOpsアドミニストレーター - アソシエイト」は、AWSを用いたシステムの開発や運用を行うエンジニアをターゲットにした認定です。それぞれで出題されるAWSサービスの傾向は若干異なりますが、両試験で似たような問題が多分に含まれており、難易度は大きく変わらないため、同率7位にしました。

6位の「ソリューションアーキテクト - アソシエイト」は、AWSを用いたシステムの設計を行うエンジニアをターゲットにした認定です。アソシエイトレベルの中では最も広範な知識が必要であり、クラウドプラクティショナー及び他2つのアソシエイトレベルの内容をある程度押さえておく必要があります。逆に言うと、この認定に合格できる実力があれば、他のアソシエイト認定もほぼ問題なく合格できると思います。

3位タイの「DevOpsエンジニア - プロフェッショナル」「ビッグデータ - 専門知識」「セキュリティ - 専門知識」は、受験される人の得意あるいは不得意分野によって難易度の感じ方が変わると思います。例えば普段からEMRやRedshift等のサービスに触れる機会が多い方の場合、「ビッグデータ - 専門知識」は取り組み易いと思います。出題傾向は認定によって異なりますが、いずれの認定もAWSの各サービスへの深い理解が求められます。

2位の「高度なネットワーキング - 専門知識」は、AWS DirectConnectに関する問題が非常に多いのが特徴です。他にもBGPやVPNなどのネットワーク系の知識も問われます。ソフトウェアエンジニアやサーバー寄りのインフラエンジニアにとっては学習量が多いため、他の専門知識レベルの認定に比べると難易度が高く感じると思います。

1位の「ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル」ですが、AWS認定の中で最も幅広いIT関連の知識が問われます。各種AWSサービスは当然のこと、ネットワークやデータベース、はたまたWindows ServerやActive Directoryなど様々な知識が必要です。また問題文が全体的に長く、5行以上の問題も少なくありません。

基本的な学習方法

諸々のハードルをクリアできるのであれば、AWS公式のクラスルームトレーニング(集合研修)を受講するのが最も効果的だと思います。ハードルというのは、予定の確保・料金・場所の3点です。
ソリューションアーキテクト - アソシエイト向けの研修である Architecting on AWS を例にすると、期間は3日間、料金は税抜で21万円、そして開催場所は東京に集中しています。名古屋・大阪・福岡などでも開催されていますが、東京に比べるとかなり少ないです。

全ての人が上記のハードルをクリアできる訳ではないので、本記事ではあまりお金を掛けない&居住地に依存しない学習方法を記載したいと思います。
具体的には、オンライントレーニングや書籍を中心にインプットしAWS公式のサンプル問題と模擬試験を完璧に理解するまで復習するという方法を中心に据えます。
私はAWS公式のクラスルームトレーニングは一切受講せず、この方法で全ての認定を取得しました。
全くお金を掛けずに勉強することも可能ですが効率的では無いため、必要なところで課金するスタイルが良いと思います。

AWS認定の全体像を理解する

各AWS認定の概要やキャプチャ付きの試験申し込み手順、試験準備のノウハウなどが詰まったAWS公式のSlideShare資料です。こちらを一読することでAWS認定の全体像をつかめると思います。

20180606 AWS Black Belt Online Seminar AWS 認定取得に向けて

学習に当たって準備しておくもの

Amazonアカウント

模擬試験はAWSトレーニング及び認定ポータル(以降「AWS認定ポータル」)から申し込みます。サインインはAmazonアカウントで行いますので、アカウントがない場合は作成しておきましょう。AmazonアカウントとAWSアカウントは別ものなので注意。AWS認定ポータルのURLは以下です。

https://www.aws.training/certification

メモアプリ

模擬試験は1回の申し込みで1回しか受験できません。復習できないのは勿体ないのでキャプチャを取りながら解くことをオススメします。エクセルでも良いですが、なるべくなら色々なWeb記事をスクラップできるメモアプリを使うと学習が捗ると思います。以下はアプリの例です。

AWSアカウント

模擬試験が効果的とはいえ、実際に手を動かせる環境があった方が学習が捗ります。AWSアカウントはなるべく早めに作っておきましょう。

https://aws.amazon.com/jp/register-flow/

AWSサービスの技術仕様の調べ方

AWSはサービスのアップデートが早いため、個人ブログなどに掲載された情報が古くなってしまっていることがままあります。ですので基本的には、AWS公式の資料であるAWSクラウドサービス活用資料集開発者ガイドを中心に確認するのが良いと思います。

AWSクラウドサービス活用資料集 (Black Belt)

AWS認定の勉強で最もお世話になる資料集、通称Black Beltです。AWSの中の人(ソリューションアーキテクト)が各AWSサービスについて分かりやすくまとめてくれています。何か新しいAWSサービスを学習する際には、最初にBlack Beltに目を通すのが効率的だと思います。以下のページにリンクがまとまっていますのでブックマークを推奨します。

AWSクラウドサービス活用資料集

開発者ガイド

各AWSサービスの技術仕様の詳細が書かれたドキュメントです。Black Beltよりも細かい内容を知りたい場合などに都度参照します。以下一部サービスのリンクを記載します。実際はもっと多くのドキュメントがありますが書ききれないので都度Googleで検索するのが良いと思います。

AWS公式サンプル問題と模擬試験の活用方法

認定資格向けの日本語書籍は2018年10月15日時点で1冊しか無いため、AWS公式のサンプル問題と模擬試験を主要な学習教材として用いるのが現実的な戦略になると思います。以下はサンプル問題と模擬試験のオススメの活用方法です。

# やること
1 問題のキャプチャを取ってメモアプリに貼り付ける (模擬試験の場合のみ)
2 何も見ずに自力で問題を解く。あとで見返せるように回答を記録する
3 全ての問題を解くと合否と分野別の正解率が出るので記録する (模擬試験の場合のみ)
4 1問ずつ見返していき、良く分かっていない用語や概念などを調べる。その際、役に立ちそうな記述があったらメモアプリに貼り付ける。問題文と選択肢が完全に理解できたら改めて回答する
5 4を全問題分繰り返す

4が学習のキモの部分で、問題の長さによりますが1問当たり5分〜30分程度掛かると思います。1日で全てやり切るのはしんどいので、数日に分けて学習を進めるのが良いと思います。
理解が浅いサービスについてはBlack Beltを通読する、細かい技術仕様については開発者ガイドの該当箇所をチェックするというやり方が効率的だと思います。
模擬試験の復習が終わった頃には、メモアプリの中に自分のオリジナルの参考書が出来ているはずです。

学習リソース: クラウドプラクティショナー & アソシエイト編

ここからは各認定で役に立ちそうな学習リソースについて記載します。あくまで一例ですので、色々な方の受験記に目を通されるのをオススメします。

インプット

オンライントレーニング: AWS Cloud Practitioner Essentials

https://www.aws.training/learningobject/curriculum?id=17954
AWS公式のオンライントレーニングです。無料でAWS認定ポータルから視聴できます。まずはこちらを視聴して、AWSの世界観に慣れていきましょう。

オンライントレーニング: 手を動かしながら2週間で学ぶ AWS 基本から応用まで

https://www.udemy.com/aws-14days/
オンライン学習サイトのUdemyで公開されているトレーニングです。定価は¥15,600ですが頻繁にセールをやっていて、千円台〜三千円代で購入できることが多いです。AWSアカウントを作って各種サービスを実際に触ってみるという内容で、非常に分かりやすくオススメです。

書籍: 合格対策 AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト

https://www.amazon.co.jp/合格対策-AWS認定ソリューションアーキテクト--アソシエイト-大塚康徳-ebook/dp/B01LZ2CBKB
おそらく日本語で市販されている唯一のAWS認定対策本です。2016年発売とちょっと時間が経っているのですが、AWSのベーシックなサービスを中心に分かりやすくまとまっており、AWS初学者にはオススメです。

オンライン資料: AWSサポートの紹介 / AWS Trusted Advisorの紹介

https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/compare-plans/
AWSのサポートプランの比較がまとまっていますので目を通しておきましょう。
「AWSサポートの紹介」と「AWS Trusted Advisorの紹介」のBlack Beltの動画が2つ埋め込まれていますので、そちらも目を通しておきましょう。

アウトプット

AWS公式サンプル問題

各認定のページで無料のサンプル問題が公開されています。クラウドプラクティショナーのみ英語です。英語が苦手な方はGoogle翻訳などを活用しましょう。難しい場合はスキップして、日本語版が提供されている模擬試験に取り組むのも良いと思います。

AWS公式模擬試験

AWS認定ポータルから申し込みます。前述の「AWS公式サンプル問題と模擬試験の活用方法」を参考にしつつ、完璧に理解できるまでやり込みましょう。

認定 料金 (税別) 言語
クラウドプラクティショナー 2,000円 日本語、英語など
ソリューションアーキテクト - アソシエイト 2,000円 日本語、英語など
デベロッパー - アソシエイト 2,000円 日本語、英語など
SysOpsアドミニストレーター - アソシエイト 2,000円 日本語、英語など

学習リソース: プロフェッショナル & 専門知識編

インプット

日本語で有用なリソースが中々見当たらないのが正直なところです。ただ、アソシエイトレベルを制覇した方であれば、模擬試験を中心とした学習でも十分合格が狙えると思います。英語に苦手意識が無い方は、UdemyLinux Academyなどのオンライン学習サイトで評判が良いコンテンツを探してみるのも良いと思います。

アウトプット

AWS公式サンプル問題

AWS公式模擬試験

認定 料金 (税別) 言語
ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル 4,000円 日本語、英語
DevOps エンジニア – プロフェッショナル 2,000円 日本語、英語
セキュリティ – 専門知識 4,000円 日本語、英語など

「ビッグデータ - 専門知識」と「高度なネットワーキング - 専門知識」は2018年10月15日時点でAWSから模擬試験が提供されていません。おそらく近いうちに提供が開始されると思いますが、これらの認定については簡単に別のQiita記事にまとめていますのでよろしければご覧ください。

受験時のTips

ここからは受験に際してのTips集です。

受験時のリモート監視

テストセンターによってはパソコンにカメラが付いており、受験時の様子を逐一リモートから監視されます。リモート監視ありの場合、以下のようなことに気を遣う必要があります。

  • リモート監視の人とのコミュニケーションは英語でのチャットが基本(日本語が出来る人も一部いました)
  • 試験を開始する前にカメラに向かって本人確認書類を提示する必要がある
  • 備え付けの防音ヘッドホンを使おうとするとチャットで「NGです」と言われる
  • 手を口元に持って行くとチャットで「机の上に手を戻しなさい」と言われる

ただ、いくつかの認定試験受験時にはリモート監視がありませんでした。おそらくですが、リモート監視に対応しているテストセンターとそうでないところがあるのかもしれません。気になる方はテストセンターに問い合わせてみると良いかもしれません。

受験時のシステムフリーズ

受験時にシステムがフリーズして次に進めなくなることが結構な頻度であります。全くフリーズしない時もありましたが、多い時は1回の試験で3回フリーズしました。フリーズの間は制限時間は減らないようなので慌てる必要はありません。テストセンターの人を呼んで対応してもらいましょう。

日本語訳が不自然な場合がある

まだ日本語版が公開されてから日が浅い「ビッグデータ - 専門知識」と「セキュリティ - 専門知識」の受験時に、誤訳と思われる記述が2〜3問ありました。以下は例です。

英語 AWS認定での日本語訳 望ましい日本語訳
EC2 Workers EC2作業者 EC2ワーカー
Config Rule 設定ルール Config Rule
company's website 社内Webサイト 会社のWebサイト

幸いなことに、専門知識試験では画面上部のリストボックスで英語と日本語を切り替えることができました。もし正解の選択肢が無いと思った場合は、一度英語に切り替えて文章を確認、それから日本語に戻して回答というステップを踏むのが良いと思います。
全ての試験で言語の切り替えが出来る訳ではないのですが、日本語版が公開されてから時間が経っている試験では不自然な日本語訳は少なかったと思います。おそらくAWSサイドで細かくアップデートしているのだと思います。

要件と優先事項を押さえる

プロフェッショナルレベルや専門知識レベルの認定試験は問題文が5行以上あることも珍しくありません。問題文の中から要件をしっかり読み解くことが重要です。ベストプラクティスと思しき選択肢でも要件を満たしていない場合は不正解、一見泥臭くても要件を満たした選択肢があればそちらが正解です。
要件を満たす選択肢が2つ以上ある場合は優先事項に着目して絞り込みます。優先事項というのはコスト効率や堅牢性、デリバリーまでのスピードなどです。

最後に

長々と書きましたが、実際にAWSのサービスに触れてみるのが知識の定着に繋がると思います。無料枠を活用してガンガン触りましょう。それと色々な方の受験記に目を通されるのもオススメします!