この記事ではClaude Codeとプロジェクト管理ツールであるBacklogの連携により、
GithubのPR作成からBacklog上でのレビュー依頼のやりとりまでを自動化する仕組みを紹介します。
はじめに
私が所属するチームでは、Backlogを使って開発チケットの管理をしています。
開発の流れとして、開発チケットに対してGitHubのプルリクエストを作成し、そのリンクをBacklog側のチケットに添付することで、開発フローの承認などを進めていきます。
AIコーディングツールとしてClaude Codeをメインで利用しており、チームの開発フローに近い形で自動化の仕組みを構築したく今回の仕組みを作ってみました。
作ったもの
Backlogのチケット番号をClaude Codeに渡すと、気づいたら実装からBacklog側でレビュー依頼コメントまで完了してくれる仕組みを作りました。
※Backlog側の設定で“レビュー依頼”というマイルストーンを運用しています
仕組み(概要)
プロジェクト配下で起動するClaude Codeに以下を設定し動かしています
- Backlog MCPの設定
- ローカルにGitHub CLIをインストール
- Claude CodeがBacklogを操作するための カスタムスラッシュコマンドを作成
Backlog MCPについて詳しく知りたい場合は以下の記事を参照してください
使い方
Backlogに対応内容などを記載したチケットがある前提。
Claude Codeを起動し、自作したスラッシュコマンドの引数にBacklog側のチケット番号を指定して実行
─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────
> /backlog_task_run SAMPLE-0001
─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────
/backlog_task_run Backlogのチケットを参照して開発を進める (project)
~ 数分後 ~
PR作成からBacklogのチケット情報の更新まで実行されます。
✅ 実装完了しました。
プルリクエスト
https://github.com/xxxxx/project_x/pull/1
ブランチ:feature/add_user_api
Backlogチケットへレビュー依頼のコメント済です。
─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────
>
─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────
プルリクエストを自動で作成
Claude CodeがBacklogチケットの内容を自律的に読み取り、ソースコードを修正後、チームで運用しているブランチ命名やコミット形式などのルールに従ってPRを自動で作成してくれます。
Backlog側の情報を更新&自動コメント
コメントと、マイルストーンの変更も自律的に行ってくれます
プルリクやBacklog側のコメントには、念の為AIによる作成であることを明示して生成するように設定しています。
仕組み(詳細)
プロジェクトにおけるClaude Codeの構成
project_xxx/
├── .claude/
│ ├── agents/
│ ├── commands/
│ │ └── backlog_task_run.md # ここにBacklogタスク実行用のコマンドファイルを作成
│ ├── skills/
│ ├── output-styles/
│ └──settings.json
├── src/ # プロジェクトのソース群
├── .mcp.json # MCPの設定
MCPの設定
Backlog MCPの設定が必要です。
BACKLOG_API_KEYにBacklog側の個人設定で取得したAPIキーを指定することで接続できます。
.mcp.jsonに以下を追加。
{
"mcpServers": {
"backlog": {
"type": "stdio",
"command": "docker",
"args": [
"run","--pull","always","-i","--rm","-e",
"BACKLOG_DOMAIN": "${BACKLOG_DOMAIN}",
"BACKLOG_API_KEY": "${BACKLOG_API_KEY}",
"ghcr.io/nulab/backlog-mcp-server"
],
"env": {}
}
}
/mcp コマンドを実行し、connectedになっていれば接続完了です。
※ Tip: Cmd+Escape to launch Claude in your IDE
╭──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ Manage MCP servers │
│ │
│ ❯ 1. backlog ✔ connected · Enter to view details │
╰──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
Esc to exit
Backlog MCPの詳細な設定は以下を参照ください
カスタムスラッシュコマンドの内容
Backlogのチケット番号を引数にとるスラッシュコマンドを作成。
※一部簡略化しています
.claude/commands/backlog_task_run.mdを作成後、以下を記述。
---
allowed_tools: Bash(npm:*), Read(*.md), Fetch(*)
description: "Backlogのチケットを参照して開発を進めてください"
---
## Backlogタスクの実行コマンド
Backlogのチケットを参照して開発を進めてください
## ワークフロー
1. {`$ARGUMENTS`}のチケットを参照し、内容を確認する
2. チケットの内容をもとに、プロジェクトのソースを調べ、基本設計を行う
3. TodoWriteツールを使用してタスクの計画を作成する
4. ブランチ名を考え、mainブランチからブランチを切る。命名の例は以下です。
- 開発系: `feature/{Backlogの課題キー番号}_{名前}`
- 不具合修正系: `fix/{Backlogの課題キー番号}_{名前}`
5. 開発が完了したら、`/review`コマンドでセルフレビューを行う
6. レビューが問題なければ、コミットを作成
7. 作成したブランチにpushし、PRを作成する。PRは`draft`状態で作成すること
- `git push origin [ブランチ名]`
8. PRの本文を作成する
- 必ずPRの冒頭にAIによる生成であり人間がきちんとレビューするべきということを明記すること
9. Backlogチケットに進捗を報告する
- PRのリンクを含むコメントを追加
- マイルストーンを「レビュー依頼」に変更
## PR作成後のBacklog更新手順
### コメント追加
```
mcp__backlog__add_issue_comment で以下の内容を投稿:
- 本文の冒頭にAIによるコメントであるということを明記
- レビュー依頼のお願い
- PRへのリンク
```
### マイルストーン変更
```
mcp__backlog__update_issue で以下を設定:
- milestoneId: [xxxxx] (レビュー依頼)
```
設定が完了するとClaude Code内のスラッシュコマンドとして利用できるようになります。
─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────
> /backlog_task_run
─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────
/backlog_task_run Backlogのチケットを参照して開発を進める (project)
その他・注意点
- Claude Code側のGitHubやBacklog操作の権限は緩めに設定しています。意図しない修正が行われてしまうリスクは一定ありますので、利用する際にはご注意ください。※私が触っている分には意図しない挙動をしてしまうことはなかったです。
- 実装の精度について、小さいタスクであれば問題なく完遂するレベルであることを感じています。大きすぎるタスクやBacklogチケット側の情報が少ない場合だと実装精度が落ちてくるためバランスよく利用することを推奨します。
最後に
Claude CodeとBacklog MCPの連携により、チケット番号を渡すだけで実装からレビュー依頼まで自動化できる仕組みを紹介しました。
軽微なタスクを丸投げできるうえ、Backlogの更新も自動化されることで、まるでチームメンバーが増えたかのような感覚を得られる点がこの仕組みのメリットです。
まずは小さいタスクから試すことをお勧めします。生成されたコードは必ず人間が確認するなど、チーム内でのルールを守りながら運用してみてください
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