はじめに
2024年11月に G検定(JDLA Deep Learning for GENERAL 2024#6)を受験し、合格しました。
学習期間は約1ヶ月、平日は仕事後に1〜2時間、週末に少しまとめて勉強するくらいのペースです。
この記事では、そのときの教材と使い方をまとめておきます。
想定している読者は、以下のような当時の私と同じようなポジションの方です。
- 普段はバックエンド中心でAIや機械学習のような業務の経験がない
- ただ、会社ではAIや推論モデルの話題が増えていて、そろそろちゃんと勉強しておきたい
同じような立場の方が、AI資格で有名なG検定は「このくらいやればひとまず受かりそう」というイメージを掴めることが本記事の目標です。
当時(2024年11月)の受験前のレベル感
- エンジニア歴:2年弱(主に PHP / Laravel のバックエンド開発)
- AI・機械学習:
- 用語として「AI(人工知能)」「機械学習」「深層学習(ディープラーニング)」の違いや関係性などは大まかには分かる程度
- 実務でモデルを自分で作ったことはなし
- 数学・統計:
- 大学で理系の一般的な科目は通ってきたので「数学アレルギー」はない
- 統計学を勉強したことはない
結果
なぜ受けようと思ったか
- 既存の社内サービスにAI機能を組み込む業務の担当になったためです。
- 外部のAI企業と共同で開発するのですが、前提知識のズレをなるべく少なくするために急ピッチで学習を進めました。
使用した教材
1. 公式テキスト
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト
特徴:
- G検定を主催するJDLAが公式に出している唯一のテキストで、シラバスを一通りカバーしている
- AI初学者でも読み進めやすいように、歴史・基本概念・代表的な手法・社会実装の事例が文章ベースで丁寧に説明されており、「まずはこれを通読して全体像をつかむ」用途で使われることが多い
2. 最短突破問題集
最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集
https://www.amazon.co.jp/dp/4297129264
特徴:
- JDLAの合格者アンケートでも使用率が高く、「白本(公式テキスト)+赤本(この問題集)」の組み合わせが定番
- 頻出分野を中心に出題されていて、公式テキストで一通り学んだ内容を「どこが問われやすいか」という形で確認できる
3. 自然言語処理&画像解析の本
IT基礎教養 自然言語処理&画像解析 "生成AI"を生み出す技術
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DJGHHBVK
特徴:
- テキスト理解と手を動かす演習の両方で、自然言語処理&画像解析のイメージをつかめる
- Google Colaboratory上のPythonコードが用意されており、文章分類や画像分類などのサンプルをブラウザから実行しながら学べる
注意:
- こちらのテキストはG検定取得に一般的によく用いられる教材ではないです
- 個人的に公式テキストでAIの手法を一通り学んだあと具体的な実装のイメージが湧かなかったのに対して、pythonで実装しているこちらのテキストが理解にとても役立ちました
勉強時間の目安
学習期間は約1ヶ月、トータルで50〜60時間ほどでした。
- 平日:1〜2時間
- 休日:どちらか1日だけ、5〜6時間くらい集中して勉強
第1段階:インプット(2週間)
- 「公式テキスト」を2周
- 「自然言語処理&画像解析の本」を2周
第2段階:問題演習(2週間)
- 「最短突破問題集」を分からない問題で立ち止まらず 1週 最後まで解き進める
- 「最短突破問題集」の間違えた問題だけをリストアップし、
それがなくなるまで何周も回す - 解説を読んでも理解できない箇所は
「公式テキスト」「自然言語処理&画像解析の本」を再読するなどして補う
試験当日のこと
受験環境
- 受験方式:自宅からオンライン
- 画面構成:
- 外部モニタ:試験画面
- 手元のPC:検索用
普段から開発でも2画面で作業しているので、できるだけいつもに近い環境を用意しました。
検索・チートシートはどのくらい役に立ったか
- 合格体験記で紹介されていたnote記事の一つをブックマークし、当日も一応開いてはいましたが、探す時間がもったいなくてほとんど使いませんでした。
- 当日は検索をメインで使用しました。
おわりに
私の場合、G検定を受けていちばん良かったのは、AIに関する基礎知識を一通り整理して押さえられたことでした。
例えばですが「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の違いを説明するよう問われたとします。AIエンジニアでは前提知識ですが、AI系ではないエンジニアには意外と難しいと思います。G検定を通してこういった基礎用語の理解が向上しました。
また、私は外部のAI企業と一緒にプロジェクトを進める役割を担っているので、上記のような前提知識があることで、打ち合わせの内容がスムーズに頭へ入ってきたり、議論にキャッチアップしやすくなったと感じています。
あとは単純に日々のAIニュースの理解度が上がることや、翌年に「生成AIパスポート」という資格を取得するなど、知識をもとに知識を広げることにも役立っています。
最近AIに興味を持ち、「まずは資格から」と考えているエンジニアの方がいれば(私もまだまだ勉強中ですが)、本記事で紹介した教材が少しでも参考になれば嬉しいです。
私が所属しているリビン・テクノロジーズ株式会社でも、不動産分野でのAI活用に積極的に取り組んでいます。
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