記事を読んでいただきありがとうございます。
モブエンジニア(@mob-engineer)です。
ガバメントクラウド Advent Calendar 202514日目としてシステム実装前に担当者が押さえておくポイントについてまとめておきたいと思います。
ガバメントクラウドに特化して記事を書いていますが、一般的なシステム開発でも言えることがあると思います。
対象読者
主に自治体・事業者問わずガバメントクラウドに携わっている方に向けて記事を書いています。特に次の課題を抱えている方には読んでいただきたいと思います。
- ガバメントクラウド導入に向けたアクションが分からない方
- 設計・実装に向けて何を行う必要があるのか分からなくなっている方
- システム実装前に行うべきことが整理できていない方
持ち帰って頂くこと
今回の記事を通じてお伝えしたいことは継続的な運用をゴールとするとなります。そのうえで、次のことを持ち帰って頂きたいと思います。
- 一次情報を調べたうえで実装パターンを考える
- システム利用者のスキルセットから実装を考える
- 実装だけでなく教育も考えていく
ガバメントクラウドについて網羅的に学びたい方ははちみつさんがまとめてくださっている自治体システム標準化・ガバメントクラウドの記事リストを参考にしてみてください。
ガバメントクラウドそのものについて理解を深めたい方は高橋さんがまとめてくださっているガバメントクラウドの基礎知識についてキャッチアップしておくことを推奨します。
https://note.com/techniczna/n/neb58c9e0055c?magazine_key=m2b09fd558e1f
一次情報を調べたうえで実装パターンを考える
一次情報を参考に実装するなんて当たり前だよと思われるかもしれませんが、開発が進むうえで意外と抜けてしまいます。そのうえで、この場合の一次情報とは何を指しているのかきちんと整理したいと思います。私個人としては業務サイドと技術サイドで分けて考えたほうが理解しやすいと思います。
業務サイド
業務サイドという視点であればデジタル庁から公開されているサイトが当てはまると思います。ただし、情報がバラバラになっているため、GCAS検索システムなどを構築して調べやすい環境を構築してみることをおススメします。
業務サイドについては法令に関する知識(外字対応、保管期限、個人情報保護など)が求められます。そのため、事業者が実装に向けてキャッチアップすることも大切だと思いますが、実務で携わっている自治体側で業務要件を整理した方が進めやすいかと思います。この考えは、どのようなシステム開発でも言えるかと思います。
技術サイド
技術サイドに関してはAWS・Azure・OCI・GCから公開されているガバメントクラウド実装ガイドをキャッチアップしておくことが大事です。ただし、実装ガイドの内容として「ある程度、自治体システムの実装を経験したことがある方」向けに書いているため、内容としてかなり簡略に記載しています。そのため、いきなりガイドラインを読み込むよりBlack Beltなどの「サービスの基礎知識」から理解を深めた方がよいと思います。
技術サイドに関しては実際に実装を進めていく事業者サイドが専門的な部分は推進していった方が良いと思います。ただし、自治体側でも将来運用できるように最低限の知識(ネットワーク構成、セキュリティ対策、運用計画など)は押さえておくことは大事です。
クラウド利用料金についてはどこまで下げる必要があるのかという目標を定めてから、そのコストを実現するための方法を考えて必要があります。
システム利用者のスキルセットから実装を考える
実際にシステムを利用するのは自治体の方です。自治体の方はシステム開発の専門家というわけではないため、複雑なシステムの運用をお任せするのは大変だと思います。もちろん、システム運用を楽にするための打ち手として「CI/CDの実装」「IaCによるテンプレート化」があると思いますが、維持管理を考えると大変だったりします。(バージョンが更新されたことによるコード修正、不具合発生時の切り分け対応など)
システム実装する前に運用担当する方のスキルセットを整理したうえでシステムの維持管理を行うためには最低限、XXのスキルが必要ですが大丈夫なのかという合意形成を行うことが大事です。
実際のところシステムのライフサイクルを考えると実装フェーズより運用フェーズの方が期間も長いですし関わってくる関係者も増えてきます。システム利用者が理解可能なレベルの複雑さでシステムを作ることが大事だと考えています。(もちろん、コストとにらめっこすることが大事ですが)
実装だけでなく教育も考えていく
先ほどの内容とも関係しますが、システム実装したら終わりというわけではありません。その先の運用をどうやって回していくかが大事です。そのため、システムに関係する方への教育計画も考えていく必要があります。
教育といってもBlackbelt同時視聴会といったライトなイベントを行うだけでも立派な教育活動になります。社外コミュニティのイベントを活用してみるのも良いアイデアだと思います。実装に向けたアクションだけでなく、教育も考えてみることが大事なのではと思っています。
勉強会に関するアイデアとしてinfra365さんの記事が参考になるかと思います。
まとめ
総論チックな内容となってしまい抽象的になってしまいましたが、システム開発という視点でガバメントクラウドを見るとセキュリティとコストが最重要なのだと思っています。そのため、セキュリティ対策・コスト最適化を重点的にキャッチアップしつつ、ガバメントクラウドをとりまく環境に応じて「どういった打ち手を講じればいいのか」整理していくことが大事だと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ガバメントクラウド実装に向けたテスト計画に関する情報も考えてみたいわね。
(観点出し、テストシナリオ、実行方法など)