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LibertyとIBM Verifyで試すSAML認証 【1】SAML認証とは

Last updated at Posted at 2025-10-30

はじめに

SAML認証」はシングルサインオン(SSO)を実現するための代表的な技術です。しかし、専門用語も多く理解が難しい:anguished:と感じる方も多いのではないでしょうか。

本シリーズでは3回に分けて、SAML認証を Liberty と IBM Security Verify を使って体験しながら理解を深めます。

【1】SAML認証とは(本記事)
【2】動かして体験しよう
【3】仕組みの詳細を理解する

SAML認証の仕組み

SSOを実装する代表的な方式には、次の2つがあります。

  • OIDC (OpenID Connect)
  • SAML (Security Assertion Markup Language)

OIDCは比較的新しい技術ですが、SAMLも企業システムやクラウドサービスで広く利用されています。両者は機能や実装方法に違いがあるため、要件に応じて適切な技術を選択することが重要です。

本記事では、SAML認証の基本的な流れを、わかりやすい例を使って説明します。

リアル世界での認証の流れ:IT展示会に参加する

  • あなたはIT展示会に申し込み、現地に到着しました
qiita-square
  • 会場の入り口が見えたので、そこに向かっていくと入口の係員に「まず受付をしてください」と案内されます
  • 受付で名前を伝え、確認が取れると入場パスを受け取ります
  • 改めて会場の入り口に移動すると、係員がパスを確認して入場を許可します
  • 展示ブースでは、入場パスの情報をもとに、あなたの立場に応じた対応が行われます

SAML認証は、この流れをITシステム上で再現する仕組みです。

SAMLの認証フロー

qiita-square

上記の例でいうと:

  • IT展示会 → SP(Service Provider)
  • 受付 → IdP(Identity Provider)

SPは、Libertyなどで構築するアプリケーションに相当します。IdPは、IBM Security Verifyのような認証サービスを指します。IdPはSPとは独立して認証を提供します。

処理のポイント:

  • SPとIdPは直接通信せず、クライアント(ブラウザ)がリダイレクトされながら両者とやり取りします
  • 入場パスにあたるのが SAMLアサーション(セキュリティトークン)です

SPとIdPは事前に次の情報を交換します。

  • SPはIdPのエンドポイントを把握する
  • IdPは認証後に遷移するSPのURLを把握する
  • SAMLアサーションの改ざん防止のため、SPはIdPの公開鍵を保持する

これらは、SP、IdPが出力するメタデータファイルを相手側に渡して事前に登録・共有します。

ここまでのまとめ

SAMLは専門用語が多い技術ですが、現実世界の認証フローに置き換えて考えると理解しやすくなります。
次回【2】動かして体験しようは、実際にアプリケーションを動かして認証の動きを確認していきます。

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