最近リリースされた IBM webMethods Hybrid Integration(以後、IWHI)の新機能 ハイブリッドコントロールプレーン についてまとめます。社内で勉強会を行ったので記憶に留めるため記載します。
IWHIとは
IBM webMethods Hybrid Integration(IWHI)は、オンプレミス、クラウド、SaaS、B2B、ファイル連携、イベント/メッセージングなど、企業システムが抱える多様な統合パターンを "単一の統合基盤 + 単一のコントロールプレーン" で横串管理できる次世代iPaaS/ハイブリッド統合プラットフォームです。
リリース日程
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年5月05日 | IBM Think 2025において、IWHIの正式発表 |
| 2025年6月10日 | 日本IBMが日本向けに「提供開始 2025年6月16日」とアナウンス |
| 2025年6月16日 | IWHIの一般提供(GA: General Availability)開始 |
製品の全体像
上図は IBM webMethods Hybrid Integration(IWHI) が提供する統合基盤の全体像を示しています。今回のリリースで新たに追加された ハイブリッド・コントロール・プレーン を中心に、従来バラバラに運用されてきた IBM 製品および webMethods 製品を包括的に管理する ことが可能になりました。
ハイブリッド・コントロール・プレーンの4つの機能
1. 統合API管理(Unified API Management)
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複数リージョンのAPIゲートウェイをまとめて管理する“統合コンソール”
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どのゲートウェイで、どのAPIが、どれくらい呼ばれていて、レイテンシ・エラー率・SLA遵守状況がどうかを、1つのダッシュボードで可視化
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共通のセキュリティポリシー(認証・認可)、レートリミット、ルーティングなどを一括で適用できるので、「地域や事業部ごとにバラバラな運用」を防ぐ
-ゲートウェイ配下の「データプレーン」を、ドメイン別/環境別に分けて把握できる。
2. 統合ランタイム管理(Integration Runtime Management)

Integration Server、Microservice Runtime、Edge Runtimeなど、あらゆるインテグレーションランタイムを一覧で管理する"司令塔"
- クラウド/オンプレにまたがる全ランタイムの稼働状況をダッシュボードで監視
- ボトルネックになっているランタイムを特定
- スケールアウトやチューニングの判断材料として活用
3. エンドツーエンド モニタリング(End-to-End Monitoring)
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ダッシュボードで、トランザクション数、成功/失敗、どのコンポーネント間でやり取りされているかを一望できる
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「処理が遅い/失敗している」といったときに、そのフローの各ステップごとの所要時間・実行場所・ステータスを drill-down して確認可能
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監査対応(どの取引がいつどのシステムを通ったか)、SLA管理、障害時の根本原因特定をスピーディーに行うための仕組み
4. 使用量分析(Usage Analytics)
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ハイブリッドコントロールプレーン上で、各連携ツールがどの環境・どのテナントで、どれくらい使われているかを集計・可視化する
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「どの機能がどれくらい消費しているのか」を見える化することであまり使われていないフローの整理など、コストとキャパシティの最適化に役立つ
まとめ
IBM webMethods Hybrid Integration(IWHI)の新機能「ハイブリッドコントロールプレーン」は、企業のハイブリッド環境における統合基盤の運用を大きく進化させる機能です。
主なポイント
一元管理の実現
従来バラバラだったIBM製品とwebMethods製品を単一のコントロールプレーンで管理
オンプレミス、クラウド、SaaSを横断した統合基盤の可視化
4つの主要機能による包括的な管理
統合API管理 - 複数リージョンのAPIゲートウェイを統一的に管理
統合ランタイム管理 - あらゆるインテグレーションランタイムの稼働状況を監視
エンドツーエンド モニタリング - トランザクションの詳細な追跡と問題の迅速な特定
使用量分析 - リソース利用状況の可視化によるコスト最適化
参考資料
IBM webMethods Hybrid Integration 公式サイト
IBM Think ホームページ
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