はじめに
AppleシリコンのMacでUTMを使用してKali Linuxの仮想環境を構築するという記事を書きましたが、本当にKali Linuxをインストールしたところで終わっているので、記事に追加して最低限これは設定しておいた方が良いと思うものをまとめました。
環境
- ハード:MacBook Air M2 2022
- ホストOS:MacOS Sonoma 14.3.1
- 仮想化ソフト:UTM 4.5.4
- ゲストOS:Kali Linux 2024.3
バージョンアップ
言わずもがなですが、とりあえずバージョンアップを行ってください。
Kali Linux側のターミナルで以下を順次実行していきます。
# システムのパッケージリストを更新する
sudo apt update
# インストール済みのパッケージを最新のバージョンにアップグレードする
sudo apt full-upgrade -y
# システムに必要ではなくなったパッケージを自動的に削除する
sudo apt autoremove -y
# もう必要のないパッケージのキャッシュファイルを削除する
sudo apt autoclean
sudo apt update
でエラーが発生した場合は以下のコマンドを試してみてください。
sudo apt update --fix-missing
または、こちらを試してみてください。
※APTのデータベース全体を削除する操作なので慎重に行ってください
sudo rm -rf /var/lib/apt
設定各種
クリップボードの共有設定
UTM側の設定画面で「クリップボード共有を有効にする」にチェックが入っているか確認してください。
Kali Linux側のターミナルでSPICEゲストエージェントをインストールします。
sudo apt install spice-vdagent
実行完了後は再起動すればホストOS側とゲストOS側でクリップボードが共有されていることが確認できます。なお、ターミナルのショートカットはMacと違うのでご注意ください。
- コピー:Ctrl + Shift + C
- ペースト:Ctrl + Shift + V
共有フォルダの設定
Kali Linux側のターミナルでfstab(ファイルシステムのマウントに関する設定ファイル)を編集していきます。※今回、ゲストOS側では/media/share
にマウントします
sudo nano /etc/fstab
/etc/fstab
の編集内容
+ share /media/share 9p trans=virtio,version=9p2000.L,rw,_netdev,nofail 0 0
引き続きターミナルでフォルダの作成およびマウントを行います
# /media/shareの作成
sudo mkdir -p /media/share
# フォルダのマウント
sudo mount -t 9p -o trans=virtio share /media/share -oversion=9p2000.L
# systemdのリロード
sudo systemctl daemon-reload
日本語入力設定
Kali Linux側のターミナルでfcitx-mozc(日本語入力に関するツール)をインストールします。
sudo apt install fcitx-mozc -y
インプットメソッドの設定を行います。
im-config
※ここまで実行したらKali Linuxの再起動を行います。
再起動後に引き続きfcitxの設定を行います。
fcitx-configtool
「Only Show Current Language」のチェックを外し、検索欄で「Mozc」を検索します。Mozcを選択したら「OK」ボタンを押下します。
インプットメソッドの一覧に「Mozc」が追加されていればOKです。
次に「Global Config」タブを選択して「Trigger Input Method」を変更します。Mac側のショートカットキーと重複しているので自分は「Option + Command + Space」に変更しました。
おまけ
以降はおまけですので必要であれば設定してください。
日本語環境の設定
Kali Linux側でロケールを変更します。
sudo dpkg-reconfigure locales
「ja_JP.UTF-8 UTF-8」を選択(Spaceボタン押下)して「Ok」を選択してください。
ログインするとポップアップが表示されるので「次回から表示しない」にチェックをつけ「古い名前のままにする」を選択してください。(個人の好みで問題ありません)
スクロールの反転
UTM全体の設定で「入力」を表示しQEMUポインタ項目の「スクロールを反転」をチェックします。
Google Chromeのインストールはできない(代替案あり)
Google Chromeはデフォルトで翻訳機能があるため、TryHackMeには便利ですが、ARM64に対応したdebファイルがないため現状インストールする方法がわかりませんでした。そのためFirefoxに翻訳用アドオンを追加して使用します。
Kali LinuxのFirefoxを起動し右上のアドオンマークをクリックします。表示されたアドオンマネージャーで「TWP」を検索します。
「TWP - Translation Web Pages」を選択します。