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Tines 3B に依頼文を1つ書いたら、AI 要約つきの集計ワークフローができた

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Last updated at Posted at 2026-10-25

連載「Tines 3B を読み解く」の実践編です。第3回(認証情報)、第6回(コードファースト)、第7回(ドラフトと本番)で読んだ内容を、実際に手を動かして試しました。

はじめに

こんなふうに思ったことはありませんか。

  • 「チャットで頼むだけでワークフローができる、と言われても、本当に動くの?」
  • 「AI を組み込みたいけれど、API キーはどこに置けばいいの?」
  • 「AI に数字を間違えられたら困る」

この3つを確かめるために、Tines 3B でワークフローを1つ作りました。公開されている脆弱性の一覧を取得し、ベンダー別に集計して、AI で日本語に要約するものです。

結果から書くと、依頼文を1つ書いて計画を承認するだけで、4ステップのワークフローができました。AI のステップは、先に作っておいた Anthropic のコネクタを使います。API キーはコネクタの入力欄に入れただけで、チャットにもコードにも出てきません。

手順は2026年10月21日に筆者の環境で試したものです。3B の AI は計画も構築の中身も毎回少しずつ変わるため、同じ依頼文でも同じ結果になるとは限りません。

自分がやったことは3つだけ

題材は、米国 CISA が公開している「Known Exploited Vulnerabilities(KEV)」の一覧です。悪用が確認された脆弱性のリストで、認証なしで JSON を取得できます。作ったワークフローは次の4ステップです。

自分がやったこと 3B がやってくれたこと
依頼文を1つ書いた 4つのステップのコード(script.ts)を書いた
計画を読んで承認した ステップごとの README と全体の README を書いた
AI のステップにつなぐコネクタを選んだ 実データで動かし、取得から保存まで通した

承認から完成までは約3分でした(3B の表示で2分59秒)。事前の準備は、コネクタを1回作っておくことだけです。

頼んでいないのに入っていたこと

依頼文に書いたのは、取得先、期間、集計のしかた、ステップの分け方、保存先、使うコネクタ、「数値は集計結果にあるものだけを使う」ことです。それ以外にも、3B は次のことを計画に入れてきました。

  • 件数、順位、CVE ID は AI に作らせない。 コードが集計値から入れる作りです。AI の出力と合わなければ、エラーにして保存を止めます。
  • 0件のときは AI を呼ばない。 無駄な呼び出しをしません。
  • 取得したデータを検証する。 HTTP エラー、JSON の形式、必要な項目、重複した CVE を確かめます。
  • 保存は上書きせず、容量も確かめる。 実行のたびに新しいファイルを作ります。容量が足りなければ、既存の結果を消さずに失敗させます。

自分で書くなら、どれも「考えて、決めて、書く」作業です。これを計画の段階で出してくれたのが、いちばん楽だと感じたところです。

手順は3つ

1. コネクタを作る(最初の1回だけ)

コネクタは、外部サービスへの接続と、API キーなどの認証情報を 3B の中に預かる仕組みです。コードにキーを書かずに済みます(第3回で読んだ設計です)。

  1. 左のメニューの「Connectors」を開き、「Browse all」を選ぶ。
  2. 「Anthropic」で検索し、「Anthropic」(AI models and Claude)を選ぶ。
  3. 「Anthropic API key」の欄に API キーを貼る。「Base URL」は初期値のままでかまいません。
  4. 「Next」で進み、残りの設定を終える。

キーを入れるのはこの欄だけです。チャットには書きません。

コネクタを作る画面(5枚)

Browse all。 この画面では1,141件のコネクタが表示されていました。上のタブで「AI」などに絞り込めます。

Connectors の「Browse all」。1,141件のコネクタが並び、カテゴリのタブと検索欄がある

「Anthropic」で検索した結果。 3件出ました。AWS Bedrock Mantle と Microsoft Foundry も Claude を扱うコネクタのようです。今回は「Anthropic」を選びました。

検索欄に Anthropic と入れた結果。Anthropic、AWS Bedrock Mantle、Microsoft Foundry の3件

設定画面の上部。 Step 1 で API キーを作り、Step 2 で貼ります。画像はキーを入れる前の状態です。

Anthropic コネクタの設定画面の上部。API キーの欄は、入力前で空

設定画面の下部。 Step 3 では使えるモデルを絞れます(任意。空ならすべて使えます)。Step 4 はコネクタの名前とメモです。

設定画面の下部。Step 3 の使えるモデル(任意)と、Step 4 の名前

作成後の一覧。 Status が「Active」なら使えます。

Connectors の一覧。Anthropic が Active で表示される

2. 依頼文を書く

ホーム画面の入力欄で、左下の「Plan」を押します。作る前に計画を出してもらうモード(Plan mode)で、入力欄の上が「What should we plan?」に変わります。次の依頼文を入れて送信します。

CISAが公開している Known Exploited Vulnerabilities のJSON(https://www.cisa.gov/sites/default/files/feeds/known_exploited_vulnerabilities.json)を取得し、直近30日に追加された脆弱性を、ベンダー別に集計してください。件数の多い上位5社と、各社の代表的なCVEを、日本語で短くまとめてください。ワークフローとして、ステップに分けて作ってください。ステップは、(1)取得、(2)直近30日の抽出とベンダー別の集計、(3)AIによる日本語の要約、(4)/storageへの保存、の4つにしてください。各ステップは、手動で実行して確認できるようにしてください。(3)は、すでに作成済みの Anthropic コネクタを使い、低コストなモデルと小さなトークン上限にしてください。数値は集計結果にあるものだけを使い、推測は書かせないでください。結果は /storage にJSONで保存してください。定期実行は付けず、ドラフトのまま作業し、公開(Push live)は行わないでください。データは公開されていて、取得に認証は不要です。

ホーム画面の入力欄に、依頼文を入れたところ。左下の Plan が有効になっている

ポイントは、「ワークフローとして」「ステップに分けて」と明記することです。書かないと、その場で1回集計するだけの計画になることがあります。送信すると、3B がワークフローを作り、名前(「KEV直近30日のベンダー別集計レポート」)も付けてくれました。

3. 計画を読んで承認する

数十秒でチャットに計画が出ます。AI のステップは次のような内容でした。

計画の一部。AI のステップ。既存の Anthropic コネクタを、このステップだけに接続する。claude-haiku-4-5、max_tokens: 1024、拡張思考なし

  • 既存の「Anthropic」コネクタを、このステップだけに接続する。
  • モデルは claude-haiku-4-5、リクエストは1回、出力上限は max_tokens: 1024、拡張思考なし。
  • モデルには上位5社と代表 CVE の必要な情報だけを渡し、外部の知識や推測、入力にない数値は禁止する。

計画の最後に「Approve and build」と「Keep planning」が出ます。「Keep planning」なら何度でも計画を直せて、承認するまでステップは作られません。今回は意図どおりだったので「Approve and build」を選びました。

構築の途中で、AI のステップにどのコネクタをつなぐかを聞かれます。先に作った「Anthropic」を選ぶだけで、キーの入力は求められません。

チャットの確認。Connect to Anthropic。作成済みの Anthropic コネクタが出る

あとは約3分待つだけです。

計画のほかの部分と、構築中の画面(4枚)

取得と集計の計画。 取得では、CISA の JSON を認証なしで取り、形式と必要な項目を検証します。集計では、取得日の日本時間を基準に当日を含む30暦日を対象とし、vendorProject の表記のまま数えます(社名の推測による統合はしません)。代表 CVE は追加日が新しいものから最大2件で、重要度の判定ではありません。

計画の一部。取得と、直近30日の抽出とベンダー別の集計。日本時間の30暦日、vendorProject の表記で集計、と書かれている

保存の計画。 保存先は /storage/cisa-kev-reports/<取得日時>-<一意ID>.json です。容量(100 MB)を確かめ、足りなければ既存の結果を消さずに失敗させます。

計画の一部。AI のステップの終わりと、/storage への保存。実行ごとの新しいファイルに保存する

承認の選択肢。

計画の下の選択肢。Approve and build と Keep planning

構築中の画面。 中央に取得ステップのコード、下に4つのステップが並びます。

構築中の画面。左のチャットに、処理と接続を設定中と出る。中央に、取得ステップのコードが出る。下に4つのステップが並ぶ

できあがったもの

構築が終わると、チャットにまとめが出ます。

構築が終わったときのチャット。4ステップを作成し、実データで確認した。定期実行なし、未公開のドラフト。集計結果と、ベンダー別の表の始まり

対象期間は2026年9月22日から10月21日(日本時間、両端を含む)で、37件でした(実行した時点の例です)。

チャットの表の続き。Citrix から Cisco まで、件数と代表 CVE が2件ずつ並ぶ

上位5社 件数
Plex 4
Citrix 3
Ahsay 2
Check Point 2
Cisco 2

同数のときはベンダー名の順です。代表 CVE は追加日が新しい順に最大2件で、重要度の順位ではありません。

まとめの続きには、3B が自分で確かめた項目も並んでいました。期間の境目、0件、同数の順位、5社未満、重複 CVE や不正な日付の拒否、保存内容の照合です。

チャットの続き。AI 設定は、既存の Anthropic コネクタ、claude-haiku-4-5、出力上限1,024トークン。数値は、AI に生成させず、集計値から挿入。保存先のパス

AI が作った日本語の要約は、「保存」ステップの出力(summaryJa)で読めます。上位5社ごとに、件数、代表 CVE、脆弱性の内容が並んでいます。

保存ステップの Output。summaryJa に、上位5社の要約が、Citrix から Cisco まで並ぶ

人が確かめたほうがよいこと

楽にはなりましたが、全部おまかせでよいわけではありません。

  • AI の文章は読んで確かめる。 件数と CVE ID はコードが入れているので、集計結果と一致しました(目で見比べました)。一方、脆弱性の説明は AI が書いた文章で、製品名などが入力データにあったものかは確かめていません。README にも「自然言語の正確性は機械的な検証だけでは保証できない」とあります。
  • 計画は毎回変わる。 同じ依頼でも、期間の基準(日本時間か UTC か)や出力上限が変わります。別の実行では、UTC で800トークンの計画が出ました。計画を読む手間は省けません。
  • ステップを開くと「Step failed」と出ることがある。 構築後に集計ステップを開くと、Output が「Step failed」でした。単独で動かすには前のステップの出力が必要なためのようですが、原因までは追っていません。全体の結果はチャットと保存ステップで確認できました。
  • Output には最後の実行結果が出る。 AI ステップの Output は、3B が確認用に動かしたテスト実行(0件)の結果でした。実データでの AI の出力は、保存ステップで見られます。
  • AI の費用はゼロではない。 Anthropic の API 利用料が自分のアカウントにかかります。確認のための実行も含みます。

補足:画面の見かた

ホーム画面(2枚)

サインインすると、ホーム画面(Recents)が開きます。

ホーム画面の上部。左にメニュー、中央にチャットの入力欄

  • 左のメニュー: Recents、Favorites、Chat、Personal workflows、Monitoring、Links、Connectors、Skills。コネクタを作るときに使うのは「Connectors」です。
  • 中央の入力欄: やりたいことを書くと、3B がワークフローを作ります。右上で作る場所(ここでは「Personal workflows」)を選べます。
  • 左下の「Plan」: Plan mode の切り替えです。

入力欄の下はワークフローの一覧です。

ホーム画面のワークフロー一覧。名前、スペース、コネクタ、トリガー、作成日の列がある

列は、名前、Space(置き場所)、Connectors(使っているコネクタ)、Trigger(起動方法)、Created(作成日)です。このときはサンプルの「Example: New hire onboarding portal」だけでした。

ワークフロー画面(1枚)

依頼を送ると、ワークフロー画面に切り替わります。

ワークフロー画面の右側。上部に Readme、Monitor、Runs、Links、Browser、Storage のタブが並ぶ。Readme は、まだ空

  • 左側: 上にブランチ名(「First draft」)、その下に 3B とのチャットがあります。作業はライブではなく、このドラフトで進みます。
  • 右上のタブ: Readme、Monitor、Runs、Links、Browser、Storage。README は構築後に 3B が書きます。Storage は保存したデータを見る画面です。Monitor、Runs、Links、Browser は今回開いていません。
  • 右下: 構築が始まると、ステップが横に並びます。
各ステップの出力、Readme、Storage(5枚)

下のステップを選ぶと、左に README.md(または script.ts)、右に実行結果(Output)が出ます。

取得ステップ。 取得元の URL、取得日時、カタログの情報(題名、版、公開日時、件数)、脆弱性の一覧が出ます。README には、タイムアウト45秒、フィードの上限20 MB とあります。

取得ステップ。左に README、右に Output の JSON。sourceUrl、fetchedAt、catalog の情報が出る

AI ステップ。 コードの先頭で Anthropic の SDK(@anthropic-ai/sdk)を読み込み、入力の JSON を検証しています。接続先は環境変数(ANTHROPIC_BASE_URL)から取り、API キーの欄は placeholder という仮の文字列です。本物のキーはコードのどこにもありません。右の Output は、確認用のテスト実行(0件で AI は呼ばれていない)の結果です。

AI ステップ。左に script.ts、右に Output。コードの先頭で、SDK を読み込み、入力を検証している。右の Output は、確認用のテスト実行の結果

保存ステップ。 保存先のパス、ファイルのサイズ、件数、AI の要約(summaryJa)が出ます。

保存ステップ。左に README、右に Output。path、bytes、total、summaryJa の先頭

ワークフロー全体の Readme。 期間の決め方、AI の設定、保存の上限(1ファイル1 MB、合計95 MB)、失敗したときの扱いが書かれています。

ワークフロー全体の Readme。期間の決め方、AI の設定、保存先、失敗したときの扱いが書かれている

Storage。 右上の「Storage」から開きます。「Workflows」→「First draft」→cisa-kev-reports と進むと、実行日時を名前にした JSON ファイルが入っていました。ドラフトのデータはライブとは別に保存されます。

Storage のダイアログ。Workflows、First draft、cisa-kev-reports の順に開き、JSON のファイルが見える

おわりに

  • 自分がやったのは、コネクタの作成(初回のみ)、依頼文1つ、承認、コネクタの選択だけでした。
  • 0件のとき AI を呼ばない、上書きしないといった安全策は、頼まなくても計画に入っていました。
  • 数字はコードで固め、AI には文章だけを任せる作りでした。それでも AI の文章と計画の中身は、人が読んで確かめたほうが安心です。

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参考

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