現在の効率化が「AIエージェントで」なにをしたいのかという視点になっていませんか?
過去の機械学習の時もそのような潮流がありました。DXが話題になった時も、「それ」を使ってなにか効率化をしたい。最近よく見るのは、タクシー広告、電車のサイネージ、SNSの広告に至るまで、AIで効率化をしたという結果の話で、具体的な内容はあまり多くありません。
AIエージェントで、今とり組むべき課題はなんでしょうか?
- レガシーコード分析
- 依存関係調査
- 移行設計
- テスト生成
- 運用引き継ぎ
- データクリーニング
- 統計手法の検討
改めて、課題を解決するために、AIエージェントを利用するためのポイントと、他の製品とのコラボレーションを考えてみます。
課題発見のステップをなぞり、AIエージェントの価値を出す
AIエージェントが出てから、私たちは機能に目を奪われるようになりました。AIエージェントの機能の部分を見て、人の代替として当てはまるところを無理に活用しているともいえます。
せっかく作ってみても恒常的に利用しない、あるいは作った履歴を残さないのであれば、それすらレガシーな存在になってしまいます。そこで、改めて必要なのは、課題発見のステップをなぞることです。
| No. | ステップ | 人の作業 | AIエージェント |
|---|---|---|---|
| 1 | 現状把握 | 業務のヒアリング | 業務の分析 |
| 2 | ボトルネック特定 | 現場の声の収集 | 作業時間データの分析 |
| 3 | 根本原因分析 | なぜなぜ分析の実施 | 過去の問題事例からパターン抽出 |
| 4 | 改善案立案 | 実現可能性の判断 | ベストプラクティスの提案 |
業務改善や個人開発で、実際に課題発見のステップをなぞって取り組まれていますか?
もしそうでないなら、一度課題発見ステップの時間を取り込んでみてください。ただ、AIエージェントが汎用的になりすぎて、課題発見にも入り込んでいますが、ここでは、人の視点の見落としを防ぐ役割を持つアドバイザーとして活動してもらいましょう。
大切なことは、価値ある課題を改めて見つけることです。AIによって、より簡単にモダナイゼーションができるはずなのに、進まないのはなぜでしょうか?
理由を2つ挙げます。
-
「いつでもできる」という安心感
AIを使えばいつでもシステムを刷新できると分かったことで、逆に「今すぐやらなくてもいい」と後回しにされている。 -
投資対効果(価値)の不在
従来の「古いものを新しくするだけ」のモダナイゼーションでは、経営層が急いで取り組むほどの価値を見出せません。結果として、モダナイゼーションは企業の「早急に取り組むべき課題」のリストから外れてしまっている。
もちろんすでに動き始めている事例はありますが、私たちが今すべきことは技術の導入ではありません。「このシステムを刷新することで、どんな新しい価値を生み出せるか」という、本質的な課題を改めて見つけることを優先するべきです。
つまり、課題発見のフェーズを深掘りし、AIエージェントと組み合わせて使うことです。AIエージェントを使うための課題ではないでしょう。
具体例:人事・組織開発におけるAIエージェント活用
下記のような事例を考えてみます。
事例: 従業員エンゲージメントの分析
背景: 従業員300名の企業で離職率が15%
このような事例における最初の行動を、人とAIエージェントによる活動で分析し、人事・組織開発における課題を見つけ出しましょう。ここでは、あくまで15%の離職率があるのは事実であって、これが妥当なのか、課題なのか、を判断する材料を見つけることが重要です。
現状分析・データ収集 (1-2週間)
人間の役割
- プロジェクトの目的・スコープ定義
- データ収集の承認取得(個人情報保護対応)
- 重要なステークホルダーへのヒアリング
AIエージェントの役割
- 既存データの統合分析
- 人事データ(入退社履歴、勤続年数、部署、役職)
- 勤怠データ(残業時間、有給取得率、遅刻・早退)
- 評価データ(人事評価、360度評価)
- サーベイデータ(エンゲージメントスコア、自由記述)
- 1on1記録(テキストデータ)
- 複数システムからのデータ抽出・統合スクリプト作成
- データクレンジング(欠損値処理、異常値検出)
- 基礎統計量の算出(平均、中央値、標準偏差)
- 相関分析マトリクスの作成
- テキストデータの分析
- 退職面談記録(過去2年分)
- エンゲージメントサーベイの自由記述
- 1on1ミーティングのメモ
- テキストマイニングによるキーワード抽出
- ネガティブ/ポジティブのセンチメント分析
- トピックモデリング(LDA)で主要テーマ抽出
- 時系列での感情変化の可視化
まずは人によるデータ収集と、AIエージェントによるこれまでの既存データの分析をしてもらいます。アドバイスを得るためにも大事ですし、ここまでの活動は、人事による働き方改革のための業務として行っておいても良いと考えます。
この時に、設計すべきことは一度で終わらないようにすることと、簡単に再実行できることです。
- データ収集パイプラインの設計
- データベース化
- 自動データ収集スクリプト
- ダッシュボードの作成
ここで行った分析から、「2.ボトルネック特定」に入ることができます。最初のフェーズで汎用的なAIエージェントとしての利用はしますが、業務改善のための大規模な利用ではありません。
しかし、AIエージェントを使うためにデータ収集や分析をしたのではなく、本質的な課題分析を行うために利用しています。この後のフェーズで出てきた本当の課題に対して、AIエージェントが役割を果たすでしょう。
その時、AIエージェントが利用するに値するのか、あるいは人力で十分なのか、別の製品を買った方が安上がりなのか、ベストプラクティスを提示し、シミュレーションして比較させることができるのです。AIエージェントと業務の組み合わせでは「AIエージェントを」利用するためではなく、「本質的な課題」のために利用できるように、分析をしてみてください。
AI開発エージェント「IBM Bob」を利用した、記事をご紹介
移行や別製品を使うため、あるいはCOBOLの理解を深めるために、IBM Bobを利用した記事を紹介いたします。引用した記事の名前と、著者、URL、その概要について、記載いたします。
ご参考にしてください。
IBM Bobを使って就活管理アプリをExcel VBAからWebアプリへ移行した話
著者: @takumiida1 様
URL: https://qiita.com/takumiida1/items/3451569d8fb414ec8e66
概要: 「IBM Bob」によって、Excel VBAで作成されていた、就活管理アプリをWebアプリケーションへ移行された一連の流れが記載されています。移行後にどんな変化、機能変更があったのかなど。IBM Bobを利用する中で、気づいたポイントも記載されています。
特にこの移行における壁打ちにおいて、トライアルの40Bobcoinsで収まったことやトークンの使用量に言及されています。IBM Bobの設計思想と開発の流れ、トークン使用量などについて理解されたい方におすすめの内容です。
SPSS Statistics の値ラベルを IBM Bob で一括付与する
著者: @416nishimaki 様
URL: https://qiita.com/416nishimaki/items/5275e84c4325645d0c5a
概要: SPSS Statisticsにおける、値ラベルを付与することの煩雑さを課題としています。手作業でラベル付する作業と「IBM Bob」によってどれだけ効率化することができるのかを比較した記事です。SPSSによるラベル付の作業についても説明されており、コピーペーストできるプロンプトも記載されています。
一括付与の活用については、できるだけ早く行いたい時にできるTipsとしての記事となっています。参考となるリファレンスも載っておりますので、SPSSでの活用をしたい方はぜひ一読ください。
IBM BobでCOBOL TODOアプリを作ってみた
著者: @optimisuke 様
URL: https://qiita.com/optimisuke/items/f9e62f4ce988bf71b016
概要: COBOLは60年以上もの歴史を持つプログラミング言語です。今も銀行系で利用されている言語ですが、担い手は減っています。この記事では、COBOLのTODOアプリを作成することで、COBOLの開発の流れ、特徴の理解、言語としてのCOBOLを理解に目を向けています。
歴史のあるCOBOLをIBM Bobによってコード生成し、COBOLの理解とアプリが作成できることの両方を満たしています。これからのAI駆動開発における、検品のフェーズを先取るため、COBOLに興味がある方、学習としてのAIとの付き合い方の参考にしたい方は必見です。
IBM Bob Shell の Sandbox とは? — 概要・使い方・カスタマイズ
著者: @c_u 様
URL: https://qiita.com/c_u/items/52e343822f4b389eedcd
概要: ターミナルからAIエージェントを利用する際の課題に目を向けた記事です。「環境を壊されないか」というのは、人間が行なっていても怖いことですが、AIにお任せするというのも不安なことです。「IBM Bob」の「Bob Shell」では、Sandbox機能が存在しており、こちらの記事ではその概要と仕組み、設定などを紹介されています。
導入手順もていねいに解説されており、さらにカスタマイズまで詳しく解説されています。IDE環境よりターミナルを利用することが多い方にとって、より安全な利用をするための効果的な記事となっております。ご一読ください。
IBM Bobは課題を解決するパートナー
AI駆動開発パートナーであるIBM Bobは課題解決を一緒に行います。そして、いま使っている製品、未来に変更が必要とされる言語、過去に作った歴史の最新化にとっても、強い味方です。
開発ライフサイクル全体を横断的に支援すること、AIがなにをしたのか透明化すること、そして人による判断をしっかりと取り入れていることがIBM Bobの特徴といえるでしょう。
IBM Bobについては、下記リンクから参照してください。ドキュメントもより読みやすく、変更履歴もわかりやすくなっています。
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参照:IBM Bob