本ブログは、オラクル・クラウドの個人ブログの1つです。
初めに
冒頭ですが、この記事の位置付けは、次のシリーズ記事の1つです。
データ統合 (ODI On-P, ODI MP, OCI DI)
前回の記事では、OCIマーケットプレイスからODIインスタンスを作成する方法を紹介しました。今回は、オラクルの自律型データベース(Autonomous Database)上にODIリポジトリを作成する方法を紹介したいと思います。
動作確認環境
ODI Marketplace (12.2.1.4)
Autonomous Data Warehouse
ステップ
1. ADBでレポジトリ用ユーザの作成
2. ADBウォレットファイルをダウンロードし、ODIインスタンスにアップロードする
3. マスター・リポジトリの新規作成
4. マスター・リポジトリへの接続
5. 作業リポジトリの作成
6. 作業リポジトリへの接続
※この方法は「ODI On-P」に適用しないことをご注意ください。(ODI On-Pの場合、ADBにリポジトリの保存ができません。)
1. ADBでレポジトリ用ユーザの作成
adminユーザとしてログインし、ODIリポジトリー用ユーザを新規作成します。 (この例では、「SQL Developer」を使用しています。)

ユーザに「PDB_DBA」を付与します(「管理者」オプション付き)。

SQLスクリプトは、次のようです。
-- USER SQL
CREATE USER "ODI_REPO" IDENTIFIED BY "<Password>"
DEFAULT TABLESPACE "DATA"
TEMPORARY TABLESPACE "TEMP";
-- QUOTAS
ALTER USER "ODI_REPO" QUOTA UNLIMITED ON "DATA";
-- ROLES
GRANT "PDB_DBA" TO "ODI_REPO" WITH ADMIN OPTION;
GRANT "DWROLE" TO "ODI_REPO" ;
2. ADBウォレットファイルをダウンロードし、ODIインスタンスにアップロードする
Autonomous Database -> Autonomous Database Details -> DB Connection
ウォレットのタイプを指定して、"Download Wallet"をクリックします。

ADBウォレットをODIインスタンスにアップロードする手順をスキップします。お好きなFTP/SSHツールを利用し、アップロードしてください。ウォレットファイルは、/home/oracle/.odi/oracledi/ewalletの下に格納しておいてください。(解凍は不要)
[opc@oracle-odi-inst-wc4b ~]$ pwd
/home/opc
[opc@oracle-odi-inst-wc4b ~]$ ls -l Wallet_ADW2021.zip
-rw-rw-r--. 1 opc opc 21617 Nov 5 06:49 Wallet_ADW2021.zip
[opc@oracle-odi-inst-wc4b ~]$ sudo mv Wallet_ADW2021.zip /home/oracle/.odi/oracledi/ewallet/
[opc@oracle-odi-inst-wc4b ~]$ sudo chown oracle:oracle /home/oracle/.odi/oracledi/ewallet/Wallet_ADW2021.zip
[opc@oracle-odi-inst-wc4b ~]$ sudo ls -l /home/oracle/.odi/oracledi/ewallet/Wallet_ADW2021.zip
-rw-rw-r--. 1 oracle oracle 21617 Nov 5 06:49 /home/oracle/.odi/oracledi/ewallet/Wallet_ADW2021.zip
[opc@oracle-odi-inst-wc4b ~]$
3. マスター・リポジトリの新規作成
ODI Studioを起動し、次の手順でリポジトリの作成を開始します。
Menu Bar -> File -> New -> Create a New Master Repository

以下のように接続情報を入力します。
| 項目 | コメント |
|---|---|
| Technology | Oracle (デフォルト) |
| JDBC Driver | oracle.jdbc.OracleDriver (デフォルト) |
| Use Credential File | チェックする |
| Credential File | ADBウォレットの圧縮ファイルを選択する。 |
| Connection Details |
<ADB_Name_high>,<ADB_Name_medium>,<ADB_Name_low>から選択 |
| Use Http Proxy | デフォルトではチェックされていない。 (この例ではスキップする) |
| JDBC URL | 編集不要 |
| User | ODIリポジトリのスキーマ名(STEP-1で作成した) |
| Password | 上記スキーマのパスワード |
| DBA User | admin |
| DBA Password | ADB管理者(admin)のパスワード |
「Test Connection(接続のテスト)」をクリックしてテストします。

「ODI認証」(デフォルト)または「外部認証」のどちらを使用するかを選択できます。「ODI認証」の場合、「SUPERVISOR」のパスワードを作成する必要があります。パスワードを入力したら、「次へ」をクリックして続行します。

パスワードを内部ストレージまたは外部ストレージに保存することを選択できます。このテストでは「内部パスワード・ストレージ」(デフォルト)を選択します。
「Finish(完了)」ボタンをクリックすると、マスター・リポジトリの作成が始まります。

4. マスター・リポジトリへの接続
Security Tab -> Connect to Repository -> "+" (プラス・アイコン)

以下のように接続情報を入力します。
| 項目 | コメント |
|---|---|
| Login Name | マスター・リポジトリのログイン名を入力する。 |
| User(ODI Connection) | SUPERVISOR |
| Password | SUPERVISORのパスワードを入力する。 |
| User(DB Connection) | ODI_REPO (STEP-1で作成したユーザ。) |
| Password | ユーザ「ODI_REPO」のパスワードを入力する。 |
| Driver List | Oracle JDBC Driver (Default) |
| Driver Name | oracle.jdbc.OracleDriver (Default) |
| Use Credential File | チェックする |
| Credential File | ADBウォレットの圧縮ファイルを選択する。 |
| Connection Details |
<ADB_Name_high>,<ADB_Name_medium>,<ADB_Name_low>から選択する。 |
| Use Http Proxy | デフォルトではチェックされていない(この例ではスキップする)。 |
| URL | 編集不要 |
| Master Repository Only | チェックする |
「Test Connection(接続のテスト)」をクリックしてテストします。

接続に成功したら、「OK」をクリックして接続ウィンドウを閉じます。

パスワードは安全なウォレットに保存できますが、この例ではウォレットを利用しないようにします。

ログイン情報を確認し、「OK」をクリックしてマスター・リポジトリにログインします。

5. 作業リポジトリの作成
Topology Tab -> Repositories -> Work Repositories -> New Work Repository

デフォルトでは、次のように接続情報が表示されます。通常なら、編集する必要はありません。内容確認後、「Test Connection(接続のテスト)」をクリックしてテストします。

以下の情報を入力した後、「Finish(完了)」ボタンをクリックして、作業リポジトリの作成を開始します。
| 項目 | コメント |
|---|---|
| Name | WORKREP1 (デフォルト) |
| Password | パスワードを入力(作成)する(確認用の再入力はない)。 |
| Work Repository Type | "Development"(デフォルト)または"Execution"を選択する。 |
作業リポジトリが作成されたら、新しいログインを作成できます(「Yes」を押します)。

6. 作業リポジトリへの接続
マスター・リポジトリから切断します。 (Designer Tab -> Disconnect)

Designer Tab -> Connect to Repository -> 作業リポジトリのログイン名を選択 -> 編集アイコンをクリック

SUPERVISORのパスワードを入力し、ADBウォレット・ファイルを選択してから、「テスト」ボタンを押して接続をテストします。

接続に成功したら、「OK」を押して接続ウィンドウを閉じます。この接続テストを成功するのに少し時間がかかりました。

Designer Tab -> Connect to Repository -> Select Login Name for work repository -> OKボタン

以上
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