本ブログは、オラクル・クラウドの個人ブログの1つです。
初めに
OCI上の Oracle LinuxインスタンスとOracle Base DB (旧称DBCS
)インスタンスは、どちらもOracle Linux OSを採用しています。利用者がSSH経由でログインでき、両方に対して完全なOSレベルの管理者権限を持ちます。
インフラの観点を見ますと、両者の類似点がありますが、基本的に別物であり、それぞれ異なる目的のために設計されています。この点をを忘れないでください。
インフラとOSの観点から、両者の類似点と相違点を少し整理しました。少しお役に立てば幸いです。比較対象のタイプは、VM(仮想マシン)のみです。
全体的な比較
分類 | 項目 | Oracle Linux (VM) | Oracle Base DB (VM) |
---|---|---|---|
OS | バージョン | 選択可能 ✔ Oracle Linux 9 ✔ Oracle Linux 8 ✔ Oracle Linux 7.9 ✔ Oracle Linux 6.1 |
選択不可 ✔ Oracle Linux 7.9 |
SSHログイン | 初期ログイン・ユーザ | opc | opc |
rootユーザに切り替え | Yes | Yes | |
OCIコンソールからSSHキーを追加 | No (OSにログインする必要がある) | Yes | |
コンソール接続 (トラブルシューティング) |
Yes | Yes | |
Network | パブリックIPの割り当て(パブリック・サブネット) | Yes | Yes |
プライベートIPを指定できる | Yes | Yes | |
NSGの紐付け | Yes | Yes | |
Shape | シェイプ・シリーズ | 選択可能 ✔ AMD ✔ Intel ✔ Ampere |
選択可能 ✔ AMD ✔ Intel ✔ Ampere |
シェイプ変更 (※1) | Yes | Yes (同シリーズ) | |
Boot Volume | パフォーマンス・レベル | 選択可能 ✔ Balanced ✔ Higher Performance ✔ UHP (2022/6/28から) |
選択可能 ✔ Balanced ✔ Higher Performance |
パフォーマンス変更 | Yes | No | |
ブート・ボリュームの管理 | Yes (アタッチ、デタッチ、バックアップ、クーロン) | DBシステムのクローンは可能だが、Computeインスタンスのようにブート・ボリュームを管理することはできない。 | |
ストレージのスケールアップ (※1) | Yes (サイズアップのみ) | Yes (サイズアップのみ) | |
ストレージサイズの範囲 | 50 GB ~ 32 TB | 256 GB ~ 40 TB | |
Block Volume | ブロック・ボリュームをアタッチ | Yes | No |
FSS | マウント | Yes | Yes |
Image | イメージの作成 | カスタム・イメージ | ソフトウェア・イメージ (DB/GI) |
OCI CLI | OCI CLIのインストール | Oracle Linux Cloud Developer 8の場合はインストール済 | インストール済 (※2) |
アプリ | 他のアプリをインストール | Yes (もちろん) | 可能だが、お勧めしない。 (※3) |
OCIサービスとの連携 | LBのバックエンド・サーバとして動作する | Yes (もちろん) | Yes (例えば、一時作業のため、管理者からLBを介してプライベート・サブネット内のDBに接続) |
OCI Bastionを経由し接続する | Yes | Yes (※4) | |
NFSをマウント | Yes | Yes | |
オブジェクト・ストレージへのアクセス | Yes (OCI-CLI, Storage Gateway) |
Yes (※5) | |
Cloud Shellからの接続 | Yes | Yes |
※1、シェイプ変更とストレージ変更の差異についてもっと詳しく知りたい方々は、このブログをご参照ください。 OCI スーケルアップ・ダウン機能のサマリ Compute/Oracle Base DB/ADB/MySQL
※2、一部の古いバージョンのOracle Base DBにOCI-CLIをインストールする時、リポジトリへの接続問題が発生することがありますが、それを回避できます(最新バージョンのOracle Base DBに、OCI-CLIは既にインストール済で、手動のインストールは不要)。詳細は、このブログをご参照ください。 OCI DBインスタンスにOCI-CLIのインストール方法
※3、以前、お客様から次のような質問がありました。
「Oracle Base DB (旧DBCS)インスタンスにアプリケーションをインストールし、「DB+APP」のようなオールインワン・サーバとして動作できますか?」
↑ 技術的には可能な場合もありますが、Oracle Base DBインスタンスはデータベース専用に設計されており、汎用サーバーではないことに意識してください。従って、他のアプリケーションから分離することを強くお勧めします。
※4、セキュリティの考慮で、Oracle Base DBインスタンスがプライベート・サブネットに作成されるのは一般的です。外部から接続するのに、いろいろな方法がありますけど、OCI Bastionサービスを介して接続する方法について、次の記事をご参考ください。 OCI Bastion経由でプライベート・サブネット内のOracle DBに接続する
※5、OCI Object Storage、AWS S3、またはAzure BlobからOracle Base DBにCSV/DUMPのデータをロードできます。Oracle Base DBからデータポンプをオブジェクト・ストレージにエクスポートすることもできます。以下の関連記事に、いつかのステップ・バイ・ステップ・ガイドを提供しておりますので、ご参照ください。
以上
関連記事
オラクル・クラウドの個人ブログ一覧
オブジェクト・ストレージからOracle DB 19c/21cにデータを導入する
AWS S3からOracle DBにデータを導入する
Azure BlobからOracle DBにデータを導入する
Oracle DBからOCIオブジェクト・ストレージにデータ・ポンプ・ファイルをエクスポートする
マウント・ポイントを経由して、データ・ポンプ・ファイルをOracle DBCSからオブジェクト・ストレージにエクスポートする