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第9回 Raspberry Pi で監視カメラを作ろう! ~静止画配信(HTTP)編~

Last updated at Posted at 2019-07-16

Raspberry Piと専用のカメラモジュールを使用し、ONVIF対応の監視カメラを作成するシリーズ記事です。
本記事はリンク情報システム株式会社の有志が作成しています。


前回の章で静止画をJPEG形式で取得する事ができましたので、その画像をネットワーク経由で参照できるようにしたいと思います。
後述のONVIFの仕様に従うため、HTTPプロトコルで静止画を配信できるように実装します。

静止画配信 (HTTP)

mongooseを使用してHTTPサーバー構築

Apacheやnginx等のHTTPサーバーを別途インストールし、公開対象のフォルダに対して画像ファイルを出力する事で、HTTPによる静止画配信は実現できるかと思いますが、ここでは、mongooseと言うオープンソースのWEBサーバーを利用してみたいと思います。

mongooseを使用することで、HTTPサーバーのポートの設定や起動・終了の制御を自分で容易に制御できるようになります。
※Apache等のサーバーを利用した場合は、設定ファイルの書き換えをプログラムの中から実行する等、少し煩雑な仕組みが必要になります。

mongooseは以下のサイトからダウンロードできます。
参考元:https://github.com/cesanta/mongoose

examples/simplest_web_server/simplest_web_server.c を元に、HTTPサーバー実装時のポイントとなる処理を抜粋して解説します。

静止画配信(HTTP)処理の流れは以下のようになります。
 1. 初期化とサーバー設定
 2. リクエスト受信開始
 3. リクエスト受信
 4. レスポンス送信

1.初期化とサーバー設定 (main関数)

待ち受け対象のポート番号を指定し、HTTPサーバーを初期化します。

mg_mgr_init(&mgr, NULL);
mg_bind(&mgr, s_http_port, ev_handler);

mg_set_protocol_http_websocket(nc);
2.リクエスト受信開始 (main関数)

mg_ngr_pollを繰り返し呼び出すことで、クライアントからのリクエストを受信します。

for (;;) {
    mg_mgr_poll(&mgr, 1000);
}
3.リクエスト受信 (main関数)

リクエストを受信すると、mg_bindで設定したev_handlerが実行されます。

static void ev_handler(struct mg_connection *nc, int ev, void *p) 
{
    if (ev == MG_EV_HTTP_REQUEST) 
    {
        /* リクエスト受信 */
        struct http_message* hm = (struct http_message *)p;

        char uri[255];
        mg_vcpy(&(hm->uri), uri, sizeof(uri));
        printf("uri = %s\n", uri);

        /* uri に従い処理を実施 */
        /* 処理内容の例は4.レスポンス送信を参照ください。 */
    }
}

uriや指定されたパラメータに従った、処理を実装します。

4.レスポンス送信 (main関数)

テキストデータを送信したい場合は、以下のようにmg_send_head関数でヘッダを、mg_printf_data関数でテキストデータを送信します。

mg_send_head(nc, 200, strlen("test"), "Content-Type: text/html; charset=utf-8");
mg_printf_data(nc, "test");

画像データの場合は、以下のようにmg_send関数でバイナリデータを送信します。

unsigned char* data      = aaa; /* 画像データ */
int            data_size = bbb; /* 画像データのサイズ */

mg_send_head(nc, 200, data_size, "Content-Type: image/jpeg; charset=utf-8;\r\nCache-Control: no-store\r\ninline; filename=test.jpg");
mg_send(nc, data, data_size);

まとめ

最近はクラウドサービスといった、HTTPプロトコルでAPIを提供するサーバーがありますが、mongoose.c / h を組み込み、上記のような処理を実装するだけで、そのようなサーバーも簡単に作成する事ができます。
実際に使用する場合は、セキュリティ上のリスクを十分に検証する必要がありますが、IOT用として、このような軽量なHTTPサーバーが、とても重宝します。


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